BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
バイオ世界の呪い顕現。楽しんでいただけると幸いです。
ここでRT-ウイルスの効果をおさらいしよう。始祖ウイルスと寄生体ネメシスプロトタイプを投与されたリサ・トレヴァーの血液からサミュエル・アイザックスが発見した、始祖ウイルスやT-ウイルスやG-ウイルスとも全く異なる、新種のウイルス。効果は「融合」と「適応」だ。
「融合」は外付けで使用した際に有機物と癒着し結合される。新しいB.O.W.だとサーベラス・スキュラがこれを用いて配下のゾンビ犬と融合し三つ首犬の下半身を手に入れていた。
「適応」は文字通り環境への適応、特に脱皮の特性を持つ生物に投与したり、クローニングの際に用いればRT-ウイルスに刻まれた遺伝子情報を持つリサ・トレヴァーと酷似した肉体を形成するように適応、さらに適応を繰り返すことで強化されていく。ゴルゴーン三姉妹は人間にこれを投与したうえで結合させた蛇の遺伝子に融合、適応させることで完成した。
さてここで思い出してほしいのが、グレイブディガー・ヒュドラだ。グレイブディガー・ヒュドラはRT-ウイルスの総体性ともいえるB.O.W.だ。RT-ウイルスに感染していたグレイブディガー・ハスタとニコライ・ジノビエフの二人を核として、ラクーンシティ中に蔓延っていたグレイブディガーが「融合」し、その肉体の肥大に「適応」して適した肉体を形成。さらにゾンビやら生存者やらを際限なく取り込んで「融合」し、「適応」してあの巨体と戦闘能力を手に入れた。
つまりは、G-ウイルスの
なにかに憑りつかれたかのように単眼をギラギラと輝かせながら黙々と、持ってきたエウリュアレーの死骸と、ステンノーの死骸に顔を近づけるメデューサ。そして髪の触手ともども噛みつくと、歯で噛みちぎり、肉と骨を歯で磨り潰し、骨を潰し、皮を引き裂き、血を啜っていく音が響き渡る。もともと人であったメデューサの倫理観なら絶対に行わないであろう、姉たちを貪るという凶行。姉を一気に喪った悲しみと絶望、家族を奪った者たちへの怒りと憎しみが、彼女を狂わせた。ただひたすらに求めたのは力。非力な己が、仇を塵殺するために必要な、力への渇望。
蠱毒、という言葉が日本には存在する。
―――――「五月五日に百種の虫を集め、大きなものは蛇、小さなものは虱と、併せて器の中に置き、互いに喰らわせ、最後の一種に残ったものを留める。蛇であれば蛇蠱、虱であれば虱蠱である。これを行って人を殺す。」
つまり蠱毒とゴルゴーン姉妹たちの素体となった蛇という生物は途轍もなく相性がいい。そして相手はよりにもよって蛭や蜥蜴、蜘蛛といった蠱毒の材料となる生物たちのB.O.W.である。それは明確に結果を表した。死んでも死にきれない姉たちの怨念をも血肉と共に喰らい、少女でしかない自我は喰い潰されて、思考は呪詛で満たされる。
「アアアアアアア!!ねえさまねえさまねえさまねええさまねえええええさまああああああああああっ!!悲しくて、悲しくて、悲しくて悲しくて悲しくて、憎くて憎くて憎くて憎くて憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎憎――――――コロス」
慟哭と共に少女の身が膨れ上がる、ボコボコと膨れ上がる。タコの様な脚はそのまま根の様に広がり、顔と上半身は一体化して膨れ上がる。髪の触手はそのまま蛇の様な形状をしたイソギンチャクの様に肥大化して蠢き、騒ぎに乗じて近くにやってきていたゾンビやバンダースナッチを捕らえると頭頂部の穴のような口に放り込んで取り込んでいき、どんどん大きくなっていく。上下に蠢く触手の束を有する巨大な胃袋に単眼がついたという、妖怪バックベアードにも似た、もはや人の面影がない異形。メデューサ第二形態、またの名を三姉妹の融合体「ゴルゴーン」。ここに顕現せり。
階段を上った先の廊下の突き当りの部屋まで息を忍ばせやってきたクイーンたち。中で物音がして、クイーンは人差し指を口元にやりジェスチャーで静かにするように伝えると、扉を蹴り開ける。中には、なにやらオルゴールを弄っていたアレクシアがいた。
「見つけたぞ、アレクシア!」
「そんな、いつの間に…!?」
アレクシアの姿を見つけるなり、粘液糸を飛ばすクイーン。アレクシアはなすすべなく、粘液糸で縛られ拘束されてしまう。
「アレクシアに何をする!」
「させるか!」
するとベッドの天蓋が降りてきて上に繋がる梯子が姿を現し、そこから伸びたライフルの銃口がクイーンを狙って弾丸が放たれる。それは、次に部屋に飛び込んだモリアーティが糸で覆ったままの右腕を盾に防御。続けざまに放たれた弾丸がアレクシアとクイーンを繋ぐ粘液糸を撃ち抜き、自由になったアレクシアは粘液糸を払いのけて奥の石像を操作し、石像はぐるりと回って反対側の部屋に逃れてしまった。
