BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
アイアンズに捕らえられ、孤児院に監禁された私ことシェリー・バーキンは、子供の頃からクイーンとアリサに育てられただけの普通の少女だ。両親はなにかの研究をしていて、愛してくれているのは分かっているけど一緒に過ごした記憶がほとんどない。私にとってはクイーンとアリサの方が親、もしくは姉妹と呼んで差し支えない存在だった。
クイーンたちを待てなかった私は、孤児院からの脱出を試みたもののあと少しというところでブギーマンと呼ばれていた大男に捕らえられてしまいアイアンズに眠らされ、目を覚ますとどこかの家の中だった。視線の先には、白衣姿の金髪の男と黒衣の金髪の女がなにやらパソコンを見ていた。私が起きたことには気づいていないようだ。
「フフフッ、面白いことになったな。見てみろあの肉達磨の無様な姿!質量保存の法則を完全に無視している!素晴らしいぞアルバート!」
「下水道での実験でRT-ウイルスの特性には気づいていたからな。ごみを始末するにはちょうどいい」
「(パパ…?)」
思わず開きかけた口を押える。男の方は私のパパだ。なら女の方はママ、なのが普通だがそうじゃなかった。サングラスをかけ長い金髪をオールバックにした女性だ。そこで思い出す、ママは怪物になったのだと。ママは怪物になったのに、パパはまるでそのことを悲しむそぶりを見せず、モニターの映像を見て
「しかしアイアンズも私の何よりも大事なシェリーの取引にあんな不安定なウイルスを要求するなどバカな男だ。おかげで最愛の娘を取り返せたがね。奴の顛末を見届けたらさっさとおさらばするぞ」
「お前の妻はいいのか?せっかくG-ウイルスを投与したじゃないか」
「行方不明になった奴なんかどうでもいいさ。何ならシェリーを狙っているから完全に失敗だった。どこかで死んでくれてるといいが」
「シェリーを連れてこの街を去るなら奴の存在がネックだな。どこかで始末しないと永遠に追ってくるぞ」
「その時は任せたぞ。検査の結果、お前はこの世の最強生物に等しい。あいつに勝てるとしたらお前だけだ」
「ふっ、任せてもらおう。我が野望の糧としてくれる」
駄目だ。パパは、怪物だ。自分の妻すら、私の母親のことすら人間を人間と思ってない、怪物だ。私のことをどれだけ愛してくれていても、この人は……私の父親とはもう、思えない。
「(逃げよう。クイーンたちに合流するんだ…)」
隙を見て、寝かされていたソファから立ち上がりそっと扉を開けて廊下に出て、駆け出す。私の、本当の家族のもとを目指して。
後頭部を掴み、膝蹴りに叩きつけて頭部を粉砕する。腕を斧に変えて突進しすれ違いざまにバッタバッタと縦に、横に、斜めに一刀両断していく。首を掴み、脊髄を引っこ抜いて蛇腹剣の如く振るって引き裂く。振るった瞬間に長く伸ばした足を刃に変えてまとめて腹部を両断する。両手にブギーマンの頭を掴み、跳躍して着地と同時に他のブギーマンに頭から叩きつけていく。胸を掴み開くようにして割けるチーズの如く引き裂いて投げ捨てる。
「『アハハハハハッ!!悲しくなるな!どうしたってこれが隠しきれない本性だ!』」
血の雨が降り注ぎ、それを一身に受けて舌なめずりする。笑いが止まらない。笑わないとやってられない。ちょっと遊んだだけでこれだ。菌根で共有した記憶に残る、
「『逃げまどえ!私は罪もないお前たちを気儘に滅ぼす悪い女王様だ!フハハハハハッ!!』」
そう嗤い、逃げようとする残るブギーマンを駆逐しようとした。その時だった。時間にしてクレアたちが孤児院に入って行って程なくして。クレアたちが慌てた様子で出てきて、私達の姿を見てギョッとする。しかし気にしてられないとばかりに、私達の横を通り抜けて孤児院の敷地の外に出ようとする。そこに、シェリーの姿はなかった。
「『おい、シェリーは……』」
「クイーンも早く逃げて!」
「飲み込まれるぞ!」
「『ああ?』」
