BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
クイーンVSアルフレッド&アルプ。楽しんでいただけると幸いです。
約一年前。1997年12月。南極基地、と呼ばれる場所にて。アルフレッドは、
「え、えっと……お父様?」
「ああ、アレクシア!忘れてしまったのかい?いや、無理もない。14年も前だ、私もお前も大きく変わった。子供から大人になった。私はお前の兄のアルフレッドだよ!あの愚鈍な父親はいない!ああ、アレクシア!アレクシア!やっと帰ってきてくれた!」
「おにい、さま……」
ぎこちなく、それでもしっかりと、自らを抱きしめ返してくれる妹に、アルフレッドは涙すら浮かべながら力いっぱい抱きしめる。
「14年間、待ち続けた!ああ、私は壊れてしまいそうだったんだ。そうだ、待てなかった!だから私はこうした!恨んでもいい、蔑んでくれたってかまわない!だから、頼む、アレクシア!私に君を守らせてくれ!もう二度と、私を置いてどこかに行ってしまわないでくれ……」
「……ええ。私は、何処にもいかないわ」
アルフレッドを抱きしめる、アレクシアの視線には諦念と悲哀が宿っていたが、アルフレッドは知ったことかと言わんばかりに抱きしめ続けた。
不意打ちで頭をぶち抜かれ、倒れていたためにアルプのガスを吸わず音波も浴びなかったために無事(?)悪夢を見ずにすんでいたクイーンが名乗り、アルフレッドはライフルを構えて愕然とする。
「クイーン・サマーズだと……?」
「おや、ご存じないか。それはそれは、アシュフォード家の嫡男などには私みたいな下々のことなど耳にも入りませんか。このような人ですらない不肖の輩が貴殿の前に出てきて申し訳ない」
「貴様……私を愚弄するつもりか!」
アサルトライフルを背中に下げた姿でクレアの手にくっつけた粘液糸を引っ張りハンドガンを奪い取り、仰々しく畏まるクイーン。胸元に右手をやり左手を腰に当ててお辞儀をし、ウィンクするクイーンにアルフレッドは怒りのままにスナイパーライフルを構え、射撃。クイーンは粘液糸を天井に伸ばして宙返り。逆さまに天井に張り付くと、糸を伸ばして蜘蛛の様に逆さまにぶら下がりながら怪しく笑う。
「女王ヒル、と言えばわかるかな?私もお前の同類だよ。アンブレラ三大創設者の縁者だ」
「貴様、ジェームス・マーカスの子供……いや、ヒルか!」
「そうだとも。エドワード・アシュフォードの孫殿」
「貴様そもそも何故生きて……手品でも使ったのか?いや、ハンターΨのRT-ウイルスと同じ……再生能力か!」
「半ッ分ッ、正ッ解ッ!」
バチバチと睨み合い、獰猛に笑ったクイーンはクレアのハンドガンを逆さまの状態で構えて乱射。アルフレッドは躊躇なく後退して元居た部屋に戻り、そこに置いていた手のひらサイズのリモコンを操作する。それは、モスキート音と呼ばれる未成年にしか聞こえない音を利用した、アルプに指向性を持たせる装置だった。リモコンのボタンを操作して、床に着地しハンドガンを構えながらゆっくり近づいてくるクイーンに標的を切り替える。
「アルプ!やれ!」
「プォオオオッ!」
アルプが短い四肢をばたつかせてゴム鞠の様な質感の丸々とした体をぽよんと弾ませてまるで砲弾の様に階段上のクイーンを襲撃。クイーンはその一撃を回避し、アレクシアの肖像画に激突して跳ね返ってきたアルプの胴体に蹴りを叩き込んでサッカーボールの如く蹴り飛ばす。
「プオォオオオッ!?」
ボヨンポインバインポヨンペインビヨョン!と壁や天井に跳ね返りまくりまるでピンボールの様な複雑な軌道を描くアルプ。しかも、その状態で催眠音波をばら撒いてくるので
「思ってたのと違うがいいぞ!アルプ!そいつにも悪夢を見せてやれ!虫けらめ、無様に逃げるがいい!……あっ」
「あっ」
アルフレッドが顔だけ出してアルプを応援するが、その瞬間に跳ね返ってきたアルプが目の前を横切り、運が悪いことに催眠音波が当たってしまいガスも吸ってたため悪夢に囚われてしまうアルフレッド。クイーンは主人すら制御不可能のそれの恐ろしさを痛感した。
