BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
遂にアルフレッドとの再びの邂逅です。楽しんでいただけると幸いです。
アシュフォード公邸、その玄関ホール。不気味な絵がたくさん飾られたそこで、それぞれ手にした銃器を構えてゾンビがいないか確認するクイーンたち。頭を撃ち抜かれたゾンビの死体こそ複数転がっているものの、
「来るのは二度目だが……無駄に豪勢だな」
「たしかに、立派な邸宅ね……」
「不気味な絵ばかり飾っていて、なんか不気味だな」
「むっ、足音!誰かいるでござる!」
銃を持ってないため気配を探って警戒していたプサイがわずかな足音を聞き取り、階段を駆け上っていく。クイーンたちもついていき、階段を上った目の前には、アレクシアの巨大な肖像画があって。その下には、「アレクシア・アシュフォード 1983年没」とプレートに記してあった。
「……?」
「クイーン、なにしてるの?」
「こっちだぜ!」
「…ああ、今行く」
それにわずかな違和感を感じながらも、クイーンはプサイを追いかけるクレアたちの後をついていくのだった。
二階の突き当りの部屋の前に、身構えるプサイに合流したクイーンたち。扉の向こうからは綺麗な歌声が聞こえてくる。この不気味な空間にはあまりに場違いなほど澄んだ歌声だった。
「ここでござる。確か、拙者たちが連れてこられたのも……」
「ああ、この執務室、だな」
「これは……歌声?」
「誘っているみたいだな。どうする?」
「無論、押しとおる!」
扉を蹴破るプサイに続き、クイーンたち四人は執務室に突入する。クイーンが食い荒らした跡の夥しい血の跡が生々しいが、誰もいない。ひとまず銃を下ろしながら、クイーンは机に歩み寄る。そこには、二人分のティーポットとティーカップが置かれていた。まだ温かい紅茶が湯気を立てている。
「まだ温かい。……ここにいたんだ」
「こんな血生臭いところでティータイムだなんて、イカレているわ」
「お、おい。見ろよ!」
すると、なにかの拍子で作動したのか壁にプロジェクターが起動し、壁に映し出された映像が流れていく。金髪の双子。少年と少女が、生きたトンボの翅をもぎ取り、蟻の餌にしているのを見つめ合って微笑んでいる残酷な光景が映し出される。ホームビデオにしてはなかなか悪趣味だった。それを見終えて、クイーンは顎に手をやり考える。
「……おかしい」
「なにがおかしいの?」
「私が抱いたアレクシアの印象と正反対だ。アルフレッドは確かにこんなやつなんだろうが、アレクシアは……なんだ、その……強い言葉を並べて無理しているように、見えた」
「そうでござるか?傲慢な外道、という印象でござったが」
「そこまで印象が変わること、あるか?」
「……すまない、私の見当違いかもしれない。……確かこの壁のオルゴールに隠し扉があったはずだ。仕掛けのヒントを探しに他の部屋を探ろう」
そう言って、破壊された扉から外に出ようとした時だった。なにかに気付き、クレアとスティーブを両手で押し飛ばすクイーン。
「っ!?下がれ!」
「「クイーン!?」」
クイーンの側頭部に赤いレーザーポイントが当てられた、と確認した時にはクイーンの頭が撃ち抜かれ身体が壁に叩きつけられていた。あまりの出来事に言葉を失うクレアとスティーブを押し退け、高速で部屋から飛び出し部屋の外の手すりの裏に隠れるプサイに目掛けてさらに銃撃。確認すれば、アレクシアの肖像画を挟んだ反対側の部屋から、アルフレッドがスナイパーライフルを構えて立っていた。
「我こそはアルフレッド・アシュフォード。アレクサンダー・アシュフォードの息子にしてアレクシア・アシュフォードの唯一の兄。卑怯なお前たちに引導を渡す高貴な者である」
「卑怯?不意打ちで頭を吹き飛ばす奴に言われたくないでござるな!」
名乗りを上げるアルフレッドに、プサイは手すりを乗り越えて一階に飛び降り自分に狙いを集中させ、遠距離攻撃を持つクレアとスティーブが執務室の外に出る時間を稼ぎ、クレアとスティーブは執務室から出るなりハンドガンで反撃。しかしアルフレッドは扉の陰に隠れて銃撃を防いでスナイパーライフルの銃口だけ出して牽制。跳弾する弾丸に、クレアとスティーブは手すりに隠れる。視線の先には、頭が吹き飛んだクイーンが倒れている姿が見えた。
