BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
モリグナ・ネメシス大暴れ。楽しんでいただけたら幸いです。
モリグナは、アリゲーター・ステュクスことリヒトと同じでアイザックス手ずから洋館事件後にRT-ウイルスの実験台として生み出されたB.O.W.である。カラスの群れにRT-ウイルスを混ぜた餌を接種させる実験から生まれた、いわば想定外から生まれた彼女の存在を、アイザックスは歓喜し餌を与えるだけ与えた。獲物が襲い掛かってくる狩りという形でだ。
モリグナに当てられたのはNESTで保管されていた小規模なゾンビの群れだ。モリグナは効率的な狩り方と、自らの身体の使い方、人の肉と血の味を知った。変異させられるだけして下水道に捨てられたアリゲーター・ステュクスとはえらい違いの待遇ではあるが、適合する可能性の高い爬虫類のワニと適合の可能性が低かった鳥類のカラスの期待の差は大きかった。実際、NESTで生まれたRT型のB.O.W.の中では特に優秀だったと言っていいだろう。単体の戦闘能力こそアリゲーター・ステュクスに劣るが、B.O.W.としての完成度はあのタイラントにも匹敵する。
以来、モリグナは人間を餌と認識し殺戮の限りを尽くしている。もともと持ち合わせていた知能の高さから学習し、平常時には人前には決して現れず、闇夜に紛れて人間を襲い仲間を増やし。バイオハザードが起きてからはこれ幸いとばかりに目につく人間を襲撃する。
ある世界線ではエヴリンがコンティニューした影響で警察署にも現れるようになり。しかし自分よりも強い存在が現れたことで幾度も敗走した。
しかし人間を食べ過ぎたせいか、ある変化があった。最初にモリグナになった個体が単体で人型になり、本体になってしまったのだ。群れ全体で共有している意識を持っているモリグナは突如その意識から外れ、同胞を支配できるようになったことで混乱した。もともと持っていた自我が、集合意思から個人の意思へと昇華したのである。
少なくとも、エヴリンがG6へと変貌したアネットに敗れコンティニューする前のモリグナの強みは、「本体がいない」ことだった。しかし本体が生まれてしまった。これはモリグナの類まれな知能からすぐに結論が出た。弱点にしかならない、と。
――――カラスは凶兆の象徴、凶鳥だ。しかしそれは人からの印象で。確かに行動が卑しく狡猾で凶暴だが、人間に関わることで、悪魔の遣いだの死神のお供だのマイナスなイメージで呼ばれる。皮肉にも、モリグナは自ら人間を喰らい襲うと言う形で関わることで、自らに災禍を招いたのだった。
だから群れで作った肉体の体内に隠れることで補った。強気な言葉で相手を威圧し自分が本当は弱いことを見せないようにした。しかしそれは暴かれた。あのアリサと呼ばれた女に見抜かれ、ネメシスと呼ばれた大男に殺されかけた。許さない、許さない、許すわけがない。
ならばとネメシスがアリサとその仲間と戦うところをこっそり観察して弱ったところを襲撃、その肉体を覆い尽くすことで操り人形とし、胸部をくりぬいて巣として住みつき、支配した。巣に籠ることで弱点である己の本体を守り、そして生身の肉体という芯があることでより群れは強固な肉体となる。エヴリンとミアがはまっている、まだこの時代では放送されてない仮面ライダーで例えれば、コアメダルとセルメダルの関係と言えばわかるだろうか?
