BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は種明かしと事件開始。楽しんでいただけると幸いです。
「虫けらの分際で、よくも私達をコケにしてくれたな……!」
公邸アシュフォード邸と鉄橋で繋がっている私邸アシュフォード邸にて。己のミリタリーコレクションであるスナイパーライフル 、MR7を手に取り、アルフレッドは憤りながら弾込めしていた。怒る兄に若干怯えながらもアレクシアは宥める。
「落ち着いて、……お兄様。綺麗なお顔が台無しよ」
「すぅう……ああ、すまない。私としたことが取り乱してしまったようだ、アレクシア」
不安げなアレクシアに、安心させるように笑みを浮かべスナイパーライフルを構えるアルフレッド。するとけたたましいサイレンが鳴り響き、それに目を見開いたアルフレッドは通信端末を取りだした。
「何事だ!」
《「しゅ、襲撃です!どこの部隊かはわかりませんが完全武装した部隊が……うわぁああああっ!?」》
通信端末から聞こえる銃声と断末魔に、汚らわしいものでも聞いたかのように顔をしかめるアルフレッド。アレクシアはクイーンたちへの強気な態度はどこに行ったのか、警棒を手にしているものの不安げだった。
「どうするの?お兄様」
「心配しなくていい、アレクシア。例のB.O.W.たちを完成させて対抗しよう。君は私が必ず守る。ああそうとも、もう二度と……二度と失ってたまるもんか」
そう決意を固めるアルフレッド。その眼には、愛情以上のなにかが見え隠れしていた。
クイーン・サマーズは、死んだ。だが私は生きていた。死ぬ直前に、エヴリンの菌根の力を自分なりに応用して記憶を宿したヒル一匹を、ゴクとマゴクを託した時に一緒にアリサにくっつけていたのだ。その後、その時はクイーン・サマーズとしての自我がなかった私は、特に理由もなく移動しようとして、プサイのマフラーにくっつき、そのままクレアとプサイに同行した。
そして私の存在に気付いたプサイに寄生させてもらい、彼女の得る栄養を分けてもらって三ヶ月の時間をかけてゆっくりと繁殖。子供ぐらいの大きさに擬態できる程度に増えた私はクイーンとしての自我を確立。アンブレラの監視網を混乱させる意も込めてシェリーの姿に擬態した。本物のシェリーは眠っていて逃げ出したエヴリンたちに置いていかれ、レオンやアリサと共に政府に秘密裏に保護されたらしい、とクレアに連絡を取ってきたレオンからの報告で聞いた。なら表立って活動しているこちらが本物だと思われ狙われる、という目的だった。
私が生存していることもアリサたちには隠すことにした。そもそも私はお尋ね者だ、政府に保護されたアリサたちと繋がりが残っていると思われるのも不味い。なんなら政府にはアンブレラの手のものがいる可能性もあるのだ。死んでいることにしておいた方が、都合がいい。然るときに明かすつもりではある。一方、政府から逃亡したエヴリンたちと連絡を取ることは叶わなかった。レオン達も連絡は取れてないらしい。オルタナティブとかいう組織を作って紛争地帯に投入されてるアンブレラのB.O.W.を片っ端から殲滅しているようだが……やってることはテロリストのそれだ。大丈夫だろうか。
しかし、ヨーロッパに渡ったものの世界規模の製薬会社であるアンブレラの支部は多岐に渡り、隠密活動しているクリスたちを探すのは難航していた。何なら捕まっている可能性すらある。そこで思いついたのが、アンブレラ……の収容施設に潜り込んで事実確認をする作戦だった。同時に、これ以上プサイを頼らない方法で私が本来の力を取り戻す……人間という餌を得るために、喰らっても罪悪感が出ない人間を手に入れるのも目的だった。
シェリーである私は無力だとアピールしながら、クレアやプサイと共にアンブレラ支部を強襲。一応クリスがいないかを確認しつつ、派手に大立ち回り。普通に収容されるであろうクレアと、実験に利用されそうな可能性が高いプサイとは別に、シェリーのG-ウイルスの利用価値から幹部の前に連れて行かれるであろう私がヒルの特性を利用して拘束から逃れ幹部を制圧。そのままクレアとプサイを救出し、クリス達が捕まっていないかを確認する。そういうシンプルな作戦。
