BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はVS下水道に潜んでいた襲撃者。楽しんでいただけたら幸いです。
~とある研究員の日記~
洋館事件以降、俺はこの仕事を任されているが正直気乗りがしない。あいつらはお喋りで、餌を持っていく際に人間には理解できないことをペラペラ喋り、不機嫌になれば暴れだして手が付けられないからおべっかでなんとか話を合わせるしかなかった。何よりも、その餌とは生きた豚や牛を丸々だ。こんなものを定期的に受け取っていればここの存在がばれるかもしれないというのに、上の……特にウィリアム・バーキンとその右腕であるサミュエル・アイザックスはこの二匹にひどくご執心だ。片方のために温室を改装してジャングルの様にし、もう片方のためには水槽の部屋を新しく作るぐらいだ。
たしかに貴重なRT-ウイルスの被験体というのはわかるし、あの洋館事件の後に起こった洋館の爆発から生き延びた二体を手放したくないのは分かる。だが俺にはわかる。奴らは危険だ。共に豚や牛丸々一頭を平らげてもなお空腹を訴える底なしの食欲。人間に育ててもらいながら人間を餌としか見ていない精神性。洋館の爆発で半身が焼け落ちていたにも関わらず回収されて一週間程度で回復した再生力。電流でロックしてないとすぐにでも脱出してNESTの人間を喰い尽くすだろうことは明白だ。
俺は今日も怯えながら餌を届け、彼女たちの話に頷く日々を送る。願わくば明日もこの日記を書けてますように……
1998年9月 リック・メンドーサ
かくかくしかじか。クイーンにことを掻い摘んで話す。ゼウのことはめんどくさいから話さないで置いた。私が閃いたってことにするのだ。わっはっは、私を崇め奉れ!
「マザーすごいやったー!」
「さっきまでと同じやつとは思えんな……それで、こいつがリヒトって名前でお前が親代わりになってもう襲ってこないのは分かったが、こんなでかいやつをどうするんだ?」
『だから、擬態でなんとかしようかなって』
「なんだそんなことでいいのか。早くやれ」
『あるぇー?』
なんで私が言うと「はいはい」みたいな扱いになるのか。解せぬ。しかしどんな見た目にしようかな。私の勝利のイマジネーションがひらめキーング!してくれることを祈ろう。そう思い、あぐらをかいて腕組みしながら逆さまになるいつものポーズで考えようとした、その時だった。
「……ん?」
下水道の水面に縦に浮かんだポリ袋が、スイスイーと滑らかに動いてこちらに向かってくるのが見えて、変な水流だなあと無視しようとして、いやいやさすがに速すぎない?と考え直して二度見。凄まじい速度でポリ袋が、いやポリ袋が引っかかったなにかが迫ってくることに気付く。
「わくわくっ」
「わくわくを言葉にする奴はさすがに初めて見たな……」
その先には、期待した目でこちらを見つめていてまるで気付いていないリヒトと、その様子に呆れているクイーンが背を向けていて。ポリ袋は間近まで迫ると空中に飛び出し、ポリ袋……を背鰭に引っ掛けていた鮫の半魚人みたいな少女が空中に飛び出して大口を開けていた。
アリサと酷似した半裸の少女だがしかし、異様に青白い肌、青っぽい銀髪のショートヘアー、臀部から生えたイルカの尾ひれの様な太い尻尾、両手と脚の指の間に生えた水かき、背中から突き出た背鰭、首筋に付いた鰓、口からは鋭く生え揃った牙。それは一度、見たことがあった。クイーンたちが洗脳されたイブリースとの決戦、で乱入してきて私とリサが倒した異形二体の片割れ、ネプチューン・グラトニー……!?
「隙ありなのだ!」
「リヒト!クイーン!後ろ!」
「え……?」
「見えている、よ!」
「a。ぶべえ!?」
しかし心配はいらなかった。全身ヒルであり、すなわち全身に目を持っているクイーンが裏拳を顎に炸裂させて殴り飛ばしたのだ。ひっくり返って水中に落ちるネプチューン・グラトニー。しかし油断したクイーンの足に巻き付き、下水の中に引きずり込む長い尻尾があった。今のは……!?
「しまっ……ゴボボボッ!?」
『クイーン!?リヒト、助けてあげて!』
「わかった!マザー……!?」
「あら、すごく大きいのね。食べ応えがありそうだわ、ごちそうね……!」
水中から現れリヒトの全身に巻き付いて拘束した、少なくとも8メートルはある斑模様の長い蛇の上半身に生えていたのは、鱗に覆われた人の上半身。斑模様の髪の毛と蛇の瞳と牙を持つ、やはりというかアリサとよく似た顔の女だった。たしか、リサにボコボコにされてたヨーン・エキドナ……!
