BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
???「これで大幅ショートカットだ」
VSゴルゴーン三姉妹戦その四。楽しんでいただけると幸いです。
ゴルゴーン三姉妹の次女、エウリュアレーの死。無惨にも引き裂かれて上下バラバラに転がる妹の亡骸を見て、六つの眼を見開くステンノー。モリアーティを丸呑みにし、引きちぎった尻尾を鞭にしてクイーンとプサイ、スウィーパーの相手をしていたが、標的をシータに変えて、動き出す。
「妹を、殺したな?!」
「え、ぎゃっ!?」
尻尾鞭が唸り、薙ぎ払われるシータ。吹き飛んで空中に舞い上がったそれを、クイーンは粘液糸を飛ばしてキャッチしたものの、返しの刃ならぬ尻尾鞭に巻き込まれて吹き飛ばされ、訓練所を飛び越え公邸の屋根に叩きつけられてしまう。血涙を六つの眼から流しながら、追撃せんとするステンノー。
「やめるでござる!」
「邪魔っだああ!!」
粘液糸で縛られ二本腕になった六本腕の両拳を振り上げたステンノーのうなじに着地し、左手の爪を振り上げるプサイ。しかし頭を振られて投げ出され、右腕でキャッチされてその爪を利用して左腕を纏めた粘液糸を斬ってしまう。解放された左の三本腕で右腕の粘液糸も引きちぎり、六本腕を開放するステンノー。右腕の一本でプサイを拘束し、クイーンの傍にいるシータを憤怒の表情で睨みつけたステンノーは、クイーンとシータが吹き飛ばされた公邸まで、巨体を動かして迫っていく。
「なに?何が起きたの?」
「痛みでわからないのは逆に不便だな……吹っ飛ばされたんだ。さすがに分が悪いな……移動するぞ!」
「…わかった!ビーくん、こっち!」
痛みは感じないながらも自分を睨みながら迫るステンノーにさすがに危機を感じたのか、スウィーパーを呼び寄せながら跳躍。プサイを握りしめながら左の三本腕で握って勢いを増した尻尾鞭が凄まじい速さで襲い掛かり、私邸を砕く。空を舞う瓦礫の間を縫う様に粘液糸を握って空を舞うクイーンと、瓦礫を乗り継ぎ跳躍して移動するシータとスウィーパーは、私邸の横にかかる石橋に差し掛かり、その屋根の上を駆け抜けていく。
「逃がすかぁああああっ!」
咆哮を上げ、尻尾鞭とプサイを投げ捨てると怒りの赴くままに六本腕を動かして公邸の屋根に這い上り、上半身を持ち上げて勢いよく振り下ろしてボディプレスを行うステンノー。クイーンとシータ、スウィーパーはギリギリ回避し、石橋の一部を破壊しながらなんとか石橋に六本腕でしがみつき、ステンノーは這い上がっていく。その執念はまさに蛇だった。
「あった、水だ!」
「水ぅ!?あ、もしかして風呂場でやってたあれ?」
「奴を倒すには、奴の強固な鱗を貫くにはこれしかない!穿水!」
逃げた先で見つけたのは、私邸の噴水広場。クイーンはその中に飛び込み、両手を合掌してその先端をステンノーに向けて体内を巡らせた水流をレーザーの様に発射。そのあまりの速さにさすがに面食らったステンノーの右の三つの眼を下から上に斬り裂いて、続けざまに頭部を撃ち抜く水流レーザー。
「うううあああああぁああああっ!?」
「あははっ、図体でかいだけのざこじゃん!ぎゃああ!?」
「質量差を考えろバカ!?」
右目を右手の一本で押さえながら悲鳴を上げ、仰け反るステンノー。そこに、シータとスウィーパーが息の合った動きで毒の爪を左目に叩き込もうと試みるも、右目を押さえている以外の五本腕をでたらめに振り回されて弾き飛ばされてしまう。如何に痛みが無かろうと質量には敵わなかった。慌てて再び穿水を放つクイーンだったが、ステンノーは左目でそれを見ると首を横に動かして避けられてしまい、慌てて横に動かして斬り裂こうとするクイーンに肉薄。左三つの腕を連続で叩き込み、回避しきれなかったクイーンは私邸入り口まで殴り飛ばされてしまった。
「……エヴリン殿の記憶にあるグレイブディガーの集合体よりは小さいでござるがそれでもあの巨体は脅威でござるな…!」
