BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
ディオスクロイ戦に置いてクレアとスティーブはアレクシアを追い詰めていたと思ったいたが実は、訓練所にいたアレクシアは逃亡直後に既に移動しており、公邸にてアルフレッドと合流。公邸の執務室から一部始終をカメラで眺め、スピーカーから声を出して接触していたのだ。ディオスクロイがやられ、サクリファイスコヤンはクイーンに撃退されたまま行方不明。ゴルゴーン三姉妹とクイーンたちが激突を始め被害がこちらにまで及びそうなので、隠し通路から私邸へと移動している最中だ。
「ディオスクロイ……ごめんなさい………お兄様」
「気にするな、ディオスクロイの素体が脆弱すぎただけだ。次からは心も失わせないとな。操りにくいというのはわかるが」
「わかったわ……今度からは、そうする……」
「……アレクシア」
何故かとても落ちこんでいるアレクシアを横目で見たアルフレッドは立ち止まり、これまでの妹に甘々な態度はどこへ行ったのか厳格な雰囲気を出し表情に影を差しながら、背中越しにアレクシアに告げた。
「間違っても、虫けらたちに同情しようとは思うな。我々は偉大なるベロニカ・アシュフォードの血を継いだ高潔なる一族なのだから。お前がアレクシアの名を持っているのはそう言うことだと忘れるな」
「……は、い」
顔を青くして頷くアレクシアに、アルフレッドは満足げに唸る。その背後では、巨大な六つの腕の影が蠢いて爆音と共に土煙が舞い上がっていた。
訓練所の一角が吹き飛び、空を舞う影がいた。右手から粘液糸を伸ばしたクイーンと、蜘蛛の尻から伸ばした糸を手にしたモリアーティ、そしてそれを薙ぎ払うゴルゴーン三姉妹の長女ステンノーだ。モリアーティは口から溶解液を連射。クイーンはスイングの勢いのまま飛び蹴りを顎に叩き込み、しかしそれは鱗に包まれた六本の腕の圧倒的な範囲で薙ぎ払われる。
「シンプルに巨体と範囲がバカでかい六本の腕、六つの眼の視野の広さが厄介だな!」
「だが脳は一つだ、天才でもないやつが二人を相手にそれを使いこなせる動きをそう長く続けられないはずだ!」
「私がバカだって言いたいのかしらあああああ!」
三つの右腕を纏めて叩きつけてくる拳が、島の地表を抉って爆発したかのように土が巻き上げられる。空中を移動できるクイーンとモリアーティでなければ回避も難しいとんでも範囲攻撃だ。さらに持ち上げられ、振り回される尻尾も襲いかかってくるが、でかすぎるそれを逆に足場にして駆け上り、粘液硬化した拳を叩き込まんとするクイーン。しかし六つの眼の一つに見咎められ、六本の腕で防がれたうえで殴り飛ばされてしまった。
「エーくんはハンターΨを援護してやって!いくよビーくん!あたしは、弱くない!」
「その自信へし折ってあげるわ!」
一方、ビーくんと呼ばれたスウィーパーと共にエウリュアレーと対峙するシータ。二本足で大地を駆け抜けて、鱗に包まれた手で抜き手を繰り出すエウリュアレーの一撃を、ビーくんを庇う様に前に立ち、どてっ腹を貫かれ血を吐きながらもにやりと笑うシータ。
「ざーこ。自分から近づいてくるなんてバカなのぉ?」
「狂人か…!」
先程の戦いで舐めプとばかりに強みである毒の爪を使ってなかったシータ。学習して慢心を忘れ、容赦なく毒の爪をカウンターで突き立てる。鱗を貫き、確かに肉を抉る毒の爪。掠るだけで生物を塵殺する猛毒がエウリュアレーの肉体に流れるがしかし、尻尾で殴り飛ばされ距離を取られてしまう。エウリュアレーは、まるで堪えていなかった。
「私はブラックマンバの遺伝子で作られたB.O.W.!毒には耐性があるわ!」
「毒蛇だから毒が効かないは暴論じゃね?」
「腹ぶち抜かれて平然としている奴に言われたくないんだけど」
言いながら、飛び掛かってきたスウィーパーを回し蹴りで蹴り飛ばすエウリュアレー。刺さっていた腕を引き抜かれてぼたぼたと血を流しながらシータは突撃。ジャブを繰り出し、左手で受け止めたエウリュアレーの顎に、無茶な体勢から放たれた膝蹴りを叩き込む。長い首が打ち上げられて、よろめくエウリュアレー。
