BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
「「「「「……」」」」」
ダニエルがネプチューン・ルスカと一緒に乗ってたハンターπ一体と共に吹っ飛んだあと、残った六体のハンターπたちはまるでロボットの様に静止。市民と協力して縛り上げ、私達は市民が怪我してないかの確認と、ニコライの治療を行っていた。市民に信頼あるアリサとジルが安否確認、U.B.C.S.の面々とリサ、ガンマちゃんがハンターπの見張りとニコライの治療に当たっていた。
「ちくしょう!あのキザ野郎め、よくも俺の腕を……」
『これだけ元気なら問題ないね』
「裏切った報いよ。あれだけ言い聞かせたのに」
「ぐっ…」
「ニコライ。お前の言ってたことは本当か?」
リサの辛口に押し黙るニコライの傷口に赤緑ハーブを施してから包帯で縛り上げて、カルロスが問いかける。ニコライは逃げられないと悟ったのか、視線を逸らしながら続けた。
「……俺たち監視員は派遣先の地域でアンブレラにとって存在すると都合の悪くなる記録や人物等の抹消や抹殺、現地に投入したB.O.W.や発生したイレギュラーミュータントの調査や情報収集を任務とする特命を受けた人間の一人だ。他にも何人かいたはずだ。アンブレラにとってお前らU.B.C.S.は、余計なことを知れば死んでもらうだけの捨て駒に過ぎない」
「ダニエルはそのアンブレラじゃなかったわけだけど」
「……ならもう、アンブレラのために働く必要はないな」
「そうか、お前も人間だ。逃げるのは賢明だよ」
「俺はアンブレラに関係なく、救える市民を救う。それは変わらない」
「その通りだカルロス。俺も同じ気持ちだ。絶対に救うぞ」
「俺も尽力させてもらうよ」
「……本当の馬鹿かお前たちは」
改めて決意するカルロスとそれに頷くミハイルとタイレルに、心底信じられないとでも言いたげな表情を見せるニコライ。
「……理解できん。誰だって自分の利益が大事だろう。大事なのは自分の命だけだ。他人のために自分の命を懸ける?金にもならないのに」
「守銭奴には理解できないでしょ。こういうところがあるから、私は人間が好きだよ。……貴方を見捨てることだってできたんだ。カルロス達がそんな人間だったら今頃死んでるよ?」
「っ……」
リサの諭しにぐうの音も出ないニコライ。ハンターπたちの猛攻から手負いのニコライを守り抜いたのはカルロス達だ。それは決して覆せない事実だ。
「市民を一人でも多く救うためにも、……確保しないといけない人間がいる。スペンサー記念病院の主任研究員で、生物学博士のナサニエル・バードだ。彼がウイルスのワクチンを開発したという情報がある。これが本当なら確保しなければならない」
『ワクチン作れるってアンブレラじゃね?違う?』
「なるほど。それが本当なら、街を救う鍵になる…!」
「そのためには……マーフィー、いったん列車を止めろ。……どうした?マーフィー」
「どうしたんだ、隊長?」
運転席にいるマーフィーに無線を入れるミハイルだったが、反応がない。嫌な予感がして、私は壁をすり抜け人々の頭上を越え、運転席に飛び込む。フラッシュバックしたのはビリーと出会った黄道特急の一幕だった。
『マーフィー!?』
そこには、静止している八匹目のハンターπと、頸動脈を斬られて倒れているマーフィーがいた。明かに致命傷だった。なんで気付かなかった?伏兵がいた……!嫌な予感がして見てみれば、ブレーキが斬撃破壊されて火花が散っていた。ダニエルめ、ミハイルがマーフィーに発進する指示を送った後で始末したんだ…!
『リサ!アリサ!不味いよ!ハンターπがもう一匹いた!マーフィーが殺されていて、ブレーキが壊れてる!』
「え!?」
「ミハイル!マーフィーがやられた…!」
「なんだって!?」
慌てて運転席の中に入ってくるカルロス。ブレーキが壊れ、ノンストップで走り続ける列車が脱線しかけて、線路と車輪の間から悲鳴を上げる。まずい、まずい!まずいよ!黄道特急の時はクイーンが身体を張って止めたけど、それでも脱線して大惨事は免れなかった。今回は、地下だ!脱線したら終わりだ!
「私が止める!」
ネプチューン・ルスカに斬り裂かれた壁からリサが長い腕を使って外に出て、天井を四つん這いで這って先頭車両まで進んでいき前方まで来たがしかし、そうは問屋が卸さなかった。列車が、傾いたのだ。
「「「うわあああああああっ!?」」」
「ッ…!?」
悲鳴を上げる市民たち。目を見開き、咄嗟に右側に寄って髪の毛を伸ばし、地面を突いて車両を無理矢理戻し、弾かれたように運転席に飛び込むリサ。それだけで髪の触手の先端がズタボロだ。走る列車を支えるのは無茶だって!
