BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
スティーブとの邂逅。そして新たな脅威。楽しんでいただけると幸いです。
クレアは檻の中でクイーンたちを待っていたが、襲撃に伴いアンブレラのヨーロッパ支部・パリ研究所の第3警備部隊長であり島の刑務官でクレアたちをとらえた張本人、ロドリゴ・ファン・ラバルという男に出してもらった。襲撃を受けて瀕死のロドリゴに止血帯を調達して渡し、外に出たクレアはゾンビの襲撃を受け、これを倒れた兵士から手に入れたハンドガンで応戦。墓地を脱出しようとしているところで、ゾンビ相手に逃げ回っていた青年と出会った。警戒して銃を向けるクレアに、両手を上げる青年。その服の背には「ROCKFORT PRISON 0267」とあった。
「脱獄じゃねえって、待てよ!警報が鳴って鍵が開いて、しまいにゃゾンビだぜ?誰だって……」
「…どうやらアンブレラじゃなさそうね。動かないで」
「なんだ、女かよ……なめるんじゃ、ねえ!」
クレアが女だとわかるや否や殴りかかる青年の攻撃を、後退して余裕で回避するクレア。身体能力が高い人外たちの動きを見てきた身としては拍子抜けだ。腕を押さえ込み、銃を頭部に突きつけると青年は音を上げた。
「いてえ!悪かった、悪かったよ!性格の悪い女に下手くそな拷問されてたんだ!そりゃ警戒するだろ!?」
「生憎だったわね。女だけどすごく強い人たちを私は知ってるわ。私はクレア・レッドフィールド。貴方の名前は?」
「スティーブだ。スティーブ・バーンサイド」
スティーブと名乗った青年に、クレアは銃口を頭部からずらしながら不敵に笑う。
「そう。スティーブ、ゾンビが跋扈するここを丸腰で逃げるか、私に協力するか。どっちがいい?」
「……お供させていただきますよ、お姫様」
丸腰のスティーブには選択肢はなく、ひきつった笑みを浮かべながら頷くしかなかった。
「さっきは勘違いされるようなこと言って悪かったわ」
「君もアンブレラじゃないみたいだな……捕まったのか?」
「ううん。捕まってあげたの」
「は?」
呆けるスティーブに、ヘッドショットで倒したゾンビの兵士からハンドガン、ルガーP08を拾い上げ手渡しながらクレアは笑う。
「わざと捕まったのよ。アンブレラを潰して兄を見つけるために。仲間が来てくれる手はずだったのだけど……こんなことになったし、手古摺ってるのかしらね」
「そいつはクレイジーだな。そいつらが死んでいるとは思わないのか?」
「死んでも生きてたから心配いらないわ。すごく強いし」
「そいつは頼もしいな。ところで狙ってきたなら、こいつもクレアたちの計画通りなのかい?」
「まさか。誰かがここを襲ってバイオハザードを引き起こしたのよ」
「…もしかして、ラクーンシティのあれか?」
「よく知ってるわね。私はその当事者よ。あいつらに躊躇はしないで。やるかやられるかしかない。……まあ一部を味方にしてしまったすごい女の子がいたんだけどね」
「それは、期待しない方がよさそうだな!」
話していると、クレアの背後の地面から出てきたゾンビを、スティーブが構えたルガーで頭を撃ち抜いて吹き飛ばす。クレアもM93Rを構えてスティーブの背後の金網を上ってこようとしていたゾンビを撃ち抜いて転倒させる。気づけば、既に墓場から出てきた多数のゾンビで囲まれてしまっていた。
「くそっ、どんだけいるんだよ!かかってきやがれ!」
「数が多すぎる!逃げるわよ!」
「え、あ、ちょっと待てよ!」
囲まれてしまい、全員相手取ろうとするスティーブだったが、冷静に状況を見極めたクレアが退路に立ちふさがるゾンビだけを撃ち抜いて離脱を試み、スティーブも慌ててついていくがいかんせん数が多すぎる。今まで収監され死んでいった死体がすべてゾンビ化したと言われても信じたくなるほどの量だった。
「クレア!」
「無事でござるか!」
「クイーン!プサイ!貴方たちも、無事だったのね!」
「おいおい今度はスパイダーウーマンにニンジャか!?」
「拙者は侍でござる」
「は?」
