BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
「……ここは?」
私は気づけば、吹雪吹きすさぶ雪原に立っていた。以前、もう一人の私……エヴァと出会ったあの場所とそっくりだ。
「なんで、ここに……オメガちゃんとプサイちゃんと無理矢理合体したから?あ、そうだ菌根世界なら……おーい!おーい!聞こえる!?ゼウ!」
いつもなら呼びかければすぐに現れるゼウからどういうことか聞こうと思ったが、まるで反応がない。いつもと、違う?そこで違和感に気付く。
「……大地も空も、白い……?」
ただ木や草の陰影がうっすらと浮き出ている程度の、真っ白な空間だった。どちらかと言うと黒、な菌根世界とは対照的だ。生気を感じない、地獄のような場所。ここは、私の知っている
「…運が悪いですね。ここに迷い込むなど」
「……誰?」
まるでボイスチェンジャーで変声したようなくぐもった声が聞こえてきた方に振り向く。一瞬、なにが居るのかわからなかった。それは、一言でいうならば「白」だった。プサイの好きな時代劇に出てきそうな、全身真っ白な和風の甲冑に身を包んだ、背中に身の丈はある長刀が収まった鞘を取り付けた鎧武者だった。兜を被った顔は鬼を象った面頬と呼ばれる顔面と喉を保護する仮面で隠されているその眼光は剣吞な輝きを宿していて、紅い光を瞬いている。背景に溶け込んでいてわからなかった。なんだ、こいつは。
「覚悟…!」
「な、なに!?」
まるで甲殻類を思わせるごつごつとした意匠の、長い刀身の日本刀を抜刀した鎧武者は勢いよく振り下ろしてきて、咄嗟に衝撃波を私を覆うように放って防御。ギリギリギリ、と刃と衝撃波が鍔迫合う。
「いきなりなんだ!危ない!」
「いきなりなんだとはなんですか。私の領域に土足で踏み入って、こうなることはわかっていたでしょう!」
斬。地面を斬り裂くように振り上げた日本刀が描いた軌跡が、実体化した斬撃として下から剣山が発生して私は跳躍して宙返り。しかし視線を向ければ鎧武者の姿はなくて、咄嗟に衝撃波を右手に纏いながら着地した瞬間、背後から横蹴りが放たれて、咄嗟に右腕でガード。衝撃波で守っていたはずなのにもろともに蹴り飛ばされて、雪原をサッカーボールの如く跳ねて転がっていき、前方に衝撃波を放ってそれをクッション代わりにして受け止め、何とか受け身を取って着地する。ってあれ?これ、雪じゃない。このふわふわする感じ、菌だ。
「痛いなあ、もう……」
「弱くなりましたね。エヴリン。この程度の不意打ちで飛ばされるとは」
そんなことを宣う鎧武者。名乗ってもないのに名前を知ってるってことは知人か。でもこんな鎧武者、私知らないぞ?現代(1998年)はもちろん、未来…過去?の2017年とかでも見たことない。でもなぜか、気配だけは誰よりも知ってる気がする。なんでだ?
「…あなたは私の名前を知ってるみたいだけど、私は知らないから教えてくれると嬉しいな?」
「冗談なら笑えませんよ?」
瞬間、深く腰を落とし刀の切っ先を相手に向け、その峰に軽く右手を添えたような、まるでビリヤードのキューを構えたような体勢をとると一瞬で距離を詰めてきて、刺突。私は咄嗟に菌根で武装した両腕で眼前の刃を拍手で受け止め、ズザザザザッ!と押されていく。この刃、受けたらなんかやばい気がする!こっちも菌根で強化してるのになんてパワー…!?
