BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は変異ナサニエル改めブラインドストーカー出現。楽しんでいただけたら幸いです。
アリサたちとダニエルが争っていた同時刻。スペンサー記念病院の廊下の天井を這い廻る巨大な影があった。それは強化された聴力で獲物を探し当てると、縦に裂けている舌を器用に伸ばして次々とゾンビを締め上げ、捕食していく。巨大なリッカーに酷似したそれは後世に
「……コレガアイザックス博士ノ魅入ラレタ人類の頂点ニ立ツ遺伝子ノパワーカ、素晴ラシイ…!」
そう長い舌にも関わらず片言で喋りながら天井から飛び掛かってゾンビを押し倒して着地。頭を押さえつけ胸を掻っ捌いて血のシャワーを浴び、舌を伸ばして味わうブラインドストーカー。しかし何が気に入らないのか、押さえつけているゾンビを八つ裂きにすると両手を振り上げ、咆哮を上げる。
「ウオオオオオッ!足リナイ、足リナイ!ゾンビノ血ジャア物足リナイ!モット!モットダ!アァアアアルティイイイイッ、リサ・トレヴァー!奴ノ血ガ欲シイィイイイッ!」
ワクチンを開発した天才の面影はどこにやら。狂ったように叫び散らすブラインドストーカーは縦に裂かれた舌を伸ばして窓を粉砕、窓枠を鋭い爪で抉り、無理矢理その巨体で外に這い出した。舌をちらつかせ、なにかを探るようにスペンサー記念病院と隣接するセントミカエル時計塔の壁を這い上がり、文字盤の針に手をかけ、頂上まで登るとサーキュラー川に顔を向ける。
ブラインドストーカー。T-ウイルスから生まれたリッカーのRT版ともいうべき存在であり、サイズが異なるもののそのマッシブな筋肉が露出した肉体や鋭い爪、脳が肥大化していて目が見えないのは同じだが、ブラインドストーカーは蛇のヤコプソン器官の様に舌で匂いを嗅げるよう嗅覚が発達し、より索敵能力に優れていた。
「見ィツケタゾォ!リサァッ!トレヴァァアアアアアアアアッ!!!」
サーキュラー川沿いの公園にて、ネメシスをまじまじと見つめるジルとカルロス。アリサは弁護するもやはり半信半疑だった。
「本当に信用して大丈夫なの?」
「助けられたのは事実だからな…」
「大丈夫、ネメシスは味方だってエヴリンが。だよね?」
「裏切ろうとしてもその瞬間私が首を折ってやるから安心して」
「スタァアズ!?」
『リサ、冗談下手くそすぎる』
背中に括り付けているリサの冗談に聞こえない冗談に怯えるネメシスに、以前の威圧感を感じないアリサたちは納得することにした。そうなると次の問題は、ネメシスの触手で首を絞められ失神しているダニエルである。
「何か縛るもの誰か持ってない?」
「リサを括り付けているホース…はもうないよね」
「というか武器を全部ネメシスが回収してたけどいいのか?」
ホットダガー、マインスロアー、スタンロッド、アンブレラ マグナムリボルバー、あともともと装備していたサブマシンガンや手榴弾類で武装しているネメシスにカルロスが不安げな声を上げる。モリグナはどうやら武器を扱う知能はなかったようで手は付けられていなかった。
「まあホットダガー、私は使いこなせなかったしいいんじゃないかな?ダニエルが持つよりはよっぽどいいよ」
『引くほど変な武器を持ってるなこの偽ウェスカー』
「とりあえずダニエルは放っておくしかないわね。連れて行くわけにもいかないし……ゾンビの跋扈するここに見捨てるのは気が引けるけど」
「……あれだけの数の市民を殺したのよ。見捨てても罰は当たらないわ。四肢が無事なら今ここで殺しているわ」
憤怒の形相のリサの言葉に、頷くしかない一同。そんな時、なにか巨大なものが飛び込む水音がして。サーキュラー川に振り向く面々。ハンターπも落ちた水面は静かで。気のせいとも言い切れず、アリサは軍用ハンドガンを、ジルはグレネードランチャーを、カルロスはアサルトライフルを、リサを背負ったネメシスはサブマシンガンを構え、エヴリンは高度を上げて見張る。
『……気のせい、じゃないよね』
「確かに何かが水に落ちた音がしたよ」
「新手?」
「それも気になるが今はスペンサー記念病院に急ぎたい。ワクチンを作ったナサニエル・バードを確保したい。隊長の意志だ」
「スタァアズ」
