BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ついに一章で50話という大台に乗ってしまいました。2はバイオ史上でも結構なボリュームだと言うことで……。

今回は穏やかなひと時、そして。楽しんでいただけたら幸いです。


file2:50【家族の団欒】

『ほっ、危なかったあ』

 

 

 ヨナ達と合流し、NESTに来るなりすごい勝負をエイダと繰り広げていたレオンを見つけ、ギリギリ落ちそうになってたところをクイーンが間に合った。エイダは……逃げられたか。アネットとウェスカーは倒したから問題はないか。

 

 

『クイーン、そのままレオンを連れて降りて!アリサ、リサ、ネメシス、ヘカトちゃん、リヒト!ヨナとグラとガンマちゃんを連れて降りるよ!エレベーターを待ってる暇ないし、みんなは乗れない!』

 

 

 私の指示に頷き、触手による空中移動やムカデ腕、爪を用いた壁を伝う能力を持つ面々が、そうでない三人を連れて降りていく。多分だけど、もうそろそろ……。

 

 

《警告。ただいま破壊から復旧したところ、レベル4の不正な持ち出しを検出しました。施設封鎖を開始します。施設封鎖完了後、自己破壊コードを実行します》

 

 

 多分だけど、G-ウイルスのワクチン“DEVIL”を手に入れた際にタイラント・アシュラと同じように機械を破壊したんだろう。自爆装置は前の研究所にもあったからともかく、自己修復機能あるとか時代設定間違えてるよね本当に。本当に1998年?

 

 

《警告。自己破壊コードが実行されました。中央エレベーターから最下層のプラットホームへと至急避難してください》

 

『エレベーターは使ってないんだ、ごめんね?』

 

 

 明らかに時代背景を間違っている機械音声に手を合わせて謝りながら、みんなを追いかけて降りていく。リヒトが天板を叩き割って侵入した下層を進み、辿り着いたのは既に下降を始めているプラットホームのターンテーブル。あの列車に乗せるためには普通の人間よりサイズが大きいリサとヘカトちゃん、リヒト、ヨナ、グラ、ガンマちゃんは人型に擬態させないと駄目だな。

 

 

「おっ、お待ちしていたでござるエヴリン殿!レオン殿!」

 

「無事でよかった……」

 

『二人も無事でよかった。アリサ、身体貸して』

 

「うん、いいよ」

 

 

 車両から出てきたプサイちゃんとオメガちゃんも合流したので、一緒に菌根を操作し擬態させる。何人かは以前通りで大丈夫だ。

 リサは服もボロボロだったので改めてお嬢様みたいな白いワンピースと帽子を身に着けている清楚な180センチぐらいの長身の美女の姿に。

 オメガちゃんはツンツンしている深緑色の髪をショートにした、黄緑のパーカーと青い短パン、黒ニーソックスと赤い運動シューズを身に着けた少女の姿に。

 プサイちゃんはオメガちゃんと似た顔で黒髪をポニーテールにし青いマフラーはそのままに、さらしを胸に巻いた軽装の侍みたいな恰好の少女の姿に。

 ヘカトちゃんは腕を普通のものにして黒いタンクトップと白のハーフパンツを身に着けた薄着で裸足の女性の姿に。

 リヒトはサイズが段違いなのでやっぱりそんなに縮めることはできず二メートル半の長身で緑色の髪を短く切り揃えた、シンプルな黒のTシャツとジーパンでボーイッシュな中性的な女性の姿に。

 ヨナは蛇の尻尾みたいな床までかかる茶色い長髪で、蛇柄のジャケットと黄緑のキャミソールにシックなロングスカートで大人風の女性の姿に。

 グラは背鰭と鰭を合わせたみたいな髪型の水色の長髪で白のタンクトップとホットパンツで生足魅惑のマーメイドみたいな少女の姿に。

 ガンマちゃんは初めてだったけど、ガンマちゃんのガワを模しただぼだぼの白い着ぐるみパーカーを身に着け素足の真珠色の髪の少女の姿に。

 ネメシスは……まあいいか。それぞれ異形要素を取り除いた人に見える姿に擬態させ、アリサの身体で私は一息つく。リサも心なしか機嫌よさそうだし、みんなも気に行ったようでなにより。

 

 

「…見違えたな。まるで魔法だ」

 

「『残念、種はあるんだなこれが』」

 

