BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。実はG6よりもやばいかもしれない遺伝子の持ち主がいるんです……。

アルテとかいう出てくるたびに無双するやべーやつとエヴリン一家の対決です。楽しんでいただけたら幸いです。


file2:46【究極(アルテ)のチカラ】

 シェリーがいないと脱出しないと駄々をこねるウィリアム・バーキンにしょうがなく付き合い、シェリーを回収しようと動くアルバート・ウェスカーことアルテ・W・ミューラーを名乗るRT-ウイルスで蘇生した女は、自分が護衛しているウィリアムと、合流したエイダを連れて下水道を急いでいた。

 

 それもこれも、シェリーを保護しているはずのアイアンズとは音信不通。エイダにベン・ベルトリッチから情報を得させるついでにクイーン一行に潜入させるつもりが、最初からばれてて門前払い(というかリヒトに喰われそうになった)。全てが上手くいかない、違和感。そして。

 

 

「……なにか用だろうか。我々は急いでいるんだがな」

 

 

 アルテがため息をついてサングラスのずれを直しながら問いかけた先には、同じ顔の、だがしかし百足、鰐、蛇、鮫と全く異なる特徴の異形の身体を持つ少女たち。その体格というかサイズはでかく、脇をすり抜けようにも、比較的広いエリアだというのに完全に行く手を塞がれている。

 

 

「悪いけど、ここから先は行かせないわ。愛を教えてあげる」

 

「マザーの邪魔は、俺達がさせない…!」

 

「前回の借りを返してやるわ…!」

 

「よくも洋館では騙してくれたな!今度はお前を喰ってやるのだ!」

 

「……ウェスカー。この可愛い子を騙したの?」

 

「…覚えがないな。その顔には見飽きた」

 

「そんなことどうでもいい!シェリーを取り返す邪魔をするな!」

 

 

 立ちふさがるヘカトちゃん、リヒト、ヨナ、グラの四人に、エイダはグラとの関係をアルテに問い質しアルテは素知らぬ顔でとぼけ、ウィリアムは臆さないどころか苛立ちを隠さずにハンドグレネードランチャーを取りだし硫酸弾を装填して発射する。しかしその弾丸は、クイーン一派の中でも特に強固な防御力を持つヘカトちゃんが球体の様に展開したムカデ腕の甲殻で防御。硫酸が爆ぜて煙が発生し、見えないその中から高速で動く影。ヨナだ。その長い体で渦を巻き、竜巻の様に回転して襲い掛かる。

 

 

「シャアア!」

 

「無駄だ!」

 

 

 それに対し一瞬で右足を天高く上げたアルテは、愚直に股下まで飛び込んできたヨナにネリチャギを叩き込み、首をへし折る。だがしかし、折られる瞬間脱力して力の流れに逆らわなかったヨナは床に叩きつけられた勢いのまま尻尾を振り上げてアルテに巻き付ける。

 

 

「ぐっ……ペットの分際で…!」

 

「貴女、あのクソ蠍の想い人らしいわね!私たちが殺したらどんな顔するかしら……リヒト!」

 

「わかった、姉さん!」

 

 

 尻尾で捕らえて締め上げてバキバキと全身の骨を折ったアルテを、背後に投げ飛ばすヨナ。その先には、ヘカトちゃんの防御から抜け出したリヒトが四つん這いで突進してきて、大口を開けて両腕ごと胴体に噛みついた。そのまま噛みついたまま回転し、デスロール。アルテの身体を引きちぎろうと試みる。

 

 

「アルバート!くそっ、エイダ・ウォン!どうにかしろ!」

 

「人使いが、荒いわね!貴方を守るので精一杯ってわかってる!?」

 

「くーらーえー!」

 

 

 押されるアルテに怒りのままに怒鳴り散らすウィリアムを狙い、ププププッ!と尖らせた口から抜けた牙を乱射してくるグラの攻撃を、ウィリアムを守るようにナイフを振るって弾き返すという神業を行いつつ文句を垂れるエイダ。ウィリアムが死ねば報酬はパーであるため、がらにもなく必死だった。しかしそんなの知ったことかと言わんばかりに、横からムカデ腕が襲う。ヘカトちゃんだ。

 

 

「私を覚えているかしら!ウィリアム・バーキン!貴方に教えてもらった(いたみ)を、そっくりそのまま返してやるわ!」

 

