BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はついにミランダとイーサン・ハイゼンベルク同盟の決戦開始。楽しんでいただけると幸いです。
「だから悪かったって…腕試しもすんだ。申し分ねえ。お前たちなら俺の背中を預けられる」
エレベーターで戻ってくるとしたり顔のハイゼンベルクが人間の姿でいて。無言で怒りを表しているとそう謝ってきた。…クリスのことを言うべきだろうか。なんか隠しているのが悪い気がしてきたぞ。
「それで作戦だが。お前たちと俺の力を合わせられないかと思ってる。名づけてミランダバスターだ。モールデッド・ギガントに俺の力で武装させる。これで戦力は単純に二倍になる。シュツルムに特攻させ、ゾルダート軍団とミランダバスター、俺で一気にたたみかける。悪くはないだろう?」
『アヴェンジャーズ?』
「俺達はミランダと言う巨悪に立ち向かう
『私だけ仲間はずれなのやだな』
「お前が大人だったらブラック・ウィドウでもやらせてやるんだが、嬢ちゃんじゃなあ」
『私、大人になれるよ』
「おおう!?変幻自在かよ!こいつは面白ぇ!」
大人の姿になって胸を張るエヴリンと、それに興奮するハイゼンベルク。ここに水を差すのは少し気が引ける。いざ言おうと気を引き締めると、鳴り響くサイレンと回る赤い光。何が起きたのかと見回しているとハイゼンベルクが神妙な顔で鉄槌を引き寄せて手にした。
『なになになに!?』
「何事だ!?」
「…きやがった。こいつはデュークの野郎に金を払って、聖杯にミランダが近づいたときに連絡してもらった時に鳴り響くアラートだ。つまり、ローズが危ねえ」
「そういうことは早く言え!行くぞ!」
「お前らは先に行け!俺は軍団を引き連れて追いかける!既に用意はしているからそう時間はかからんが、ローズを奪われるわけにはいかねえ!ローズの瓶を一個でもいい、回収したら工場の敷地へ誘い込め!」
「分かった、もう引き返せない。行くぞエヴリン!クイックだ!」
『了解!』
工場から飛び出すと同時にクイック・モールデッドの脚にしてもらい素早く動ける機動性を利用して全速力で駆け抜ける。祭祀場が見えてくれば大跳躍、今まさに聖杯に手を伸ばそうとしているミランダを見つけて急降下。自分に被さった影を見てこちらを見上げるミランダだが、もう遅い。
「エヴリン、右足を通常のモールデッド化だ!」
『やりたいことはわかるよ!せーの!』
「『ライダー、キーック!』」
「なに?ぐああっ!?」
渾身の飛び蹴りがミランダの顔面に炸裂。大きく頭から吹き飛ばし、ロックを蹴りつけて浮き上がった瓶を四つ丸ごと右手に持っていた鞄に詰め込み、エヴリンがまた両足をクイック・モールデッド化してくれたのでまた跳躍で工場敷地に戻ろうとする、が。
「イーサン・ウィンターズか。邪魔をするな。来い、ヴァルコラック・アルファ」
翼六枚をバサッと広げたミランダに呼応する様に、横の巨像の陰から何かが飛び出してきて、腹部に噛み付かれる。咄嗟に鞄をそいつの頭部に叩きつけて橋に落下し、背中を強打。見上げると、そこには以前モローの湖へ行く際に遭遇したあの獣と同型の怪物がいた。なんか槍とか色々刺さっていて歴戦感が凄い。ヴァルコラック・アルファって言うのか。なら以前遭遇した奴はヴァルコラックってところか。明らかに前より強そうだ。腹から血がどくどく流れるが気にしている暇はない。
「来たれ、我が
『イーサン、たくさん来たよ…!』
「とにかく逃げるんだ…!」
さらに橋の前まで降りてきたミランダが手をかざすと、次々と姿を現しミランダに付き従うように降りてくるライカンたち。まだこんなに残っていたのか…!?するといつの間にか、襲われた当時の服装のミアに姿を変えて歩み寄ってくるミランダ。俺を油断させるつもりか。
「イーサン。ローズを返して。私達の子供よ。お願い、言うことを聞いて」
『卑怯だけど関係ないね!イーサンはミアが相手だろうと容赦なく斬るもん!』
「そうだ、ミアの姿だろうが俺は攻撃するぞ。もう小細工は効かないぞミランダ。お前のじゃない。俺達の子だ!」
そう叫ぶと同時にハンドガンを乱射。しかし瞬時にミランダの姿に戻って閉じられた翼で防御され、その隙を突いて工場の敷地へと全速力で走る。余裕そうにヴァルコラック・アルファに追加された三体のヴァルコラック、大型を含めたライカンの軍勢を引き連れて歩み寄ってくるミランダ。俺を追い詰めているつもりなんだろうが、それは逆だ。なあ、そうだろう?
