BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
とんでもB.O.W.が登場。楽しんでいただけたら幸いです。
「ようやく同じ土俵に立てたと思い込んで勝ち誇るとはおめでたいやつらだ。いいか?俺はゲームマスターでお前たちはプレイヤー。同じ土俵に立つことは、絶対にない」
「ダリオはニコライを連れて下がってて!」
そう肩を竦めて言いながらダニエルは何もすることなく、ジル、カルロス、ミハイル、タイレルの放った弾丸の雨をハンターπたちが斬り弾き、己の身体を盾にして防いでいく。ならばと起き上がったリサが触手を、ガンマちゃんが体当たりを、私が拳を叩き込もうとするも、ハンターπが阻む。近づけない…!
「司令塔の欠如。往来のハンターの弱点だ。だがこいつらは教育により、自発的に動き俺を守り、俺の命令を遂行する。最高だぜ。なあ、そう思わないか?」
『司令塔があるハンターの強さはオメガちゃんでよく知ってるから強く言えない……ぐぬぬぬ』
「でも、その要が前に出てきたのは悪手だよ!」
虎の子であるホットダガーを引き抜き、立ちはだかるハンターπに一瞬躊躇しながらも斬り捨て、ダニエルに肉薄する。こいつさえ殺せば、このハンターπたちだって殺さずにすむ……!
「…生憎だったな」
瞬間、走行中の列車の壁に何かが外から突き立てられたかと思うと、横に大きく引き裂かれて壁がとっぱられてしまい、その衝撃で吹き飛ばされる私達。ダニエルは平然とポケットに手を突っ込みながら佇み、その背後……引き裂かれた壁だった場所の向こうに、反対車線の線路を爆走するなにかがいた。それは驚くべき存在だった。
「え、鮫!?」
『グラちゃん……じゃないなこれ!?なにこれきもっ!?』
それは大きな鮫だった。某モンスターパニック映画に出てきたあの巨大鮫の様だ。ゾンビ化しているのか所々が腐った鮫ではあるが、目を引くのは下部。腹部を突き破って複数の人間の足や腕が生えていて、それがムカデの様にドタバタと動いて走っている。エヴリンがきもいというのもわかるが困惑の方が勝つ。なにこれ。
「そいつはネプチューン・ルスカ。ゾンビの足がタコみたいだろう?半分サメ、半分タコの怪物から取ったんだ洒落てるだろ?お前らが知ってるであろう洋館で飼われていたネプチューン・グラトニーとは別のB.O.W.さ。いやまあ正確には、餌にした人間の死体が腹ん中でゾンビ化しちまって、そいつらに噛まれて変異しちまったサメだからイレギュラーミュータントというんだったか?RT-ウイルスの影響も受けていてな、体内で結合しちまっているんだとよ。そいつを調教して、水路を使って連れてきたんだ。大変だったぜ?」
言いながらハンターπの一体に抱えてもらい、列車と同じ速度で並走するネプチューン・ルスカと呼ばれたバケモノの上に飛び乗り巨大な背鰭に掴まり直立するダニエル。くそっ、距離を離された!あんな隠し玉がいるなんて!
「逃がすか!」
「逃げやしねえよ。せっかくの楽しい見世物だ、愉しまないとなあ?」
ミハイルが手榴弾を投げつけるも、ダニエルと一緒にネプチューン・ルスカの上に乗ったハンターπが斬り弾いて後方で爆発する。だめだ、手出しできない!それに、列車内で攻撃してくるハンターπたちも厄介すぎる!右腕を失ったニコライと負傷しているミハイル、戦えないダリオがいて庇いながらだから、ただでさえ戦いにくいってのに。今はカルロスやタイレルが応戦したり、ガンマちゃんが身を挺して盾になってくれてるおかげで無事だけどもたない!
「生き残りたきゃ素早く考えろ、逃げ切れるかもしれん」
『さっきの攻撃が来るよ!』
「その可能性は低いが、歴史ってのはいつも一番思いがけない方向に動くもんだ」
エヴリンの警告と詩めいたダニエルの言葉。ダニエルが乗っているネプチューン・ルスカが並走しながら近づいてきて、鰭を押し付けてきて車体を斬り裂いていく。さっきの壁を破壊した攻撃か!このまま足場を奪うつもり!?
