BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
~とある研究員の日記~
そうだ、失敗作について記すのを忘れていた。NESTでのRT-ウイルスを用いた実験はモリグナやアリゲーター・ステュクスなど成功作ばかりではなかった。ほとんどがRT-ウイルスに適合できず、副作用である再生能力の暴走が起きて周囲の物体を取り込み続ける肉塊「アナーキア」に変異。焼却処分を繰り返した。
ネズミやモルモットなどの動物もそうだが、特に有象無象が変異したアンデッド……通称「ゾンビ」はT-ウイルスの影響が数多くあるはずだが遺伝子的に適合できずほとんどがアナーキアになる道をたどった。失敗作は二十数体にも及んでいる。その中で唯一、興味深い変異を起こしたアナーキアがいた。
ゾンビが栄養を過剰に摂取することで強力な個体「
さて脱線しすぎていた本題だが、RT-ウイルスによる再生能力の暴走で運よく周囲のゾンビを取り込んだ結果、このリッカーの様に変異した個体がいた。だが筋肉の塊ともいえるリッカーとは逆に、贅肉の塊としか呼称できない形状だ。巨大なブヨブヨのカエルの様な姿をしており、巨大な長い肉塊のような舌を伸ばして獲物を捕らえ、取り込む。リッカーの特徴であった鋭い爪は存在せず、短い手足でじたばたともがくように移動する。一応「アナーキア・リッカー」と名付けたがさすがにこれは失敗作だと断じて焼却処分したのち下水道に廃棄した。この失敗も我が「RT計画」の糧となるだろう。
巨大な女クリーチャーの襲来で、オメガに連れられ退避した俺達は、別方向に逃げたクレアとプサイ、あの場に残ったクイーンとエヴリン、ヘカトと逸れてしまった。
「クイーンとエヴリン、ヘカトは無事だろうか……」
「心配いらない。こんなこと、何度も乗り越えてきた」
「そ、そうか……」
オメガとはあんまり話して……というか姉のプサイと違ってあまり喋らないので、気まずい。クイーンたちも心配だが今はシェリーの方が心配か。
「シェリーが気になる。先にアンブレラの研究所に向かうぞ。きっとクレアたちも向かっている、クイーンたちも追いつくはずだ」
「了承。急ごう」
頷いたオメガが先行し、下水道を進んでいく。ゾンビが出た瞬間には首を断たれる光景は末恐ろしいものを感じるが、味方なのが頼もしい。だがさすがにここまで戦い続けているせいか、疲弊しているようで肩で息をしていた。
「オメガ。大丈夫か?」
「これぐらい、問題ない」
しかし気丈にふるまい、まるで弱みを見せないオメガ。このまま戦わせたらダメだと、直感が告げていた。ゴミだらけの下水に膝上まで浸かる通路を歩く。すると、結構歩いたところでなにかに気付いたのかオメガが身構える。
「構えて、レオン」
「あ、ああ。なにが…?」
「ヴァァアアッ!」
ハンドガンを構えた、次の瞬間だった。下水を泳いできたのか水面下に隠れていた何かが巨大な左腕を振り上げてオメガを掴み上げると頭から壁に叩きつけてきた。
「ぐっ…!?」
「オメガ!」
そいつは、不出来な人型を辛うじてとっている肉の塊だった。左腕も含めて左半身は異様に膨れ上がっているが右半身は異様に貧相で、エイリアンか何かだと言われた方がまだわかる。潰れている両目で俺を見ると、巨大な左腕でオメガを拘束したまま口からなにかを吐き出してきた。それは下水に入り、泳いでこちらに向かってくる。咄嗟にハンドガンを向けるが、すぐにダメだと判断。ナイフを引き抜いて水面下目がけて振るう。
「ハアッ!」
ズバズバと肉を斬る感触に手ごたえを感じ、ナイフを逆手に構えなおしてエイリアン野郎に斬りかかると、オメガを壁に叩きつけるようにして投げ捨てて左腕にナイフを突き刺して受け止められる。
「ヴァァアアアアアアッ!!」
「くうっ……」
そのまま左腕が振るわれて薙ぎ払われ、壁に背中から叩きつけられる。そのままエイリアン野郎は突進、左腕を勢いよく振り下ろそうとしてきて、俺は咄嗟に奴の腹部を蹴りつけて怯ませることに成功。立ち上がってハンドガンを構え、エイリアン野郎の頭部目掛けて乱射する。
「ヴァッ!?ヴァアッ、ヴァアアアッ!!」