「お前、百卒長(センチュリオン・)ヘカトンケイルか…!」

 

「くっ…!口を閉じてないと、舌噛むわよ!」

 

 

 ウィリアムの襟を掴みながらヘカトちゃんの甲殻を蹴り飛ばし、跳躍。ウィリアムの身体を引っ張って宙を舞い、着地。そのままダンスでも踊るかのように降ろしたウィリアムの手を取り、次々と襲いかかってくるムカデ腕二本の連撃を回避していくエイダは、牙を再装填させていて隙だらけのグラを視界に入れる。

 

 

「さよならよ」

 

 

 そして、エイダはハンドガンを手にして速射でグラの頭部に弾丸を三連発叩き込む。しかし肉を撃ち抜く音は聞こえず、代わりにガキンキンキン!という音のあとにコロコロと弾丸が転がる音が聞こえる。生憎とその攻撃をグラは、既にクリスを相手に味わっていた。あの時と同じように噛み締めた牙で弾丸を弾いていたグラはにやりと笑う。

 

 

「エイダ…だっけ。お前については何も言われてないけど、喰い殺してもいいのだ?ヘカトちゃん」

 

「こんなクズを守る時点でギルティよ」

 

「それについては同感だけどこっちも仕事なのよ」

 

 

 リヒトのデスロールでバラバラに引きちぎられたアルテを見ながら、そう言ってフックショットを取りだしたエイダがまっすぐ射出。ヘカトの背後のパイプ管に突き刺さり、エイダはウィリアムの手を引いて宙を舞い、背後を取る。賢くなったと言っても元が蟲と魚類でしかないヘカトちゃんとグラはつられて背後を振り向く。

 

 

「遅いわ」

 

 

 2人が完全に振り向く、その前に。エイダはフックショットを二人の右を通るように飛ばして壁に取り付け、素早くぐるりと二人の周りを回ると、びしっとフックショットを持った右手を突き出すと、ピンと張られたワイヤーが二人を縛り上げて圧迫する。

 

 

「ぐううっ!?」

 

「のだああ!?」

 

 

 腕ごと胸部を細いワイヤーで圧迫され、窒息しかけるヘカトちゃんとグラ。それを見て、アルテを仕留めたと確信していたヨナとリヒトがエイダに迫り、エイダは片手でフックショットを握りながらサブマシンガンの弾幕で寄せ付けないように応戦する。

 

 

「いいぞ、エイダ・ウォン!おい、アルバート!お前、致命傷からでも復活したんだろ!?その程度、なんだ!」

 

 

 エイダの優勢に調子を取り戻したウィリアムが吠える。しかしアルテは、バラバラに引きちぎられた見るも無残なバラバラ死体で。ヨナが骨をバキバキに折って脆くしたところにリヒトがデスロールするという必殺のコンボを受ければ、クイーンの様な群体でもない限り再生は不可能なはずだった。しかし、ちぎれた右手の指がピクリと動いて。断面から黒い触手が伸びて、繋いでいく。

 

 

「下ががら空きよ!」

 

「ぐああっ!?」

 

「俺にそんなもの、効かない!」

 

「くっ…!?」

 

 

 そして、ヨナが下から忍ばせた尻尾でウィリアムに巻き付き、サブマシンガンの弾丸の衝撃にも慣れてきたリヒトが突撃してエイダの顔を鷲掴みにした、その時。漆黒の触手が、二人を背後から突き刺した。

 

 

「っあ…!?」

 

「ぐふっ…!?」

 

「……クッ、フハハハハハハッ!」

 

 

 その触手の先には、黒い触手で自らの身体を持ち上げ繋いで、人型の触手の様な姿で立ち上がる異形の身体となったアルテが、逆さまの頭で笑っていて。触手が縮んでパズルのように組み合わさり、元の姿に戻ったアルテは両手の手首から伸びた黒い触手……菌根と自身の血肉が入り混じったもの……を引っ張ってヨナとリヒトを背中から床にぶつけて縮ませることで引きずり込みながら、不敵に笑う。

 

 

「素晴らしい……これが菌根の、いや新たな私のチカラか…!これほどの致命傷を負ってもなお復活できるとはな…!さすがに死んだかと思ったぞ?」

 

「ぐうっ、放せっ……!?」

 

「負け、るかあああ!」

 

