BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ハイゼンベルクの戦闘形態がどう見てもトランスフォーマーリベンジのアレだったので題名にしました。

今回は腕試しにハイゼンベルクと勝負?楽しんでいただけると幸いです。


第三十話‐Devastator【腕試し】‐

「それじゃ作戦会議といこうか相棒!」

 

 

 本当に嬉しそうにホワイトボードを引き寄せマジックペンを握るハイゼンベルク。どこかウキウキしていた。

 

 

「だから相棒じゃ…いや、手を組んだから相棒でいいのか」

 

『それで?勝算はあるんだよね』

 

「おうともよ。まず厄介なのはライカン軍団だが…その多くを砦でお前が殲滅した。残りの奴等は俺の機械兵団で引き受ける」

 

 

 機械兵団…この工場で作ってるって言ってたな。あとプロペラエンジンがくっ付いた…シュツルムだったか?が下にいるとか。

 

 

「その機械兵団ってのは?」

 

『プロペラ君の仲間?』

 

「いんや。機械兵団…その名もゾルダートは鋼の軍団、シュツルムとはまた別の機械化死体兵さ。死体を素体にした改造人間だ。おっと、モラルに関しての文句は受け付けないぞ。腕にドリルを付けていて、ライカン程度なら約1分で3体を殺害できる。どうだ?ロマン溢れるだろう?」

 

「あ、ああ」

 

『なんで男の人ってみんなドリル好きなんだろうね』

 

 

 サングラスを外してキラキラした目で語りかけてきたため、頷いておくと満足げにハイゼンベルクは唸り、鉄のクリップで纏めている書類を引き寄せてホワイトボードに張り付けた。それには、いくつものゾルダートの設計図が描かれていた。

 

 

「左腕にドリルを付けたゾルダート・アイン、両腕にドリルを付けたゾルダート・ツヴァイ、背中にジェットパックを装着したゾルダート・ジェット、そして全身に装甲を付けて3本の電動ドリルを両腕に装着したゾルダート・パンツァーと種類もより取り見取りだ。共通の弱点としてカドゥの制御コアが弱点だが…パンツァーはそれを克服してるし、そもそも賢いからドリルで守ることもできる。それに量産して数も揃えているところだ。どうだ!」

 

「確かに頼もしい仲間だな」

 

『死体使ってるのは私もそうだったから文句は言わないよ』

 

 

 そう言うと満足げに頷くハイゼンベルク。正直趣味が悪いとは思うが、生きた人間を怪物に変えているミランダやドミトレスクやモローに比べたらまだマシか。

 

 

「そうだろうそうだろう。だがこいつらが束になっても、特異菌を自在に操り姿を変えるミランダには敵わねえ。俺にも奥の手はあるが、そいつで通じるかと言われたら微妙だ。そこでだ、お前らの…特にエヴリンのできることを教えてくれ!」

 

 

 そう言われて、顔を見合わせる。できること、ねえ。

 

 

『えっと…まず、イーサンの細胞を摂取した生物に私を見せることができるよ』

 

「四肢をモールデッド化してカビで武装できる。エヴリンの意思でだが。カビは鋼構造物なら破壊できる強度だ」

 

『あと…黒ずくめ陰キャ戦で幻覚を攻撃できた…かな?』

 

「さっき判明したことだが、回復薬を大量に使うことでモールデッド・ギガントになれる。それぐらいか?」

 

『それぐらいだね』

 

「なに?つまり、エヴリン。お前は特異菌を操ったりできないってことか?」

 

『残念ながら。イーサンの身体の中にあるカビなら操れるんだけど、今の私の本体はイーサンだからね。昔の身体ならともかく、無理かな』

 

「そうか…ミランダの特異菌を操る力に対して有効だと思ったが、ふむ。なら予定変更だ」

 

 

 そう言って、部屋中の鉄材を引き寄せ始めるハイゼンベルク。見る見るうちに、その姿が金属の集合体の様な、クレーンと丸鋸を背負った巨大なバイクのような姿の怪物へと変わった。

 

 

「おいおい、なんのつもりだ…?」

 

「ミランダとやり合う前の肩慣らしだ。俺の力を見せるついでにお前たちの実力を身を持って知りたい。俺と戦おうぜ、イーサン・ウィンターズ!男同士のタイマンでよぉ!」

 

『私もいるからタイマンじゃないよ』

 

「おっと、わりいな嬢ちゃん。忘れてた。お前らがカビの肉体なら俺は鋼鉄の肉体だ!まあこれだけはあのクソ女に感謝しないとな。奴にもらった力で奴を殺す!これ以上ない親孝行って訳だ!」

 

「おい!金属纏うのは反則だろ!こっちは生身だぞ!?」

 

「ミランダぶちのめすんだ、このくらい手加減の範疇だろうが!そもそもモローの化け魚やドミトレスクのクソトカゲも倒したお前が言うなってんだ!」

 

『それはそう』

 

「ちくしょう、やってやる!」

 

「加減はなしだ、ここで死んじまうなら手を組んだ意味がねえ!」

 

 

 ハイゼンベルクの形成した鉄材の手に掴まれ、建物から出た敷地にて投げ飛ばされ、エヴリンに目配せして両腕をブレード・モールデッドの物に変えて構える。振り下ろされた丸鋸を左腕で受け止め、ギャリギャリと音を立てた。

 

 

『私が居なかったら死んでたよ!?』

 

