BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
ようやく囚人棟から移動。鉄橋での死闘。楽しんでいただけると幸いです。
囚人棟まで戻り、吹き飛んだ机と椅子を片付けて、腰かけるクイーンとプサイ。クレアはハンドガンを構えながら部屋を確認して安全を確認し、スティーブは倉庫を漁っていた。上半分が吹き飛んで風通しがよくなったそこで、クイーンとプサイは椅子の背もたれに背を預けて力なく垂れていた。
「……なあ、プサイ。ウェスカーの組織がこの島を襲ったとして、その目的は何だと思う?」
「………見当もつかぬでござるなあ。さっきの蜘蛛と犬がRT-ウイルスから作られたのはほぼ確定、ということは戦力にも困っているとは思えぬし……気になったのは、犬が言ってた「金髪以外は殺せ」って言葉でござるな」
「金髪と言えばウェスカー……いや、この島だとアイツらか」
逆さまに背後に顔を向けていたクイーンの視線が、爆発で斜めにずれたまま壁にかかっているアルフレッド・アシュフォードの肖像画に向かれる。無駄にむかつくいい笑顔だ。
「アシュフォード兄妹、でござるか。たしか妹のアレクシアは天才科学者でござったな……もしや?」
「……だとするなら、奴らの手に渡る前に押さえないといけないな。誘拐でもするか?」
「拙者たち何時から悪党になったでござるか……?」
「暗殺者をやってたお前が言うか?」
「それもそうでござるな」
「「ハッハッハッ!」」
「いやこえーよ!?」
そうツッコミながらスティーブがフランスパンがたくさん入った紙袋と箱を持ってきた。倉庫から見つけてきたらしい。
「カチコチのパンがあったぜ。インスタントスープもあったから、これに浸せば食えるんじゃないか?」
「お湯は?」
「……………………た、多分ここから出るぜ。あ、あと酒も!」
「水道管ならぶっ壊れてるぞ。あと酒はさすがに酔うわけにはいかないからノーサンキューだ」
「あの爆発だったでござるからなあ」
「じゃあパンだけもらってくれ……」
「なにしてるの?」
項垂れるスティーブと、ガリガリと鉄の様に硬いフランスパンを貪るクイーンとプサイに、戻ってきたクレアのツッコミが響き渡った。
「ゾンビもほとんどいなくなってたわ。一人で対処できるぐらいに」
「もぐもぐ。だが、長居は危険だぞ。あの蜘蛛女がまた帰ってこないとも限らないからな。もぐもぐ」
クレアの報告を聞きながらバリボリと明らかな異音を響かせながらフランスパンを齧るクイーンを無視して、スティーブが続ける。
「ゾンビがいないならレオンってやつが来るまでここで耐えるのはダメなのか?」
「優先事項ができたでござる。アレクシア・アシュフォードを確保せねばならぬ」
「げえ、あの拷問女を?なんでだ?」
「ん。放っておけない奴が狙っているみたいだからな……」
フランスパンを咀嚼しつつウェスカーについて説明しようとして、元自分の父親であるマーカスの弟子の研究者で元S.T.A.R.S.隊長で、元男で現女の超人とか一言で説明できないと気付いて真顔でそっぽを向き誤魔化すクイーン。プサイも苦笑いだ。
「でも具体的にどうするんだ?アルフレッドもいるんだぜ?」
「アルフレッドをぶん殴ってアレクシア拉致って脱出、でござろうなあ。レオン殿を待っている暇はないかもでござる。脱出手段を探した方がよいでござるな」
「とりあえず公邸に向かうか。手掛かりぐらいはあるかもしれん」
「そうね。行きましょ」
サーベラス・スキュラの死骸があるところまでやってきて、死骸に特に変化がないことを確認。鉄橋を進み、橋を遮っている軍用車両を乗り越えようと試み、車両に乗ってた人間と思われる死体がミイラになっていることに驚くクイーンたち。
「これ、ミイラか?なんで?」
「車もこんなところで止まってるし、なにがあったのかしら……」
「……ちっ、モリグナタイプか」
「クイーン殿?」
「逃げろ、やばいぞ!」
鳥の鳴き声の様な金切り声に、クイーンが振り向いて舌打ちする。瞬間、鉄橋の下の洞窟からバサバサと音を立てながら、それらが現れる。それは、通常のものの二倍を誇る巨大な蝙蝠、その群れ。蝙蝠の群れはクイーンたちの頭上を飛んで旋回し、空中で集まって、蝙蝠の一部が翼が硬化して牙の様になり、集束したそれが落ちてくる。