こうしてモリグナ・ネメシスは生まれた。大空を駆り、圧倒的なパワーですべてを薙ぎ払う、スピードとパワー、防御力と優れた知能を兼ね備えた最強のB.O.W.だ。ただひとつだけ、モリグナの想定外があった。ネメシスに寄生するNE-αの存在だ。第二の脳ともいうべき寄生体は、ネメシスの肉体を介してモリグナにも干渉した。その結果、ネメシスの「S.T.A.R.S.殲滅」の命令と、モリグナのアリサへの殺意が合わさって、身体だけでなく意思まで融合してしまったのだ。
「アリサ!貴様だけは許さないぞスタァアアアズ!!!」
夜空を旋回し、モリグナ本来の鳥目をネメシスの視界で補ったモリグナ・ネメシスの飛び蹴りを、菌根を纏い強化した右足の跳躍で回避するアリサ。一撃でビルが蹴り砕かれて倒壊していく光景にひやひやしていると、反対方向に逃げたリサの抱えたニコライがアサルトライフルで援護射撃。さらにエヴリンも突撃して息を吸い込み、虎の子である超至近距離鼓膜絶叫を発動する。
『スゥウウ……ワアアアアアッ!!』
「ええい邪魔だ、スタァアアアズ!!!」
『わきゃあ!?』
しかしモリグナ・ネメシスは強固な竜の鱗の様な羽毛で弾丸を弾き、ネメシスの記憶からエヴリンの攻撃を、耳元を翼で覆い耳栓することで回避。両腕の翼を振るい、鋭く硬化した羽を手裏剣の如く飛ばしてリサとニコライ、エヴリンを襲う。
「ぐううっ、近づけない!」
『こうなったら、あんまりなりたくないけど奥の手だあああああ!』
リサはあまりの威力に距離を取ることを選択、エヴリンは羽手裏剣がすり抜けながらも、少しでも隙を作ろうとその姿が黒い液体の様になって溶けたかと思うとその場に黒いカビ溜まりを作ると顔が形成され、首が伸びる様にして異形の怪物と化して空に飛び出した。過去にイーサンとの決戦やドミトレスク戦やドナ戦で用いた暴走形態…の姿を真似たものだ。
『待てやごらぁああああっ!』
「スタァアアアズ!!殺す、殺してやるぞアリサァアアアッ!」
「っ、しまっ」
怪物と化したエヴリンの猛攻を翼を羽ばたかせて回避しながら、次の建物の屋上に飛び乗りさらに跳躍しようとしていたアリサを、急降下して飛び蹴りを叩きこむのと同時に猛禽類の様なその右足で鷲掴みにして拘束。そのまま何度も何度も建物の屋上に叩きつけ、一回転して踵落としの様にアリサを頭から鉄筋コンクリートに叩きつける。
「があああっ!?」
「死ね、死ね、スタァアアアズ!!!」
そのまま頭から血を流すアリサを空中に放り投げると、モリグナ・ネメシスは右翼を押し付けて硬質な鱗の様な羽で包み込んで拘束。一気に引き抜いてズタズタに引き裂いて鮮血が空に舞い、アリサは落ちていく。
「このままとどめっ、スタァズ!?」
羽ばたいて滞空していたモリグナ・ネメシスだったが違和感を感じて体勢が崩れる。見れば、己の武器だったものが右翼に突き刺さっていた。ホットダガーだ。高熱と炎による痛みが襲い掛かってきて、モリグナ・ネメシスは慣れない激痛に呻きながらそのまま落下。ホットダガーが突き刺さったカラス二体を切り離すと、羽ばたいて勢いを弱めながらアスファルトの地面に着地。ギロリと落ちてきたアリサを受け止めていたリサに視線を向ける。
「余計な真似をッ、スタァアアアズ!!!」
そして咆哮。自らの腕を形成しているカラスを分離させてまるで空中を流れる濁流の様にエヴリンを飲み込みながらアリサを抱えたリサに叩き込んでいく。叩き込んでは再生し、またモリグナ・ネメシスの両腕に集めて翼を形成、空に舞い上がる。
『だめだ足止めにもならない~菌根世界に引き込んだら逆に負けそうだし……一回乗っ取ったことあるんだけどなあ』
「また貸しだぞ。リサ・トレヴァー!これで三度目だ!」
そのままリサとアリサに向けて急降下、襲い掛かろうとしたモリグナ・ネメシスの頭部に寸分違わず弾丸が叩き込まれて怯む。ニコライだ。
「アリサ、治った?」
「何とか…!」
「じゃあ一人で離れられるわね?エヴリン!あれ、やるわよ!」
『それしかないね!目には目を、歯には歯を、合体には合体を!』
その隙を突いてアリサを逃がしたリサに、エヴリンが重なり菌根が溢れ出てモールデッド・エンプレスを形成。跳躍してモリグナ・ネメシスに組み付き、殴りまくる。モリグナ・ネメシスも負けじと翼で殴りつけ、滞空できずに落ちていく。そして地面を叩き割り、モリグナ・ネメシスとモールデッド・エンプレスが着地したのは、下水道。
「『ウオオオオオッ!!』」
「スタァアアアズ!!!」
びしょ濡れになった二体の怪物が咆哮を上げる。その威圧に、下水道に潜んでいたそれはのそりと動いた。
元々本体はなかったけど、人間を喰いすぎて適応しちゃって本体が生まれちゃったタイプ。ネメシスの胸部を巣にしてます。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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