BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はさらに新型登場。楽しんでいただけると幸いです。
「アレクシアを守れるのはこの私だけなのだ」
「フフッ。さすが……お兄様。こんな……虫けら、相手にならないわね」
H.C.F.の特殊部隊三人を相手にスナイパーライフル一丁で迎え撃ち、撃退したアルフレッドに、物陰に隠れていたアレクシアが満面の笑みを浮かべて出てくる。筋金入りのミリタリーマニアと言えど本来ならばアルフレッドの腕前では撃退など不可能なのだが、二度とアレクシアを失いたくないという想いがこの男を強くしていた。無能無能と蔑まれているこの男に必要だったのは心から守りたいと思えるものだったらしい。
「こんなにたくさんゾンビが……」
「有象無象の雑魚どもが!アレクシアの目に入れるのも汚らわしい!ええい、どけえ!」
現状に慄くアレクシア。銃声に釣られて群がるゾンビを高威力の銃撃に物言わせて蹴散らすアルフレッド。
「こうなった原因となった特殊部隊はおそらく、クレア・レッドフィールドとハンターΨ、そしてあのバケモノが手引きしたに違いない。絶対に許さない、卑怯者どもめ!許してなるものか、私とアレクシアの安寧を
「大丈夫よ、お兄様。この子たちが……虫けらなんか、やっつけてしまうから」
そうして襲ってくるゾンビをすべてアルフレッドが撃ち抜きつつ、訓練所の生物実験室までやってきたアレクシアは、さっそくパソコンを操作して、専用の機械に注射銃を装填。解析、分解し、必要な遺伝子情報のみを抽出し、前持って持ち込んでいた培養槽のB.O.W.たちに注入する。
「……これでよし。ハンタープサイから採取したRT-ウイルスを投与したわ。あとは調整が終わったら自動的に解放されるように設定したわ。これであの忌々しい……虫けらたちを排除できるわ、お兄様」
「さすがだ。前に作ったサンドレギオンも優秀だった。今回も期待してるよ、アレクシア」
手放しに称賛するアルフレッドに、アレクシアは得意げな笑みを見せていたが、ふと不安そうに視線を下にずらすとおずおずと兄に問いかける。
「ねえ……お兄様?私、ちゃんとできてる?」
「ああ、お前は何時だって完璧な私の妹、アレクシアだよ」
一見意味が分からない問いかけに、即答の返事をしたアルフレッドに満足げに頷いたアレクシア。生物実験室を後にするアシュフォード兄妹を、培養槽の中にいたなにかはジトーッと視線を向けていた。
「……あの蜘蛛女は、爆発のどさくさに紛れて逃げたか」
ブラックタイガー・アラクネとの戦いによる爆発で上半分が吹き飛んだ囚人棟にて。ブラックタイガー・アラクネがいなくなっていることを確認したクイーンが、スティーブと一緒に吊り下げられたプサイを助けようとしている中で、クレアは発見したパソコンを確認していた。
「動くといいけど……このパソコン生きているわ。これなら使えるかも………兄はやっぱりここにはいないみたいよ、クイーン」
「まあ、だろうな。クリスたちの手掛かりはあるか?」
「今調べるわ」
「そのクリスってのがクレアの兄さんか。それのためにここまで来るなんて、いかれてるぜ」
「そう言うスティーブは何でここに来たの?」
「助かったでござる……」
クイーンを肩車してプサイに絡みついている糸をナイフで斬るのを眺めながらぼやいたスティーブに、クレアが問い返すとバツが悪そうな表情を浮かべる。
「マヌケすぎて話す気になれねえが……俺だけ聞くのもフェアじゃないな。何もしてねえのに、ある大馬鹿野郎がアンブレラに捕まって、俺も道連れってわけ。身内の恥ってやつだよ。情けねえ」
「……それは父親か?」
「だったらなんだって言うんだ?」
「……私は父親をアンブレラに殺されていてな。とんでもない馬鹿野郎だった。だが親は親だ。失った喪失感はひどいものだ。……無事だといいな」
「……あんなやつ、野垂れ死んでいればいいんだよ……」
「せ、拙者も!父親に当たるサミュエル・アイザックスは野垂れ死んでいればいいと思っているでござるよ!」
「プサイ、それ逆効果だ」
「ござぁ……」
スティーブの返答に重苦しくなった空気に耐え切れずプサイが明るく言うが、スティーブはさらに沈んだ顔になってしまってプサイは涙目だ。それを振り払うように、クレアは手に入れた情報を開示した。
「ここは、南半球なのね。北半球のフランスにいたはずなのに、こんなところまでわざわざ送ったのね」
「案外、ここのことをなんにも知らねえんだな。ここはロックフォート島。アシュフォード家って没落貴族が仕切っている。…いや、今は名誉が回復してるんだったか?まあどうでもいいか」
「アルフレッド・アシュフォードとアレクシア・アシュフォードだな。私達はそいつらに会ってきたところだ。逃がしてしまったが」
「不覚でござった…」
「おいおいマジかよ。あのイカレ野郎と、拷問下手くそな女のところに連れていかれて五体満足なのか!?俺はひどい目に遭ったぜ……」
「というと?」
「そのアレクシアとかいう女が拷問大好きとか言いながら、へったくそなやり方で必要以上に痛めつけてきたんだ。しかも本人も痛そうな顔してな。刑務官の方がよっぽど上手だぜ」
