BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
感想でも怖いと言わしめた公園の怪異グレイブディガー、参戦。楽しんでいただけたら幸いです。
モリグナ。アリゲーター・ステュクス。洋館事件が起きてからサミュエル・アイザックスがNESTに缶詰めになっていたこの二ヶ月の間、RT-ウイルスの新たな可能性を求めて片っ端から試した結果生まれた数少ない成功作。しかし、アイザックスも予見してない成功作が存在していた。
それは度重なる実験の影響でT-ウイルスとRT-ウイルスで汚染された地中に生息していたミミズが突然変異し巨大化・異形と化した存在。生みの親であるアイザックスにも知覚されず、人知れずラクーンシティに巣食っていた怪異。のちにNESTの職員を襲撃したことで存在が確認され、その地中潜航能力から
――――――すべてのB.O.W.の中でも群を抜く。
「……ここだ」
ニコライに銃を突きつけながら案内させ、ゾンビを文字通り長い腕で薙ぎ払いながらリサがやってきたのは、ラクーン市立公園。セントミカエル時計塔の裏手に位置する市営公園で、墓地も併設した緑豊かな園内は豊富な水に溢れて整備が行き届いている。しかし妙だ。あまりにも、人間やゾンビどころか生物の気配がまるでしない。
「どういうこと?なにもいないじゃない」
『いや、リサ。おかしいよ。ゾンビも一切姿を見せない。異常だよ』
「悪いことは言わない。逃げた方が賢明だ。あんたがどんなに強くても、奴には敵わない」
「私、これでも洋館で一番強かったんだけど」
『そうだぞ、普通に生態系的に上位のヨナが縮こまってたぐらいなんだから!』
「強さは関係ないさ。奴には勝てない。それは絶対だぐはあああっ!?」
不敵な笑みを浮かべるニコライを、銃を握ってない方の手でぶん殴って昏倒させたリサに呆れる。まだ情報引き出してないのに。
『あーあ、またやった』
「ふんす。むかつく言い方をするニコライが悪いわ」
「けらけらけら」
「『っ!』」
瞬間、この場に似つかわしくない邪気たっぷりな子供の笑い声が聞こえて、振り返る。そこにはなにもいない。ただちょこんと盛り上がった土がそこにあった。やばいやばいやばいやばいやばい。G6と化したアネットと対峙した時にも感じた、警鐘が頭の中に鳴り響く。こんなところにいる子供は絶対ろくでもないんだ!私がそうだったから確信できる!そして、私もそうだったけどに洒落ならないぐらいやばいんだ!
『リサ、警戒!』
「……なにか、いるわね」
触手の髪の毛を広げて展開し、長い両腕を構えるリサ。シーンと静まり変える公園を、警戒しながら歩く。入口で気絶しているニコライはこの際無視だ。逃げられても、私ならすぐ見つけられる。
「けらけらけら」
「そこ!」
また笑い声が聞こえ、振り返ることなく右斜め後方に向けて髪の毛を纏めた鋭い触手を地面に突き刺すリサ。しかし空振り。ただ盛り上がった土を貫いただけだった。速い、リサが反応速度で負けた!?
「けらけらけら」
「けらけらけら」
「けらけらけら」
「けらけらけら」
「けらけらけら」
「けらけらけら」
「けらけらけら」
「けらけらけら」
「けらけらけら」
「けらけらけら」
「けらけらけら」
「けらけらけら」
「はあああああああっ!」
声が聞こえるたびに、その方向に髪の毛触手を伸ばして突き刺していくリサだがしかし、まるでもぐら叩きの様に、すぐ引っ込んで消えていく。……間違いなく、地下にいる。こうなったら私が……!
『ちょっと見てくる!とお!』
あんまり意味ないけど息を大きく吸い込んで、鼻をつまんで地面に飛び込む。すると地面の下は空洞のトンネルになっていて、高速でなにか巨大な物が蠢いていた。
『なに、あれ』
「キシャアアアアアッ!」
すると、それ……恐らくニコライの言っていたグレイブディガーが私に気付いて地中を掘り進んで大口を開けながら突撃してきて、私に触れられるリサの前例や、ベビーという丸呑みにされた苦い記憶も合わさって全力で浮上して回避する。この見た目でこいつが喋ってたの!?