 

 自身を貫いている触手を掴んで引きちぎりながら振り向き、巨大な腕の爪を振るうリヒト。しかしウェスカーは引きずり込んで右手で首を掴んだヨナを盾にして爪を受け止めると投げ捨て、其の姿がかき消えたかと思えば多方向から衝撃が走り、リヒトの巨体が右へ左に跳ね、倒れ伏す。高速移動したアルテに四方八方から殴られたのである。

 

 

「手も足も出ないけど、牙は飛ぶのだ…!」

 

「私は手も伸びるわよ…!」

 

「しまっ……」

 

 

 そこに、縛られていて脳に酸素が回っていなかったグラとヘカトちゃんも動き出し、グラは牙を飛ばし、ヘカトちゃんは腕を伸ばして、アルテの滅茶苦茶さにドン引きしていたエイダを襲う。しかし、エイダの手からフックショットを手放させ自由になった彼女たちの反撃は目標に届く前に、牙はすべて瞬間移動したアルテに受け止められてぽろぽろと床に転がり、ヘカトちゃんのムカデ腕は高速のネリチャギで床に埋められてしまって、双方止められてしまうとグラとヘカトちゃんの顎に衝撃が走って脳が揺れる。人型になったことによる弱点だった。通常の速度に戻り姿を現したアルテに、エイダはため息を吐く。

 

 

「あなた……無茶苦茶ね」

 

「エイダ、この四匹は私が始末する。ウィリアムは私が連れて行くからお前は先に行ってシェリーを確保、脱出のための列車も起動させろ」

 

「了解したわ」

 

 

 ヨナに締め上げられて気絶しているウィリアムを尻目にそう告げたアルテにエイダは頷き、白目をむいているヘカトちゃんの横を通って走り抜けていく。それを見届け、リヒトの斬撃の盾にされて倒れたヨナ、高速で殴られて倒れ伏したリヒト、脳を揺らされふら付いているグラとヘカトちゃんに視線を向けて、サングラスのずれを直しながら不敵に笑むアルテ。

 

 

「ゾンビは多量の栄養を摂取することでリッカーに進化するという。お前たちの細胞も摂取すれば、私は新たな力を得られると思わないか?」

 

「……それは、そうかもね。でも、やっと隙ができたわ……」

 

 

 アルテの言葉に、倒れながらそう微笑むヨナ。

 

 

「エイダは行かせてしまったけど、オメガちゃんたちがいるもの…」

 

 

 ふらつきながらもそう口にするヘカトちゃん。

 

 

「やっぱりマザーはすごい……ここまで、見越してた……」

 

 

 なんとか立ち上がりながら、そう感動したように目を輝かせるリヒト。

 

 

「やっちゃうのだ、ガンマちゃん!」

 

 

 頭を振って最速で復活したグラがそう吠えたその時、傍の水中からそれが飛び出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

「がーぶっ!」

 

 

 

 

 

 

 

「なにっ……!?」

 

 

 あまりのできごとに絶句したアルテが目にしたのは、ずっと隠れていたガンマちゃんがウィリアムを丸呑みにする光景だった。




ウィリアムをアネットに合流させないための大奮闘でした。合流されたら厄介なG生物が増えてしまうから……。

それぞれセルケト関連でアルテもといウェスカーと、自分が調教されたためウィリアムと、因縁を持つヨナとヘカトちゃん。複雑な人間関係になってまいりました。

バラバラ触手アルテのイメージは、サムライミ版スパイダーマン3でエディから分離されたヴェノムもといシンビオートです。エイダもドン引きするレベルのやべーやつ。

そんなエイダも実力を発揮。グラとヘカトちゃん相手に一時的に動けなくする大健闘。しかし大ピンチのところに飛び込んできたのは、隠密性が高いので急襲が得意なガンマちゃん。最初からウィリアムしか狙ってないっていう。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?

  • ネメシス(完全武装)
  • グレイブディガー・ハスタ
  • モールデッド・エンプレス
  • モリグナ(本体)
  • ハンター・アーマード
  • モリグナ・ネメシス
  • ハンターy(ガンマちゃん)
  • ハンターπ
  • ネプチューン・ルスカ
  • ブラインドストーカー
  • ペイルキラー
  • グレイブディガー・ヒュドラ
  • モールデッド・シュタール(ネメシス)
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