BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
ラクーンシティ最終決戦スタート。総力戦です。楽しんでいただけたら幸いです。
下水道最深部で燃え盛る肉塊があった。エヴリンとクイーン扮したオルチーナ・ドミトレスクが変異したモールデッド・バラウル、アリサ、リサ、ネメシスの怒涛の連携攻撃で再生する暇なく打ちのめされ生命活動を停止して俯せとなったG6……アネット・バーキンだった。燃え盛っていた炎は溜まった水によって鎮火し、白衣も燃えて黒焦げとなったその身体が、突如脈動する。
G6の能力の一つであった、血流操作。それが心臓を無理矢理動かして、G生物は蘇生する。それだけではない。蘇生したものの意識は覚醒せず暴走する再生能力が急速で肉体を変異させていく。人型に集束させていたものが抑えきれなくなった質量が背中から体外に排出される。質量保存の法則を無視して五倍ものサイズに膨れ上がった質量は形が定まらず背中で蠢いていたものの、朧げな意識の覚醒と共にその方向性が定まっていく。
「シェリィイイイイ……ッ」
それはG6になったことで忘却していた原初の想い。それは、最愛の娘を置いてこの世を去ることへの未練。生命の危機に直面し思い出した希望そのものであるシェリーをその手にしたいという想いが暴走し、背中から飛び出した質量は四つの巨大な腕を形作って、水場を踏みしめその身体を宙に持ち上げる。
「シェエエエエエエリィイイイイイイイイッ!!!!」
決して逃がしはしないとでも言うように全身の皮膚の下に形成された“眼”がギョロギョロと動いて、自分が落ちてきた地上を見上げて、壁を指で抉りながら掴んで登っていく。自我もなくしただ妄念の想いで動くそれは、知能を見せた第六形態とも異なり、ただの怪物でしかなかった。
本来存在しないG6の、さらに存在しなかったはずの進化の終着点。それが第七形態、G7だった。
巨大な四つの腕をせわしなく動かし、迫るG7。アネットとも呼べなくなった怪物はその全身の眼で私達を捉えると、四つの巨腕を動かして追いかけながら中央の人型の両手を合掌させて向けてくる。あの構えは……穿血だ!
『屈んで!』
私が吠えた瞬間、鮮血のレーザービームが横薙ぎに振るわれる。壁を斬り裂きながら列車に迫ったそれは後部車両の上部を斜めに斬り裂き、転がり落ちてえらく開放的になってしまった。まずい、遮蔽物が消えた!
「シェエエエエエエリィイイイイイイイイッ!!!!」
咆哮を上げたG7は転がってきた車両上部を右上の巨腕で掴むと、投げ返してきた。綺麗に切断されているから断面が鋭く、単純に凶器だ。
「させるか!」
それに対してクイーンがゴクとマゴクを構え、連射。弾丸を何発も受けて弾かれた車両上部を吹き飛ばし、逆にG7の胴体に叩きつける。斬り裂かれた胴体からブシャッと鮮血が噴き出し、中央の人型が引き抜いた車両上部を背後に投げ捨てる。斬り裂かれた肉の下は、大量の眼が蠢いていて控えめに言ってきもい。あれ全部コアとか言わないよね?いやありえるな。眼が弱点なのは変わらなかったし。
「シェエエエエエエリィイイイイイイイイッ!!!!」
すると全身の眼がギョロギョロと動き回り、全ての眼がこちらを見据える。なにをっ、と思った次の瞬間、眼が斬り裂かれてそこから血液が高速で噴き出し、まるでショットガンの連射の様に連続で射出される。なにそれ目からビーム!?自傷行為で攻撃してくるとか正気か!?……正気じゃないな!言ってる場合か!
「危ない!」
ギリギリ腕だけ擬態を解いたヘカトちゃんがムカデ腕を壁の様に展開してみんなに当たるのを防ぐも、攻撃を受けた甲殻が灼けた様に溶解していた。そう何度も受けられる攻撃じゃない…!だけど、さすがにあの攻撃がそう何度も打てるものじゃないらしく、血涙を流しながら止まる。同時にヘカトちゃんがムカデ腕をどけて、射線が開く。
「撃て!とにかく撃ちまくれ!」
クイーンの指示で、クイーン、アリサ、ネメシス、擬態を解いたグラがそれぞれの遠距離攻撃で応戦する。それらはG7の全身の眼を次々と撃ち抜いていくが、すぐさま再生していき話にならない。レオンとクレアを連れてくる?いや、万が一あの穿血を喰らったらアウトだ。せっかく生き延びたのにそれはまずい。まだ耐性があるこの面子でどうにかするしかない。でもどうやって?