弾丸を何発も頭部に受けて怯むエイリアン野郎だが、しぶとい。この感じ、怪物になったアネット・バーキンと同じ打たれ強さを感じる。奴の仲間か?こうなればとショットガンを引き抜くも、突進して左腕を押し付けてきたエイリアン野郎に拘束され、頭から壁に叩きつけられる。
「ぐうあっ…!?」
「ヴァアアアッ!」
「させ、ない!」
そこに、頭から血を流したオメガが乱入。右手の鋭い爪で左腕を真っ二つに斬り裂き、俺を救出。左手でエイリアン野郎の顔面を鷲掴みにすると引っ張って顎?に膝を叩き込み、手放して胴体を滅多切りにすると腹部を蹴りつけて吹き飛ばすオメガ。
「ぐっ……ハァ、ハァ……」
「オメガ!」
そのまま追撃しようとするが、頭部の傷が響いたのか頭を抱えて蹲ったオメガを、咄嗟に抱き留める。それ幸いと起き上がり、切り裂かれた左腕を庇いながら逃げていくエイリアン野郎。くそっ、逃がすか……!オメガを抱えたままハンドガンを構えた、その時。
「ヴァァアアアアアアッ!?」
下水道の奥からやってきた肉塊に飲み込まれ、断末魔を上げながら取り込まれてしまうエイリアン野郎。その光景は覚えがあった。アイアンズが変異した時と全く同じ光景だ。そこにいたのは、下水道を埋め尽くす巨体の四足歩行の何か。
「なんだ、こいつは……」
一番近いのは変異したアイアンズだろうか。巨大な肉塊。しかしこいつには手足が存在し、四足歩行で巨大な肉の塊である顔と一体化した胴体をせっせと動かしている。目は肥大化している肉で潰れ、胴体と一体化している口からは蟲の幼虫を思わせる肉塊の様な舌が伸びてゴミを貪っていた。
「私が相手をする……レオンは逃げろ……」
「そんな、無茶だオメガ!」
こちらに気付き、巨大な舌を伸ばしてくるクリーチャー。それはただ舌を伸ばしただけで質量攻撃であり、ゴミを取り込みながらこちらに迫るその前に、オメガが立つ。
「させるか!」
「ギャァアアアアアッ!?」
そしてオメガを取り込まんとする直前、俺の浴びせたショットガンの散弾を受けて引っ込み、悲鳴を上げるクリーチャー。ショットガンをガンショップケンドで強化しといてよかった。オメガはなんで?とでも言いたげな顔で俺を見つめてきたので、弾込めしながら答える。
「オメガ。お前は
「……レオン、いい奴。死なせない」
「ならお前も死ぬな、約束だ。一緒にシェリーを救出して、みんなでラクーンシティを出てマービンたちと再会するぞ!」
「了承…!」
ハンドガンを構えた俺とオメガ、2人で身構える。クリーチャーは四肢をじたばたさせながら突進、巨大な舌を「んべっ!」と伸ばしてきて、俺とオメガはそれぞれ反対方向に避ける。思い出すのは、エヴリンと合体したクイーンがアイアンズを引き裂いていたあの光景。俺とオメガはクリーチャーの舌越しに頷き、ナイフと爪を構えると伸び続ける舌に斬撃を刻み込みながら下水道を駆け抜ける。
「ギィイヤァアアアアッ!?」
「こいつでも喰らってろ!」
悲鳴を上げながらクリーチャーが引っ込ませた舌の傷口にピンを抜いた手榴弾を突っ込み、俺はオメガを抱えて背中を向け、爆発。クリーチャーは爆散して、肉塊が辺りに飛び散った。
「……なんとかなったな」
「……みんなが心配。急ごう」
その言葉に頷き、俺たちは再び歩を進めたのだった。
G成体、そしてアナーキア・リッカーと連戦するレオンとオメガ。レオンも守られてばかりじゃないのだ。
・アナーキア・リッカー
ゾンビにRT-ウイルス投与したら他のゾンビを取り込んでDNAを接種した結果リッカーみたいになったけど再生能力が暴走して巨大なカエルみたいな肉塊に変貌した存在。焼却されて廃棄されたがしぶとく生き残り、周囲のものを取り込んで復活した。手足が短いうえに爪もないのでリッカー得意の斬撃が出せず、触れた物体を取り込む巨大な芋虫みたいな舌を武器とする。G成体を取り込んでG-ウイルスを取り込んでたので結構やばかった。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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