BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回はクイーン&プサイコンビVSハンターΘ&ブラックタイガー・アラクネコンビ。楽しんでいただけると幸いです。
H.C.F.はアットホームな職場である。……というのは冗談だが、H.C.F.製の自我があるB.O.W.たちは、間違っても同士討ちしないように、新しく誕生するたびに“顔合わせ”をする。そうすることで仲間意識を培う、事が目的ではない。仲間としての助け合い、ではなく、どんな時でもより優秀な者の命令に従う様に上下関係を徹底的に叩き込まれるのだ。
一部の人間……特にH.C.F.に援助しているスポンサーである金持ちや軍の人間への忠誠心と、アンブレラとそのB.O.W.への対抗心と敵意はすべてのH.C.F.製B.O.W.に植え付けられるのだが、明確な自我を持ち癖がありすぎる性格になってしまうRT-ウイルスを用いたB.O.W.には、弱肉強食の生存競争を伴ってヒエラルキーを確立させ、命令系統を掌握することで制御する、が目的だった。
その中でも頂点の位置にいるのがハンターΘだ。パピルサグ。サーベラス・スキュラ。スコロペンドラ。エリミネート・イエティ。ブラックタイガー・アラクネ。ウアジェト。バロメッツ45。ネプチューン・レモラ。ワスプ・ワイバーン。節操なしに作り上げたアンブレラのパク……リスペクトした怪物たちを、軒並み叩きのめして圧倒的な力の差を見せつけたのがハンターΘだった。なにをしようがビクともせず、嘲笑を浮かべながら執拗に攻めてくるハンターΘに、生まれたばかりのものが多い怪物たちは泣き喚いた。ブラックタイガー・アラクネも、強酸性の消化液を飛ばしてドロドロに溶かしたのに笑って襲い掛かってこられたので即座に降参した一人だった。
故にブラックタイガー・アラクネがハンターΘに従うことは自然の摂理であり、道理だった。……たとえ、それが演技で、内心H.C.F.に対する反抗心をメラメラと燃え上がらせていたとしても、生物である以上、弱肉強食には抗えない。
「ちっ……お前たちはそこに張り付いてろ!」
プサイの乱入。ブラックタイガー・アラクネの参戦。ハンターΘとの戦いで劣勢を強いられていたクイーンは、自らに嗾けられたスウィーパー二体を粘液糸で壁に磔にして拘束。身動きが取れない二体を一瞥し、ハンターΘとブラックタイガー・アラクネを同時に相手取ってるプサイに助力せんと突撃する。
「ざーこ、ざーこ!せんぱぁい、虫けらの相手もできないんですかぁ?」
「とらえるぅ!」
「ええい、黙るでござる!」
八本の節足をシャカシャカと動かし、黒い蜘蛛の糸で鋭利に武装した両腕を振り回して突撃してくるブラックタイガー・アラクネの連続攻撃を避けながら、高みの見物で煽り散らしてくるハンターΘに怒鳴るプサイ。心が広い彼女にも我慢できないものがあるらしい。そんなハンターΘの右腕に粘液糸を飛ばし、引っ張ろうとするが逆に引っ張られたクイーンがラリアットを受けてひっくり返り、腰から叩きつけられる。
「くそっ…!?」
「不意打ちなら勝てると思った?ざーこ!」
そのまま糸が繋がったままクイーンを蹴り飛ばし、ピンと張られた糸を引っ張って戻ってきたクイーンをさらに蹴り飛ばし、咄嗟に糸が繋がった右腕の肘から先を切り離してゴロゴロと転がり立ち上がるクイーンの動きを読んでいたかのように、眼前に迫るハンターΘ。
「はい、ドーン!」
「クイーン殿ぉ!?」
飛び膝蹴りが顔面に突き刺さり、吹き飛び転がるクイーンに、その右腕を投げ捨てるハンターΘは嗜虐的に嘲笑う。プサイもそれに気を取られ、ブラックタイガー・アラクネの鋭利に黒い糸で武装した五指によって胴体を引き裂かれる。
「不覚……」
「どろどろにぃ、とけろぉお!」
右手で傷口を押さえながら後退し、即座に再生を始めるプサイ。追撃とばかりに息を大きく吸い込み、クイーンたちに向けて黄緑色の液体の弾丸を口から射出するブラックタイガー・アラクネ。強酸性の消化液の弾丸がプサイに迫る。
「プサイ!」
顔に炸裂する、その寸前で倒れたままのクイーンが粘液糸を飛ばし、プサイの右足にくっつけ引っ張ることでひっくり返して回避させ、引き寄せた勢いでプサイを抱きしめ、ゴロゴロと回転。追いかけてきたブラックタイガー・アラクネの鋭い節足によるストンプを、プサイを抱きしめたまま回避していくクイーン。そのまま外壁にぶつかり止まったところに、跳躍したハンターΘの飛び蹴りが炸裂。咄嗟に立ち上がって左右に避けたことでクイーンとプサイは回避する。
「ふーん、やるじゃん。ざこにしては、だけど。なに仕留めそこなってるのさブラックタイガー・アラクネ。だからざこなんだよ、虫けら」
