BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。pixivで エレメンタル㏇ さんが3編のオリジナルクリーチャーたちほとんどのイラストを描いてくださいました。本当にありがとうございます!「特異菌感染者の聖地」タグから見れるので是非ともご覧あれ。

コードベロニカにはH.C.F.が持ってきた二種類の強化個体が出るハンター。まあ、強化しないはずがないよね。新たなHaRT登場。楽しんでいただけると幸いです。


fileCV:16【ハンターΘ】

 ロックフォート島訓練所、集会場。サクリファイスコヤンがクイーンと共に下に落下したのを見ていることしかできなかったクレア、スティーブ、プサイ。慌てて追いかけようとするが、上階からアレクシアがスナイパーライフルを撃ち放った。

 

 

「くっ!クイーンが……」

 

チュイン!

 

「あぶねえ!クイーンを気にしてる余裕はなさそうだぜクレア!」

 

 

 クレアを狙って放たれた弾丸から、スティーブが手を引いて回避させる。さらに弾丸が連射され、クレアとスティーブの隠れている障害物を砕いていき、その隙を突いて動こうとしたプサイにも抜け目なく狙いをつけ、引き金を引いて牽制する。

 

 

「あの銃はリロードが必須!連射できぬはず!バラバラに動くでござる!」

 

「あら!作戦をそんな大声で言っていいのかしら!」

 

 

 そう言って、ボルトアクションを行ったアレクシアが綺麗な放物線を描いて放り投げたのは、手榴弾。

 

 

「避けろ、クレア!」

 

「こっちよ!」

 

 

 咄嗟に隠れている物陰の角度を変えて爆発防ぐクレアとスティーブ。その隙を狙ってアレクシアの弾丸が放たれるも、その前に割り込んだプサイが胴体で受け止める。

 

 

「がはっ…」

 

「っ……庇うなんて、バカね!そのまま蜂の巣になりなさい!」

 

 

 血を流し苦痛に声を漏らすプサイにアレクシアは一瞬表情を歪め、すぐに嘲笑を浮かべてボルトアクションを次々と行って連射。寸分違わずクレアとスティーブを庇うように立ったプサイの胴体に炸裂。常人より硬い表皮のおかげで貫通こそしなかったものの、それが災いして弾丸が体内に残ったままのプサイはついに崩れ落ちた。

 

 

「横ががら空きだぜ!…っ」

 

 

 しかし同時に、階段を駆け上がっていたスティーブが横からアレクシアにルガーの銃口を向けたものの、一瞬躊躇いを見せてしまった。スティーブという男の善性が、いくら仲間を傷つけた悪党だとしても、ただの人間を撃つことに抵抗を見せてしまったのだ。

 

 

「甘いわ、ね!」

 

「うぐっ!?」

 

 

 至近距離からスナイパーライフルで狙うことは危険と判断したのか、ライフルを棍棒の様に構えてグリップ部分で突いて胸に打ち付けるアレクシア。胸を強く打ち付けられたスティーブはひっくり返り、アレクシアは形勢不利と見たのかそそくさと扉に退散していった。

 

 

「待て…、逃がすかよ!」

 

 

 なんとか立ち上がり、追いかけようとするスティーブ。しかしそれは、追いかけてきたクレアに止められた。

 

 

「スティーブ、冷静にならないと危険よ。さっきアレクシアはゴルゴーン三姉妹やサクリファイスコヤンみたいなのが五体いるって言ってた。最後の一体が待ち伏せしていたら危ないわ」

 

「わかってるよ…言われなくてもな。だけど、プサイが」

 

「拙者は大事(だいじ)ないでござる……」

 

「「プサイ!」」

 

 

 よろよろと立ち上がったプサイに、スティーブとクレアは階段を駆け下りて肩を貸す。自分で傷口に爪を突き刺し、弾丸をほじくり出す様は痛々しい。

 

 

「拙者よりも、クイーン殿を……」

 

「……私は無事だ」

 

 

 そこに、梯子を上ってクイーンが姿を見せる。落としたアサルトライフルを手に取り、残弾数を確かめる無事な姿に、三人は安堵する。

 

 

「クイーン、無事だったのね」

 

「心配したぜ。……どうした?幽霊でも見たような顔だぞ」

 

「いや……なんでもない。アレクシアは?」

 

 

 どことなく血の気の引いた青ざめた表情のクイーンの様子に訝しむスティーブ。クイーンは首を横に振り、視線を上に向ける。

 

 

「悪い、逃がしてしまった。あの扉だ。そっちこそ、さっきの……サク……サク……サックス野郎はどうしたんだ!?」

 

「サクリファイスコヤンよ、スティーブ。変な名前よね。英語とフランス語を混ぜた造語っぽいけど」

 

「こちらも取り逃がした。奴の血は発火する、気を付けろ。……サクリファイスか、言い得て妙だな」

 

「え?」

 

「発火するってなんだよ?」

 

「からくりなんて私が聞きたいさ。それよりプサイ、弾丸は取りだせたか?今、傷を塞いでやる」

 

 