「アレクシアを追え!私は、上のアルフレッドを!奴の持つ飛行機の鍵がいる!」
「了解でござる!」
「そもそもこの屋敷が私のサイズに合わなすぎる…」
「ええー、やる気起きない……」
「
通ってきた廊下を踵を返して反対側の部屋に向かうプサイとモリアーティ、スウィーパーに引きずられたシータ。下半身が巨大な蜘蛛なモリアーティだとそもそも部屋の中に入れなかったし、シータと一緒だと心配なのでプサイも付けた。大丈夫だ、一人でもやれる。クイーンはそう意気込んで、梯子を上っていく。
「なんだ、ここは……」
そこには室内だというのにメリーゴーランドが存在し、クイーンが来たことを合図としたように電源がが入り、不協和音のメロディーを流しながら動き出す。その中央に、その男は立っていた。
「ここは我らが幼少期を過ごしたオモチャ部屋だ。我らのゲームの駒、玩具に過ぎないお前にはふさわしい墓標だろう?」
「趣味が悪いな。まだ幼少期を研究所で過ごした私の方がまともだと思うぞ」
「言っていろ!アレクシアを害そうとした報いを受けさせてやる!」
その手に持ったスナイパーライフルが火を噴いた。シータの強襲でアサルトライフルを失っているクイーンはアルフレッドから死角になるような位置に移動して回避し、粘液糸を玉状にして、中指と薬指を畳んで人差し指と小指の間を照準、親指を引き金として弾丸の様に放つことで応戦。しかしアルフレッドは動き続けるメリーゴーランドを巧みに盾にしながら応戦し、メリーゴーランドを中心に銃撃戦が繰り広げられる。
「なんだそれは!おもちゃの様な鉄砲だな!」
「そっちこそどうした!すごいのは武器だけか!?」
「よくも私を愚弄したな!…?どこにいった!」
挑発すると、あっさり顔を出すアルフレッドだが、姿を消したクイーンに訝しむ。
「こっちだ!」
その背後から、メリーゴーランドに掴まったクイーンが回ってきて、掴まったまま両手で支えて己が身を振り子の様にした両脚蹴りが炸裂。アルフレッドは蹴り飛ばされて、宙を舞い蟻の絵が描かれた壁に叩きつけられる。その懐から、なにかが転がり落ちた。鍵だ。
「ぐ、うっ……」
「これが飛行機の鍵か?お前の妹と一緒にいただいていくぞ」
「っ、待て……むぐう!?」
アルフレッドは抵抗しようとするも、粘液糸で口を塞がれ壁に粘液糸で繭の様に縫い付けられ、クイーンは鍵を拾って梯子を下りていく。
「~~~~~~~~~~~~!!!!!」
虚しく回り続けるメリーゴーランドのBGMをかき消す、アルフレッドの声にならない絶叫が木霊した。
メデューサの変異とアルフレッド戦を同時に描写するのはさすがに無茶だった。よく考えたらモリアーティ、容姿的にあの金持ちのわりに小ぢんまりした部屋は入れないんですよね……。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?
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ネメシス(完全武装)
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グレイブディガー・ハスタ
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モールデッド・エンプレス
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モリグナ(本体)
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ハンター・アーマード
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モリグナ・ネメシス
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ハンターy(ガンマちゃん)
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ハンターπ
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ネプチューン・ルスカ
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ブラインドストーカー
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ペイルキラー
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グレイブディガー・ヒュドラ
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モールデッド・シュタール(ネメシス)