「その程度か?イーサン」

 

「はっ!この程度で折れるなら…ドミトレスクにとっくに負けてるさ!」

 

「そうだったな、(ちげ)えねえ!」

 

 

 そう言って、右腕を振り上げて弾き返すとハイゼンベルクはバイクの様な躯体をドリフトさせて俺の周りを回転し始める。

 

 

「悪くねえ。大したもんだウィンターズ。だが…こいつは耐えられるかな!」

 

「エヴリン、こい!」

 

『了解!やるよぉおお!』

 

 

 落下してくる鉄骨に、咄嗟に左腕の丸鋸で削られた傷口に回復薬をかけて、両腕で受け止めるとエヴリンが俺と重なり、カビが増大。モールデッド・ギガントを形作り、鉄骨を押し飛ばす。

 

 

『そっちが怪物ならこっちも怪物だ!』

 

「鉄をひっぺがえせば俺達の勝ちだ、そうだろう?」

 

「良いぜエヴリン、イーサン。来い!俺は自由を求めて戦う戦士だ!」

 

 

 丸鋸を両手で受け止め、回転を無理やり止めて腕ごとへし折る。そのままアッパーで頭部(?)を殴り飛ばし、アームハンマーを振り下ろそうとした瞬間。横に回転したクレーンの一撃を受けて、俺達は真っ直ぐ横に、工場目掛けて吹っ飛ばされていた。吹っ飛ばされた先には奈落の穴が。

 

 

「『あ』」

 

「あ、やべ。まあ、下は水だしお前らなら死なないだろ」

 

「お前ふざけんな質量差考えろおおおおお!!」

 

『わきゃああああああ!?イーサァァァァァン!?』

 

 

 落下していく俺達、咄嗟にブレードを形成した右腕を壁に突き刺すが、モールデッド・ギガントの重量では止まることはなく。刃がすっぽ抜けて一番下の水面に背中から叩きつけられてしまう。

 

 

「なんだ!?モールデッドだと…!?」

 

「『クリス!?』」

 

 

 恐らく工場の最下層。そこに現れたのは、ハンドガンを手にしたクリスだった。

 

 

「俺の名を知る…お前は何者だ!」

 

「撃つな!俺だ、クリス」

 

 

 モールデッド・ギガントな俺の姿に警戒するクリスだが、エヴリンが分離させたことで出てきた俺の姿を見て銃を構えながらも眉を顰めた。

 

 

「イーサン?一体どういう事だ。その姿は…?」

 

「話すと長い」

 

『本当に長い』

 

「…関わるなと言ったはずだぞ」

 

「そう言われて引き下がる筈がないだろう。ミランダに娘も妻も奪われたんだ」

 

「っ!何故それを…?」

 

「お前はミアを殺したわけじゃないのは知っている。ハイゼンベルクから聞いた」

 

「ハイゼンベルクだと?」

 

「ああ。手を組んだ。ローズを取り戻すためにな」

 

 

 そう言うと驚愕の表情を浮かべるクリス。すぐさま怒りの表情となり、俺に詰め寄った。

 

 

「アイツと手を組むなんて何を考えている!?奴はミランダの手下だぞ!?」

 

「なら何故先に事情を言わなかった!?」

 

『そうだそうだ!』

 

「もし知れば介入すると思ったからだ!民間人を巻き込めばややこしくなる!それがまさかハイゼンベルクなんかと手を組むとは!」

 

「ハイゼンベルクはミランダを殺そうとしている。だから手を組んだ。お前が話さないから、俺には選べる手段がなかったんだ。ローズを取り戻すためなら悪党とだって手を組むさ!敵の敵は味方だ!」

 

 

 そう言うと負い目があるのかぐぬぬと口をつぐむクリス。少し考え込み、口を開く。

 

 

「…わかった。ハイゼンベルクと手を組むことに関しては何も言わん。部下にもお前たちには介入しない様に伝えよう。だがこの工場は危険だ、野放しにはできない。爆弾を仕掛けて破壊する。…それも邪魔するか?」

 

「…いいや。だが、ミランダを倒せる戦力を揃えるまでは待ってくれ。ゾルダート…この工場で作られている奴等が必要だ」

 

「善処しよう。ハイゼンベルクとその軍団と共にミランダと戦うんだな?できれば俺達も援護したいが…ハイゼンベルクと俺達は敵対している。奴と一緒に戦うなら、俺達の援護は期待するな」

 

『仲違いで同士討ちするのも嫌だしね』

 

「わかった。ところで、地上に戻る(すべ)は分かるか?」

 

「そこにエレベーターがある。それで戻るのがいいだろう」

 

「助かる」

 

「ミランダは強い。油断ならない相手だ。…さっきの姿については言及はしない」

 

「今度会ったら説明させてくれ」

 

「ああ。俺は隊長として部隊を動かす立場だ。だから不確定な作戦変更は行えない。別行動になるが、武運を祈るぞ」

 

 

 一瞥し、クリスに言われたエレベーターに乗って地上に上がって行く。……落とされた仕返しに工場が爆破されるのはハイゼンベルクに黙っとこう。

 

 

『だね。それぐらいは許される』

 

 

 地上に戻り、元の姿に戻ったハイゼンベルクが笑いながら謝る中で。警報が鳴り響いたのは、すぐのことだった。




クリスを参戦させない理由を考えるのが一番大変でした。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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