 

 驚くレオンにそう言いながらアリサの身体から出て、伸びをする。……そういやアリサの身体でモールデッドになったことはないな。まあ使う機会なんてない方がいいんだけどさ。

 

 

「クレア殿、皆が揃ったでござるよ」

 

「今開けるわプサイちゃん。…って、見違えたわ……」

 

「クイーン、アリサ!」

 

 

 プサイちゃんがノックして車両の扉を開けると、出てきたクレアが人間姿のプサイに驚いた様子を見せ、続けてその横からシェリーが飛び出してきて、アリサに抱き着き、アリサも抱きしめ返す。クイーンが受け止めようとした手が虚しく空を切る。……えっと、ドンマイ。ギャー!?腹いせで腕をすり抜けるのやめてー!?

 

 

「無事で本当に良かった……」

 

「シェリーも、なんともなさそうだね!アネットに連れ去られた時は本当にどうしようかと……」

 

「え……?あれ、ママだったの…?」

 

「あ」

 

『馬鹿アリサ……』

 

 

 まだG1の時は見分けがついたのだろうけど、さすがにG6の姿から母親を連想することはできなかったらしいシェリーの顔がみるみる沈んでいく。口を滑らせ焦ったアリサの頭をクイーンがどつく。しょうがないね。

 

 

「……パパは?どうなったの…?」

 

「それならー、もごもごっ」

 

「……黙ってろ」

 

 

 シェリーの問いかけにガンマちゃんが馬鹿正直に応えようとして、リヒトに口を塞がれる。こんな子に食べられたとか、言えるわけがないよなあ。

 

 

「……ウィリアムは、死んだ」

 

「…そう、なんだ……」

 

 

 プラットホームが下降し機械音が鳴り響く中で、クイーンが静かに告げる。シェリーはショックを受けた表情になると俯く。

 

 

「ウィリアムは私の父を殺した一人だ。もうそのことは恨んでない……と言えば嘘になるが、生きてここにくるために私達が殺した。恨んでくれても構わない。嫌いだと言われても仕方のないことだ。だけど、信じてくれ」

 

 

 淡々と、そう言葉を紡いでいくクイーン。誠実であろうとしているのだろう。言葉を紡ぐために呼吸を荒くしていくシェリーを、抱きしめる。アリサも、我慢できないとばかりに其の上からさらに抱きしめる。

 

 

「ー――――お前と過ごした時間に、お前に注いだ愛情に、嘘偽りはなかった」

 

 

 その言葉でシェリーの涙が決壊した。わんわんと泣くシェリーを、クイーンとアリサ2人で抱きしめる。やっぱり、“親”って……血のつながりなんて、関係ないんだなあ。そこまで考えて、思い至り手を後ろで組んで笑顔を向けると、レオンとクレア、リサとネメシスの他、クイーンたちを見守っていたみんなは首を傾げた。

 

 

『みんな、私の子供たち』

 

「「「「「「「?」」」」」」」

 

『生きててくれて、ありがとう』

 

 

 そう告げると嬉しそうにはにかむリヒト、ヨナ、グラ、ヘカトちゃん、オメガちゃん、プサイちゃん、ガンマちゃん。この七人の親として、私も頑張ろうと、そう思えたんだ。するとネメシスが抗議せんとばかりに私の前に出て手を振ってきた。可愛いなこの大男。

 

 

「スタァアアアズ!」

 

「ネメシスが、俺も!だってさ」

 

『え。いいの?』

 

 

 代弁するリサに頷くネメシスに困惑する。ネメシスはラクーンシティから脱出できたら改めて意思を聞いてから自由になってもらおうと思ってたんだけど……いや、放逐するのも無責任か。

 

 

『いいよ、ネメシスも!みんな家族だ!』

 

「スタァアアズ!」

 

 

 そうこうしていると、ガコン、と大きく揺れてプラットホームが下降するのが止まる。これは……。

 

 

「ついた、みたいだな」

 

「ええ、出発しましょう」

 

 

 そうレオンとクレアが告げて列車の中に入っていくと、自動的に別の車両が連結して四両の列車ができあがる。みんな乗れるかなと思ったけど心配なさそうだな。

 

 

「行こう、シェリー」

 

「ラクーンシティを出たら、また一緒に暮らそ?」

 

「うん…!」

 

 