「ふっ!」
「ぎゃあ!?」
なんとか止まるも、思いっきり腹部をサッカーボールキックされて空中に蹴り飛ばされ、鎧武者はブンブンブンと日本刀を振り回して実体化した刃を飛ばしてきたのを、衝撃波の反動で身を捻って回避。着地し、そちらが日本刀ならこっちは銃だとクイーンのゴクとマゴクを思い出して二丁拳銃を菌根で形成。弾丸は菌根で無限生成、反動は菌根武装で何とかしながら構えて乱射する。
「そんな豆鉄砲…!」
「石川某かな?」
しかし乱射された弾丸は鎧に当たることもなくすべて切り捨てられてしまい、真っ二つにされた弾丸が地面に落ちる。どんな反射神経してるんだ。
「忘れたというなら思い出させてあげましょう。あなたの存在を否定する私と言う存在を…!」
「だーかーらー!私は貴方を知らないの!なに、私の知らない未来からでも来た!?」
弾丸を乱射しながら近づけないようにしつつ訴える。すると鎧武者は面頬から覗く目を見開き、日本刀で薙ぎ払うように地面を斬り裂いて白い結晶の壁を形作ると、日本刀を鞘に納めたので私も銃を下す。
「……理解しました。あなたは私の知るエヴリンとは違うようだ。過去からでも来ましたか?」
「二人を無理矢理合体させるとかいう無茶をして菌根がバグったのかもしれないけど……私自身が未来から過去に来たからなんとなくわかった。私にとってあなたは未来、なんだね」
「……興が冷めました。あなたは斬るに値しない」
そう言って振り返り、雪の様な白い菌を伴った風が吹き荒れる中を歩いて去っていく鎧武者に、思わず問いかける。
「あなたは、なに!?なんで私を襲うの!?」
「これから私に会う輩に言う言葉などありません。私は、あなたにとっての【敵】だ」
それだけ残して、鎧武者の姿は消えて行って。いつの間にか、周囲の光景も正常の黒を主調とした世界に戻っていた。
「……またアイザックスの作り出した生物兵器かなあ。好き勝手増やされても困るんだけどなあ」
自分の意識が浮上していく感覚を受け入れながら、私はぼやく。しかし私はのちに嫌と言うほど思い知ることになる。あの鎧武者は私にとって最強最悪の【天敵】なのだと。
「おい、しっかりしろ。おい」
『んんっ……!?』
声が聞こえる。目を開けると、クイーンとリヒト、ヨナとグラが私の顔を覗き込んでいた。
『うわあ!?』
「目が覚めたか。なにがあった?レオンとクレアはどこだ?」
そう尋ねてくるクイーンに、辺りを見渡す。クイーンたちの背後でぶっ倒れているオメガちゃんとプサイちゃんを、ヘカトちゃんがツンツンとムカデの足で突っついている。思わず心配になったけど息はしている。
『手を付けられない怪物になったアネットを倒すために2人と合体したんだ。オメガと同期した記憶によると多分、レオンとクレアはG-ウイルスに感染したらしいシェリーを治すために先にアンブレラの研究所に向かったんだと思う』
「アネットが……そうか。あいつは、死んだか」
「ミンチにした上で瓦礫に押しつぶしたからこれで生きてたら困る」
「我ながらオーバーキルにござった」
「オメガ!プサイ!よかったわ!」
そう言って目覚めたのは、オメガちゃんとプサイちゃん。瞳に涙を湛えたヘカトちゃんが抱き着く。あ、ヘカトちゃんの腕も再生したみたいだね。よかった。
「よし、目覚めてそうそう悪いがレオンたちを追いかけるぞ」
「了承」
「承知でござるが……このお三方は味方でいいでござるよね?いや、エヴリン殿の記憶と同期したから味方だと頭では理解しているでござるが……」
「マザー、俺やっぱり邪魔な子?」
『そんなことないから泣かないで!』
ハンターの本能的なものが危険を訴えてるのかプサイちゃんがそんなことを宣い、リヒトが涙目になったので精一杯あやす。可愛いけどすぐセンチメンタルになるのやめようね?
『三人とも今は私の子供だから大丈夫!なんなら、オメガちゃんとプサイちゃん、ヘカトちゃんも私の子供になる?』
「! …いいの?」
「本当でござるか!?」
「エヴリンがママ?愛を感じるわ…!」
『え』
やんややんやと手放しに喜ぶ三人に困惑する。あれ、あれ。冗談のつもりだったんだけど………思ってたより私、懐かれてた?そうクイーンを見やると、真顔で掌を突き出される。
「あ、私は結構だ」
『告白もしてないのに振られたような言い方はやめて?』
「それはどうでもいいが言ったことの責任はとれよ?」
そう言うクイーンにぐうの音も出ない。リヒト、ヨナ、グラ、オメガちゃん、ヘカトちゃん。プサイちゃん。……うーん、大所帯になったなあ。まあ悪い気しないし、みんなのママとしてがんばろ。
謎の白づくめ鎧武者現る。バグった菌根が未来と繋がって現れた存在ですが、何者なんでしょうね?
そして爆誕エヴリンファミリー。イーサンとミアの知らないところで孫が増えていく。
次回はレオンsideに戻ります。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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