BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ロックフォート島編が思ったより長くなりそうな件について。プロットよりも文章が長くなったせいですね、はい。

プサイVSスウィーパー。楽しんでいただけると幸いです。


fileCV:18【スウィーパー】

「……ぐうっ、やられたな。たかが人間とそれに与するものだと侮った挙句に海まで吹き飛ばされるとは」

 

 

 ロックフォート島の、公邸・訓練所と囚人棟を繋ぐ鉄橋の下。海に通じる崖になってる岩壁に横に張り付き移動する異形がいた。ブラックタイガー・アラクネだ。クイーンの策によるガス爆発をもろに受けた彼女は海まで吹き飛んだものの、糸を飛ばして壁にくっつけることで水没を回避していたのだ。ブラックタイガー・アラクネは焼けただれている右腕でぐちゃぐちゃになってた左腕をコキコキと動かして元に戻しながら、八本の節足をシャカシャカ動かして、崖の上までやってくる。その視線の先には、巨大な六本腕の影……ステンノーが鎮座しているのが見える訓練所があった。

 

 

「……ははは、あんなのに比べたら私なんか虫けらじゃないか…………」

 

 

 彼女は聡明だった。生物としてもともと知能が高く、頭がいいことを創造主たちに知られたらロクな目に遭わないとわかった上で馬鹿な言動で知能が低く見えるように偽った。故にわかる、わかってしまう。あの六本腕の蛇に、己は絶対に敵わない。あれは肉体の強さが別格だ。見つかれば終わりだ。ギョロリ、とその六つの眼がこちらに向けられ咄嗟に物陰に隠れるブラックタイガー・アラクネ。

 

 

「……私はH.C.F.に思い知らせるんだ。私を支配できるなんて思い上がりも甚だしいと。奴らの人形なんかではないと証明する。……アンブレラかH.C.F.かどっちかは知らんが、上等だ。私を下に見る者全員殺してやる」

 

 

 そう己に誓ったブラックタイガー・アラクネは、ステンノーの視線に入らないようにしながら移動し始めた。彼女は馬鹿じゃない。一人で挑んだら返り討ちに遭うのは目に見えて居る。だから、やるべきことは……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スウィーパー二体の腕を鷲掴みにし、振るわれるもう片方の爪を避けながら残りのスウィーパー二体と戦うクレア殿とスティーブ殿に視線を向ける。クイーン殿に一番厄介なハンターΘを押し付けた形になってしまったのだ。この四体は拙者たちで倒さなくてはならない、絶対に!

 

 

「絶対に攻撃を受けちゃだめでござる!」

 

「オーライ!」

 

「承知してるぜ!」

 

 

 ナイフで鍔競り合うクレア殿と、振るわれる腕を蹴り上げて対応しているスティーブ殿。やはりこの二人は強い。心配しなくてよさそうだ。

 

 

「司令塔がいなければお前たちなど!」

 

 

 鷲掴みにしたままの腕をひいて体勢を崩し、飛び上がって二段蹴り。一発ずつスウィーパー二体に叩き込み、後退させる。拙者は遠距離攻撃を持たない。故に攻めるのみ!

 

 

「行くでござる行くでござる!」

 

 

 左腕の爪を振るう。右手で握った拳を振るう。カエルの様な太腿の脚で蹴り上げる。拙者の持てる全ての攻撃を織り交ぜる。スウィーパーたちは「防ぐ」という行動を知らないのか、回避に専念していたが角まで追い込まれると、一転攻勢。猛毒の爪の猛攻を叩き込んできて、咄嗟に天井に飛びついて左手の爪を天井に突き刺し逆さまになることで回避。一体が気付いて爪を振り上げてきたのを、右手で手首を握って受け止め、怪力で持ち上げる。

 

 

「キシャア!?」

 

「とりゃああああっ!」

 

 

 そして空中で投げ出し、左手の爪を基点に天井に張り付いたまま振り子の様に身体を振って、空中で身動きが取れないスウィーパーに横蹴り。カエルの遺伝子を持ち脚力に関していえばオメガ殿すら上回る威力が叩き込まれ。スウィーパーは吹き飛び角の自動販売機に激突して、缶ジュースを転がしながら崩れ落ちた。まずは一体。そのまま左手の爪を動かし、天井から外れて着地する。

 

 

「シャア!」

 

「おっと」

 

 

 すると、鋭い爪がついた右足による飛び蹴りを繰り出してきたもう一体のスウィーパーの攻撃を、跳躍して回避。煙を上げる自動販売機の傍まで近づき、炭酸ジュースの入っている缶を手に取り放り投げる。飛んできたそれを、反射的に斬り裂いたスウィーパーは中身の炭酸をもろに顔に被り、目が染みたのか目元を押さえるその肩を左手で掴み無理矢理振り返らせる。がら空きでござるよ。

 

 

「エヴリン殿直伝!」

 

「キシャ…!?」

 