 シェリーを抱え上げたクイーンを筆頭に、ぞろぞろと車両に入っていく私達。全員乗ったことを確認したクレアがレバーを引き、列車が動き出す。運転は必要なさそうだ。アンブレラ脅威の技術力だと思うことにしようそうしよう。

 

 

「……黄道特急を思い出すな」

 

『やめてよ脱線した時の事思い出すから』

 

「地下鉄が脱線したこと思い出しちゃった……」

 

『縁起でもないから!?』

 

 

 それぞれ脱線を経験しているクイーンとアリサが不安げな顔を浮かべるので思わずツッコむ。ヘリじゃないんだからそうそう壊れたりは……

 

 

ィイイイイイイイイイイイ

 

 

「a。何か言ったのだ?」

 

「マザー、変な声が……」

 

 

 するとグラとリヒトがなにかに気付いたように首を傾げる。2人は水中で過ごしてたから音に敏感なのかな。まあ気のせい程度なら問題ないか。

 

 

ィイイイイイイイイイイイ

 

「ござっ?聞きたくもない声が聞こえてきたでござる……」

 

「……耳障りな声が」

 

「本当に、しつこいわね…」

 

『冗談だと言ってほしいんだけど』

 

 

 今度は勘が鋭いプサイちゃんとヨナにリサまで反応してきて。私は察してしまう。こんな状況で考えられる“最悪”は一つしかない。

 

 

ィイイイイイイイイイイイッ!

 

「……エヴリン。なにかが、来てる」

 

「シェリー、ガンマちゃんとオメガちゃんと一緒にクレアたちのところに行ってて」

 

「え、うん。わかった…」

 

「スタァアズ」

 

 

 まだ気づいていないガンマちゃんとオメガちゃんと共にシェリーをクレアたちのいる先頭車両に向かわせてから、腕の擬態を解いてムカデ腕を展開するヘカトちゃんと、軍用ハンドガンのセーフティを外すアリサ。ネメシスもサブマシンガンを構えて臨戦態勢だ。

 

 

「シェエエエエエエリィイイイイイイイイッ!!!!」

 

「エヴリン、腹をくくれ」

 

『嘘だと言ってよクイーン……』

 

 

 聞こえてきた咆哮に、ゴクとマゴクを引き抜いたクイーンが、一番後ろの車両の後部ドアを開く。そこには暗闇が広がっていて。一瞬安堵するが、暗闇の中心で瞬きをした人型の赤い光が輝いて、暗闇から四つの人間大の巨大な手が伸びてトンネルを指で抉って掴むのを高速で繰り返しながら、それが現れた。

 

 

「シェエエエエエエリィイイイイイイイイッ!!!!」

 

 

 それは、アネット……G6と酷似していた。しかし人型の肉の下には大量の“眼”が存在しており赤い輝きを宿し、ぶら下がっているG6の背中から、巨大な爪がついた三本指の人間大サイズの四本の巨腕が生えて手足の代わりをなして移動しており、G6のうちに潜んでいた“G”が食い破って現れたかの様な姿をしているそれに名を付けるなら――――G7。正真正銘ラクーンシティ最後の敵が、私たちの前に現れたのだ。




ラスボス降臨、G7。2編を書いてた当初から出すことは決めていた怪物です。

ガンマちゃんも人型のデザイン決定。他のキャラのは前すぎて読者のほとんどが忘れていると思うので改めて。

シェリーの心の中の原作におけるクレアの位置にクイーンとアリサはいます。そしてネメシスも正式に家族入り。

G7のモチーフは以前タイラント・アシュラの元ネタとして紹介した「アスラズラース」の大ボスの一人、ゴーマ・ヴリトラの形態の一つ「噴帝 ヴリトラ」です。簡単に言うと背中の四本腕だけ巨大でドクター・オクトパスの触手の様に移動に使う阿修羅。その実態は…?

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?

  • ネメシス(完全武装)
  • グレイブディガー・ハスタ
  • モールデッド・エンプレス
  • モリグナ(本体)
  • ハンター・アーマード
  • モリグナ・ネメシス
  • ハンターy(ガンマちゃん)
  • ハンターπ
  • ネプチューン・ルスカ
  • ブラインドストーカー
  • ペイルキラー
  • グレイブディガー・ヒュドラ
  • モールデッド・シュタール(ネメシス)
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