「ぐうっ…!?」
「アハッ!当たった!ざーこ!」
「やってくれたわね…!」
上半身にたすき掛けしているポーチから取り出した小瓶のコルク栓を指で弾くとその中身を飲み干し、口をもごもごさせたエウリュアレーがペッ!と液体を口から吐き出すと、それを防いだシータの右腕が粘着く液体が纏わりつき、固まってしまう。
「いくら再生しようが関係ない、凝固剤で固めてしまえばどんなやつもそれで…!」
「こんなんで止まると思ったの?」
しかしシータは知ったことかとばかりに突撃し、固まった右腕でパンチ。右腕ごと砕け散り、右腕を失ったもののエウリュアレーを数メートル殴り飛ばしたシータは再生を始める右腕を掲げながら自慢気に嗤う。
「痛くもかゆくもないわよ、ざーこ!」
「クイーン殿のいう“石化”が気になるでござるが…!」
「シャー!」
「くっ……!」
こちらはメデューサと戦うプサイとエーくんと呼ばれたスウィーパー。メデューサの伸ばしてくる蛇髪と蛸の様な足を、次々と切り裂いていく。そもそも上2人と違って戦闘力が低いメデューサだ。2VS1は分が悪い。ならばと、先端が斬られた触手の脚をせわしなく動かして、距離を取るメデューサ。プサイとスウィーパーは逃がさんとばかりに追いすがる。
「……動くな!」
「キシャッ…!?」
メデューサの単眼が光り輝き、真っすぐ突き進んでいたため真正面から受けて目が眩んだプサイとスウィーパー。違和感をプサイが感じた瞬間には、視界がぼやけて体に力が入らなくなり膝をつく。横を見ればスウィーパーも同じで、こっちは完全に倒れ伏してぴくぴくと震えていた。
「な、にが……?」
「ふふっ……安心しなさい。死にはしないわ。最初は軽い幻覚症状、次に身体に力が入らなくなり、そして最後には石の様に固まり動けなくなる。そうなったあとにゆっくりと仕留めるの」
「毒……でござるか……!」
「ご名答」
メデューサ……そのもとになったメドゥーサは伝承によれば、直視した者は恐怖のあまり体が硬直して石になる、または目から光線を放って石にしてしまうといわれている。メデューサの単眼は光を放つだけの代物で、その真骨頂は頭の蛇髪にある。触手の口から目に見えないくらい細くて小さい毒針を放つ能力を持ち、撃ち込まれた者は強力な神経毒に苛まれてしまう。これを、単眼の発光と共に行うことで初見では光線で石化すると錯覚してしまうわけだ。完全な初見殺しである。クイーンの時は、クイーンが群体だからこそ毒を受けた個体だけが引き受けて体が崩れるだけで済んだのだ。
「こうなったら非力な私でも仕留められるわ」
言いながら倒れ伏したスウィーパーに近づき、触手の足を首に巻き付けて締め上げるメデューサ。ゴキゴキと音を立ててへし折れていく様は、見るに堪えないが視線を逸らすこともできない。結局、なすすべもなく、シータからエーくんと呼ばれていたスウィーパーは絶命した。
「動け……動くでござる、拙者の身体…!」
上半分が鱗で覆われているため表情が見えないものの口元だけでニタニタ笑いながら、単眼を光らせ迫るメデューサに、プサイは歯を噛み締めた。
瞬間、プサイに糸が繋がり空に搔っ攫われる。粘液糸を飛ばしたクイーンである。
「大丈夫か、プサイ!?」
「大丈夫じゃないでござるな…してやられたでござる」
悔し気に自分を見上げるメデューサを眺めながらぼやくプサイ。その眼前に拳が迫り、クイーンがスイングの勢いのまま蹴り飛ばす。
「ここじゃ不味い、場所を移す!」
「どこにでござるか!?」
「あっちの屋敷だ!」
そうクイーンが視線を向ける先には、高所に聳える屋敷があった。
というわけでメデューサの能力、石化と見紛う神経毒でした。クイーンと相性は悪いですね。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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