その光景を見ながらステンノーのあとを追いかけるプサイ。もうこうなったらやけだ、とばかりにステンノーの尻尾の先端を掴んで引っ張ることで少しでも進行を遅らせようとする。しかし既に私邸の噴水広場まで入っていたステンノーは邪魔だとばかりに尻尾を振ってプサイを吹き飛ばし、プサイは真っすぐ吹っ飛んで私邸の石造りの壁に激突。穴を開けてその中に飛び込んでしまった。
「アイツ、あたしと相性最悪なんだけど。どうすんの?ハンターΨは吹っ飛ばされてるしブラックタイガー・アラクネなんか喰われてない?」
「……眼を斬り裂かれてそれでも冷静に動く奴に勝つ方法なんか知らんぞ」
Gアネットですら弱点だったとはいえ眼を攻撃されたら滅茶苦茶怯んでいた。しかしステンノーは怒り故か、冷静に対処してこちらを確実に潰さんとしてくる。手は尽くした、もうお手上げである。そもそもサイズがまだ小さい……いや普通にでかいがステンノーに比べれば小さい……エキドナでさえ結構強いのだ。それが六つの眼と腕を有して更に巨体まで手に入れればどうなるかは明白だった。しかし終わりは、あっさり訪れる。
「うっ!?ぐぅうううううう!?」
瞬間、ステンノーの腹を突き破ってなにかが飛び出してきた。クイーンとシータの前に降り立ったそれは、全身に黒い糸を身に纏って漆黒の蜘蛛の下半身を持つ異形の姿をした怪物。表面がドロドロに融解している糸のマスクが溶けて、その下の顔が出てくる。モリアーティだった。
「モリアーティ!」
「なんだ、無事だったのねざーこ」
「まだいうか貴様。咄嗟に糸で全身を覆ってなかったら危なかったな……」
一寸法師、という御伽話が日本に存在する。小さな小さな一寸法師という名の少年が、無敵の鬼を相手に、喰われたことを利用して内側から針で刺しまくって降参させたという話である。無敵の鬼でさえ内側からの攻撃には弱いのだ。例え無敵だろうと、内側が弱いのは必然。あらゆる物質を溶解する胃を持っているステンノーだったが、モリアーティはそれを糸で自分の表面に層をいくつか作ることで防御し、逆に蜘蛛の脚で引き裂いて出てきたのだった。
「げほっ、ごほっ!?そんな……」
ぶち抜かれた腹を押さえていたステンノーだったが、六本腕の一つで押さえた口から吐血し、己の血のついた掌を見て、胃を破壊されたことで胃液が全身に浸透し内臓があらかた融解していることを察してしまった時にはすでに遅く。私邸の壁を破壊しながら倒れ込み、趣味の悪い人形やアンティークが飾られた一階ホールで、ステンノーは力尽きて息絶えたのだった。
「勝った……のか?」
「その程度の傷も再生できないなんて、ざーこ!」
「常に溶け続けるものを再生するなんて無理だ。丸呑みにされるのは想定外だったが上手くいったな」
「クイーン殿!こっちに隠し部屋があるでござる!もしかしたらアレクシア・アシュフォードもここに…!」
「プサイ、無事だったか」
そこに、ホールの階段を降りてきてプサイが合流。クイーンとプサイ、シータとスウィーパー、そしてモリアーティが揃う。
「モリアーティ。まだメデューサが残っているが、私たちの目的はアレクシア・アシュフォードの確保だ。このまま向かうが、お前はどうする?」
「え、あたしは無視?」
「どうせH.C.F.は裏切るんだ、行く当てもないしこのまま付き合うしかないだろう。メデューサは最悪放っておいてもいい。奴の毒はどうにかなるからな」
「やめてよ、無視しないでよ。あれ?あたしまで裏切ることになってる?」
「裏切らないでござるか?」
「え、そう言われると……」
「意志が弱々すぎないかお前」
「
「だあああれがくそざこメンタルだああああ?」
会話に参加してきたスウィーパーを締め上げるシータに笑う面々は、私邸を進んでいく。
「……ねえ、さま」
同時刻。エウリュアレーの上半身を引きずってやっとのことでここまでやってきた末妹が、ステンノーの亡骸を前にして単眼を怪しく輝かせて跪く。
エウリュアレーに続きステンノーも敗退。2人揃って胃袋が敗因っていうね。
最後のは生理的な恐怖が演出できていれば幸い。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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