そこに、乱入してきたクイーンとプサイがゾンビを文字通り蹴散らして登場。退路の一本道を粘液で塞ぐことでゾンビを分断し、一息つく。
「助かったわクイーン、プサイ。彼はスティーブ。ここの囚人よ」
「悪人……ではなさそうだな。アンブレラの傲慢の被害者か。私はクイーン・サマーズ。見ての通り、人間じゃない」
「拙者はプサイ、侍でござる」
「いやそれは嘘だろ。俺はスティーブ・バーンサイドだ。人じゃないってのは気にしないでおくぜ」
「そうしてくれると助かる。それでここは……囚人棟か」
逃げ込んだ建物を見てクイーンが呟く。細長い、無機質なレンガ造りの建物だった。さっきまでいた公邸に比べると質素感が強い。辺りに囚人服を着た死体が倒れていることから、どんな建物かは明白だった。
「ああ、俺もここにいた」
「それなら、パソコンがあるか知ってる?知りたいことがあって」
「ああ、わざわざ捕まった理由がそれかい?3台あった。看守はゲームとエロ画像専門だったけどね」
「男というやつは、どこも一緒だな」
「えろがぞーとはなんでござるか?」
「プサイ、あなたはそのままでいて?」
スティーブの情報に、S.T.A.R.S.の
「パソコンを使いたいんだろ。案内するよ。…っ!?」
すると中から物音が聞こえ、クレアとスティーブはハンドガンを、クイーンは背負っていたアサルトライフルを、プサイは爪を構える。
「行くぜ……まだ誰かいんのか!お邪魔するぜ!」
扉を蹴破り、ルガーを向けるスティーブ。しかし中は死体がいくつかあるだけで、動いているものはなかった。肩透かしを喰らったスティーブはきょろきょろと辺りを見渡すと、首を動かして促す。
「……ええっと、散らかってるけど、どうぞ」
「油断はするな。隠密性が高い奴が隠れていてもおかしくない。プサイ」
「心得た、でござる」
クイーンが呼び掛けると、プサイは跳躍して天板を押しのけ天井裏に侵入。そのまま這いながら進んで下手人を探す。クイーンも一応全身の眼をフルに利かして警戒しながら、中を確認する。
「ひどいわね……なにがあったのかしら」
「さあ?俺は逃げたんでね」
「……銃による傷ではない。気を付けろ、奴ら……H.C.F.が持ち込んだB.O.W.が潜んでいるかもしれない」
死体の傷を確認し、ドロドロに溶けた顔を見たクイーンが警戒を促す。その瞬間だった。
「ござぁあああっ!?」
プサイが悲鳴を上げながら天井をぶち抜いて机の上に落下。机を粉砕しながらプサイにのしかかり落ちてきたそれは、巨大な虎の様な黄色い模様が走った漆黒の蜘蛛の様だった。しかし蜘蛛の頭に当たる部分から、金と黒の縞々の短髪を有している、黒い糸を水着の様に纏わりつかせた少女の上半身が生えており、一見華奢な両腕でプサイを押さえつけている。それはクイーンたちにも視線を向けて舌なめずりする。
「ドロドロ……溶かすゥゥ…!」
かつてアークレイ山地の洋館の地下に潜んでいた、ジルとアリサの手で倒された巨大な蜘蛛の怪物、ブラックタイガー。H.C.F.がそのデータを基にアルテのRT-ウイルスを用いて生み出した、改良型。名を、ブラックタイガー・アラクネ。口の端から鋭い鋏角を伸ばし、カチカチと音を鳴らすそのグロテスクな姿の怪物に、スティーブは腰を抜かして倒れ込み、クイーンとクレアが庇う様に前に立つ。
「話し合う余地はなさそうだ…!」
「アリサの顔は正直気が引けるけど、倒させてもらうわ!」
アンブレラ以外もついに手を出してしまったRTの魔力。アイザックス氏知らんところでRT型作られてて憤慨してそう。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?
-
ネメシス(完全武装)
-
グレイブディガー・ハスタ
-
モールデッド・エンプレス
-
モリグナ(本体)
-
ハンター・アーマード
-
モリグナ・ネメシス
-
ハンターy(ガンマちゃん)
-
ハンターπ
-
ネプチューン・ルスカ
-
ブラインドストーカー
-
ペイルキラー
-
グレイブディガー・ヒュドラ
-
モールデッド・シュタール(ネメシス)