BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は悪辣アイアンズ再び。楽しんでいただけたら幸いです。
クイーンとエヴリンの暴走を何とか止めて、ブギーマンの亡骸からカードキーを手に入れ、レオンたちの元に向かったクイーン(と私には見えないけどエヴリンも)を見送った私は、署長室でオメガちゃんとヘカトちゃんの治療をしていた。
「オメガちゃん、ヘカトちゃん、大丈夫…?」
「なんとか……」
「ああ、痛いわ……こんなに痛いのは何時ぶりかしら……?」
「ええ……」
ヘカトちゃんにドン引きしつつ、オメガちゃんとヘカトちゃんに近くを探って見つけたグリーンハーブを与えていると、ジリリリン!と電話が鳴り響く。こんな時に、電話…?訝しみながらもオメガちゃんとヘカトちゃんと顔を見合わせ、電話に出る。
「はい、もしもし…?」
《「ごきげんよう。クイーン…が出ると思ったがたしか、クレアだったか。クリスの妹の」》
「アイアンズ……!」
電話の向こうから聞こえた声に憎悪を向ける。ブライアン・アイアンズ。あいつだ。辺りを見渡し、壁の隅に監視カメラがあるのを見つけた。あれで私達を見張っていたのか…!カメラに向けて中指を立ててやる。
「シェリーは無事なんでしょうね!?指の一本でも手を出していたら赦さないわよ!絶対に!」
《「安心したまえ。私にとっても大事な取引材料だ、丁重に扱っているとも。さて、ブギーマン・バグベアを殺したようだな。まずは褒めてやろう殺人鬼ども。罪もない子供を殺した気分はどうかね?私としては君たちを捕まえる大義名分ができて気分がいいがね」》
「…あれが、罪もない子供ですって…?」
《「言わなかったかね?彼らは私の孤児院で育った子供たちだ。少々うるさかったのでね、薬で黙らせて引き取ってもらったら忠実な用心棒として帰ってきた。素晴らしい誤算だと思わないかね?」》
あの時は頭に血が上ってたから覚えてなかったけど、そんなことを言ってたかもしれない。でもそれが本当なら、此奴は絶対に許してはならない。
「…本当にクズね」
《「黙れ!私は優秀なんだ。優秀な人間は何をしてもいいんだよ!…さて本題だ。取り引きをしようじゃないか」》
激高したかと思えば落ち着いてそう言ってくるアイアンズ。取り引き…?
《「私としては欲しいのはRT-ウイルスだ。シェリーはそれと交換するための材料でね。RT-ウイルスを手に入れてくれればシェリーを開放しよう。どうだ、悪くない条件だろう?」》
「RT-ウイルス……?それはどこにあるの……?」
《「お前の目は節穴か?そこにいるだろう、RT-ウイルスの被験者共が」》
振り向く。そこにはアイアンズの憎悪の感情を向けているオメガちゃんとヘカトちゃんがいて。
《「あの時は気づかなかったがな。このカメラを通して見ていたぞ、驚異的な再生能力。RT-ウイルスの特徴と合致する。その二人、もしくは片方でもいい。引き渡せ。そいつらから血を手に入れれば、ウィリアム・バーキンとの取り引きなどもう必要ない!そうだろう?」》
「………」
考える。アイアンズの口ぶりからして、ブギーマンはまだまだいると見ていい。あの強さがまだまだいるなんて悪夢でしかない。そして、あちらにシェリーがいる以上、断ればどうなるかは考えなくてもわかる。それだけはダメだ。どうするかはクイーンたちと話すとして、今は……。
「…わかったわ。どこにいけばいいの?」
《「素晴らしい。警察署裏手の孤児院だ。そのカードキーがあればすぐにでも来れるだろう。待っているぞ」》
そう言って電話は切れた。私は力いっぱい受話器を電話に叩きつけて、カメラに向けて睨みつける。ブライアン・アイアンズ……絶対にお前を許さない!