「……だが、わかってきたぞ。お前の生態」
天井から宙返りで一階の机に着地しつつ、さらに宙返りするクイーン。壁、天井、壁、床、天井と次々と移動し、アルプはそれに追いすがる。
「私は蜘蛛ではないが、擬態が得意でな。生物のいいな、と思ったところを真似するのだけは得意だ。例えば、そう。蜘蛛の巣、とかな」
「プゥォオオオオンッ!?」
宙返りのたびに注視しないと見えないぐらい細く頑丈なピアノ線の様な粘液糸を出して、蜘蛛の巣を作り上げていたクイーンの目の前に、粘液糸に絡めとられて丸っこい体を拘束されてじたばたと四肢をばたつかせて暴れるアルプ。音波を放とうとするが、その瞬間鼻を拳で砕かれて、結構脆い鼻は折れ曲がり見当違いの方向に放たれる。身動きが取れない今、どう足掻いてもクイーンに当てることは叶わなかった。
「チェックメイトだ。…普段は行き当たりばったりで、ここまで計画的にしたのはGアネットぐらいの物だったんだが……」
そんなアルプの眼前に、手にしたハンドガンの銃口を突きつけながら、苦しむクレア、スティーブ、プサイ、アルフレッドに視線を向けて目を瞑り、再び目を開けると冷え切った視線がアルプを貫く。
「ここまでむかついたのは初めてだ。お前は存在してはならない生き物だ」
「プォオッ」
命乞いの様に小さな声を上げたが、ターンという乾いた銃声と共に、糸に拘束されぶら下がって見せしめにでもされるかの様な姿で頭を撃ち抜かれ、無情にもアルプは処刑された。
目覚める。悪夢だった。永い眠りから目覚めたアレクシアに、「忠実なだけの無能な兵隊蟻」と蔑まわれ、「お仕事から解放してあげる」と惨殺される、短いながらも現実感のある悪夢。……ああ、そんなことはありえないとわかっている。アレクシアを私は愛し、私もアレクシアに愛されている。故に私は、アレクシアを私から奪おうとするものを、許さない。
「おい、起きろ!」
よろめきながら、手すりに掴まり階下でコップに入れた水をかけて赤い女を正気に戻そうとしているクイーン・サマーズに銃口を向ける。
「ゲームをもっと楽しめ、虫けらどもめ!」
「っ!」
愛用のスナイパーライフルの銃撃が襲いかかるが、全身に目でもあるのか赤い女と青い男を抱えて二階通路の真下まで飛び退くクイーン・サマーズ。くっ、この角度では狙えない……執務室前の手すりからならば!
「なんだ!妹と一緒で臆病者だな!アシュフォード兄妹は双子揃って卑怯者か!」
「っ……!お前たちに言われたくはない!」
移動しきる前に、中央に出てきたクイーン・サマーズをクイックショットで狙う。荒い狙いのそれはクイーン・サマーズの右腕を撃ち抜いたものの、左手から糸を出してハンターΨを回収し物陰まで隠れるのは許してしまった。
「この程度か?“虫けら”!」
「虫けら風情が……私とアレクシアを侮辱するなあ!」
執務室前廊下の戸棚からM24型柄付手榴弾を取りだし、安全キャップを外して投げつける。この屋敷は私のミリタリーコレクションで溢れている。どこにでも、武器はあるのだ!
「死ね!クイーン・サマーズ!」
「お返しするよ!」
しかし、なんとクイーン・サマーズは再生させた右手から放った糸でM24型柄付手榴弾をキャッチすると、振り回して投げ返してきた。咄嗟に銃弾を当てるも、目の前で爆発。私は爆風を受けて転がるも、執務室に逃れる。アレクシアがアレを準備する時間は稼げたか…。
「まだまだゲームはコンティニューだ!次は訓練所まで来るがいい!我が“猟犬”がお前たちを喰い尽くすだろう!」
そう言い残し、仕掛けを作動させて隠し通路に出る。ああ、アレクシア……私は、お前を守って見せる……。
仲間を苦しめるアルプはクイーンからしたら絶対に許せない怨敵。そして、ある事情で間違いなく自分より強いはずのアレクシアを守ることにこだわるアルフレッドの真意とは……?
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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