BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
菌根世界の設定、ローズ編で完全に確立したんですが本当に使い勝手が良くて重宝してます。今回はエヴリン本領発揮。楽しんでいただけたら幸いです。
ゼウが自慢げに話していたのを思い出す。菌根が欠片でもあれば、菌根にゆかりのあるものの精神を引きずり込むことができると。そうやって菌根の中に記憶を取り込み続けてきた。四貴族やミランダ、ローズやイーサン、私達もそうやって取り込んだ。干渉した精神に影響を与える。これは菌根の特性のようなもので、本能に近いらしい。その菌根の黒き神である自分はそれを行使できると。そう勝ち誇った瞬間ローズに消されかけてわからせられてたけど。
――――――ゼウみたいに自由自在にとはいかないけど、真似ることぐらいは!
『
「いったいなに、を……」
「これやば……a」
それを再現する。私の能力の範囲を広げて、周囲の菌根感染者の意識を菌根世界に送り込んで、一時的に肉体から意識を奪う。目論見は成功し、ヨーン・エキドナとネプチューン・グラトニーはポカーンと口を開けて呆けている。クイーンとリヒトまで送っちゃったけどまあ直ぐ帰ってくるでしょ。あとは実力勝負だ。返り討ちにされたら私にダメージ来るけどやってやるぞお!
目を覚ますと、そこはどこかの民家のエントランスで。私の全身が簡単に入るとてつもなく広い空間で、扇風機がカラカラと音を立てて回っている。横を見れば、呆けているネプチューン・グラトニーがいて、尻尾でビンタして起こす。
「起きなさい、グラちゃん」
「a。……エキドナ?何が起きたのだ?」
「私が知りたいぐらいよ。お腹が空いて苛立ってるってのに」
「ようこそ私の世界へ」
振り返る。出入り口と思われる扉の前で、片足を斜め後ろの内側に引き、もう片方の足の膝を軽く曲げ、背筋は伸ばし優雅にお辞儀している少女がいた。黒いワンピースとブーツを身に着けた、長い黒髪の不気味な子供。あいつだ。あいつがなにかしたから、私達はここにいる。
「そういや名乗ってなかったね。私はエヴリン。エヴリン・ウィンターズ。この空間の主だよ。こんにちはヨーン・エキドナ。ネプチューン・グラトニー」
「いったい、なにをしたのかしら?」
「ここは現実じゃない、菌根の世界。ここを出たければ私を殺すことだね」
「じゃあ、喜んで!」
瞬間、大地を尻尾で叩いてまっすぐ横に跳躍したグラちゃんがエヴリンに飛び掛かり大口を開けて噛みつかんとする。しかし何か見えない壁の様なものに弾かれ、吹き飛ばされてきたので慌てて尻尾で巻き付けて受け止める。
「ぐええっ!?」
「なっ…!?」
「この世界なら私も思う存分戦える!」
右手に見えない何かを集め、投げつけてくるエヴリン。それは衝撃波だった。衝撃波の玉が私達の間で爆ぜて、別々に吹き飛ばされる。下半身が尻尾だから踏ん張ることができなかった私は頭からひっくり返って机に後頭部をぶつけてしまい、なんとか立ち上がった瞬間には目の前にエヴリンが、拳を振りかざして迫っていた。
「衝撃波パンチ!」
「げはあっ!?」
頬に拳が突き刺さり、衝撃が突き抜けて殴り飛ばされ柱時計に頭から激突。クリスの拳の何倍も痛い。
「喰ってやるのだ!」
「ゼウみたいにはできないけど、ぶっ放すことは十八番だ!」
グラちゃんがやみくもに噛みつこうとしているが、衝撃波を次々と放って吹き飛ばされるを繰り返す。グラちゃん馬鹿だから噛みつくことしか知らないのかしら。あっ、またひっくり返された。…ならやり方を変えよう。
「なめるな!」
指を壁に食い込ませ、壁を這い廻る。二階の吹き抜けの渡り廊下をグルグルと廻り、エヴリンの放つ衝撃波を回避していく。そして棚を持ち上げるとぶん投げて攻撃。衝撃波で受け止めるエヴリンだが、やはり一度に一発しか放てないらしい。棚を受け止めている間は隙だらけだったので、背後を取って殴り飛ばす。腕を黒い何かで覆って受けとめるエヴリンだが子供の体躯は簡単に吹き飛んで転がっていくので追いかけて追撃。持ち上げた尻尾を勢いよく振り下ろし、床を叩き割る。
「あぶなっ……怪我したらどうする!」
「怪我の心配はしなくていいわよ。貴方は私たちの餌なんだから」