「スタァアアズ!」
「いいぞ、ネメシス!」
ネメシスが手榴弾を取りだし、ピンを抜いて放り投げる。カランコロンと音を立てて跳ねながら転がっていったそれに、クイーンが弾丸を炸裂させ、爆発。一気に眼の大半を潰すも、まだまだ残っているのかすぐ再生させてしまう。一個でも残っていれば再生するってどんな無理ゲーだ。
「シェエエエエエエリィイイイイイイイイッ!!!!」
そのうち、四つの巨腕を動かして車両に追いついてくるG7。そのまま下の巨腕二本を動かして速度を維持したまま、上の巨腕二本を振り回して攻撃してきた。
「アリサ!」
「させるか…っ!?」
「重い…!?」
「ござぁ…!」
咄嗟に動けなかった遠距離攻撃組を庇うように人間態のままで受け止めるリサ、ヨナ、リヒト、プサイちゃんを掌で押し潰そうとするG7。それに対しそれぞれ両腕の擬態を解いたリサ、リヒトの拳と、下半身の擬態を解いたヨナ、プサイちゃんの尻尾と蹴りが突き刺さり、巨腕二つを肉片にして吹き飛ばす。やったか!?
「シェエエエエエエリィイイイイイイイイッ!!!!」
しかしG7は動じることなく咆哮を上げ、骨が伸びて肉が増殖し血管が張り巡らされて急速で再生されていく巨腕二本。さらに至近距離から弾丸の雨が撃ち込まれるが、破壊された眼はすぐさま再生されていく。この……本当に化け物だ。でも精度はG6より低い。あの時みたいな細やかな変形はしていない。だけど…!
『嘘でしょ…!?』
また、中央の人型の両手が合掌される。穿血だ。あの速度をこの距離で撃たれたら避けられない。絶望が私の脳裏を支配する中、動く者がいた。クイーンだ。
「これなら……どうだ!」
こちらも合掌し、両手の間に発生させた粘液を捏ねて粘つかせたクイーンは、それを弾丸にして両手の間から射出。それはせわしなく動いていたG7の下側の巨腕右の指にくっつき、線路に縫い付けられてガクンッと体勢を崩し列車に置いてかれたG7の放った穿血が見当違いの方に振り回され、天井や壁を斬り裂いて崩壊、G7はそれに巻き込まれる。今度こそ、終わりだ。
『ナイス、クイーン!』
「いや、まだだ…!」
G7を押しつぶした瓦礫がガラガラと音を立てて崩れ落ち、四本の巨腕が飛び出して中央の人型を持ち上げたのが見えた。するとどんどん距離を開けていく列車をすべての眼で見据えて何を考えたのか、中央の人型が両手をかざす。なにを、と思った瞬間、クイーンの粘液糸の様に粘つかせた血が伸びてきて、列車にこそ届かなかったもののすぐ傍の壁にくっついて巨腕で跳躍、勢いよくこっちまで飛んできた。いやいやいや、その質量がぶつかったら……!?
『た、退避ぃいいい!?』
「シェエエエエエエリィイイイイイイイイッ!!!!」
ズゴォオオオオオンッ!!と轟音を立てて、後部車両に激突するG7。それにより列車が揺れて、後部車両に安全装置の急ブレーキがかかりバチバチバチ!と車輪が火花を散らす。まずい、このままだとスピードが落ちて、爆発から逃げられなくなる!
『みんな、前の車両に!急いで!』
「シェリィイイイイイイイイッ!!!!」
私の言葉に急いで三両目の車両に逃げようとするクイーンたち。しかし列車にしがみついてきたG7は三本の巨腕で列車を掴みながら右上腕を伸ばし、皆をまとめて握って捕らえようとしてくる。三両目に移動したネメシスが顔と手だけだしてサブマシンガンを連射して押しとどめているが、衝撃で怯んではいるものの再生するんじゃ時間稼ぎも難しい。まずい、このままじゃ……!
「こんの…!」
「アリサ。これ、頼んだ。ネメシス、悪いが貰っていくぞ」
「え……クイーン!?」
最後のアリサがやけくそとばかりに拳を握って殴りかかろうとするが、それはクイーンに肩を引っ張られ無理矢理三両目に投げ飛ばされたことで止められる。すれ違いざまに、アリサにゴクとマゴクともう一個を手渡しネメシスからホットダガーを引き抜いたクイーンは、自分以外のみんなが三両目に移動したことを確認すると出入り口を粘液で塞いで、ホットダガーを怪力で振るって連結部を斬り裂き外してしまった。
「一人じゃ寂しいだろ?……最期の勝負だ、アネット。
「シェエエエエエエリィイイイイイイイイッ!!!!」
『クイーン……まさか』
クイーンとG7を乗せた後部車両を置き去りにして、どんどん加速していく。壁なんか関係ない私は、それを傍で見ていることしかできなかった。
G7。G6の弱点であったコアを、複数にすることで補った脳筋怪物。単純に巨大な腕による攻撃や全身の眼から体液を射出したり、クイーンの粘液糸を学習して血で再現したりできるが、本能で動いているためG6ほどの精度はない。しかし戦いの舞台が走る列車の上なためかなり厄介。
みんなを逃がし、一人残ったクイーン。似たようなことをヴィレッジ本編でエヴリンがやらかしてるから止められないっていうね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?
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ネメシス(完全武装)
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グレイブディガー・ハスタ
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モールデッド・エンプレス
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モリグナ(本体)
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ハンター・アーマード
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モリグナ・ネメシス
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ハンターy(ガンマちゃん)
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ハンターπ
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ネプチューン・ルスカ
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ブラインドストーカー
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ペイルキラー
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グレイブディガー・ヒュドラ
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モールデッド・シュタール(ネメシス)