BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はモリグナとの決着。楽しんでいただけたら幸いです。
「つーかまえーたー!」
「は、はなせ!スタぁあああああああ!?」
上半身を丸齧りされ、少女とは思えぬ剛力で“咀嚼”され絶叫を上げる女帝モリグナに、エヴリンは思わず合掌する。自分が囮になって、結構素早いガンマちゃんが背後に近寄って不意打ちする、それだけの作戦だったが効果覿面だったようだ。
「なめるな!スタァアアアズ!」
「ふがっ!?」
すると背中の翼が触手の様に蠢いて、無理矢理ガンマちゃんの大口をこじ開けて脱出する女帝モリグナ。しかし痣だらけで赤い血を滴らせているので決してノーダメージではないらしい。その怒りからか、ガンマちゃん本体の首を一本の翼を変形させた触手で絞め上げ、残り三枚の翼を羽ばたかせて天井を突き破って急上昇、夜のラクーンシティに舞い上がる。ちょうど駅のすぐ傍だった。
「んん……があぶ!」
「ぐああっ!?」
ガワの口を勢いよく閉じて翼を噛みちぎることで逃れたガンマちゃんが、そのゆるキャラの如きぽよよんとした体を跳ねさせて、もぞもぞしながら立ち上がり、口を開いて本体で両腕をかざしてがおーと威嚇する。通常の人間と違って腕を外側に出せないため、一人で立ち上がるのにコツがいるらしい。
「いいだろう、お前も食い殺してやるぞスタァアアズ!」
「エヴリンと、やくそくしたー。おまえからー、リサ?をとりかえすー!」
リサの身体である噛みちぎられた翼を再生させ、四枚の翼を羽ばたかせネメシスの巨体を突撃させる女帝モリグナ。ガンマちゃんはぼてぼてと可愛らしい足音を立てながら突進、大口を閉じてその丸い頭で頭突き、女帝モリグナの振るったネメシスの拳を皮膚の弾力を持って弾き返す。弱点である本体さえさらさなければ打撃に対して滅法強かった。
「きさまっ…!?」
「どっこいしょー!」
「うおおおおおおっスタァアアズ!?」
ならば右拳を突き出し、右手首から触手を伸ばして串刺しにせんとする女帝モリグナだったが、突き刺す直前に大口が開いて本体が顔を出したガンマちゃんが両手を伸ばして触手をキャッチ。その、腕いらずの両足でめいっぱい踏み込んで、グルグルグル!とその場で回転。触手を斬り取る間もなく振り回されて、己を構成しているすべての脳をシェイクされた女帝モリグナはそのまま手を離され、ダウンタウンのクリスタルプロムナードを吹っ飛んでいきおもちゃ屋「トイアンクル」の看板に激突。
「体が、重い……リサが抵抗しているのか…?」
上半身を起こして頭を振る女帝モリグナの頭上で、店の屋根の上に設置された、それがぐらりと揺れる。トイアンクル社の創業者Mr.チャーリーをモデルに作られたマスコットであるチャーリーくんの陶器製の首ふり人形を模した巨大な立体看板だった。不幸にもねじが取れかかっていたそれが、女帝モリグナが吹っ飛んできて激突した衝撃で完全に外れ、落ちてきたのだ。
「ぬううおおおおおおおっ!?」
情けない声を出しながらチャーリーくんの巨大な頭部に押しつぶされる女帝モリグナ。それを見たガンマちゃんは「やっちゃったー……」と言わんばかりに大口の中の本体が口を手で覆ってはわはわしてる。エヴリンはそんなガンマちゃんを見てほっこりしていたが、地響きと共にトイアンクルから少し離れた道路が吹き飛んで女帝モリグナが顔を出したことで気を引き締める。どうやら道路をぶち抜いて下水道に入ることで難を逃れたらしい。
『完全に怒っている……ごめん、こんなことしか言えないけど気を付けてガンマちゃん!』
「がんばるー!」
「お前は喰う価値もない。ただ殺す。死んでも殺す。殺し続けてやる!スタァアアアズ!!」
ブチギレながら四枚の翼を羽ばたかせ、咄嗟に大口を閉じて身を守ったガンマちゃんの顎を蹴り上げて空中に蹴り飛ばし、触手で足を掴んで勢いよくアスファルトに落下させるネメシス。
「ぐえーっ」
『ガンマちゃん!?』
さすがのガンマちゃんも目を回して本体の顔を出してしまい、女帝モリグナはその顔目掛けて拳を振り下ろそうと、して。頭部に炸裂した弾丸に、首を横に向けるとそこには駅から出てきてハンドガンを構えたジルがいた。
『ジル!』
「邪魔をするな、スタァアズ!」
「生憎とその子の顔、知ってる顔でね……殺されたら目覚めが悪いのよ」