「連れて来たぞ、ハイゼンベルクゥ!」
『団体様のおつきだぁ~!』
「待たせたな!イーサン!」
ハイゼンベルクの声と共に工場の扉が開き、ぞろぞろと出てきて俺とミランダの間に並ぶのはヘッドギアを頭に付けて左腕にドリルを装着し胸にアイアンマンのリアクターの様な赤く輝くコアみたいなものをつけた人型、ゾルダートの軍勢。その数はライカン軍団に負けてないどころか遥かに勝っている。中には両腕にドリルを付けていたり、ジェットパックで空を飛んでいたり、数こそ三体だが全身に装甲を纏っているゾルダートまでいる。一番前の先頭にはプロペラエンジンが頭部と胴体というとんでもない姿をした(恐らく)シュツルムがいた。
ギュインギュインとドリルやプロペラの音がうるさいこと以外は圧巻の光景だ。そして最後に出てきたハイゼンベルクは鉄槌を手にしながら吸っていた葉巻を捨てて踏みにじり、帽子のつばを上げて笑みを浮かべる。
「よぉミランダ!いい天気だな!」
「…ハイゼンベルク。一応聞くが、なんのつもりだ?」
「そりゃあ、気持ちよく裏切らせてもらうのよ。俺達はお前を倒すために手を組んだ。てめえの天下はここで終わりってわけだ!」
「そうか。ならば死ね」
そう言って手をかざすミランダ。しかし何も起きず、間に耐えかねたエヴリンが吹き出し、ハイゼンベルクが高笑いを上げる。
『ぷっ。ださーい!』
「ハハハハハハ!残念だったなミランダ!テメエの支配はもう受けねえ!俺達のカドゥを潰そうとしたんだろうが、俺自ら改造した機械脳と、ゾルダートに取り付けた制御コアがカドゥを電気信号で支配する!テメエの支配なんざ糞喰らえなんだよ!」
「そういうわけだ、ミランダ。『覚悟しろ』」
ヴァルコラック・アルファに噛み付かれた腹部に傷口に回復薬を垂れ流し、カビを身に纏ってモールデッド・ギガントに姿を変えてエヴリンと共に声を出すと、同様に工場の中や敷地の鉄材を引き寄せて怪物形態に姿を変えるハイゼンベルク。二つの巨体と、恐怖を感じない鋼の軍勢がずらりと並ぶ。
「…やはりか。イーサン、お前も特異菌の力を使えるようだな。だがそれは出来損ないの力だ、この私には及ばん。ハイゼンベルクも、まさかここまで無駄な抵抗をしてくるとは思わなかった。だが、その程度の戦力でこの私に勝てると思っているのか?」
そう言って六枚の翼を広げ、仮面の下から見下した目を向けてくるミランダに、ファイティングポーズをとる。エヴリンが出来そこないだと、どういう意味だ?すると隣でデカい腕で小さく見える鉄槌を振りかざしたハイゼンベルクが声を張り上げる。
「関係ねえさ。ゾルダート……いや、
「「「「「ウオォオオオオオオッ!」」」」」
そして、ミランダ率いるライカン(+α)の軍勢と、ハイゼンベルク率いるゾルダートの軍団が激突。血肉が宙を舞った。
制御コアと機械脳でカドゥを制御しているのは、そう解釈した上でのオリジナル設定です。あのハイゼンベルクが何も対策をしてないわけがない。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。