『いやあ、しかし立て続けにぼっこぼこにされたねえ』
「ブギーマンとやらはお前が弱すぎたからだけどな。なんで私の身体を使ってあの程度にボコボコにされるんだ」
『それを言われちゃぐうの音も出ねえ』
いや、まあスペックに任せたごり押しは得意なんだけどねえ。菌根世界でも大暴れしたし。ただ私にはイーサンやクイーンみたいな戦闘センスが足りないのだ。モールデッド・ギガントの初変身の時とか素人の喧嘩みたいになったし。テクニックが必要なクイーンの肉体は荷が重かったね、うん。というか全身のヒルに意識を巡らせるのが必要なのは無理だって。
『そもそもクイーンが迂闊にスタングレネードを受けたから私が代わりに戦ったんだけど?』
「あれは避けようがなかっただろうが。まあまた私に何かあったら頼むよ、相棒」
『またあったら困るんだけど……』
「クイーン、大丈夫!?」
軽口を叩きながらもズタボロで満身創痍のクイーンのもとに駆け付けたのは、回復したらしいオメガちゃんと片腕のヘカトちゃんを連れたクレア。ヘカトちゃんの方はまだ回復しきれてないらしい。まあ片腕一本分だしねえ。
「なんとかな。そっちこそ、ヘカトは大丈夫なのか?」
「痛すぎるけど、よく考えてみたらこれも愛かなって」
「なんかヘカトちゃん、あまりに痛すぎて頭が変になってるみたいだからそっとしてあげて…」
「お、おう…」
ごめんクレア。ヘカトちゃんのそれ通常運転です。ドMでも痛いってよっぽどひどい重傷なんだなあ(小並感)。イーサンも足がもげても手首斬れてもすぐに平常運転になったしなあ。普通なのかな(感覚麻痺)。
「ねえ、話があるんだけど……」
「それより今はレオンたちだ。嫌な予感がする、急ぐぞ。話は途中で聞く。エヴリン、案内してくれ」
『え、あ、うん。こっち!』
クイーンに言われて我に返り、留置場へ案内する。入り口は案内したし先に行って様子を確認……ってやばいこれ!忘れてた!
「うっぐ……離れろ、レオン…プサイ!」
「そうはいかないでござる!エヴリン殿から任されている故、マービン殿を見捨てる選択肢はないでござる!」
「そうだ、エヴリンが何とかすると言っていただろう!耐えろマービン!」
壁を抜けると、左目の瞳孔が灰色に染まりかけて苦しそうにしているマービンを、プサイとレオンが羽交い絞めにしている光景があった。慌てて全速力で突撃すると、プサイが気付いて押さえてないほうの片手を振った。
「あっ、エヴリン殿!こちらでござる!」
「なんだ……空飛ぶ女の子…?グッ、グオオオッ……!」
『私が見えてるのはやばいね!末期症状!……自分で言ってて悲しくなってきたあ!』
「言ってる場合じゃないでござるよ!?」
プサイちゃんにツッコまれながらもう意識が消えかかっているマービンに飛び込む。T-ウイルスの元となった始祖ウイルスはクイーンから生まれたもの。で、馬鹿のマーカスが菌根を餌にしてそれをクイーンが食べたせいでそのクイーンから生まれたT-ウイルスには微粒子レベルでも菌根が混ざっている。つまり感染者は菌根ネットワークで繋がっているのだ。自我が消えてゾンビになった人たちは手遅れだけど、なりかけならば…!
『無理矢理自我を引きずり出すぐらいはできる!』
要はヘカトちゃんの時と同じだ。菌根世界にアクセスして、引っ張りだす。よし、よし。掴めた。一度体験した感覚は忘れない。
「戻ってこい、マービン!」
そんなレオンの言葉と共に、マービンから飛び出る。だいぶ疲弊したけど、上手くいったはず……目を閉じていたマービンの目が、ゆっくりと開かれる。
「……俺は、どうなった?」
開かれた眼には生気が宿っていて。私とレオンとプサイちゃんはひと息吐く。よ、よかったあ……
『……んん?』
なんかマービンの肌がちょっと荒れてるような………気のせいか。まあいいや。
悲報:ブギーマン、まだまだいる。朗報:マービン、峠を越える。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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