BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
いそうでいなかったシリーズ。楽しんでいただけたら幸いです。
・ペイルキラーについて
先日発生した突然変異によって驚異的な再生能力を得たゾンビ「ペイルヘッド」から採取された遺伝子を用いて作ったアイザックス博士が考案したクローニング技術により生み出されたハンター。RT-ウイルスとも合わせることが検討されたが、遺伝子改良とかみ合わないため断念された。驚異的再生能力と俊敏さを持つ強力な生物兵器だが、ウイルスが脳にまで影響を及ぼしており制御困難。さらなる実験のため、睡眠剤を与え拘束、NEST2からアンブレラ本部に移送する。
開発責任者:NEST2 主任研究員 コーネル・ガーナー
「鍵なんてぶっ壊す!」
「キーピック得意だなんて誇れないわね…」
『それは普通にすごいと思う…』
施錠されていた正面玄関を蹴破り、スペンサー記念病院の中に突入するアリサと、それに続くジルについていく私。あっちも気になるけど、こんな入り組んでる病院で私のナビなしだと時間がかかってしまうのは明白だ。カルロスとネメシスならリサを守りながらも戦えるはずだ。
「って、普通のハンター!?なんでいるの!?」
「スペンサーってアンブレラの総帥の名前よね……洋館と同じように…」
『アンブレラの秘密の研究所って事か。地図を見た感じ、こっち!』
拳やグレネードランチャーで廊下を徘徊しているゾンビやハンターを蹴散らしながら、突き進んでいく二人をナビする。脳内マップはイーサンと冒険したころから得意だ。さっきちょっとだけ見た見取り図は大体把握した。多分だけど奥の研究室ってところだ。
「ここ!?」
「なんか閉まってるけど……」
《音声データと一致しません》
『音声認証みたい?……ここ1998年だよね?』
2000年代でも結構珍しいんだけど1998年でそれはハイテク過ぎない?
「多分バードの音声がいるんだわ。どうすれば……」
「こんなのに時間かけてられるかあ!」
『至極ごもっとも』
まあアリサが蹴り壊しちゃうんだけどね。
「これは…!?」
「ワクチンの空容器…?どこか、どこかに一本ぐらい残ってないの!?」
『多分、アイツが使ったんだ……』
ジルが調べた、実験記録とファイル名がなされたパソコンの画面には、ナサニエル・バードの名前とT-ウイルスに感染しワクチンを大量投与した自らの肉体に、さらにハンター・アーマードが回収したアリサの血と肉片で作った血清を打ち込むことで唯一無二の存在になれるという文章とナサニエルが変異する様子が録画された動画がどこかにアップロードされた痕跡があった。変異する途中で殺されたハンター・アーマード君は泣いていい。いやこいつがアリサの血と肉片を回収したせいだった。ギルティ。
「ここにあったワクチンは奴が全部使ったみたいね……なんて悍ましい」
「だめ、奥の部屋にもない!」
『あとは考えられるのはさっき言ってた秘密の研究所……洋館の時と同じなら、地下かな?』
「地下かも、だってエヴリンが!」
「行ってみる価値はあるわね」
『多分、こっち!』
来た道を引き返し、機関室を通ってガレージか倉庫の様な場所に出る。ご丁寧にアンブレラと描かれ傘のエンブレムが記されたトレーラーが停められていた。間違いなさそうだ。奥にあった車両ごと移動させる巨大なエレベーターを起動し、巨大な地下倉庫に出た私達。たくさんの物資が棚に並べられている。そこに、それはいた。
「……なに?あれは……」
全身の体毛が抜け落ちたような青白い肌のゾンビだった。それが光に照らされて突っ立ってるもんだからすごく怖い。
『コンプライアンス違反の擬人化!』
「こんぷら……天ぷら?なに?」
「アリサこそいきなりどうしたの…?」
あっ。アリサのワンパンチで沈んだ。頭を吹き飛ばされてまだ突っ立ってたけど蹴り飛ばされて壁に叩きつけられてミンチになった。ここまでギャグみたいなやられ方すると怖くないな……。これからも出てくるか知らないけどはげちゃびんと呼ぼうそうしよう。
ガコン!
「っ!…なに?」
「私達が来た方向から…?」
『ちょっと見てくるねー』
なんか重いものが落ちた音が聞こえてきて、和んでた私は軽い気持ちで来た方向の壁をすり抜けて、後悔した。一緒にエレベーターで降りてきたアンブレラのトレーラーの荷台の蓋が何故か落ちていて、荷台の縁に鋭い爪が生えた指が握られ、そこからちょうどそれが顔を出したところに出くわし目が合う。
『………』
「………シャーッ!」
『にゃあああああああっ!?』
さっきのゾンビと同じ青白い肌で、眼が血の様に赤く光る、他のハンターに比べると細身で小柄な印象だけどひときわ獰猛なハンターの様な何かだった。咆哮を上げて追いかけてくるそれは、多分だけど荷台に眠っていたところをさっきのはげちゃびんが壁に叩きつけられた衝撃で起きちゃったんだ!私を斬り裂くつもりなのかトレーラーの荷台に飛び乗り、そのまま一跳躍でこっちまで飛んでくる白ハンター。めっちゃ速いんだけど!ねえ此奴なんて呼べばいいのー!?