『やめて!リサが死んじゃう!』
「止めなきゃ、みんな死ぬ…!」
『ううっ……どうとでもなれぇええええ!』
私の目的はあくまでG6の打倒と、みんな揃って生き抜くことだ。リサもそのひとりだ、一人で無茶させるよりは…!そんな思いと共にリサに飛び込み、モールデッド・エンプレスになって窓から前方に飛び出し、反転して足で線路を踏みしめ菌根を伸ばして固定、両腕を突き出して列車を受け止める。
「『とまれぇええええええっ!』」
死力を振り絞って列車を止めようと試みて、徐々にスピードが落ちていく中で、強化された五感で気付く。気づいてしまう。フードで隠されたハンターπたちの耳元に付けられた、無線機に。まずい……!?
《「オイオイオイ。そこは大人しく一回死んでおけよ?そしたら回収が楽になる」》
「『だっ……!?』」
生きていたダニエルの声と共に動き出す。静止してただけで唯一拘束されてなかった、運転席のハンターπがカルロスたちを薙ぎ払った窓の外に身を乗り出し、私達の腕を斬り裂いてきた。踏ん張りがきかず、私達は列車に足から引きずり込まれ、列車が跳ねる。もう私達には、止められなかった。
「『ぐ、ううううううっ!?アリサ、ジル、カルロス、ガンマちゃん、みんな……!?』
そして爆発。列車に轢かれて後方に弾かれて、ズタボロの姿でそれを見てしまった私達は、爆風に吹き飛ばされ意識を失った。
「……起きて、起きてよ!ジル!カルロス!」
脱線の直前、運転席にジルと共に飛び込んでた私は、ジルとカルロスを咄嗟に出した触手の束で覆うことで守りながら列車から投げだされ線路を転がっていた。列車は爆発、炎上して爆発の衝撃で崩れ落ちてきた瓦礫に埋もれていた。私はその現実から目を逸らし、気を失っているジルとカルロスに呼びかける。お願い、せめて二人だけでも生きて…!
「……アリサ?何が起きたの?」
「助かったのか…?」
「ジル!カルロス!」
目を覚ました二人に抱き着く。よかった、本当に……。ジルとカルロスは、炎上している列車の残骸を目にして、言葉を失い立ち尽くしていた。
「そんな……こんなことって」
「……俺達は、守れなかったのか」
「生き残りを、探そう。誰か生きているはず、そうだよね?」
「…アリサ」
慌てて炎に巻かれるのも構わず瓦礫を持ち上げて、言葉を失う。黒焦げの人型がそこにあった。嘘だ、嘘だ、嘘だ。
「…このままここにいたら私達も危ないわ。移動しましょう、アリサ」
「…隊長たちならきっと無事だ。ああ、そのはずさ」
「…うん」
呆然と立ち尽くしていた私を連れて、非常口から地上に続く道を進み、地下道から出るとサーキュラー川沿いの公園に出た。川の向こうにはセントミカエル時計塔と、その横のスペンサー記念病院が見えた。こんなところまで来たんだ……。
「……あのスペンサー記念病院にナサニエル・バードがいる可能性が高い。ワクチンを手に入れて、街を救う。それしかない」
「ええ、そうね……アリサ、行きましょう」
「うん……」
カルロスが提案した言葉に頷き、痛む体に鞭打たせて三人で歩いていく。その先、サーキュラー川にかかる橋の前にあるベンチに、男は座ってくつろいでいた。傍には黒衣の人物が一人だけ佇んでいる。…あのサメの怪物に乗っていた個体だろうか。
「よっ。アリサ・オータムス。俺の用意したアトラクションは楽しんでくれたかい?」
「ダニエル…!」
私はジルとカルロスの静止の声を聴かずに飛び出し、ボロボロのダニエルを守るように立ちはだかったハンターπと激突した。
全てを覆す絶望の現実。マーフィー死亡、エヴリン、リサ、ミハイル、ニコライ、タイレル、ダリオ、ガンマちゃんが行方不明という最悪の結果。
ハンターπに助けてもらってボロボロになりながらも生きていたダニエル。ハンターπに仕込んでいた無線と控えさせていたハンターπ八匹目を使って、列車に乗ってたハンターπごと大惨事を引き起こす結果に。イメージは某コーヒーを淹れるのが苦手な地球外生命体。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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