『来るよ、リサ!』
「餌役いいわよ感謝永遠に!」
『嫌な感謝だなあ!?』
そんな会話のすぐ後に、地面が陥没。その陥没した竪穴の横穴から飛び出してきた、四つに分かれた顎に一つずつ牙を備えた大口しかない顔が特徴の巨大な芋虫のような姿をしているグレイブディガーが現れ、空中に私に噛みつかんとしてきたので高度を上げて回避。姿を現したその巨体のどてっぱらに、構えていたリサの振りかぶった右ストレートが突き刺さる。
「やっとでてきたわね、デカブツ!!」
「キシャアアアアッ!?」
グレイブディガーは腹部に風穴を開けられて、体液をまき散らしながら吹き飛び三メートルほどの全長が跳ねてビタン!と地面に叩きつけられビクンビクンと痙攣する。明かに致命傷だった。ニコライがあんなに言ってた割にはあっけない……。
『うわあ、死に方ぐろい……』
「……人を散々嗤っといて、これで終わり?」
違和感。決してぬぐえない違和感が、私達に言いようのない不快感を感じさせる。それは……。
『……こいつ、喋らなかったね』
「もしかして、他にいる……?」
拳を握り、辺りを警戒するリサ。私も警戒しながら、ニコライの様子を見に行く。気絶したふりかはわからないがまだ横になってるな、よし!すると突如、地面が揺れ動いて足場を取られるリサ。ニコライも跳ねて転がっていく。あ、外灯に顔面からぶつかって顔を手で覆ってる。痛そう。
「地震…!?」
「けらけらけら」
「そこか!……!?」
『えっ……』
地震が続く中で、声に反応して振り向くリサと私の視界に入ったのは、いつの間にかそこに現れていた少女だった。黄色いレインコートを着て顔の目元を隠している私の容姿よりさらに幼い印象の、恐らく少女が嘲笑を浮かべて立っていて。細い手足、裸足、120センチぐらいの小さな体躯。予想よりも全然恐ろしくないその姿に、思わず呆ける私達。
「あはぁ」
しかし、涎を垂らして鋭い牙を剥いた姿に危機感を感じた直後、ひときわ大きい地震が起きてさっきの個体とは別のグレイブディガーが少女の足元から出現。鎌首をもたげているその上に少女を乗せて、咆哮を上げる。
「キシャアアアアアッ!」
「二体の怪物を率いる子供……それがグレイブディガーの正体!」
『でもさっきと同じならまた瞬殺して………して……?』
一撃で決めるべくグググッと拳を構えていたリサが、背後から襲い掛かってきたグレイブディガーに丸呑みにされる。驚愕する間もなく、次から次へと地面からグレイブディガーが出現。私に噛みつかんとしてきたので、とにかく身をよじって避ける。その数、
『リサ!大丈夫!?』
「うがああああ!……大丈夫!」
「けらけらけら」
リサに声をかけるが、丸呑みにしていたグレイブディガーの身体を突き破って現れ、近場のグレイブディガーの胴体に拳をぶちこんで風穴を開けるが、次の瞬間体当たりを受けて吹き飛ばされる。だめだ、数が多すぎる。そんな、グレイブディガーに翻弄される私達を見て嘲笑う子供。
―――――これまでの前提と異なり。グレイブディガーは一体だけではない。モリグナやワスプ・キャリアーという、群れで一体をなしていた個体こそいたが、グレイブディガーが100個単位で産卵した卵から孵化したスライディングワームという幼体が存在する。それが一週間足らずの異常な速さで成長し繁殖するという、これまでにない群れの強さ。その最古個体にして母たる個体の名はグレイブディガー・ハスタ。クトウルフ神話の黄衣の王に由来する、旧支配者の名を与えられてふさわしいラクーンシティの大地の支配者である。
「わたしぃ、ハスタ。あぁそびぃましょぉ?」
原作で一回目を倒すことなく進んだ場合の強さの奴が複数現れているとご想像ください。無理ゲーである(なお原作設定からこんな)
グレイブディガー・ハスタ。モチーフはホラーゲーム、リトルナイトメアのシックスです。2の無邪気に指を折ってた方をイメージしてます。レインコートは親子連れの子供から奪いました。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな2編オリジナルB.O.W.は?
-
Gアネット
-
センチュリオン・G・ヘカトンケイル
-
モリグナ
-
モールデッド・クイーン
-
ブギーマン・スケアクロウ
-
ブギーマン・バグベア
-
T-103型タイラント【ハーキュリー】
-
タイラント・リッカー
-
タイラント・マスキュラー
-
アナーキア(変異アイアンズ)
-
アリゲーター・ステュクス(リヒト)
-
ヨーン・エキドナ(ヨナ)
-
ネプチューン・グラトニー(グラ)
-
アナーキア・リッカー
-
モールデッド・ハンター
-
白面の鎧武者
-
ベルセポネ
-
タイラント・アシュラ
-
モールデッド・ラミア
-
G生物第6形態(アネット)