「グラちゃーん!このデカブツは私がもらうわよ!腹ペコなんだから!」
「待つのだエキドナ!そいつは私が先に見つけたのだ!横取りは許さないのだ!」
「俺と、そっくり……!?」
締め上げられながら驚くリヒトに巻き付くヨーン・エキドナと、起き上がったネプチューン・グラトニーが喧嘩する。どっちがリヒトを食べるかで争っている……?そのまま喧嘩して相打ちになってくれないかなあ。駄目か。
「私の子供に手を出すな!スゥウウ……ワアアアアアッ!!』
「キャアアアアアッ!?」
とりあえずリヒトを捕らえているヨーン・エキドナの顔に突撃。虎の子である超至近距離鼓膜絶叫を発動し、全身を振るわせたヨーン・エキドナがずるりと巻き付いていた巨体を外して下水に落下する。
「あうあうああああ……」
『あ、ごめんリヒト。……そっか、私が見える人みんなに特攻なのか……本当にごめんねー!?』
「だいじょーぶなのだ?エキドナ」
「キーンってした、キーンって!なんてことしてくれるのよ、喰い甲斐のなさそうなクソガキ!」
ヨーン・エキドナがブチギレながら腹筋の様に水中から起き上がる。便利だな。そこにさらにパンチが炸裂、ヨーン・エキドナが尻尾で螺旋を描きながら殴り飛ばされる。復活したクイーンだった。
「無視されるのは気に喰わないな…!」
「おっ、来るのだ?来るのだ?」
そのまま跳躍してネプチューン・グラトニーに殴り掛かるクイーンだったが、ネプチューン・グラトニーがにまっと笑って噛み締めた牙に難なく受け止められる。さらにリヒトが尻尾を叩きつけるも、吹き飛ばされこそしたが折れてもいない。なんて頑強な牙だ、ビクともしてない。
「すごいパワーだけど……私の牙の方が強いのだ」
「なら引き裂いてやる!」
四つん這いで突進し、ネプチューン・グラトニー目掛けて大きく腕を振るうリヒト。しかしそれは、天井から伸びてきた尻尾に巻き疲れて受け止められる。見上げれば、両腕で天井に指を喰いこませたヨーン・エキドナが這ってきていた。
「あなたの相手は私よ!デカブツさん!」
「っ!」
そのまま腕を引っ張り上げられ、拳を頬に食らって殴り飛ばされるリヒト。ヨーン・エキドナ。なんてパワーだ。蛇は全身の筋肉で素早く動くっていうから当然か。そのままリヒトに巻き付いて何度も何度も殴りつけるヨーン・エキドナにリヒトは防戦一方だ。なんとかしたいけど、あんなに密着してたら超至近距離鼓膜絶叫はリヒトももろに受けそうだし……クイーンなら!
「お前から噛み砕いてやるのだ!」
「っ…!?」
振り替えると、ネプチューン・グラトニーの大口を開いての噛みつきを、粘液硬化した腕で受け止めるが噛み砕かれて苦い顔を浮かべるクイーンがそこにいた。だめだ、ヨーン・エキドナはリヒトの、ネプチューン・グラトニーはクイーンの、それぞれの天敵だ。相性が悪すぎる。なにかないか、なにかないかなにかないか…… パニックになった某青狸の如く過去の記憶を片っ端から引っ張り出す。
『そうだ、だいぶ前に流行ってたやつだけど…今ならできるかも!』
30年ぐらい前(逆算してローズの冒険の16年ぐらい前?)だったかな、イーサンが見てた日本のアニメでめちゃくちゃ流行ってたやつがあった。かっこよくて、ごっこ遊びした記憶がある。そして思い出すのはついさっきの出来事、リヒトにやったある行動。
『こうなったらたった今思いついた奥の手も奥の手だ!耐えてよクイーン、リヒト!』
右手で仏教の守護神である帝釈天の印を結び、前髪を左手でかき上げる。意識を集中し、菌根世界と繋げる。行くぞ!
『偽・領域展開!なんちゃってむりょーくーしょ!』
というわけで再登場、ネプチューン・グラトニーとヨーン・エキドナ!爆発に飲み込まれたとは言ったけど死んだとは一言も言ってないのだ。
アンブレラに回収されてNESTで飼われていたけど、電源が落ちて電流檻が解けたのでダクトに潜り込んだり排水溝を噛み砕いて下水道に脱出してました。
そしてエヴリンの新技発動、なんちゃってむりょーくーしょ。その全貌は次回にて。あのアニメももう佳境ですねえ。悪魔の声のキャラの大暴れ大好きです。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きなオリジナルB.O.W.は?
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アサルト・モールデッド
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マザータイラント
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ゼウ・ヌーグル
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クイーン・サマーズ
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アリサ・オータムス
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センチュリオン・ヘカトンケイル(大人)
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ハンターΩ
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セルケト/プロトネメシス
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マスターリーチ/リーチタイラント
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サーベラス
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エリミネート・スクナ
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センチュリオン・ヘカトンケイル(子供)
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ハンターΨ
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ヨーン・エキドナ
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ネプチューン・グラトニー
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ドライアド42
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ワスプ・キャリアー
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ギルタブリル/セルケトⅡ
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イブリース/T-EX01/魔王イブリース
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モリグナ