BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
モールデッド・ハンターVSGアネット。楽しんでいただけたら幸いです。
「『「ウオオオオオオオオッ!!」』」
漆黒の巨大なハンターの姿に変貌した私達は、両腕を掲げて咆哮を上げる。なにも思いつかなくて、咄嗟にオメガちゃんとプサイちゃんの傷を治すのも兼ねて合体してみたけど、クイーンの意思と一体化した時とよく似ている。「殺せ」「頸を断て」「殲滅しろ」という、ハンターの本能のようなものが私の制御を離れた菌根で増幅されてどす黒く私達の心を汚染する。
ああ、エヴリンやヘカト、クイーンやレオンたちとの関係が心地よくて忘れていた。私は、私達は殺戮するための兵器だった。命令に応えることこそが我が生き甲斐。「殺す」ことこそが我が本能。レオンはああ言ってくれたけど、私はどこまで行ってもこちら側だ。
肉を引き裂くのは楽しい。頸を断ち切る瞬間絶望した顔はゾクゾクする。……いやダメでござる。サムライはそんな殺戮なんてしないのでござる。武士道とは、決して己が欲に呑まれてはいけないのでござる。
ああ、なんでプサイちゃんが時代劇なんかにはまったのかわからなかったけど。姉さんのことがまるで理解できなかったけど。―――――心が、安定する。
「『「モールデッド・ハンター……いざ参る!」』」
「グオオオオオアアアアアアアッ!!」
投げ飛ばした怪物が、四本腕を構えて咆哮を上げる。私達は目にも留まらぬ速度で足場を蹴って肉薄。一瞬反応できなかったものの複数の眼をギョロギョロ動かしてこちらを捉えた怪物の薙ぎ払いを、宙返りで回避。
「『「斬り捨てソーリー!」』」
天井を伝う鉄パイプをすれ違いざまに斬撃でバラバラに斬り捨てて、落下した先端が鋭く尖った鉄パイプの雨が全身に突き刺さり血飛沫を上げ、激痛のままに振り回した四本腕を掻い潜り、肉薄してミドルキック。腹部の棘に覆われた部位を蹴り飛ばし、棘を粉砕しながら吹き飛ばして追いかける。
「グオオオオオアアアアアアアッ!!」
怪物は下水道の底の底に落下しながらも壁に腕一本の爪を突き立てて落下を抑制、追いかけて飛び降り組み付いた私達を、三本腕でタコ殴りにしてきた。タコ殴りと言うかでたらめな引き裂きだが。私達は斬り裂かれるたびに菌根を傷口に伸ばして修復しながら負けじと拳を握って頭部をひたすらぶん殴り、壁に突き立てられた爪が壁から外れて落下。
「『「三人分の戦闘経験をなめるな!でござる!!」』」
下の足場に背中から激突した怪物の胸部をドロップキックで蹴りつけて足場に押し付けた私達。そのまま胸部を踏みつけながら蹴って空中に舞い上がり、怪物の腕の一本を掴んで空中一本背負い。逆さまにしながら壁に叩きつけて、間髪入れず足場が崩れるほどに踏み込んで爪を胸部に突き立て怪物を壁に押し付けてクレーターを作り上げる。
「ガハアッ!?グオオオオアアアッ!!」
吐血する怪物だったが、負けじと私達を四本腕で鷲掴みにすると頭から足場に叩きつけ、足場を粉砕。さらに落下する私達と怪物。怪物は空中で身を捻り、四本腕の乱舞を叩き込んできて、私達も崩れ落ちていく足場の残骸を蹴って跳躍、両腕の爪を振り回して爪を斬り結ぶ。
「『「いくら斬っても無駄、でござるか……」』」
しかしいくら斬っても、いくら殴打しても、引き裂いても、引きちぎっても、即再生してしまう怪物は元気満タンで。私達は精神が汚染されるのを気力で防いでいるのもあって、疲弊してきている。こっちの菌根による再生は使えば使うほど精神の汚染が進むから何度も使えない。じり貧だ。一気に決めないと分が悪いのはこちらだ。
「『「一撃で決める、でござる!」』」
最下層に着地し、瓦礫の雨を浴びながらこちらを見あげ、全ての眼で見据えて四本腕を掲げて迎撃の体勢を取る怪物に、私達は壁に向けた右掌から菌根を触手状に伸ばして掴み、引っ張って加速。さらに左掌から菌根を触手状に伸ばし、壁にくっつけて引っ張り加速。それをひたすら、三人分の反射神経で幾度も繰り返し加速し続け、落下の速度は音速を超える。
「『「首狩り!!」』」
ハンター唯一にして、最強の技。一撃で頸を断つ斬撃。その名を告げた瞬間には、怪物の頸は抉り取られるようにすっぱりと切断され、さらにその側頭部に爪を突き立てとどめを刺す。脳さえなければ、動けはしまい。そういう考え、だったのだが……。
「『「……冗談じゃない」』」
ボコボコと胴体の切断面の肉が泡立ち、新たな頭部が生えて復活する光景に、愚痴を吐き捨てる。ならばとカエルの遺伝子を持つ脚に力を込めて、水浸しの床にクレーターができるほどの勢いで跳躍。怪物の右上腕を斬り捨てるがしかし、斬り裂いた瞬間にはボコォ!と肉の触手が伸びて腕にくっつき、再生。長くなった右上腕を振り回し、壁を抉り取るように周囲を薙ぎ払う怪物の一撃をもろに受け吹き飛ばされる私達。
「『「なんという……!」』」
ならばと床を、壁を、ひたすら蹴り続けて跳躍を繰り返す。頸を、右上腕を、左下腕を、左足を、右上腕を、左上腕を、右足を、頸を、右足を、頸を、右下腕を、胴体を、切断し続ける。しかしすぐに再生。そればかりか切断した部位から肉の触手が生えて、もはや千手観音もかくやの異形と化して私達を捕えんと伸ばしてくるそれから逃れることしかできなくなった。切断では意味がない。頭部が潰れて脳が死んでも新たに生える。まるでヒュドラの如く斬っても増えて生えてくる。どうしろと?
