BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
アリゲーター・ステュクスの独白から始まります。楽しんでいただけたら幸いです。
かつて俺は、人間のペットだった。俺の飼い主は軽薄な男だった。拍を付けようと幼少期の俺を買い取り、俺の存在を誇示して優越感に浸るクズだった。そのくせして餌もろくに与えられず、しまいには邪魔だとして下水道に捨てられた。死ぬかと思った。汚水に浸かり、廃棄物を喰らって腹を下し、それでも空腹を紛らわせるために目につくものは片っ端から喰らった。そうしているうちに、俺は捕縛された。
自らをサミュエル・アイザックスと名乗った男は「このような悪環境で生き抜くなど、神の慈悲に等しい!」「お前は女神に選ばれた!」「お前は女神の御子となるのだ!」とか訳の分からないことを言いながら、拘束した俺の口内に注射をしてきて、そのまま飼われるのかと思いきや、再度下水道に捨てられてしまった。
耐えがたい空腹のままに目につく者すべてを喰らい尽くした。食べれば食べるほど、食欲が支配する。食べれば食べるほど、この身は脱皮を繰り返し大きくなる。食べれば食べるほど、生命力が溢れ出す。餌はいくらでもあった。アイザックスのいた研究所から流れ出した化学廃棄物や汚染物質、捨てられた生ける屍、巨大化したネズミ、ゴキブリ、たまにやってくる生きた人間etc……あの飼い主だった男に飼われていたときよりも充実していたある日、違和感を感じた。
身体の中に、なにかがいる。四肢を持ち、丸い頭を持ち、尻尾が生えた何かが身体を重なるようにして存在している。吐き出そうにもまるで体の一部かの様に引っ付いて吐き出せず、しかし違和感がぬぐえない。するとまたアイザックスに捕らえられ、なにやら機械で調べられた。なんでも「ヨーン・エキドナと同じ変異を確認した」とかなんとか。そのままアリゲーター・ステュクスと名付けられ、また下水道に返された。なんなんだ。
次の脱皮で、完全な異変が起きた。また大きくなると思っていたが違った。むしろ縮んでしまった。体内に感じていた違和感は、次の俺自身だった。尻尾の大きさはそのまま体躯は一回り縮んで、指も鱗と鋭い爪はそのまま長く伸びて物を持てるようになり肘から上の鱗が消えて柔らかな皮膚が丸出しに、足も長く足先以外皮膚が柔らかになり、骨格まで変わって身長のせいもあって屈まないといけないが立つしかなくなった。全身を見渡せば屈強な鎧に覆われた巨体は失われ、脱皮しきれなかった鱗が所々にくっついた華奢な肉体になっていて、まるで人間の様で。まさかと思い、ひび割れた鏡を見やれば、黒緑の長髪と縦に細長い瞳孔の赤い瞳と鋭い牙が生え揃った口を持つ、何よりも大嫌いな人間の姿がそこにあった。
「そんな、嘘だ…!?ウォオオオオオオオオオアアアアアアアアアッ!?」
人の声を紡ぐ己が口に、咆哮を上げる。俺は人間が嫌いだ。捨てては拾い、捨てては拾い、淡い希望を抱かせて勝手な都合で俺を捨てた人間が大嫌いだ。思わず、鋭い爪で我が身を引き裂く。しかしすぐ傷が塞がってしまう。傷つけることも叶わないだと……?
「赦さん、許さん、ゆるさんぞぉおおおっ!サミュエル・アイザックスゥウウウウッ!人間なんか大嫌いだぁああアアアアッ!」
そう吠えても、奴がどこにいるかわからない。人間もこんなところめったに来ない。溢れる怒りをぶつける矛先もなく、ひたすらやけ食いしていたそんなときに、奴らは現れた。
「人間はぶち殺す……!俺をこんな姿にしやがったアイツも殺す…!」
人間だ。それもたくさん。なんか腕がおかしいやつとかいるけど関係ない。人は殺す、殺し尽くす。
「なんだこいつは…!?」
「俺を見たな?殺すッ!」
今の姿を見られることすら耐え難い屈辱だ。許さん、人間ども許さんぞぉおおおおっ!
