BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、複数の実況見て最初の乱戦のルートを判別しようとしたけど無理だったので時間がかかりました、放仮ごです。なんで前回投稿してから100人以上お気に入りが増えてるんだろう…期待され過ぎて怖い。

というわけで今回はライカン軍団との乱戦。迷コンビは生き残ることができるのか。楽しんでいただけると幸いです。


第三話‐Werewolf【人狼】‐

 俺を床下に引き摺り下ろし、左手の薬指と小指を噛みちぎった挙句に壁を突き破って投げ飛ばし、追従してきたのは狼男の様な怪物で。追いかけてきたエヴリンはその醜悪な容姿に小さな悲鳴を上げた。

 

 

「なんだ、あのバケモノは!?」

 

『私も知らないよ!?なにあの怖いの!私の不細工な友達の方がかわいいし!』

 

「どっちもどっちだけどなあ!」

 

『来るよ、イーサン!』

 

 

 

 怪物の掴みかかりを横に避けて、3年前も似た様な怪物と戦っている経験から、躊躇なく頭部に向けて発砲。しかしナイフさえ通らなかった頭部は少し欠けて怯むだけで致命傷には至らない。なんてやつだ。

 

 

『人間なら弾丸一発で頭がパーンってなるのに。人間じゃないよコイツ!』

 

「それは見ればわかる!助言するつもりならもっとマシなこと言え!ぐあっ!?」

 

 

 飛びついてきた怪物に押し倒されて、噛み付いてくるのを頭部を右に左に動かして必死に避ける。その光景に腹を抱えて笑っているエヴリンにムカついてきた。

 

 

『アハハハハ!何その動き、おもしろーい!』

 

「おまえ、なあ!」

 

『あー、笑った笑った。前に見た映画でその体勢から引っくり返して無かったっけ』

 

「そうか、JUDOか!どりゃあ!」

 

 

 怪物の腹部に足を付けて伸ばし、勢いを利用して投げ飛ばす。以前見たことある、映画で登場した日本の武術、JUDO(柔道)だ。怪物は頭からガラクタの山に突っ込み、立ち上がってくるも足取りがふらついていたのでハンドガンに納められたマガジン全ての弾を頭部に炸裂させ、怪物は倒れ伏して沈黙した。とりあえず左手に回復薬をかけて、爺さんの家の中にあった包帯を巻きつけて応急処置。もう血が止まっていたが、指はさすがに戻らなかった。

 

 

「くっそ、噛みちぎられた左手どうしてくれる…」

 

『アイツの腹の中から指を取り出して添えて回復薬かければワンチャン治るかも?』

 

「冗談は顔だけにしてくれ」

 

『なんだとー!』

 

 

 ギャーギャー文句を垂れてくるエヴリンは無視して、爺さんの家を漁る。ハンドガンの弾がいくつかと、ハーブと薬液を見つけた。マガジンに弾を込めてハンドガンに装填し、ハーブと薬液を組み合わせて新たに回復薬をクラフトする。三年前にもやってるので慣れた物だ。

 

 

「まさかまたこれを使うことになるとはな…」

 

『ねえ。ベイカー家に来たときからクラフト普通にしてたけどパパって何者なの?』

 

「ただのシステムエンジニアだぞ?」

 

『ええ……納得いかなーい!』

 

 

 ジタバタ空中で暴れるエヴリンに溜め息を吐く。できるんだからしょうがないだろ。

 

 

「とりあえず、敵は分かった。生存者を探すぞ」

 

『生存者なんていると思うの?』

 

「覚えていろ怪物。人間ってのはお前らが思うよりも存外しぶといんだよ」

 

『怪物だなんてひどい。シクシクシク……イーサンでようやく勝てるような怪物相手に一般人が生き残れるはずないと思うけどなー、あ』

 

「あ?」

 

 

 拗ねて泣き真似していたかと思えば正論を言ってきていたエヴリンがある一点を見て止まったことに疑問を抱き、振り向く。

 

 

「あ」

 

「「グルル…」」

 

 

 そこには先程の怪物とよく似た狼男を彷彿とさせる怪物が、二体仲良く並んで立っていた。思わずエヴリンと一緒に固まってしまい、怪物二体は咆哮を上げると飛びかかってきた。咄嗟に横に飛び退き、頭からぶつかってばたりと倒れる怪物二体。今のうちに全速力で逃げ出して手ごろな家に入る。

 

 

「くそっ、なんだってんだ…」

 

『え?え?もしかして……』

 

 

 扉をバリケードで塞いで息を整えていると、首を傾げながら付いて来て何かに気付いたのかエレベーターに乗るように上にピューっと飛んでいくエヴリン。戻ってくると、血相を変えて青ざめていた。

 

 

「どうした?」

 

『い、イーサン…えっとね、その…あの狼男、村中にいる…』

 

「は?」

 

『空から見たけど、少なくとも10匹以上ウロウロしていたんだけど……』

 

「……マジかよ」

 

『あと、奥の方からなんかこーんなでっかい毛むくじゃらの巨人が狼男を数人引き連れてでっかいハンマー引き摺ってこっちに来てたからそんなバリケード意味ないと思うよ~』

 

 

 ピーンと背筋と腕を伸ばして大きさを表現し、怖さを表現してるのか「がおー」とポーズを付けて威嚇するエヴリンに、絶望が俺を支配する。いや、どうしろって言うんだ。こちとらナイフとハンドガンと弾十数発と回復薬しかないんだぞ?

