BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
よーく読んでた人には混乱必至な内容の始まり始まり。楽しんでいただけると幸いです。
fileCV:1【マノイーター】
ラクーンシティ壊滅から三ヶ月後。ヨーロッパ、フランス。製薬会社アンブレラ支部は、けたましいサイレンが鳴り響いていた。ライトが照らし、銃撃が襲いかかる廊下を、少女を背負い走る女性がいた。
「っ、シェリー、大丈夫!?」
「ええ!私の事は心配しないで、クレア!」
女性……クレアの呼びかけに、元気よく答える少女…シェリー。クレアはリボルバータイプの大型拳銃クイックドロウアーミーを腰から引き抜くと、左手でシェリーを抱えたまま右手で乱射。銃を手に追いかけてきていた警備員の肩を撃ち抜き、銃を手放させる。シェリーにしがみついてもらい、弾をリロードするクレア。
「子供相手にも容赦なく撃つなんて、ひどいやつらね!」
「正当性はあっちにあると思うよクレア……」
そんなことをぼやきつつ脱出口を目指すクレアたちの前、廊下の壁一面のガラスの向こうに、大人げないと言うべきか製薬会社にしては過剰戦力と言うべきか、軍用ヘリコプターが現れ機銃の照準がクレアたちに向く。
「嘘でしょ…!?」
咄嗟にシェリーを前に回し、庇いながら射線から遮る壁に飛び込むクレア。瞬間、ガトリング掃射が襲い掛かり、逃げ遅れた警備員をミンチにし、クレアの隠れた壁の一部を粉砕する高威力を見せる。
「切り捨てソーリー、でござる!」
しかし次の瞬間、ヘリが滞空している上階のガラスを突き破って飛び出したミニスカートの様な和服姿に青いマフラーに草履というちぐはぐな格好の黒髪をポニーテールにした少女が軍用ヘリコプターの下部にしがみつき、異形の左手の爪を下から操縦席に突き刺して
「プサイ!ナイスタイミング!」
「そっちはどう?プサイ」
「こちらでもクリス殿たちの手掛かりは影も形もなかったでござる!ここはハズレかと!」
シェリーの問いかけに、まるで主君に仕える忍者……本人は侍のつもり……の様に膝をつきながら報告するプサイ。クレアはそれを聞いて一瞬思案する。
「…じゃあ用もないしとっとと出るわよ」
「……そうもいかないみたいだよ、クレア」
「で、ござるな」
シェリーが廊下を見てそうぼやき、構えるプサイにクレアもクイックドロウアーミーを手にしながら振り向く。そこには、牛の様なシルエットを持つB.O.W.と、それを従えた警備員たちがいた。
「目にもの見せてやれ……!」
「イブリースを基に生み出された最新兵器!」
「新型B.O.W.のマノイーターだ!」
「ブモオオオオッ!!」
それは、頭部が眼窩に二つの眼球を入れたような目をした、金属製の二本の角と猛獣の様な牙を有した牛の様なフォルムの頭部の人型B.O.W.だった。黒い体色のタイラントみたいに筋骨隆々なボディを有し、腕はリッカーみたいに皮膚が裂けて爪が発達しており、タイラント・マスキュラーの如く上半身裸で黒い腰布とズボンを身につけている。ブーツを履いて草摺の様な防具を身につけ、腕や胴体にもベルトが巻かれているそれは、ネメシスも思わせた。
「……趣味が悪いわね!」
「正々堂々、不意打たせてもらうでござるよ!」
それを目にしたクレアとプサイの動きは速かった。伊達にエヴリンの指示のもと警察署RTAをしたわけではないのである。とんでもないパワーで床を砕きながら突進してくるマノイーターに対し、クレアが急所だと思われる頭部を狙って動きを止め、プサイが一瞬で距離を詰め、その首を断ち切る。しかしマノイーターも伊達にアンブレラの最新兵器ではなかった。
「ブモッ!」