 そう言って右掌を上に向け、ヒルを何匹か分離させてプサイの傷口に押さえつけるクイーン。ヒルたちはプサイの傷口を塞ぐように表皮に擬態し、粘液を分泌して治療。失血が止まる。

 

 

「助かったでござる…」

 

「ライフルの直撃を何発も受けて助かるってすげえな……」

 

「あら。一晩ぐらい一緒にいると慣れるわよ?」

 

「慣れちゃだめだぞクレア。アレクシアを追いかけるぞ。……聞きたいこともできたしな」

 

 

 そう言って、先ほどスティーブが示した上階通路の階段とは反対側の扉に手をかけるクイーンと、それにクレア、スティーブ、プサイの順でついていく。

 

 

「(……残弾が少ない。武器を調達しなければ、まずいな)」

 

 

 元々H.C.F.の兵士から予備の弾倉もろともパクったアサルトライフルだったが、連戦続きで弾に終わりが見えてきていることに焦りを感じるクイーン。ここで強敵がまた出てきたら、まずい。そんな確信と予感と共に、それは現れた。

 

 

「みつけたぜい、生存者~!」

 

 

 パリンパリンと窓ガラスを蹴り砕きながら、乱入してきたのは赤紫色の身体を持つハンターが四体。そして、妙にテンションの高い声と共にその中心に宙返りして着地したのは、肩まで伸びる鮮やかな赤紫色の長髪を靡かせた、鱗を赤紫色に変えたオメガと瓜二つ、つまりはアリサの顔をした姿の少女。少女はプサイを視界に入れるとにこやかに手を上げて配下らしきハンター四体を制した。

 

 

「あんれ?お仲間いるじゃん!なになに?今から掃討するところだった?あたしたち、お邪魔ー?…でもおっかしいなあ。あたし以外に統率個体が来ているなんて聞いてないんですけどー。蜘蛛とか犬が蹴散らして、生き残りをあたしたちが掃討するって作戦だったはずじゃなかったの!?」

 

「……拙者の方こそ、おぬしらの様なハンターや姉妹は知らないでござるな。何者でござるか?」

 

 

 そんなプサイの問いかけに、少女は鋭い爪を持つ……桃色に塗られてネイルの様にも見える……右手の人差し指を立てて、わかってないなあとも言いたげにどや顔で左右に揺らした。

 

 

「ちっちっちっ。この子たちはただの狩人(ハンター)じゃなくて掃討者(スウィーパー)、猛毒の爪を持つ次世代型ハンター!そしてあたしはそのスウィーパー統率個体のハンターΘ(シータ)!スウィーパー素体なのにハンターって名前なのウケなくない!?でもH.C.F.自慢のHaRT(ハート)型B.O.W.とはあたしのことだぜい!」

 

「…RT。ウェスカーの仕業か」

 

 

 元気に自己紹介するハンターΘ。ブラックタイガー・アラクネ。サーベラス・スキュラに続く、見覚えのあるB.O.W.の強化個体。しかもそのペラペラ喋った情報によれば爪に猛毒を持つという。厄介だ。

 

 

「拙者も人のことを言えないでござるが……暗殺者として大失格でござるな」

 

「あたしは暗殺者じゃなくて掃除屋だからいいんですー!今度はそっちの番だぞ!あんた誰?あたしとそっくりだけど!型番は!?」

 

「……ハンターΨ、といえばわかるでござろう?」

 

「なーんだ、くそ雑魚アンブレラの失敗作じゃん。ハンターΩとΨだっけ?失敗作のくせして名前は立派なの恥ずかしくないの!?ざーこ、ざーこ!」

 

「……なんかむかつくな」

 

 

 スティーブがぼやく。あまりにも時代を先取りし過ぎている気もするが、時代が時代なら「メスガキ」と親しまれている口調であった。ハンターΘはぐるぐるぐると右腕を振り回し、びしっと左手の指をクイーンたちに突きつけ、スウィーパーたちが爪を振り上げ身構える。狭い廊下を陣取られて、前には進めない。

 

 

「雑魚でも仕事だから掃除しないとね!さあ、掃討すんぞー!あたしのスウィーパーズ!えいえいおー!」

 

「……なんか、やる気がそがれるな」

 

「油断させるためだとしたら完璧なまであるわね……」

 

「え、そういうことか!?あぶねえ、騙されるところだったぜ!」

 

「多分アレが素でござるよ。拙者たちハンターは演技できるほど頭がよくないでござる」

 

「お前それでいいのか?」

 

 

 あまりにもしまらない戦いが始まった。




メスガキハンター降臨。スウィーパー版オメガです。直前に最重要標的であるアレクシアが通っているのに気づいていないアホの子だったりします。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?

  • ネメシス(完全武装)
  • グレイブディガー・ハスタ
  • モールデッド・エンプレス
  • モリグナ(本体)
  • ハンター・アーマード
  • モリグナ・ネメシス
  • ハンターy(ガンマちゃん)
  • ハンターπ
  • ネプチューン・ルスカ
  • ブラインドストーカー
  • ペイルキラー
  • グレイブディガー・ヒュドラ
  • モールデッド・シュタール(ネメシス)
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