BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は3編の終幕と、再開。楽しんでいただけたら幸いです。
「…あぶなかったわ」
レールキャノンの直撃で消し飛ばされたグレイブディガー・ヒュドラから、ギリギリ離れていたヨナが深く息を吐く。ギリギリまで首を絞めて時間稼ぎをしていたMVPである。一部が膨大な熱を持って水が蒸発し、川底が見える穴が水面に空いている。恐ろしい威力だとビビりな彼女は震え、対岸の公園に視線を向ける。
『ハッハッハア!』
「スタァアズ……」
地面に降りるなりバチバチと全身に稲妻が走り片膝をついてダウンしたネメシスから排出された、ハイゼンベルクの格好をしているエヴリンが拳を握りガッツポーズをしている光景がそこにあった。彼女と家族だという存在しない記憶を叩き込まれてほいほいついてきたが、あんなだっただろうか?と疑問符が浮かぶ。
「a。……あー?」
「ま、マザー…?」
「いのちのおんじん!エヴリンだいじょーぶ?」
横を見れば、研究所から一緒に逃げ出した仲のグラと、特にエヴリンを「マザー」と慕っているリヒト、そしてサーキュラー川に来るなり溺れてたので助けたら懐かれたガンマちゃんも困惑している。反対側を見れば、ヘリが降り立ちカルロスが駆け寄りリサと何事か話し合っているジル達と、やはり困惑を隠せていないアリサがいた。
「あ、あの……エヴリン?」
『なんだアリサ。俺はハイゼンベルクだ』
「じゃあエヴリンって呼ばれて反応するのおかしくない!?」
アリサが勇気を振り絞って問いかけたが一蹴されてる。どうしたもんか、触ることもできないしな……と、一応動物組内では精神的に最年長(?)である自分がどうにかしなければとヨナが蜷局を巻いて悶々としていると、ジル達と何かを話し終えたリサがすたすた歩いてエヴリンに近づくと、問答無用で殴りつけた。
「ふんすっ」
『あいたっ!?なにすんだリサてめえ!』
ぽかんッと小気味いい音が鳴り響き、リサとアリサ以外のエヴリンが見えるB.O.W.たちがありえない光景に驚いていると、この場で唯一エヴリンを見て触ることができるリサは帽子が持ち上がるぐらいのたんこぶができたエヴリンの胸ぐらを掴んで眼前まで引き寄せるとニコニコ笑顔で圧を発する。
「てめえとはご挨拶ねエヴリン。いつまでごっこ遊びをしているつもり?何をしたのか知らないけど、急がないとなのにまだこんなめんどくさいことをするなら、私にも考えがあるわ」
『待て、待て。落ち着け。考えってなんだ』
「正気に戻るまでフルパワーでぶん殴る」
『戻った!戻ったから勘弁して!?』
ひぇええええっと情けない声を上げながらその姿にノイズが走りいつもの姿に戻って涙目で両手を上げて降参の意を示すエヴリン。すっかり元に戻ったエヴリンに、リサは「よしっ」と頷くと背後のアリサに親指をさした。
「ほら、アリサにもなんとか展開しなさい。説明している時間がない。ジル達には私達はこの街に残ってあとから脱出すると説明したから」
「え、なんで?一緒に脱出すれば……」
「洋館の時と同じだけど、まずヘリに乗れる人数が限られてる。私達だけ脱出したらガンマちゃんたちを見捨てないといけないし、なにより……私達には、やることがある。エヴリン」
『はーい……偽・領域展開。なんちゃってむりょーくーしょ』
「あばばばばばっ!?」
リサには逆らえないのか掌印を結んだエヴリンが直接記憶をアリサに流し込み、目を回して倒れ込むアリサ。それを見て、腕を組んでうんうんと訳知り顔で頷くヨナとグラ、ニコニコ笑顔のリヒト、ぽけーっと空を見ているガンマちゃん、ダウンから持ち直して直立不動のネメシス。
(そうなるわよね。わかる……)
(情報量が、情報量が多すぎるのだ……)
(マザーが戻って俺、安心した)
(おなかすいたー)
(すたぁず)
フリーダムである。そしてぷるぷるぷると頭を振るわせて流れ込んできた情報を整理し、エヴリンを見るアリサ。エヴリンは申し訳なさそうに俯いていた。
「…エヴリン。なんで、すぐ、話してくれなかったの!?」
『え、いや、だって……私が不甲斐ないせいで脱出できるかもしれないアリサを巻き込むのが嫌で……』
「そんな遠慮不要だよ。私達、家族じゃないの?」
『うっ。……ごめんなさい』
「マザーを泣かせるな」
泣きじゃくるエヴリンとアリサの間に割り込むリヒト。この子供、マザーの涙は許せぬ男(女)であった。
「あ、ごめん。えっと……リヒトだっけ。でっかい子供ができたねエヴリン。子供にかっこわるいところ見せられないね?」
『うん。…うん!』
「私エヴリンの姉だと思ってるから、甥っ子になるのかな…?私アリサ。よろしくね、リヒト。ヨナとグラも!」
「え、あ、うん…?」
和やかに挨拶するアリサに呆気に取られるリヒト。ヨナとグラも顔を見合わせている。そしてエヴリンは、ネメシスの前に浮かんで頭を下げた。
『…ごめん。ハイゼンベルクの力を使うためとはいえ、電気は苦しかったよね。でもあなたのおかげで勝てた。ありがとう』
「スタァアズ」
『今度こそ、貴方は自由だよ。戦わない道だってある。できればまだ手を貸してほしいけど、あなたの好きなように……』
そこまで言って、エヴリンは気づく。ネメシスが、じっとおのれを見つめていることを。その視線に含まれる信頼と親愛の感情に気付く、気付いてしまう。
『……本当にいいの?ひどい目に遭わせたんだよ?』
