BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
H.C.F.が生み出した最凶のハンターの力を見よ。楽しんでいただけると幸いです。
洋館事件後。アンブレラを裏切り寝返ったアルテ・W・ミューラーというRT-ウイルスの温床を手に入れたアンブレラ社のライバルである製薬会社H.C.F.もやはりというか、RT-ウイルスのB.O.W.の開発に着手した。そのベースはアルテの遺伝子を用いたクローンであり、つまりリサ→アリサ→アルテ→そのクローンたちというややこしい存在だ。端的に言ってしまえばアルテの劣化版であり、RT-ウイルスへの耐性しかその特殊性を引き継いでいない。
しかしH.C.F.にはマーカスやアイザックスの様な独創性を持つ研究者は存在しない。そのため、アルテが入手したアンブレラのB.O.W.リストを参考に既存のB.O.W.を強化することでいわゆるパクリ……もといリスペクト作品を生み出すに至った。
そのリストの中で最も目を付けられたのが、優秀な生物兵器とされたハンターπと、そのプロトタイプともいえるハンターΩとハンターΨ。他にも優秀とされるサーベラスを用いたサーベラス・スキュラも生み出されたが、やはりハンターという生物兵器の優秀さ、およびその司令塔としてのHaRTシリーズの採用による殲滅力は群を抜く。
そうして生み出されたのがハンターに猛毒を有させるやけくそとでも言うべき強化がなされた
しかし、嗜虐的な側面があるΩといらない知識を身に着けたΨひいてはアンブレラを超える存在として言い聞かせてハンターΘを育成したせいで、アンブレラを見下すH.C.F.上層部の思想をそっくりそのまま受け継いだばかりか、生まれたばかりの自分の方が優秀なんだという自尊心に満ちたモンスターが生まれてしまった。これには遺伝子の提供元であるアルテも頭を抱えたが、優秀なのに変わりはない。
実際、血液に毒を回すことで全身に毒を回すことに成功しており、スウィーパーたちはただ毒を有するハンターというだけだが、ハンターΘはその影響で毒が肉体にも変調を齎し、アリサやアルテに及ばないものの異様な再生能力を与えている。腕力や脚力こそハンターΩやハンターΨには劣るものの、耐久力また継戦能力はずば抜けているのだ。脳に回った毒が脳内麻薬の代わりをなしており、頭部に弾丸を受けようが腕がもげようが骨が折れようが意にも介さず作戦を実行する狂気を有していた。それに加えて掠るだけで数分で死に至る猛毒まで有しているので性質が悪い。
たった四体とリーダー格のハンターΘだけでありながらラクーンシティ崩壊前のとある戦場では弾丸の雨を浴びながらほぼハンターΘ一人で敵兵を殲滅するという大戦果を挙げている。戦場における経験値だけなら、戦いよりも暗殺を任務としていたオメガやプサイ以上ともいえる。
そんなハンターΘたちの部隊に与えられた命令は、ロックフォート島の襲撃で導入される新型であるブラックタイガー・アラクネやサーベラス・スキュラ、本体である襲撃部隊が取り逃した敵戦力の掃討。しかし上記の二体が優秀でほとんどが死体もしくはゾンビになってしまったために暇だったところに、遭遇した
「援護する!突破するぞ!」
開戦。間髪入れず、ズダダダダダダダッ!と、ありったけの弾丸をアサルトライフルで叩き込む。残りの弾丸全てを費やす勢いで放たれたそれをしかし、赤紫色のハンター……スウィーパーを率いたハンターΘを名乗った少女は避けもしないどころか、自らあたりに行ってスウィーパーたちへの攻撃を庇っている。弾いているわけではない、血は噴き出てるし当たっている。なのに、身じろぎ一つしない…!痛みを感じてないのか…!?
「んべっ。まっず!あたしの大事なスウィーパーたちになにしてくれてんのさ!」
「くっ…なら!」
体内に撃ち込まれた弾をちょこっと出した舌の上に乗せ、吐き捨てたハンターΘに、飛び込んで体当たり。壁に叩きつけ、破壊して外……ゴルゴーン三姉妹の位置とは真逆の場所……に投げ出されながら、月光に照らされながら転がる私とハンターΘ。見れば、クレアとスティーブとプサイが力を合わせてスウィーパーたちに応戦していた。そっちは任せるぞ!
