BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
多分誰もが想像してないであろう敵が登場。エヴリン、ジル、アリサの順の視点でお送りします。楽しんでいただけたら幸いです。
「燃え、燃える…!?」
『リサが炎上してるー!?イブリースもそうだったけどこの手の再生持ちは炎に弱いんだって!だ、誰かー!大人の人ー!?』
「ちっ……!」
焼夷手榴弾の不意打ちを受けて炎上するリサに右往左往していると、近くの水道からバケツ一杯の水を持ってきたニコライが水をかけて鎮火してくれた。黒焦げでゼーハーと肩で息をしながらリサはニコライに尋ねる。
「に、ニコライ……なんで?」
『デレた?』
「ふん、貸し一だ。せっかく安全圏から暗躍しようとしていた俺のプランがパーだ。こうなったらアンブレラからの大金は期待できないからな。お前らに味方する、なにがあろうと俺を生かせ」
「……いいね、そういう打算的な方がわかりやすい」
ニコライの差し出した手を、にやりと笑って手に取り立ち上がるリサ。洋館で人の悪意に晒されながら生きていたリサにはこっちの方がわかりやすいのかな。
「こっちそろそろ限界なんだけどー!?」
するとネメシスのホットダガーを握る拳を転がってた火炎放射器で巧みに突いて耐えていたアリサが絶叫を上げた。あ、そうだった。リサが燃えてた間ネメシスの猛攻を耐え抜いてたんだった。
『なんか知らないけどアーマーのハンターはいなくなった!あとはネメシスを倒すだけだよリサ!』
「了解…!ニコライ、援護!」
「人使い荒いな…射線に入っても遠慮なく撃つからな!」
「上等!」
両の手で瓦礫を掴み、ニコライの銃撃の援護を受けながら突撃するリサ。そのまま瓦礫を持った手で連続パンチをネメシスに叩き込み、単純に質量で攻めてきたリサに面食らいつつもホットダガーで瓦礫を斬り裂いて応戦するも、リサを貫いて放たれた弾丸をもろに食らい怯むネメシス。それはアリサに対して隙を作るという意味で。
「どっせい!」
『わあい、血の花火だあ』
火炎放射器を両手で持って跳躍し、勢いよく唐竹割をネメシスの脳天に叩き込むアリサ。そのアグレッシブさはイーサンを思い出す。頭が割れて血が噴き出してホットダガーを手放したネメシスに、リサを貫くことお構いなしで銃弾の雨が注がれ、よろよろと後退させる。
「アリサ!」
「うん、リサ!」
「「ぶちのめす!」」
スーパータイラントの時を思い出すやり取りのあとに、リサは長い右腕の拳を、アリサは菌根を纏った左拳を、それぞれ振り上げて並んで突撃する。私の眼にはその姿が、ジャック・ベイカーと、イーサンの幻と重なった。
「エヴリン直伝!」
「ファミリーパンチ!」
『私のじゃないけどね!?』
「スタァズ……!?」
まずリサの長い右腕の拳が突き刺さり、続いてアリサの左拳が叩き込まれて、数メートルも転がって吹き飛んでいくネメシス。タンクローリーに激突して大爆発を起こし、ネメシスの姿が見えなくなる。今度こそ、やった……?するとアリサの持っていた無線機に連絡が。アリサはホットダガーと、転がっていたネメシスから外れたその鞘を拾い上げながら通話に出る。
《「アリサ!電源を復旧して列車の指令室で運行ルートを設定して駅に戻ってたらマーフィーを見つけたけど、あなたどこにいるの!?」》
『マーフィーって誰?』
相手はジルだった。あっちはあっちで仕事してるなあ。私達邪魔者の掃除しかしてないや。多分だけどそのマーフィーっていうのを駅に送り届けてる途中でアリサはネメシスに襲われたのかな。
「今、リサと一緒!モリグナって名乗ってたカラスの化け物とネメシスを倒したよ!ここは………どこだろ?」
「U.B.C.S.のニコライ・ジノビエフも一緒よ。ニコライが居場所は把握しているはずだから、今からそっちに向かって合流する」
「そういうことらしいからマーフィーと一緒に駅に向かってて!」
《「わかったわ。カルロスに言って待ってるから、急いで」》
ジルとの通話を終わり、「俺?」と言わんばかりに人差し指を己に向けてるニコライに向き直り、ニヤァと意地悪く笑みを浮かべるリサとアリサ。双子の様なそれは可愛らしくもあった。
「……はあ。また貸し一だ。高くつくぞ」
「敵にならないならいくらでも返してあげるわ」
「どういう関係なの?」
『話すと長いよ本当に』
ホットダガーを鞘に納めてベルトに下げながら訪ねてくるアリサに苦笑い。なんかモリグナもいたみたいだけど、脅威は排除した。ゾンビ相手なら後れを取ることはないし、このままゆっくり駅に向かおう。
カア! カア! カア! カア!