「ごめん……なさい……」
外壁を粉砕したハンターΘに項垂れて謝罪するブラックタイガー・アラクネ。つかの間の休息で深呼吸し体力を回復させながら、敵から目を離さずにクイーンはプサイに問いかけた。
「……気付いているかプサイ」
「うむ。……明かに知能がまた下がっているでござる。演技かそれとも頭をぶつけでもしたか……」
「こんどこそ、ころす……」
すると、蜘蛛の下半身の尻に手を伸ばし、そこから糸を引っ張り出したブラックタイガー・アラクネは、尻から伸びたまま両手で握りピンと張ったそれに、口をもごもごさせてペッ!と吐き捨てる。背後のハンターΘも口に手を当ててドン引きしている中、強酸性の消化液を被せた糸をグルングルンと振りまわし、当たった地面を融解させていく光景に、青ざめるクイーンとプサイは、自然と脚に力を込めていた。
「し、ねええええ!」
ブン、と横に高速で振るわれた強酸性の鞭が、外壁を両断しながら二人に迫り、プサイは跳躍して上に、クイーンは一回その姿を崩して下に回避。
「なんの…!?」
「見え見えなんだよ、ざーこ!」
しかし、上に避けたプサイを待ってましたとばかりにハンターΘが飛び回し蹴りを叩き込んで蹴り飛ばし、腕立て伏せの体勢で元の形に戻り腕だけの力で立ち上がったクイーンを、振り回されて上空に上げられた強酸性の鞭が、上から下に振るわれて襲い掛かる。
「ぐ、うううううっ!?」
咄嗟に粘液硬化した両腕をクロスして受け止め、弾き飛ばされたクイーンは、吹き飛びながらも粘液を弾丸にして連射。次々と上半身に叩き込まれた粘液糸の弾丸はブラックタイガー・アラクネに衝撃を与え、たたらを踏ませて後退させるも、プサイを蹴り飛ばして着地したハンターΘに斬り払われてしまい、そのままガッシャーン!と大きな音を立てながらバスルームに激突し、浴槽を破壊して転がった。
「今のはよかったじゃん虫けら」
思ったより強いブラックタイガー・アラクネに気分を良くして背中をバンバンと強めに叩くハンターΘ。ブラックタイガー・アラクネの手では消化液の影響で糸が完全に溶け落ちてしまった。
「ほらほら、好きにしていいよー。お腹空いているんでしょ?きったない食べ方しちゃいなー?」
「…では、お言葉に甘えて」
ブラックタイガー・アラクネに食事を煽るハンターΘ。ギョロギョロギョロッと、真っ赤な三つの瞳が片方ずつ、計六つの眼が瞳孔の中に存在しているブラックタイガー・アラクネの複眼が睨みつけ、そして前に向けられた。
「………好きにさせてもらう…!」
「ぐっ…!?」
瞬間だった。ブラックタイガー・アラクネは蜘蛛の尻から糸を飛ばし、その直上にいたハンターΘの首を絞め上げた。右手で糸を握り、引っ張って締め付けるブラックタイガー・アラクネに、ハンターΘは右手の爪で糸を斬り裂こうとして、その手首を左手で握られ無力化される。
「おっ、まえぇ……!」
「この時を待っていた……お前が私に気を許し、油断するこの時を……!私がバカだと思ったか?」
「なにが、起きているでござるか…?」
首を絞め上げられ、泡を吹いてもがき苦しむハンターΘの姿に、クイーンを助け起こしながら動揺するプサイに、顔を向けたブラックタイガー・アラクネは満面の笑みを浮かべて、告げた。
「私と組め!お前たちとなら、あのでか蛇にも勝てる…!」
「…なるほど、やっぱり嘘つきだな、お前」
その言葉に、よろめきながら不敵な笑みを浮かべるクイーン。ブラックタイガー・アラクネが選んだのは、知恵を持って自らを打倒してみせたクイーンたちとの共闘だったのだった。
痛覚がなくても気道を封じられたら息できない、のがハンターΘの弱点でした。そして嘘つきの蜘蛛女、参戦です。以下H.C.F.製B.O.W.一覧。
・パピルサグ:遠距離攻撃型セルケト。
・スコロペンドラ:水棲型ヘカトちゃん。
・エリミネート・イエティ:雪山対応エリミネーター。
・ウアジェト:コブラ型のヨナ。
・バロメッツ45:もこもこの綿毛を扱うドライアドまたはベルセポネ。
・ネプチューン・レモラ:コバンザメ型グラ。とにかくくっつく。
・ワスプ・ワイバーン:飛行能力に特化したワスプ。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?
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ネメシス(完全武装)
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モールデッド・エンプレス
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