BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
やあ、私の名前はサミュエル・アイザックス。今現在、とある国に向かう飛行機に乗って悠々自適に過ごしているよ。ファーストクラスはいいねえ。備え付けのテレビのニュースでラクーンシティが軍に閉鎖されたとか言っているが、恐らく私が密告したことで動いたアンブレラがやらかしてバーキン博士がT-ウイルスを漏洩させたのだろう。まあ私の知ったことじゃないがね。
「どうでもいい。早く本題に入れ」
やれやれ。冗談も通じないか。君はもう少し遊び心を知るといい。おっと、手を出すのはやめてくれ。
さて、何の話だったかな。そうだ、RT-ウイルス。始祖ウイルス、T-ウイルスの後にG-ウイルスと同時期に発見され、私の手で研究され限定的ながらも成果を残し続ける生物兵器。遺伝子配列の問題なのだと思うが適合する遺伝子のパターンがまだ判明してなくてね。これは要研究だ。
T-ウイルスと菌根とネメシスプロトタイプがリサ・トレヴァーの遺伝子と結合して偶発的に生まれたこのウイルスだが、似たような経路で発見されたウイルスがある。この、G-ウイルスだ。そう言って紫色の液体の入ったサンプルを取り出すと目に見えて狼狽え警戒する彼女に嗜虐心が募る。いやあ、いい反応だ。飽きないのはいいことだ。
「……危険ではないのか?」
空気感染するT-ウイルスと違ってRT-ウイルスとG-ウイルスは直接体内に投与しないと効果がないから心配無用だ。そんなに気になるなら飲んでみるかい?と聞いてみたら「いらん」とばっさり一刀両断された。つれないねえ。
私はもともとクローニングの研究をしていたのだが、非常に強力な非発がん性変異原、2本鎖のRNAウイルスである寄生した細胞自体を異常進化させる始祖ウイルス、またの名をクレイウイルス。そのB型株を投与しそれに見事に適合したリサ・トレヴァーの遺伝子は天賦の才としか言いようがない、神に愛された適性を持つ人類の頂点の遺伝子だった。特に「再生力」に特化しているRT-02“Blank”の右腕から採取した遺伝子は実に強力で、その血液を用いて私はRT-ウイルスを生み出した。
その効果は「融合」と「適応」。これは使い方で異なる。「融合」は外付けで使用した際に起こる効果であり、有機物と癒着し結合される。サーベラスやエリミネート・スクナはこれを用いて作成した。そして「適応」は文字通り環境への適応、特に脱皮の特性を持つ生物に投与したり、クローニングの際に用いればRT-ウイルスに刻まれた優秀な遺伝子情報を持つリサ・トレヴァーと酷似した肉体を形成するように適応、さらに適応を繰り返すことで強化されていくことが多い。ただしクローニングを用いたハンターΩなどは再生能力こそあれど適応の反応は見せない。これは遺伝子調整に失敗しているからだな。そのうちハンターΩも超えたハンターシリーズを作って見せる。
「御託はいい。G-ウイルスがどのように強力なのかを教えろ」
RT-02“Blank”の血液を大量に浴びたことで変異したセンチュリオン・ヘカトンケイルやRT-ウイルスを投与したことで生まれたヨーン・エキドナにネプチューン・グラトニーなどRT-ウイルスも使用者との相性次第では強化され続けるがあくまで「適応」無限ではなく、際限が存在する。おそらく短期間に再生を繰り返せば細胞が劣化に耐え切れず死滅するだろうな。それに対してG-ウイルスは適正次第ではあるが使用者に「無限の進化」をもたらすウイルスだ。
「無限の進化?」
そうだ、G生物試作一号【セルケトⅡ】ギルタブリルは失敗だった。バーキン博士とウェスカー氏が共同開発したセルケトを構成していたRT-ウイルスや菌根、ネメシスプロトタイプも混ざっているため相反してG-ウイルスの進化・再生の能力は得られなかったがしかし、本来ならばこのウイルスに感染した者の最大の特徴は「無限の進化」にある。これはモルモットを利用した研究結果だ。
「RT-ウイルスとは違うのか?聞く感じ同じだが」
ああ、間違えないでほしい。先ほど述べたRT-ウイルスは適応であり進化ではない。例え転生することができたとしても、G-ウイルスのそれと違ってそこまで進化はしないはずだ。例えばT-ウイルスの感染者の変異が一世代限りであるのに対し、生命がある限り外的要因に頼らずとも自発的に予測不可能な進化を無限に繰り返す事ができる。簡単に言えば致命傷を負えば負うほど再生し、新たな姿に変わるというわけだ。いわばG-ウイルスは『人間が作り出した新たな種族を生み出し得る神の力』とも言える。バーキン博士が執着するのもわかるだろう?
ちなみにバーキン博士は変異しないのをいいことにセルケトを苗床にしてG-ウイルスを熟成・繁殖させていたようだぞ。悪趣味だな。
「どの口が」
おっと。私の信仰と同じにしないでほしいな。私は神の様な才能に惚れ込んで「RT計画」を完遂させるために研究し続けているだけだよ。
「言っておくが、心底気持ち悪いぞお前」
辛辣だな。ああ、そうそう。G-ウイルスを研究するつもりなら気を付けたまえ。それは制御不可能な代物だ。先ほども述べた通り遺伝子に変化を起こして宿主に異常な変異・進化をもたらすため、一度感染した生物は自然変異を無限に繰り返し、予測不可能な変貌を果てしなく遂げていく。対抗手段がなければ無限に進化変異を繰り返す不死身の怪物となるわけだ。
「……対抗策は?」
DEVILと言う名のワクチンはあるが……これは初期感染にのみ有効だ。もし、変異を繰り返し続けた場合は………まあ、絶望的だろうね。すべての遺伝子を纏めて焼き尽くすぐらいでもしないと死なないんじゃないか?そもそもDEVILはラクーンシティのNESTにしかないから、ごらんのとおりさ。そう言ってテレビに映るラクーンシティの惨状を促す。絶望的だろうな。さて、私の授業はためになったかな?
「…仕方がない。条件は条件だ。ようこそ、アイザックス博士。貴方の研究が主人の役に立つことを祈るよ」
アイザックスをがっつり出したのは初かな?ほぼ実写キャラの名前を持つだけのオリキャラです。話してた相手もオリキャラです。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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