「なぜ、私たちの幸せな世界を乱す?お前達なんだろう?お前たちが、私達を騙して襲おうとしただけでは飽き足らず、私たちの島にウイルスをまき散らしたのだろう!」
「言いがかりよ!私たちは関係ないわ!」
「なんならお前も早く島から出た方がいいぜ!ここはもう終わりだ!」
「いいや、いいや!馬鹿なことを。去ると思うか?ゾンビ如き我らの手で駆逐してやる。アシュフォード家の財産を手放したりなどしない!アレクシアが帰ってきたのだ、彼女の家を、彼女の安寧を、
言いながらスナイパーライフルを狙いもせずに乱射。跳弾しまくる危険地帯と化した玄関ホールで隠れるしかないクレアたち。数の不利を完全に覆している。
「貴様たちの狙いはどうせ脱出用の飛行機だろう。確かに我等アシュフォード家が有しているが、鍵は私が持っている。残念だったな!」
「それはいい情報をもらったぜ!あんたを殺して奪い取るゲームだ、そうだろう!」
「ゲーム。ゲームか。素晴らしい、アレクシアはゲームが大好きなんだ!いいだろう、私を打ち倒すことができたらアシュフォード家の飛行機を進呈しよう。だが私は妹を守る
そう言ってスナイパーライフルを引っ込め、なにかを操作するアルフレッド。その間に、遮蔽物が多い一階に移動するクレアとスティーブはプサイと合流する。なにをしてくるかわからない以上、迂闊に動けない。
「アレクシアが生み出した素晴らしい兵器を紹介しよう!」
すると、アルフレッドの隠れている部屋から何かが出てくる。風船の様に膨らんだ体と蝙蝠の羽みたいな耳、白い鬣と鋭い牙を持ち、鼻の穴が3つあるバク型B.O.W.だった。アルフレッドが再び銃撃をして牽制する中、バク型B.O.W.口からシューシューと音を立てながら何かを放出し、ゆっくりと廊下を進み、階段を降りてくる。咄嗟にプサイが突撃して、首を掻き斬ろうと試みるが、風船の様な体は見た目にそぐわぬ硬質性を見せ、ゴム風船の様に爪を弾き飛ばしてしまう。
「なっ……!?」
「プォオオオッ!」
そして、鼻先を向けてきたバク型B.O.W.の鼻から鳴き声なのか音波が発生。弾かれて体勢が崩れたプサイと、柱の裏に隠れていたクレアとスティーブはもろに喰らってしまう。
「こんなもの……!」
眼を閉じ、音波を振り払う様に手を振り回すクレア。そして目を開けると、スティーブとプサイが姿を消していて。
「え…?スティーブ!プサイ!?」
アルフレッドの気配も消え、玄関ホールの中央に立ち探し回るクレア。すると瞬きした次の瞬間には、玄関ホールを埋め尽くすほどの大量のゾンビが現れていて。咄嗟にハンドガンを構えて、乱射する。
アルフレッドは玄関ホール二階の手すりにスナイパーライフルを持った手を置いてにやにやと、その光景を見下ろしていた。クレアとスティーブがあらぬ方向にハンドガンを撃ち、プサイはその場ででたらめに爪を振るっている。その間を、とてとてとバク型B.O.W.が歩いていた。
「名を、アルプ。こいつは口から暗示に掛かりやすくなるガスを放ち、鼻から催眠音波を出して幻覚を見せる。悪夢を食うバクが悪夢を見せるとは、なかなか皮肉がきいているだろう?」
いつもお世話になってるお馴染みエレメンタル社-覇亜愛瑠さんから提供されたクリーチャーの案の一つ、アルプ。同士討ちを目的とした凶悪なB.O.W.です。やってることはドナ・ベネヴィエントと大体同じ。だけど物理的なものなのでもしエヴリンがいた場合効きませんね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?
-
ネメシス(完全武装)
-
グレイブディガー・ハスタ
-
モールデッド・エンプレス
-
モリグナ(本体)
-
ハンター・アーマード
-
モリグナ・ネメシス
-
ハンターy(ガンマちゃん)
-
ハンターπ
-
ネプチューン・ルスカ
-
ブラインドストーカー
-
ペイルキラー
-
グレイブディガー・ヒュドラ
-
モールデッド・シュタール(ネメシス)