「させるか!」
咄嗟に、菌根強化した右足を振り下ろして鰭を受け止める。鍔競り合う私とネプチューン・ルスカ。しかしそんなことお構いなく、背後から襲ってきたハンターπに背中を大きく斬り裂かれてしまった。さらにネプチューン・ルスカの口から鮫の歯を弾丸として乱射してきて、全身を貫かれた私は体勢が崩れて落ちそうになる。
「ぐううっ!?」
「アリサ!」
「お前たち、殺しちゃだめだぞ。RTに連なる奴は全員回収しないとだからな?」
「アンブレラは、性懲りもなく私達を利用するつもりなのか…!」
私を触手で受け止め、長い腕で握ったネプチューン・ルスカの鰭を押し返しながら、ダニエルの言葉にブチギレるリサ。三十年近くも幽閉されていたリサだからこその怒りだった。
「おいおい。勘違いするなよ。生憎と俺はアンブレラの刺客じゃあないんだ」
「なんですって?」
「こいつらは確かにアンブレラ製のB.O.W.だがな。俺もスペンサー卿に雇われていたが今は違う。このままじゃ蜥蜴の尻尾みたいに簡単に切り捨てられそうだったからな、乗り換えたんだ」
アンブレラの刺客じゃ、ない?なのに私達の身柄を狙うなんて、まさか。
「お、その顔。心当たりがあるみたいだな?じゃあ答え合わせだ。俺を雇ったのはサミュエル・アイザックスってやつだ。リサ・シリーズをできるだけ回収してこいってお達しさ」
「『「!」』」
その言葉を聞いて、ジルやカルロス達はピンと来てなかったみたいだけど、私とエヴリン、リサの顔が鬼気迫る。サミュエル・アイザックス。私を作った、リサの尊厳を踏みにじった、怨敵。あいつの、手先。このハンターπたちも、奴が………そうと分かれば話は別だ。
「俺の目標は「
『ヨナやグラ、リヒトまで……』
手帳を取り出しライトを当てて読み上げながらそう尋ねてくるダニエル。なめくさっている。ハンターπの連携を前に私達は完全に劣勢。しかも遠距離攻撃で妨害してくるネプチューン・ルスカまでいる。完全に奴が優勢だ。それは認める。だけど、だけどだ。
「お前たちの思い通りになってたまるか!」
「こりゃすげえ!自信と勇気にあふれてる。いいことだ。だが現実も直視しないとなあ?アッハッハァー!」
ダニエルが取り出した悪趣味な金のライター……型のスイッチが押される。するとネプチューン・ルスカの外皮を突き破って無骨な銃口が出現。その矛先が、ミハイルに向けられる。タレット!?
「なあミハイル・ヴィクトール!U.B.C.S.の荒くれ者はお前がみんなを1つにしてんだよな?ウィイ!?だったらお前から消すとしよう。お前が死んだら仲間達はあとに続くかな?どれ見てみよう」
「ミハイル!」
銃撃が、動けないミハイルと、ミハイルを守っていたカルロスとタイレル、その傍のニコライとダリオに襲い掛かる。咄嗟に私は飛び込んでミハイルの盾となり、他の二人はリサが触手で引き寄せて回避させ、ニコライとダリオはハンターπにズタボロにされていたガンマちゃんが庇う。途轍もない衝撃が背中に襲いかかってきた。
「ぐうううっ!?」
「アリサ!おい、しっかりしろ!?」
「美しい背中が台無しだぞ。お前たちがその程度じゃ死なないことは知っている。なあ、不死身ってのはどういう気分だ?痛みも快楽に変換されるのか?」
ミハイルに介抱されながら、煽ってくるダニエルを睨みつける。今なら視線で人を殺せそうだ。だけど、私達はみんな生きて、時間を稼げればそれでよかったんだ。
「私達の勝ちだ」
「なに?」
『不死身じゃないことを呪え!スゥウウ……ワアアアアアッ!!』』
「ギギギ…!?」
隙を窺っていたエヴリンが、ネプチューン・ルスカの目の前で超至近距離鼓膜絶叫を炸裂させる。足を踏み外し、転倒。そのまま上に乗ってたダニエルやハンターπも巻き込んで、線路にぶつかって派手に吹っ飛んでいった。この列車と並走する速度で走ってたんだ、衝撃は計り知れない。さすがに、疲れたな……。
ネプチューン・ルスカのノリはシャークネードとかシャークトパスみたいなサメ映画。元ネタはちょっと前にアニメにもなってたゾン100の鮫と、バイオ6のシモンズ・ビーストです。系統としてはサーベラスやエリミネート・スクナタイプ。列車に並走するスピードを持ち、鰭で斬り裂いてくる他、グラでお馴染み牙マシンガンや、体内に銃器も内蔵してたりかなり厄介。
ダニエルを雇っていたのがアイザックスだとも判明。あの男、ちゃっかり国外逃亡してるくせに欲張っております。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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