「お前!食えなくて生意気なのだ!」
するとグラちゃんがもごもごと口を動かして、ペッ!となにかを吐き出して、エヴリンの黒いものに覆われた腕に突き刺さって血飛沫が出る。見れば、それは鋭く白い牙だった。
「くーらーえー!」
そのままププププッ!と尖らせた口から抜けた牙を乱射するグラちゃん。エヴリンは衝撃波で受け止めることは無理だと悟ったのか両足を黒いもので覆うと走り出し、蠍の飾りのついた扉を蹴破って中に飛び込む。
「逃がすか!」
両腕で床を這い廻り、高速で蛇行して追いかけていく。どうやら地下に逃げたようだ。扉のノブを掴んで引っこ抜き、中に突入。黒いものに覆われた真っ暗な空間を、ピット器官を利用し奴の匂いをたどって周囲を探りながら突き進んでいく。そうして辿り着いたのは、死肉の匂いが漂う広い空間で。奴の匂いが途切れる。
「くっ……死肉の匂いで奴の匂いが……どこに……!?」
「上だよ!」
すると肉袋の上にしがみついていたエヴリンが飛び降りてきて、私の背中に飛びついて右手を押し付けてきた。体ごと壁に叩きつけ、振り下ろそうと暴れる私。しかしまるで根付いているかの様にエヴリンは離れなかった。
「はーなーれーなーさーいー!」
「だが断る!うおおおおおっ!菌根ハッキングー!」
耳から黒いものが入り込んで、脳がかき回される感覚が襲い掛かり吐き気がする。現実だったら今まで食べてきた骨を吐き出していただろうけど、精神世界だから本当に吐きそうな気分なだけだ。
「き、気持ち悪い……うぷっ」
吐き気に耐えながら暴れまわり、部屋を移って階段を這い上っていくとベッドを突き破って寝室のようなところに出て、部屋の外……エントランスホールの吹き抜け二階まで戻ってきて、そのまま力尽きる。見れば一緒にベッドにぶつかって痛がっているエヴリンが見えた。ざまあみろ……ぐう。
頭部全部黒カビで覆われ倒れたヨーン・エキドナを尻目に、エントランスホール吹き抜け二階の通路で頭を擦る。戻ってきたみたいだけど、やっぱりこの家の構造よくわからんな。ベイカー邸。
「いたたた……でもなんとか一人倒したぞ、あと一人……」
そう息込んだ次の瞬間、殺気を感じて飛び退いたと同時。吹き抜け通路が噛み砕かれて粉砕され、反対側にそれは着地する。ネプチューン・グラトニーだ。
「よくもエキドナをやったな!」
もごもごと口を動かし、ペッペッペッ!と牙を射出してくるネプチューン・グラトニー。菌根の武装じゃ貫かれることは分かっているので必死に避ける。しつこさならヨーン・エキドナだけど凶暴さは此奴が一番やばい。半狂乱状態のリヒトといい勝負だ。
「ちょっ、精神世界でも、残弾数無視はおかしくない!?」
「サメの歯は二万本生え変わるのだ!」
牙を避けて隙だらけのところに飛び込み、噛みついてくるネプチューン・グラトニーから逃れて一階に戻り、目についたのはいつぞやのイーサンが槍にしていたポールハンガー。これだ!
「いっただきまーす!」
「これでも喰らえ!」
大口を開いて頭上から飛び降りてきたネプチューン・グラトニーに、ポールハンガーをそっと置いてその場を離れる。
「a。ぐえええええええっ!?」
「衝撃波パンチ!」
喉奥までポールハンガーが引っかかったネプチューン・グラトニーはえづき、そこに腹部に衝撃波パンチを叩き込んで殴り飛ばす。
「お、まえ……現実に戻ったら、ただじゃすまさない、のだ……」
血反吐を吐きながらそう脅してくるネプチューン・グラトニーに、にんまりと笑みを返して肩を掴み、無理矢理立ち上がらせて拳を握る。
「関係ないよ。この力は本当なら使いたくなかったんだけどしょうがないよね」
―――――お前も家族だ
こうなったらなってやるよ。マザー・エヴリン!
なんちゃってむりょーくーしょ。効果:強制的に菌根世界に引きずり込んでエヴリンが戦闘能力フルに出せる状態で戦う。
今回の菌根世界は7編で荒らしまわった舞台であるベイカー邸。ポールハンガーとかももはや懐かしいね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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