クレアとレオンの警告の声に、振り向く。そこには膨張して隙間や窓に扉から赤黒いぶよぶよしたものが溢れ出していく孤児院だったものがあって。黒い触手……菌根が伸びて生きているブギーマンやブギーマンの残骸を縛り上げ、引きずり込んで取り込んでいく。私にも伸びてきたが、鋭く伸ばした指で引き裂いて迎撃する。瞬間、菌根を通じて流れ込んでくる吐き気を起こさせる記憶。
「『今のクソみたいな記憶は……アイアンズか。どうした?随分大きくなったものだなあ?』」
「クイィイイイイイインンンッ!!!」
老若男女の何人かの声が重なったかのような耳障りな声で私を呼びながら、肉塊に浮かび上がった複数の目が私たちを睨む。孤児院そのものと一体化した、無秩序にブギーマンの物であろう手やら眼やら口やらが存在している、ブヨブヨの贅肉の巨人がそこにいた。端的に言ってかなり気持ち悪い。
「お前がああああ、お前が私のものにならないからぁああああっ!!私は満足できなくて、こんなことにぃいいいいっ!!」
「『知るか。お前の自業自得だろう。クソデブクズヒゲ悪趣味肉塊狸』」
「こうなればあああああああっ!お前も私のものにしてやるぁあああああっ!!」
ブシュッ!ブシュッ!と血を吹き出しながら、菌根と肉の入り混じった巨大な触手を幾本も伸ばしてくるアイアンズ。
「『身の程知らずの雑魚がっ!! 雑魚は雑魚らしく、捻り潰してやるよっ!!』」
「私と一つになれえええええ!!クイィイイイイイインンンッ!!!」
触手が私達に殺到するが、正面からぶつかり切り刻んで対抗する。とんでもない質量だが今の私達には関係ない。切り裂かれた触手の欠片欠片をブギーマンに変形させて一斉に襲い掛からせてくるアイアンズだったが、逆に首根っこを掴んでぶん投げて攻撃。
「『落とし物だぞ、返却してやる』」
「ギャアァアアアアアッ!!??」
ミサイルの如く突き進んでいったブギーマンは、アイアンズへの恨みを晴らすかの如く次々と激突して肉を破裂させていく。そして両足を飛蝗とチーターのいいところを混ぜたような形状に変えるとグググッとバネの様に縮ませ、射出。音を突き破り、音速で突撃しながら両腕を振り回してアイアンズの触手を血肉の雨に変えていく。
「『恐怖しろ、そして慄け…!一切の情け容赦無く!
「や、やめろお……来るなぁあああ……!?」
高笑いを上げながらズタズタに引き裂きつつ全身を駆け回っていくと望み通りの恐れ慄いた声を上げるアイアンズ。こんなざまになっても死にたくないらしい。ここまで生き汚いともはや笑えてくる。皮膚を蹴り破りながら天高く跳躍。月光を背にしながらゴキゴキと背中を蠢かせて二対目の両腕を生やしながらくるりと反転、急降下する。
「『ひとつだけ感謝するよ!お前だけは、なんの後顧の憂いなく!気持ちよく殺せる!ヒャアハハハハハハハ!!!』」
「しにたくなあぁああああああっ!?」
そして四本腕すべての指を突き刺してブチブチブチ!と筋繊維を引き裂きながら着地。全身を切り刻まれたアイアンズは断末魔を上げて、物言わぬ肉塊と化したのだった。
「『
途中某邪悪の王になったのはエヴリンのせい。
見せ場なんてやるわけがなかった。再生能力が高いだけで別に死なないわけじゃないのよね。自殺はできないのでやけになった結果、クイーンが欲しかったと吐露して取り込もうとする辺り最期まで気持ち悪い男。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きなオリジナルB.O.W.は?
-
アサルト・モールデッド
-
マザータイラント
-
ゼウ・ヌーグル
-
クイーン・サマーズ
-
アリサ・オータムス
-
センチュリオン・ヘカトンケイル(大人)
-
ハンターΩ
-
セルケト/プロトネメシス
-
マスターリーチ/リーチタイラント
-
サーベラス
-
エリミネート・スクナ
-
センチュリオン・ヘカトンケイル(子供)
-
ハンターΨ
-
ヨーン・エキドナ
-
ネプチューン・グラトニー
-
ドライアド42
-
ワスプ・キャリアー
-
ギルタブリル/セルケトⅡ
-
イブリース/T-EX01/魔王イブリース
-
モリグナ