『あぶなっ!?』
なんとか隣の部屋に逃げ込むも扉がギャリギャリギャリと引き裂かれ、顔を出す白ハンター。そのまま邪魔な壁を引き裂いて中まで入ってくると、私目掛けてどこまでも追いすがってくる。ついにはアリサとジルのいる地下倉庫まで来てしまった。まずいって!
「うーん、ヒューズが壊れてるならしょうがないけどジルを抱えて跳ぶ…?いや、窓に阻まれるか…」
「普通に替えのヒューズ探さない?あるかは知らないけど」
『二人とも逃げてえ!』
すると奥に進む昇降機の前で二人が考え込んでいたので、慌てて叫ぶと聞こえてるアリサだけこちらを向いて、げっと顔を歪ませる。どうでもいいけど感情豊かになったね嬉しいよお母さん(代わり)!
「ジル!グレラン!」
「え?…え!?」
軍用ハンドガンを向けて発砲するアリサだったが、焼け石に水とばかりに当たった傍からめちゃくちゃ速い速度で再生してしまう。はげちゃびんも再生しようとしてたしそういう特性なのか!アリサに言われて振り向き、驚愕したジルがグレネードランチャーを発射。しかし白ハンターは見切ったように飛び退いて棚の上に乗ると、急降下してアリサ目掛けて爪を振るってきた。こいつ、眼に入れば何でも襲うのか…!
「速い…!?」
咄嗟に拳を握って迎撃を試みるアリサの右腕を、肩口からすっぱり斬り飛ばしてしまう白ハンター。アリサは傷口から触手を伸ばして無理矢理つなぎ合わせると左手で握った軍用ハンドガンで狙い、発砲。白ハンターは高速で何度も宙返りして回避すると、今度はジル目掛けて突撃する。まずい、ジルはダメ!
「くっ……」
「『ジル!?』」
ズダダダダダダダダダダッ!
すると上……私達が目指していた方向から銃弾の雨が降り注ぎ、白ハンターは蜂の巣にされて倒れ伏す。慌てて上を見やると、そこには…!?
「どうやら間に合ったみたいだな!」
「エヴリン~お待たせ~!」
「タイレル!?」
『ガンマちゃん!』
タイレル・パトリック。車両の横転で死んだと思っていたU.B.C.S.の隊員と、大きな口から出した本体の手を大きく手を振っているガンマちゃんそこにいた。
「ミハイル隊長とダリオも無事だ!今、隊長が護衛してダリオが上にあったヘリを整備している!それで脱出できるぞ!カルロス達はどこにいる?無事なのか!」
「他のみんなは今、外でナサニエル・バードが変貌した怪物と戦ってる!」
「無事でよかったわ!でもどうして?」
「あの時、この子……ガンマちゃんが俺達を咄嗟に口の中に入れて横の大穴から飛び降りることで爆発を回避していたんだ。ゴム質の身体のおかげで三人を頬張って跳ねてくれたおかげで助かった」
「あつかったー」
『ガンマちゃん……よくやった!』
いや本当によくやった!そう歓喜していると、立ち上がる音が。白ハンターが、まだ起き上がっていた。しぶとい……弾丸くらいじゃ死なないのか、どうすれば…。
「シャアアアアッ!」
「本気のパンチでぶっ飛ばしてや……る?」
「がぁあぶ!」
アリサがグルングルンと再生した右腕を振り回して意気揚々と殴ろうとしていたが、その前にガラスを突き破って飛び降りてきたガンマちゃんが丸呑みにしてしまった。白ハンターが口の中で暴れていたが、バキボコグシャゴキメキドゴッ!と擬音が鳴り響いて静かになり、血まみれだけどにぱーと笑顔のガンマちゃんだけ顔を出す。
「ごちそうさまー」
「え、あ、うん……」
『再生能力持ちの天敵とは、たまげたなあ』
ネメシスにガンマちゃん。完全に予想外の仲間だけど、すごく頼もしい。これならアネットに勝てるかもしれない?
お馴染み、エレメンタル社-覇亜愛瑠さんから提供されたクリーチャーの案の一つ、ペイルキラー。ゲーム的には強すぎてやらなかったんだろうね、うん。
コンプライアンス違反の擬人化は某びびりな牛の人から。語彙力の塊よねこの名前。
そして生きてたタイレル、ガンマちゃん、ミハイル、ダリオの四人。ガンマちゃんが頑張って助けてました。RE3のエンディングの場所から逆算してここまで来た次第です。
次回、3編最後の敵が登場。次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな2編オリジナルB.O.W.は?
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