「『「……無敵だったドミトレスクじゃなくて、どちらかというとジャックと似たようなもんでござるな。それならそれでやりようはある」』」
「『「限界が来るまで殺し続ける!死ぬまで殺す!ただそれのみ!」』」
菌根の汚染が進むのと引き換えに、その力を開放する。太腿を中心とした両足の筋繊維ならぬ菌繊維を増量。脚力の過剰なまでの強化を行い、跳躍。壁が砕けるのも構わず、蹴った瞬間には反対の壁を蹴り、斬り裂き、壁を蹴り、斬り裂き、床を蹴り、斬り裂き、壁を蹴り、斬り裂き、壁を蹴り、斬り裂き、床を蹴り、斬り裂いていく。それはまるで吹き荒れる嵐の如く。怪物を細切れにするつもりで斬り裂き続けていく。
「グオオオオオアアアアアアア………アアアッ!?」
全身細切れにされても即再生しながらもう何本かもわからない両腕を振り回し、私達を迎撃せんとする怪物だったが、迎撃しようとする腕ごと斬り捨てて攻撃を続ける。すると明らかに再生が遅れ始めた己の肉体に首を傾げた瞬間にミンチになり、即再生した怪物は、己の命の危険を感じ取ったのか、私達に斬り捨てられることも承知の上で両腕を伸ばし、でたらめに振り回し始めた。腕の先端の爪が、私達ごと壁を引き裂いていくが、斬られた傷も菌根で無理矢理再生させて攻撃を続ける。
「『「うおおおおおおおおおおおおっ!!」』」
「グオオオオオアアアアアアアッ!!」
そして、さらに怪物をミンチにした瞬間、私達の蹴りつけと怪物の爪の斬撃に耐え切れず、壁が崩壊。地崩れを起こして怪物を押しつぶし、私達は、崩壊する瓦礫を蹴って爪を壁に突き刺し、壁を蹴って上に逃れていき、ゴミ集積所の階まで戻ってきた私達。
『わあ!?』
「がっ!?」
「ござ!?」
なんとか無事な足場に飛び乗りそのまま大の字に転がった私達は強制的に分離され、空中をグルグル回転して目を回した私と、顔を打ち付けて悶えるハンター二人。
『……さすがに菌根世界でもないしイーサンとローズでもないのに三人合体は無理があったみたい…?』
「もう、二度とやらない……」
「同感でござる……」
流石に死んだだろうけどあんな怪物の相手はもう二度とごめんだ。……アネット、土葬もしたしお願いだから安らかに眠って。
端的に言えば呪いの王の領域展開を物理てやった感じ。
・モールデッド・ハンター
見た目は巨大な漆黒のハンター。エヴリン+オメガ+プサイの合体形態。三人で合体したため出力は高いが自動的に解除されるぐらい不安定。モールデッド・クイーンの時と同じく暴走の危険性があったが、プサイの影響で精神が安定している。両腕の発達した爪と、プサイ由来のカエルの様な脚が武器。斬撃と蹴りを織り交ぜた格闘戦を繰り広げる。三人分の戦闘経験と知識が強み。
・G4:今作では千手観音形態のことを指す。この時点でほとんど制御できていない。
・G5:斬られ続け、最終的にここまで進化してた。触手を複数伸ばした肉塊。再生が遅れていたため質量で逆転しようとしたところ瓦礫に押しつぶされた。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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