「……確かに言動の割には、憶病な雰囲気だったな」
スティーブの証言に、対面した際の記憶を掘り起こして首を傾げるクイーン。するとパソコンを操作していたクレアが、一息ついてパソコンから離れる。
「……クイーン。シェリーに化けてたあなたの事は伏せて事情を説明したメールをレオンに送ったわ。迎えを頼んだ。政府に借りを作ることになるかもだけど……」
「致し方ないな。こんな孤島から脱出する術なんてそれぐらいしかあるまい。脱出時にはまた別人に化けないとな」
「なんだ?変装とかできるのかい?」
「ああ。お前にもなれるぞ」
そう言って一瞬人が他のヒルの集合体の姿になってから、スティーブと瓜二つの姿に変わるクイーン。己の顔で不敵に笑んで見せるクイーンにスティーブは慄いた、その瞬間だった。
「なっ、うわああああああ!?」
「スティーブ!?」
慌てて元に戻ったクイーンの目の前で、足を何かに掴まれて転倒し、引きずられていくスティーブ。暗がりから飛び出したそれは太い触手の様にも見えた。
「拙者が!」
半壊した壁を飛び越え、裏口から引きずられていったスティーブを追いかけるプサイだったが、床下換気口から飛び出してきた、肉が腐り落ちた大型犬に噛みつかれて身動きを封じられる。それは洋館事件で洋館を包囲していた犬型B.O.W.に酷似していた。
「ケルベロスでござるか!?何故ここに…!?」
「そいつらがいるってことは、サーベラスもいる可能性が高いぞ!」
アサルトライフルで犬の頭を吹き飛ばしてプサイを救出しながらそう警戒するクイーン。クレアは何のことだかわかってないが、警察署で見かけたゾンビ犬を思い出してハンドガンを構えると、囚人棟に集うようにして大量のゾンビ犬が出現。その数は、あまりに異様だった。
「……こいつらも外から持ち込まれたB.O.W.か…!」
「このっ、放せ!犬女!」
するとそんなスティーブの声が聞こえ、ゾンビ犬を蹴散らしながら進むと、公邸に通じる鉄橋の出入り口である扉の近くに、それはいた。
「……サーベラス、じゃない?」
そこには、異様な怪物がいた。上半身は犬の毛皮に胸部だけ覆われたボサボサの長髪を持つアリサによく似た女性のものだが、右腕は異形の触手の様な形状になっており、それでスティーブを捕えている。なにより目を引くのは下半身であり、毛深い大型犬になっており、その左右に皮膚が剥がれ落ちたゾンビ犬が1体ずつ融合した姿をしていた。
「ご主人様の命令だ……金髪以外、生き残りは殺す」
クイーンたちに気付いて宣言する、周囲にゾンビ犬を従えた、
いつもお世話になってるお馴染みエレメンタル社-覇亜愛瑠さんから提供されたクリーチャーの案の一つ、スキュラを基にしたB.O.W.となります。サーベラスはRT-ウイルスで外装を改造されてるB.O.W.なので改造の余地はあったんですよね。量産型だし。
エヴリンと因縁あるH.C.F.の内情はかなり魔改造してます。アイザックス関連で一波乱あるとだけ言っておきます。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?
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ネメシス(完全武装)
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グレイブディガー・ハスタ
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モールデッド・エンプレス
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モリグナ(本体)
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ハンター・アーマード
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モリグナ・ネメシス
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ハンターy(ガンマちゃん)
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ハンターπ
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ネプチューン・ルスカ
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ブラインドストーカー
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ペイルキラー
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グレイブディガー・ヒュドラ
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モールデッド・シュタール(ネメシス)