「必死過ぎてウケる!その程度じゃあたしには通用しないっつーの!」
爪を振り上げ飛び掛かってくるハンターΘの顔面に、カウンターに拳を叩き込む。確かに鼻を砕いた感触がしたがしかし、やはり怯まず爪を叩きつけてきた。鼻血を流しながらも楽しげにハンターΘは嗤っている。
「あはっ!まずは一人……あれ、手ごたえない…!?」
鳩尾に突き刺さるハンターΘの爪。しかし、それは突き刺さった部位ごと沈み込み、背後に抜けてその腕を私の胴体で拘束する。貫かれた部位だけを分離して、その穴に奴を拘束したのだ。
「はあ!?きもちわるっ!?」
「気持ち悪くて悪かったな!」
そして驚愕しているハンターΘの頭頂部に、肘打ちを叩き込むがハンターΘも負けてはおらず、拘束している腕が折れるのも構わずにくるりと身体をひっくりかえし、その長く素肌を晒している足の太腿で締め上げてきた。さらに左腕で窓枠を掴み、更に反転。今度は私の身体がひっくり返され、頭から床に叩きつけられ、胸からも腕が引き抜かれる。
「があ!?」
「よっわ。ざーこ、ざーこ!」
そのままごきゃッと音を立てながら折れた腕をはめなおして再生させたハンターΘの、勢いよく振り上げた右足によるサッカーボールキックが顔面に炸裂。蹴り飛ばされ、訓練所の壁を破壊してバスルームに転がり込む。壊れたシャワーから水が噴き出てびしょ濡れになりながらも、立ち上がる。常人だったら蹴り砕かれている威力だ。プサイには及ばないが、とんでもない身体能力だ。
「あはっ、真っ赤!ウケる!」
だらだらと再生した鼻から垂れる血に塗れた左手を見ながら首を傾げ、狂気の嘲笑を浮かべながら歩いてくるハンターΘの姿に、恐怖が頭によぎる。G生物に対する根源的な恐怖とは違う。理解できない、そう言う恐怖。私の身体を構成しているヒルたちが怯えているのがわかる。痛みを我慢して頑張るアリサとよく似た再生能力だが違う。これは別物だ。
「お前は、なんなんだ……?」
「あたしはハンターΘって言わなかった?物覚えも悪いの?ざーこ!」
「……ならこういうのはどうだ」
合掌した両手の先端を突きつける。さっき覚えたばかりの新技。足元を浸す水を吸収し、循環させたそれを圧迫。合わせた掌の中で加圧して限界まで圧縮し一点から解放、音速を超えて撃ち出す…!
「穿水!」
「っ!」
音速を超えた水のレーザーが射出され、反応が遅れたハンターΘの胸を穿つ。水の勢いに踏ん張り切れず、吹き飛ばされるハンターΘ。合掌したまま両手を下ろし、様子を窺う。やったか…?
しかし、ハンターΘは足を基点に腰から持ち上げ、上半身をだらんと背後に垂らした姿で立ち上がり反動で起き上がる。胸の上半分が吹き飛び、首もえぐれて血まみれだ。なのに、血を吐きながらも嘲笑をやめないハンターΘに、思わず後ずさる。
「びっくりしたあ。ウケる!すごいすごい!」
「……バケモノめ」
「負け惜しみしかできないわけ?ざーこ!」
瞬間、穿水を放つも今度は簡単に避けて、そのまま薙ぎ払ったウォーターカッターを爪で弾きながら笑顔で肉薄してくるハンターΘ。認めるしかない、強敵だ。
つまり腐ってないゾンビみたいな毒持ちハンター、それがハンターΘ。クイーンが恐怖を抱くほどの狂気。なにも生み出されたばかりだとは一言も言ってなかったのだ。では勝てるのは…?
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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