「……エヴリンと私が見張っておくわ。カルロスの言う通りにしましょう」
カルロスが先導し、エヴリンが頭上高くに浮かび、近くのサーキュラー川にかかる橋を進む面々。
「ナサニエル・バードが無事な根拠は?」
「ない。だが賭けるしかない。街を救うにはそれしかないんだ」
「ワクチンを独り占めにする気なら脅してでも確保しないとね」
そんな物騒な会話を繰り広げるジル、カルロス、アリサ。それを微笑ましそうに眺めていたリサの第六感が、危険を告げる。エヴリンも同時に、闇夜の水面を蠢く影を見つけた。
『なんかやばいのが来た!』
「ネメシス、三人を!」
「スタァアズ!」
リサの声に頷き、その大柄な体でジル達三人を押し倒すネメシス。その頭上を、サーキュラー川から飛び出してきた怪物……ブラインドストーカーの爪が通り過ぎる。そのまま橋の柱に張り付いて舌を伸ばして裂けた口を三日月の形に歪めて歓喜の笑みを浮かべるブラインドストーカー。
「見ツケタ!見ツケタゾ!オ前ノ血ヲ啜ラセロ!リサ・トレヴァァアアアッ!」
「なんだこいつは…!?」
『喋るリッカー!?にしてはでかいし!』
「こんなストーカーがいるなんて聞いてないんだけどリサ!」
「私も知らないわよこんなやつ!」
「ナサニエル・バードのところに向かわないといけないってのにまた新たな怪物?ついてないわね!」
そう吐き捨てるジルの言葉に、ブラインドストーカーは嘲笑する。
「オ前タチハツイテイルゾ!私ガ天才ナサニエル・バード ダ!」
「何の冗談だ?バードがお前みたいな化け物なはずないだろ!」
「貴方がバードだとして、ワクチンはどうしたの!」
「ソンナコトドウデモイイ!血ダァ、血ヲヨコセエ!」
「スタァアズ!」
柱から跳躍し、リサ目掛けて飛び掛かるブラインドストーカーの爪を、ネメシスが咄嗟に拳を突き出して迎撃。殴り飛ばされるブラインドストーカーだが、器用に柱に張り付くと登っていき、屋根から次々と両腕を突き刺してきて攻撃。大柄なネメシスは避けられず、リサもろとも肩を突き刺され体勢を崩す。一方的に居場所を探って繰り出してくる攻撃に、面々は橋を駆け抜けていくしかなかった。
「狙いはリサ!?それともアリサ!?」
「おそらくどっちもだ!それよりワクチンだ、アイツの言い分からまだ残っている可能性が高い!ジルとアリサはワクチンの確保を!ここは俺が引き受ける!リサ、ネメシス!悪いが付き合ってくれ!」
「スタァアズ!」
「囮になれって?上等よ」
走りながらそう言うカルロス。リサを背負ったネメシスと共に、橋の真ん中で陣取りアサルトライフルで屋根に銃撃を叩き込むカルロスに、先を進んでいたジルとアリサはそれに気づいて慌てて引き返そうとするが、それはカルロスに手で制された。
「リサは必ず守る!行け!ジル!アリサ!」
「スタァアアズ!」
「カルロス!」
「リサ!」
「安心しろ。俺は死なない。俺のいない世界なんて寂しすぎるだろ?」
「30年近く死にそびれたのよ、今更死なないわ」
躊躇するジルとアリサだったが、カルロスとリサの言葉に意を決して先を進む。エヴリンもそれに続いた。
『ネメシス!二人を頼んだよ!』
「スタァアズ!」
「……頼もしいよネメシス。俺一人じゃどうしようもなかった」
「そんなことない。あなたもS.T.A.R.S.に負けず劣らず頼もしいわ」
「はっ。そいつは最高の誉め言葉だ!」
「血ダア!血ヲヨコセェエエエッ!!」
そうしてカルロス、ネメシス、リサは迫りくるブラインドストーカーを迎え撃つのだった。
ブラインドストーカーのキャラモチーフは分かる人にわかるように言うと血の刻印の氷室。やべー奴の血で覚醒したインテリってあれのイメージしかなかった。簡単に言うと索敵能力を得た実写版Vぐらいで出てた巨大リッカー。原作RE3でいうネメシス第二形態に当たります。ネタを提供していただいたのはお馴染み、エレメンタル社-覇亜愛瑠さんです。いつもありがとうございます。
ワクチンを手に入れるため、殿を務めるカルロス、リサ、ネメシス。そろそろ終幕も近いです。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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