夜空で烏が啼いていた。この時ネメシスの死を確認しなかったのは幸か不幸か。……私達の運命は、変わりつつある。
「今戻ったわ、カルロス」
マーフィーに肩を貸して連れて駅に戻ると、シャッターを抜けた先でカルロスが出迎えてくれた。私からマーフィーを受け取り、階段を下りていく。
「上出来だスーパーコップ。恐れ入った。まさかマーフィーまで救出してくれるとはな。半ば諦めていた」
「ははっ、カルロス。俺は死なない。兄貴のやりたかったことをやるんだ、この街は無理でも人々は救う」
「その調子だ親友。……ところでアリサはどうした?マーフィーはアリサが連れてくるはずだったが……」
「アイツが生きていたの。マーフィーの話だと襲ったのは別の奴だったみたいだけど……アイツを倒して、今リサと一緒に向かっているらしいわ。あとニコライ・ジノビエフが合流したとも言ってた」
親友らしいマーフィーの無事に喜ぶカルロスの問いかけに、私は神妙な顔で答える。
「ニコライか。あいつの無線は壊れているらしく連絡できなかったんだ。ありがたい。それにあの巨人を倒すとは、さすがアリサとリサだな」
「それで、列車は動く?」
「実はダリオが手伝ってくれてな。3~40分かかるところを、タイレルと一緒にあと10分程度まで短縮した。アリサたちが到着するなり出発するつもりだ」
「なら問題ないわね。アリサたちなら、すぐ来れる。……何事もないといいけど」
そんな私の嫌な予感は的中することになる。
「こっちをまっすぐ進めば地下鉄だ。機動力があるというのは羨ましいな」
リサがニコライを担いで道案内してもらいながら、ビル間を駆け抜ける私たち。ゾンビに襲われないルートがこれだったというだけだが、クイーンと共に駆け抜けたあの街がここまで変わり果てるなんて…………ん?
「なに、あれ…」
私達がさっきまでいた場所に、空から滝でも落ちるかのように夜ですらわかるほど黒い濁流が降り注いでいた。いや、濁流じゃない。あれは……カラスの群れ?まさか、まさか。
「モリグナ……?」
カア!
カア!
カァー!
ガァー!
ギァー!
グエーッ!
けたたましい鳴き声の大合唱が響き渡る。それは悪意に満ちた祝福にも聞こえて。その意味を、すぐに思い知ることになる。
「スタァアズ!!」
バサッバサッ!と羽ばたきの音と共に、それは高速で飛来、私達が走っていたビルを踏みつけるようにして猛禽類の様な両の足で着地して屋上にクレーターを作り上げる。それは、見覚えのある巨体だった。潰れた異形の顔は左目しか開いて無くて歯を剥き出しにしている。しかし共通点はそれだけ。前述の猛禽類に似た異形の足に、顔は黒い羽毛にも似た鱗に包まれ悪魔のような形相に、全身をローブの様に覆った黒い羽毛は刺々しくドラゴンを思わせ、両腕は巨大な翼に変化していて、伝承に出てくるハーピーの様だがそんな生易しいものでは断じてない。
「なんだ、こいつは…!?」
「ネメシス…いや、違う…!
『もしかして……モリグナ?』
「取り込んだ同胞の目撃情報で知った。お前たちは合体して強くなっていたと!ならば我等も真似よう!より強い肉体を、我等で覆い尽くし支配する!」
低い男と甲高い女の声が重なって聞こえる。それはモリグナで、ネメシスだった。モリグナを形成しているカラスがネメシスを取り込んだってこと…!?
「礼を言う。私に死の恐怖を味わせた此奴の肉体を安全に得ることができた。我が名はモリグナ・ネメシス!スタァアズ!を殺し尽くす死神だ…!」
「……なんか逆に混ざってない?」
「ええいうるさいぞスタァアアアズ!!!」
翼を羽ばたかせ、空に舞い上がる巨体が降りてくる。私とリサは目配せし、同時に反対側に跳躍。今の今までいたビルが一撃で粉砕され崩れ落ちていくのを見てひやひやする。あんなのを駅まで連れていけない、ここで倒す!ここで終わらせてやる…!
エヴリンができるなら他の奴もできるのだ。特にモリグナは本体に他のカラスが合体して生まれてる存在だったので猶更。
ニコライ、借りを作ると言うことで正式に仲間入り。こんなことになってアンブレラにつくの馬鹿のやることってね。折れてなかったのではなく自分が旨味あるように立ちまわっていたのだ。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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