まさかプサイを無力化する手錠をアンブレラが有していて、共に幹部の元に連れていかれるのは想定外だったが手間が省けた。そして、収容所であるロックフォート島の主であるアンブレラの幹部の正体もわかったのは僥倖だ。アルフレッド・アシュフォードとアレクシア・アシュフォード。後者の名前は聞き覚えがある。父マーカスが殺される少し前にエヴリンが新聞を見てぼやいていた名前だったはずだ。しかしアシュフォードほどの大物がいるとは思わなかった。スペンサー、マーカスに並ぶアンブレラ創設者三人のうちの一人、歳からしてその孫だろうか。プサイによればアレクシアは既に死んでいるはずだというが、まあマーカスに擬態していたマスターリーチという前例があるからそこまで驚かなかった。
急速に繁殖している間にアシュフォード兄妹を取り逃がしてしまったものの、兵士の残骸から手錠の鍵を入手してプサイを開放。クレアを救出するべく、公邸の外に出て、目を見開く。そこにはラクーンシティを思い出す、いやそれ以上の地獄が広がっていたのだ。
「嫌な気配の正体は、これか…!」
「何が起きているのでござるか…!?」
爆発、炎上する収容施設。絶え間なく聞こえる銃声と、悲鳴。人間よりも高い視力で状況を確認する。空を見れば、航空機から爆撃が行われ、地上ではどこかの特殊部隊が、島の兵士を殲滅している様だった。しかも最悪なことに、ここでもT-ウイルスの研究をしていたらしい。それが漏れたのか、墓地を中心にゾンビがぽつぽつと見える。
「そこの女二人。両手を上げろ!」
すると、特殊部隊らしき完全武装の男が三人やってきてアサルトライフルの銃口をこちらに向けてきた。プサイと目配せし、大人しく両手を上げる。
「動くと撃つ。聞き分けのいい女は好きだぜ」
「へっへっへ、見ろよ。こいつは上物だ。せっかくだ、楽しませてもらおうぜ」
「おい。ウェスカーさんからの指示を忘れたのか?アレクシア・アシュフォード以外は殺せとのお達しだ」
「…ウェスカーだと?」
思わぬ名前が出てきた。ウェスカーがアンブレラを裏切ったとはエヴリンの何巡目かの記憶で見たが、その組織がここを襲撃したのか?なんのために?アレクシア・アシュフォードが関係しているのか?
「悪いが死んでもらうぞ。例外はなしだ」
「……ここまでか。情報はこれ以上得られそうにないな」
瞬間、両手を上げながら掌から粘液糸を飛ばしてこちらに突きつけられていた銃口にくっつけ、引っ張ってアサルトライフルを奪い取り、引き金を引いて銃を奪い取られて混乱している一人を撃ち抜く。同時に、プサイが跳躍。くるりと空中で宙返り、身を捩じって回転蹴りを両足揃って残りの二人を纏めて蹴り飛ばした。心臓を撃ち抜かれ、首を蹴り砕かれて崩れ落ちる男たちから私はアサルトライフルの弾丸を奪い取り、弾込めして構える。
「クレアのところへ急ぐぞ、プサイ!」
「了解でござる!」
銃声につられてこっちにやってくる、恐らくこの島の兵士や、襲撃してきた特殊部隊が感染したと思われるゾンビを蹴散らしていく。そうして囚人棟までやってきた私たちは、墓場から湧き出してくるゾンビ相手に大立ち回りを演じているクレアと、茶髪の青年を見つけた。糸を伸ばし、飛び込んでゾンビを蹴り飛ばし、プサイも宙返りしてゾンビの首に足を組み付かせへし折って着地する。
「クレア!」
「無事でござるか!」
「クイーン!プサイ!貴方たちも、無事だったのね!」
「おいおい今度はスパイダーウーマンにニンジャか!?」
「拙者は侍でござる」
「は?」
プサイの訂正に首を傾げる青年。これが、スティーブ・バーンサイドとの出会いだった。
ベロニカを馬鹿正直に攻略すると時間がかかりすぎるので、ダークサイドクロニクルズの流れも採用してます。というか僕、ベロニカは実際にやったことなくて、ダークサイドクロニクルズで初めてそのストーリーを体験したんですよね。アレクシアの屑っぷりに戦慄した記憶が今でも残ってます。
というわけで、実は2編最終話でシェリーがどうなったかは語らないことで、できるだけ違和感を減らしていた、というトリックでした。よーく見てみたらシェリーが寝てる間にエヴリンたちに置いてかれてるのよね。なんならクレアが「シェリーによろしく」って言ってたっていう。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?
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