「むしろ、今更蚊帳の外にする方が薄情じゃないかしら」
「スタァアズ!」
リサの言葉にそうだそうだと言わんばかりに頷くネメシス。エヴリンは観念して、頷いた。
『…わかった。これからも、力を貸して。ネメシス』
「私を容赦なくぶん殴ったのは許さないからね」
「す、スタァズ……」
「冗談だよ」
「それで……私達はいくけど、本当にいいのね!?アリサ!」
アリサがネメシスと軽口を叩いていると、カルロスを乗せたヘリがふわっと少しだけ浮上し、後部に乗ったジルがヘリのローター音に負けないくらい声を張り上げながら呼び掛ける。
「うん。クイーンたちを助けなきゃ。ジルは早くサンプルを持って外に行って。それぞれ、やることをやってから外で合流しよう」
《「一緒に戦えて光栄だった。生きろよ。アリサ、リサ」》
「うん、カルロス。それにタイレル、ミハイルも。今度、ラクーンシティの外のいいお店を教えてよ!みんなで行こう!」
『アリサそれフラグになるからやめよう?』
《「ニコライやマーフィーの事は残念だったが……負傷した俺が生き延びられたのは君たちのおかげだ。きっとな。わかった、探しておくとしよう」》
そう言い残して、ダリオの操縦するヘリは飛び立っていった。ワクチンサンプルという希望を乗せて。それを見送り、リサはエヴリンに向き直る。
「…馬鹿ニコライ………ま、いいわ。さあ、神殺しを始めましょうか」
『うん、まずはクイーンと合流しよう。…みんなで生きて、この地獄を出るんだ…!』
▼file3【
OVER TIME‼
▼file2【G生物編】RESTART‼
「礼を言うわ、クイーン。そしてエヴリン。貴方たちが何度も殺してくれたおかげで進化し続けた私は、G-ウイルスに完全に適合したのよ!」
もう何度目かわからないこの台詞。だがアネット……G6と対峙するのは、今までとは訳が違う。まず場所は下水道。そう、一巡目ではモールデッド・ハンターとして戦ったあそこだ。そして、迎え撃つのは厳選したこの四人。
『むしろ、そのために何度も殺したからね。いくよ……クイーン!アリサ!リサ!ネメシス!』
「ああ。今度は負けない…!」
「アネット……シェリーのお母さんだろうと容赦しないからね!」
「エヴリンを散々苦しめたお礼をしてあげるわ」
「スタァアアアズ!」
長かった。本当に長かった。もうコンティニューはできない、失敗は許されない。それでも、やってやる。そして、偶発的に得た新たな力……私が記憶の持ち主本人だと思い込んでしまう欠点はあるけど……なんかリサの威圧で戻れるっぽいし、有効活用しない手はない。名前も付けた。名づけて、
そして、コンティニュー地獄を味わう前はコンティニューしてでもクリアするって息巻いてたけど、今は違う。痛感したことがある。コンティニューは逃げ道だ、次があるからと思ってしまい絶対にやり遂げる!なんて思えなくなってしまう。退路を断つためにも、ここで宣言してやる。
『ノーコンティニューでクリアしてやるぜ!ってね!』
大活躍の偽・領域展開。アリサは地獄の記憶を手に入れた!
エヴリンの憑依モード「
そしてG2戦の場所でG6アネットと対峙。どうしてこうなったか、他の面子はどうしているのかは次回にて。ダイジェスト気味になるけど許して。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?
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ネメシス(完全武装)
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グレイブディガー・ハスタ
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モールデッド・エンプレス
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モリグナ(本体)
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ハンター・アーマード
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モリグナ・ネメシス
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ハンターy(ガンマちゃん)
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ハンターπ
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ネプチューン・ルスカ
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ブラインドストーカー
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ペイルキラー
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グレイブディガー・ヒュドラ
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モールデッド・シュタール(ネメシス)