ネメシスが使っていたものを回収したグレネードランチャーを構えて、シュポンと音を立てて榴弾を発射するジル。女帝モリグナはネメシスの右手で榴弾を掴んで爆発を握りつぶし、のしのしと歩いて突進。翼を変形させた触手を叩き込み、ジルはローリングで回避。回避しながら装填されている弾を取り換えて、射出するジル。女帝モリグナは再度握りつぶして対抗しようとするが、握った瞬間その弾丸……焼夷弾が炎上。
『それは熱い』
「ギアアアアアアアアッ!?」
全身のカラスの羽毛に燃え移って、炎上し絶叫を上げる女帝モリグナ。体を振り回し、無理矢理火を消そうと暴れていると、そこにアリサとニコライがやってきた。
「また姿が変わってるな……なんなんだやつは」
「え、何事!?エヴリン、リサは!?」
『あいつに取り込まれた!そこの白いずんぐりしてるのはガンマちゃん!味方だから攻撃しないで!』
「アリサ!そっちがニコライ?リサはどうしたの?」
「そのデカブツに取り込まれたってエヴリンが!取り返さないと!」
速やかに情報交換を終えるアリサ、エヴリン、ジル。そうこうしている間にガンマちゃんが回復、もぞもぞと器用に立ち上がり炎上する女帝モリグナに突進、炎がガワに燃え移ってわたわたと悶える。
「いくぞー!あつーい!?」
『ガンマちゃーん!?』
「えっと……アホの子?」
「そうみたい……」
「本当にB.O.W.か…?」
「おのれ……!スタァアアズ!!」
呆れている面々の前で、炎を消して黒焦げになりながらも咆哮を上げる女帝モリグナ。怒り狂いながらジルに手を伸ばそうとするも、アリサの軍用ハンドガンで撃たれて阻まれる。
「リサを返せ…!」
「できん相談だ…!スタァアアズ!」
アリサ目掛けて四枚の翼を触手に変形させて串刺しにしようとし、アリサはバックステップで回避。触手を纏めて鷲掴みにすると力任せに引っ張り、意表を突かれた女帝モリグナは抵抗する。
「放せ!スタァアアズ!」
「いやだ!これ、さっきまでなかった…!リサが絶対関係してる…!」
「させない!」
「俺のボディガードだ、返してもらうぞ…!」
抵抗して鉄拳を叩き込もうとする女帝モリグナだったが、近づいたジルがショットガンを顔面に叩き込んで怯ませ、スライディングしたニコライがサバイバルナイフで足の腱を斬り裂いて膝をつかせ、体勢を崩す。
『今だ!ガンマちゃん!』
「やっと、ひ、きえたー!」
そこに、エヴリンの指示を受けたガンマちゃんが突撃。女帝モリグナの上半身を再び丸呑みにして、アリサが引っ張る中、口内で女帝モリグナの外皮であるカラスをむしり取っていくと、目的のものを見つけアリサに引っ張られる形で んべっとそれを吐き出した。
「ぐっ……」
「リサ!」
それは四肢の皮膚がズタズタに裂けた状態のリサで、アリサに抱き留められる。ガンマちゃんは体内で特殊な消化液を用いて丸呑みにした相手をドロドロに溶かしてしまう効果があった。ゾンビを丸呑みにしたのもこの力があっての事だった。
「馬鹿な…!?」
一方、リサを無理矢理引きはがされた女帝…否、モリグナ・ネメシスは上半身を飲まれたまま振り返る勢いでガンマちゃんの口から吐き出され、よろよろと翼を羽ばたかせてその場からの逃走を試みる。しかしそれを許すアリサではない。大事な姉貴分をひどい目にあわされて、堪忍袋の緒が切れていた。
「覚えていろスタァアアズ!!体勢を立て直した次にはお前ら全員、取り込んで………!?」
「いい加減にして!次なんてないんだから!」
誰も追いかけることのできない空に逃れて性懲りもないことをほざくモリグナ・ネメシスに、アリサが持ち上げて投げ飛ばしたチャーリーくんの顔が激突。途轍もない衝撃に、不細工な顔がさらに不細工に歪んでいく。
「またこれかぁああああああっ!?」
チャーリーくんの顔に押しつぶされたモリグナ・ネメシスは情けない断末魔を上げて、街中に落ちて行った。
ハンターγの一番の脅威って驚異的な消化能力だと思うの。
RE3名物(?)チャーリーくん回収。ネメシスがあれを利用した時、恐怖を感じるより先に爆笑したよね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな2編オリジナルB.O.W.は?
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