「うわあああああっ!?」
「掴まれ!」
逃げ遅れたスティーブに粘液糸を伸ばして引き寄せるクイーンに向けて前足の翼脚を伸ばしながら鉄橋に着地したそれは、巨大な怪物だった。獅子と狼と蜥蜴と蝙蝠を掛け合わせた様な、短い後ろ脚と、長く翼がついている前脚を持つ、赤と黒で彩られた異形の巨躯の竜。名をカマソッソ。アレクシアがT-ウイルスで生み出した蝙蝠たちが集結した擬態である。プサイが跳躍して斬りかかるも、分裂して斬撃を回避、再び集ってカマソッソの巨体を作り上げる蝙蝠たち。
「グオオオオアアアアアッ!」
「モリグナの方が自我があった分ましだったかもな…!」
ドタバタと巨躯を橋の上で精一杯バランスを取ろうとしているカマソッソに、アサルトライフルを乱射するクイーン。クレアとスティーブも加わり、次々と構成している蝙蝠たちを撃ち落としていく。すると煩わしいとばかりに首を振るい、右の前翼脚を動かして翼膜を利用した突風を放ってクイーンたちを転倒させると、突進。狼の様な蜥蜴の様な、獅子の鬣を有する頭部で噛みつこうと大口を開けて首を伸ばし、粘液硬化で腕をコーティングしたクイーンに受け止められる。
「ぐっ、ううううっ!」
「はあ!」
その隙を突いてカマソッソの目に弾丸を撃ち込んで怯ませ、ローリングソバットを顎に叩き込んで顔を吹き飛ばすクレア。「ヒュウ♪」とスティーブが思わず口笛を鳴らすほど鮮やかな連携攻撃であった。
「グオオオッ!」
頭部を再生させ、怒りに顔を歪ませると大きな口を開けて可視化されるほどの衝撃を伴う超音波を放つカマソッソ。ビリビリと大気を振動させるそれに、耳を塞いで蹲るクレアとスティーブ。クイーンに至っては全身のヒルが怯んでぞわぞわと蠢いており、橋から落下しそうになったところをプサイに抱えられ正気に戻る。
「グオオオアアアアアアアアッ!!」
「クイーン殿、しっかりするでござる!」
「くっそ……相性最悪だ……!」
「そうだ!スティーブ、動物なら火を怖がるはず!」
「そうか、爆発で追い払うんだ!」
狙いを変えるスティーブ。狙う先は、ミイラが乗っていた車両のガソリンタンク。ルガーから放たれた弾丸がガソリンタンクを撃ち抜き、大爆発。炎上する火炎に、分離して空に舞い上がる蝙蝠たち。
「放っておいたら面倒な事になるのは目に見えているんだよ!逃がすか!」
クイーンが両手を突き出して、粘液糸を上空にシャワーの様に放出するクイーン。粘液糸は網を作り上げ、蝙蝠を一匹残らず纏めて捕らえた糸の端を掴み、勢いよく振り下ろし炎の中に叩き込む。
「「「ギッギギーッ!?」」」
悲鳴を上げ、糸の檻の中で暴れる蝙蝠たち。クイーンはダメ押しとばかりに糸が焼けて飛び立つことで逃げようとする蝙蝠たちに粘液糸を叩き込んで炎の中に戻していく。
「ギギーッ!」
するとカマソッソの牙を形成していた、牙の様に硬質化して鋭く尖った蝙蝠が燃える身体のままクイーン目掛けて突撃してきた。ダメージを覚悟し、身構えるクイーン。しかしそれは、真っ二つに引き裂かれて両サイドに力なく落ちて行った。クイーンの目の前に着地したプサイだった。
「斬り捨てソーリー。いい加減、邪魔はやめてほしいでござるな」
「助かったプサイ。この庭を通れば公邸だ!急ぐぞ!」
蝙蝠たちが炎上するのを見届けて門を開け、庭に飛び込むクイーンに続くクレア、スティーブ、プサイ。そうしてアシュフォード公邸に侵入を果たすのだった。
この時代の囚人って実際何食ってたんでしょうね。比較対象がFGOの監獄塔やデスジェイルサマーエスケイプぐらいしかないのだ……。
というわけで登場、カマソッソ。FGOの彼をモチーフにしてます。モリグナタイプだけど人型じゃない純粋な怪物タイプです。初期のモリグナと同じ群体的な強さを持ってます。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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