 

 

「ここから出た方がいいな…エヴリン、さっきの老人が猟銃を持ってたから、多分この村にはまだ武器の類がどこかにあるはずだ。それを探してくれ」

 

『え、怖いからやだ。それにその間イーサンはどうするの?私が居なくて大丈夫?』

 

「お前は認識されないんだから怖いのぐらい我慢してくれ。俺を助けるつもりがあるなら手伝ってくれ、頼む」

 

『えー、でもなあ…』

 

 

 しぶって中々手伝おうとしないエヴリンに、怒鳴るよりもどうしたら言うことを聞くかを考える。こんな地理も何も知らない村で生き残るにはこいつの協力は必須だ。なにか、やる気が出る言葉…そうだ。

 

 

「ローズは多分この村のどこかにいる。救い出すために力を貸してくれ、エヴリン。お前はお姉さんだろ?」

 

『しょうがないなー!お姉さんにまっかせて!』

 

 

 ドヤ顔で胸を叩いてピューと飛び出していくエヴリン。その間に俺はこそこそと外に出て、さっきの怪物二体や他の怪物に見つからないことを祈りながら腰を低くして物陰に隠れながら移動する。次の隠れ場所として選んだ物置の中にはショットガンの弾と思われる小箱を見つけた。

 

 

「ショットガンがあるのか…それをエヴリンが見つけてくれたら、なんとかなるな」

 

 

 三年前に痛感したことだが、ああいう怪物にはハンドガンは通じにくい。ショットガンを手に入れてからは対処が簡単にできるようになったことから、必須級の武器だ。さすがのあの怪物も、散弾を顔面に喰らったらひとたまりもあるまい。そう思って、物置から出た瞬間。

 

 

「あ」

 

 

 さっきまでいた家の屋根にいた怪物の一体が咆哮を上げる。まるでそれは、狼が仲間を呼ぶ時の様な遠吠えで。ぞろぞろと怪物が道に溢れだしてくる。こうやって仲間を呼ぶこともできるのか…!?すると視界の端に、屋根の上からヒョコッと顔を出して手をメガホンの形にしてこちらに呼びかけるエヴリンも見つけた。

 

 

『イーサン、こっちこっち!ここにえっと…ほら、私の友達の頭を吹っ飛ばしてたのと同じ銃があったよ!』

 

「ショットガンか!すぐそっちに行く!」

 

『ってイーサン、前前前!来てる来てる!』

 

「っ!」

 

 

 三体纏めて飛びかかってくる怪物たち。その手には武器も握られていて、咄嗟にハンドガンで足を狙って撃って先頭の一体を転ばせ、他の二体も巻き込んで倒れた所に急いでエヴリンの元に向かう。逃げる俺を追いかける様に火矢まで飛んできて、村もところどころが燃え出して冷や汗を流しながらも疾走する。

 

 

『あっち!こっち!そっち!いやどっちだ!?』

 

「お前が混乱するな!?」

 

 

 ビシッビシッと指を指して敵のいる場所を示してたエヴリンだがクルクル回って混乱、その家に飛び込むと机の上にショットガンが無造作に置かれていた。

 

 

『急いで急いで!でっかいのも来てる!』

 

「言われなくとも…!」

 

 

 天井から降りてきたエヴリンに急かされながら入り口にバリケードを設置し、スクラップなど使えそうなものは片っ端から拾いながら奥に進むと、奥の部屋の床に大穴が開いているのを見つけた。バキャア!とバリケードが破壊された音が聞こえてきたので咄嗟に飛び込み床下を進む。

 

 

「しまっ…回り込まれていた!?」

 

『いきなり目の前に出るのやめろ心臓に悪い!心臓ないけど私!』

 

 

 出口にまでくると、そこには怪物が一体待ち構えていて。ショットガンを構える前に胸倉を掴まれて道のど真ん中に投げ飛ばされる。空を舞い、エヴリンが追いかけてくるのが見える。落ちたところに矢が左足に突き刺さって動けなくなり、さらに数えきれない数の怪物が集結しつつあり、馬に乗って人間を串刺しにした怪物までやってきたり、エヴリンの言っていた毛むくじゃらの巨人までハンマーを手に屋根から飛び降りて現れ、咆哮を上げる。

 

 

『オワタ。私達の人生、完』

 

「言ってる場合か…くそっ、足が…」

 

『いやだー!まだまだ楽しみたい娯楽がいっぱいあるのに、イーサン死んだら見ることもできないじゃんかー!馬鹿-!イーサンから離れろ、離れてよー!』

 

 

 涙目で命乞いするエヴリンに、なんとも言えなくなる。ローズを助けられずにここで終わるのか…するとどこからか鐘の音が聞こえてきて。巨人が、怪物たちが、その方向に振り向く。なんだ?どうしたんだ?エヴリンと一緒に動揺しているうちに巨人はその巨体から考えられないほどの身軽さで跳躍して屋根に飛び乗って去って行き、怪物たちもそれに続く様に一匹残らず去って行く。これは…?

 

 

『あれ?え、私の恐ろしさに臆した?』

 

「それはない」

 

 

 アチョー、とポーズを取っていたエヴリンにツッコみながら、左足に刺さった矢を引き抜き、何とか立ち上がる。どうやら、生き延びることができたらしい。

 

 

「これからどうするか…」

 

『生き残りを探すんじゃなかったの?いないと思うけど。もう忘れた?忘れっぽいなーイーサンは』

 

「お前、これ突っ込まれたいのか?」

 

『それはやめて。ごめんなさい』

 

 

 ショットガンをちらつかせると素直に謝るエヴリンに、笑みが漏れる。ああ、変わらないことに安心した。




史上稀に見るチョロイン、エヴリン。人のピンチでも笑ってしまう畜生なのは相変わらず。改心したわけじゃないのです。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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