「ファミリーパンチでござる!」

 

 

 そして、正確には直伝ではないでござるがエヴリン殿の記憶から学んだ、一番威力が出るパンチの仕方で右の拳を叩き込む。必殺の拳を受けたスウィーパーは頭がもがれて血を噴き出させながら倒れ込み、拙者はクレア殿とスティーブ殿が相手をしている二体に振り返る。

 

 

「次は、おぬしたちでござる」

 

「「キシャッ!?」」

 

 

 するとクレア殿とスティーブ殿の相手をやめて、壁の穴に飛び込み逃亡する二体のスウィーパー。

 

 

「クレア殿とスティーブ殿はアレクシアを!クイーン殿は拙者が!待つでござるよ!」

 

 

 二人にアレクシアの追跡を任せ、拙者も飛び降りる。すると水のレーザーが飛び交う戦場に出る。見れば、G生物のしていた様な構えをしたクイーン殿が、水のレーザーを乱射し、それを受けて吹き飛びながら何度も飛び掛かるハンターΘの姿が見えた。それに駆け寄るスウィーパー二体も。

 

 

「あれえ?残り二人は?もしかしてやられちゃった?……ムカつくかも」

 

 

 スウィーパーに向けて放たれた水のレーザーを、側頭部で受け止めて庇いながらスウィーパー二体に問いかけるハンターΘの視線が、こちらを向く。純粋な殺意が、拙者に突き刺さる。身がたじろぐ。

 

 

「あーもう、うざい!」

 

 

 ハンターΘが指を突きつけると、スウィーパー二体がクイーン殿目掛けて飛び込んでいく。そして、ハンターΘの標的はこちらに移り変わったらしく獰猛な笑みを浮かべている。

 

 

「せんぱぁい。あたしの可愛いスウィーパーを二人も倒して調子に乗ってるみたいだけどぉ……ざこの失敗作があたしに勝てるとでも思ってんの?ウケる!」

 

 

 何故か血まみれの顔で挑発してくるハンターΘに、恐怖が植え付けられる。それでもと、深く腰を落とし爪の切っ先を相手に向け、軽く右手を添えて突撃する。エヴリン殿の記憶にある、中距離を一気に詰める剣技。これで心の蔵を貫く…!

 

 

「名付けるならば、爪突(そうとつ)!」

 

「アッハ」

 

 

 それはハンターΘの反応すら許さずに、その左胸を穿つことに成功。しかしそれでも、ハンターΘの笑みは崩れない。

 

 

「ざぁーこ」

 

「くっ…かはっ!?」

 

 

 返しの刃を、咄嗟に身を捻って避けるも、続けて繰り出された膝蹴りが胸部に突き刺さる。吐血し、吹き飛ばされる。確かに心臓を抉っている。心臓を潰されて、なぜ生きているのでござるか…!?

 

 

「あーあ、止まっちゃった。よっと」

 

 

 すると露出した心臓に爪を突き刺したかと思えば、ドクン!と胸が跳ねて再び動き出す。…蘇生!?毒を使ったでござるか?いや、まず、そもそも胸を抉られて平然といられるはずが…!?

 

 

「くっ……プサイ、そいつは!恐らく、痛覚が存在しない!」

 

「まことでござるか!?」

 

「そ・ゆ・こ・と。これでわかったでしょ?お前たちはざこであたしは最強ってこと。そこに隠れてるざこも出てこいよ、あたしが気付かないとでも思った?」

 

「……」

 

 

 するといきなり背後、外壁に視線を向けるハンターΘ。すると壁が解けて、見覚えのある異形の姿が現れる。金と黒の縞々の短髪を有している黒い糸を水着の様に纏わりつかせた少女の上半身が生えた、巨大な虎の様な黄色い模様が走った漆黒の蜘蛛……囚人棟で一戦交えた、やつだ。生きていたのでござるか!?

 

 

「なんだ、ブラックタイガー・アラクネじゃん。先行部隊の出番は終わったから。ざこはざこらしく帰っていいよ」

 

「……そいつらにしてやられた……しかえし、したいぃ……」

 

「あ、そう。ざこに負けるなんてやっぱりざこじゃん。ウケる!いいよいいよ、好きにして」

 

 

 ひらひらと手を振って、ブラックタイガー・アラクネを受け入れるハンターΘ。厄介なことになったでござる…。




生きていたブラックタイガー・アラクネ参戦。仕返しするためにハンターΘと組んで悪夢のタッグ誕生です。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?

  • ネメシス(完全武装)
  • グレイブディガー・ハスタ
  • モールデッド・エンプレス
  • モリグナ(本体)
  • ハンター・アーマード
  • モリグナ・ネメシス
  • ハンターy(ガンマちゃん)
  • ハンターπ
  • ネプチューン・ルスカ
  • ブラインドストーカー
  • ペイルキラー
  • グレイブディガー・ヒュドラ
  • モールデッド・シュタール(ネメシス)
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