なんかオメガちゃん(フォルム)とヘカトちゃん(でかさ)とヨーン・エキドナ(鱗と尻尾)とネプチューン・グラトニー(牙)を合体させたようなくそでかオメガちゃんとも言うべき女が出てきた件について。しかも殺意マシマシ。大将!こんなフルコース頼んでませんが!?(錯乱)
「ちい!」
壁を引き裂き崩しながらの爪の斬撃を、糸を飛ばしてくそでか女の肩の横をすり抜けて回避するクイーンだったがしかし、尻尾が叩きつけられてビターンと壁に激突する。
「クイーン!?」
「なにかしたかあ!」
ぐったりするクイーンの首根っこを掴んで持ち上げ、鋭く細かい牙の生え揃った口に入れようとするくそでか女の背中に、グレネードランチャーが炸裂。炎上するがくそでか女はクイーンを手放して振り返り睨みつけ、怒ったのか大口を開けて、四つん這いで地面を引き裂きながら突進。慌てて回避したクレアのいた向こうの壁に噛みついてパイプに牙が食い込みつっかえる。やったぜ。
『さすがクレア!』
「今だ!」
そこにレオンの号令でレオンのショットガン、クレアのグレネードランチャーの榴弾、オメガちゃんとプサイちゃんの飛び掛かり斬撃、ヘカトちゃんのムカデ腕突撃が連続で背中に炸裂。しかしくそでか女は背中を覆う刺々した鱗で弾き飛ばして怯みもせず、両手で壁を引き裂いて掴むと、ぐるりと体ごと回転。なんとパイプを捩じって引きちぎると、爪でバラバラに引き裂いて縮めると噛み砕いてしまう。今のデスロールでわかった。この子、ワニだ。ジャックと最後に戦った時以来だな!
「小癪な真似を…!」
「全員、逃げろ!」
そこで一瞬の気絶から目を覚ましたクイーンが声を張り上げる。瞬間、オメガちゃんはレオンを、プサイちゃんはクレアを抱えて下水道の水路を別の方向に駆け抜けていき、ヘカトちゃんが右腕を伸ばして逃げようとするが長い尻尾がヘカトちゃんの足に巻き付き、ワニ女はヘカトちゃんを無理矢理引き戻すと大きく腕を振るい、斬撃を叩き込んだ。
「しまっ……!?」
「人間、八つ裂きだ…!」
「エヴリン、ヘカトを!」
『わかってる!』
ヘカトちゃんの身体が六等分にバラバラに切り裂かれ、血を流しながら転がっていくのに私は飛んで追いつき、なんとか頭と首下の胴体だけは菌根で繋ぎ合わせ、クイーンはその上を糸を飛ばして飛んで飛び蹴り。糸の反発を利用した音速の飛び蹴りだ。衝撃は計り知れない。
「無駄、だあ!」
「なんだと!?」
それを頭部で受け止めたワニ女はグググッと押されながらも力づくで跳ね飛ばし、天井に叩きつけられたクイーンが落ちてきたところに噛みつき攻撃。右腕を噛みつかれたクイーンは引き抜こうとするが、それより先にデスロール。クイーンは回転して振り回され、遠心力で肘から先の腕をねじ切られて、右腕がちぎれたクイーンは水切りの様に下水道の水面を跳ねていき、複数の下水道が集まる広々とした空間で壁に背中から激突する。
「ぐっ、ああああ……」
「覚悟しろ!にんげ……ん?」
ワニ女は噛みちぎったクイーンの右腕を咀嚼しながら、その壁を掴んで引き裂き巨体が通れる道を作りながら追撃しようとするが、血が流れないどころかヒルが蠢いているクイーンの傷口を見て首を傾げる。人間だと思ってたら明らかにそうじゃないから疑問が浮かんでるんだろうか。今のうちにヘカトちゃんを治さなきゃ……。
「生憎だったな……私は人間じゃないぞ」
首を傾げているワニ女の足元に糸を飛ばして懐に潜り込み、片手で逆立ちして上段蹴りを顎に叩き込むクイーン。さらにヒルを右肘に集めて右腕をちょっと細身ながらも生やして再生、ひっくり返ったワニ女の尻尾をクイーンは両手で掴んでグルグルと振りまわし、投げ飛ばして壁に頭から叩きつける。
「俺を害するなら、人間じゃなくてもお前も敵だ…!」
「…超再生に頑強な肉体……とんでもなくタフなだなお前」
『クイーンにだけは言われたくないと思う』
とりあえずヘカトちゃんは繋いだけど…ショックで気絶してるな。レオンとクレアは一撃で殺されるだろうからオメガちゃんプサイちゃんともども退避させたし……どうしようねこれ。多分イブリースとかにも勝てないとは思うけど、モールデッド・クイーンでも勝てる気がしないと思う奴は初めてだ。
そりゃ人間恨むし自分の姿に嫌悪を抱くよねって。T-ウイルスとかで汚染されたものばかり食べてたから手に入れた驚異的な再生能力+強固な皮膚のタフさ、尻尾と爪、デスロールによる攻撃力を有するアリゲーター・ステュクス。これまでのリサシリーズのてんこ盛りみたいな存在です。
再生力が高いばかりに高確率で被害者になるヘカトちゃん。さすがにエヴリンがカバーしないといけないレベルの重傷。ヘカトちゃん、プロトタイラントRにやられたりしてるけど防御力自体はトップクラスに高いので相手が悪すぎるだけなんですよね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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