「なっ!?」
断ち切られた頭部は床に転がってもなお生きていた。そのまま、金属製の角から脳波を出して首が立たれた胴体を操り、プサイの頭部を鷲掴みにして、その怪力で勢いよく壁に叩きつけダウンさせる。
「プサイ!」
「きゃあああっ!?」
それにクレアが気を取られた隙に、断面部からタコの様な触手を生やしたマノイーターの頭部がドタバタと走ってシェリーに肉薄、その触手で拘束してしまい、クレアがそちらに気を取られた隙に、崩れ落ちたプサイを投げ捨てて肉薄してくるマノイーターの胴体。
「くっ……!」
クレアは後退しながらクイックドロウアーミーを乱射。バスバスと弾丸が当たるが、大した効果は見られない。唯一の弱点である頭部は安全圏から操作できるという特性なのだろう。その不死身性はアリサたちを彷彿とさせた。さすがにアリサも首がもげたら死ぬだろうが、なんてどうでもいい考えが頭をよぎる。
「なめないでよね!」
しかしクレアは壁を蹴り、反転。飛び蹴りをマノイーターの胴体に叩き込み、突撃してきた勢いを利用した威力で蹴り飛ばす。床に転倒するマノイーター。それでも立ち上がろうとするマノイーターに、悲劇が襲う。
「ブモッ!?」
ぐしゃり、と肉の潰れた音がした。立ち上がってクレアに襲いかかろうとしたマノイーターが、勢い余って自分の頭部を踏みつけにしてしまったのだ。頭部を自ら失ったマノイーターはその場にひっくり返る。その傍には、マノイーターの頭部に拘束されてはずのシェリーが縛られたまま移動していた。マノイーターが胴体を操作している隙に、這い這いで移動し踏み潰されるように誘導したのだ。
「シェリー!今、助け……」
「そこまでだ」
「クレア!」
駆け寄ろうとしたクレアに、電撃が襲う。警備員がテーザー銃を撃ったのだ。まさかマノイーターが倒されるとは思わなかった警備員だったが、明確な隙が必要なこれを撃つ瞬間を窺っていたのだ。なすすべなく倒れるクレアに悲鳴を上げるシェリーも、改めて捕らえられ。気絶したプサイもまた、例のシャッターと同じ材質の手錠で拘束され連行される。
そして護送ヘリに気を失ったまま乗せられ、クレアたちはとある孤島に送られることとなった。
「今から貴様はナンバーWKD4496だ。貴様はここで暮らすんだ!」
「ぐっ……プサイは?シェリーはどこ?」
牢屋で目覚めたクレア。すぐに仲間二人の安否を問いただす。
「その二人なら今頃、この島の主であるアルフレッド様とその妹君のアレクシア様の元に連れていかれたぞ。あの兄妹はサディストで有名だ。諦めることだな」
「…その二人はアンブレラの幹部なの?」
「そうだ。我々に逆らったことを後悔するんだな」
絶望的な情報を聞かされてなおふてぶてしく問いかけてくるクレアに、看守は首を傾げながらも自分たちの優位性を語り去っていく。看守の目がなくなったことを確認したクレアは、一息ついて壁にもたれかかりながら、笑みを浮かべた。
「……上手くいったみたいね」
マノイーターはいつもお世話になってるお馴染みエレメンタル社-覇亜愛瑠さんから提供されたクリーチャーの案の一つです。強すぎて逆に使いどころが思いつきませんでした。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?
-
ネメシス(完全武装)
-
グレイブディガー・ハスタ
-
モールデッド・エンプレス
-
モリグナ(本体)
-
ハンター・アーマード
-
モリグナ・ネメシス
-
ハンターy(ガンマちゃん)
-
ハンターπ
-
ネプチューン・ルスカ
-
ブラインドストーカー
-
ペイルキラー
-
グレイブディガー・ヒュドラ
-
モールデッド・シュタール(ネメシス)