BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
ついにロックフォート島からの脱出開始。楽しんでいただけると幸いです。
「止まれ……止まれってくれ、親父!」
ディオスクロイを倒した先の訓練所のガレージで、ゾンビと化した父親と遭遇したスティーブは、襲われたクレアを助けるためにその手にかけてしまう。アルプに見せられた悪夢が現実に。唯一残った家族を自らの手で殺すという、絶望。クレアは立ち尽くすスティーブに何と言ったものかと迷っていたが、しかしそれは突然のアラートで吹き飛ばされる。
《爆破装置が作動しました。島内全ての施設を爆破します。全員速やかに避難してください》
「爆破!?冗談じゃないわ!私達を纏めて始末するつもり!?」
「……もうたくさんだ。こんなところ、出て行こうぜ!クイーンたちがやってくれたかもしれねえ。俺達は先に飛行場に急ごう!」
空元気でそう叫ぶスティーブに、クレアも頷きガレージを後にし、サンドレギオンを倒した広場を抜けてスティーブの案内で空港に向かうのだった。その、背後。サンドレギオンの掘った地下に続く穴から。
「…………シィイイッ!」
這い出してきた頭が異様に小さい人影が、蠢いた。
「ちょっと、あれなに!?」
「知らんでござる!アレクシア!お前の差し金でござるか!?」
「私も知らないわよ!?」
「見た感じ蛇だな。あの生き延びた妹か…?だがどうしてあんな…」
一方、逃げたアレクシアを素早い足であっさり捕らえたシータとプサイ、モリアーティとスウィーパー一行。アレクシアをモリアーティの糸でグルグル巻きにしてスウィーパーが肩に抱え、迫るゾンビを蹴散らしつつ私邸の廊下を走りながら、半壊した壁の向こうで蠢いてゾンビやバンダースナッチを捕食しているゴルゴーンを見て戦慄するが、それどころではない。アレクシアが焦りのあまりアルフレッドの部屋にあった自爆スイッチを押してしまったのだ。大惨事である。
「とにかく、クイーン殿がアルフレッドから鍵を手に入れることを期待して先に飛行場に向かうでござる!」
「天才って聞いてたけどこんなことやらかすなんてばかよ、ばか!おおばか!」
「ぐっ……」
「それについては同感だが、来るぞ!」
モリアーティの警告の直後、壁を貫きながら襲い掛かってくる目のない蛇の様に口を開いた巨大な触手。目ざとくこちらを見つけたゴルゴーンの頭部から伸びた触手だった。
「はっ、ざーこ!」
振り返ったシータが勢いよく蹴り上げて天井に叩きつけるも、次から次に襲い掛かってくる。咄嗟にモリアーティが尻部を背後に向けながら上半身だけ振り返り、糸を噴射して蜘蛛の巣を形成して受け止めるも、触手は一瞬だけ受け止められるも噛みちぎって突き進んでくる。
「ちっ、だめか!」
「ちょっ、そんなには無理!?」
「最強なんだろ?なんとかしてみせろ」
「物量は一人じゃどうにもならないんですけど!?あたしのビーくん、荷物運びに使ってるし!」
「なら拙者が合わせるでござる!」
ならばと、それぞれ右手と左手の爪を構えてシータとプサイが迎え撃つ。高速で鋭い爪を有する片腕を振り回し、触手を次々と斬り裂いていき際限なく雪崩れ込んでくる触手の津波に対抗する。
「じゃきんじゃきんじゃきん!ふざけないと、やってられないでござる!」
「ねぇえぇえ!やだやだやだ!ざこの癖に多すぎ!」
しかし斬られた傍から引っ込み再生したら戻ってくるという、圧倒的な物量に二人は泣きそうになる。すると、アレクシアを抱えたスウィーパーを庇う体勢をとっていたモリアーティが伸ばした糸に溶解液をかけてグルグルと回転させながら叫ぶ。
「頭を下げろ!」
「「はい!」」
モリアーティの言葉に、いったん攻撃をやめてしゃがんで頭を抱えるプサイとシータの頭上を溶解液を纏った糸がまっすぐ遠心力のままに飛んでいき、接触するかどうかというところでモリアーティは糸を振ってたわませると、引っ掻けるようにして触手の波を纏めて溶断。纏めて触手を斬り裂かれたゴルゴーンは、食道の様な口で絶叫を上げる。
「アァァァァァァアアアアアアアア!?」
「今でござる!」
私邸のホールの階段を降り切って、入り口から外に出て外階段を駆け抜け、ゴルゴーンの横を抜けて石橋を渡るプサイたち。しかしゴルゴーンは逃がさんとばかりに、下部触手を蠢かせて追跡を開始。石橋を破壊しながらその巨体でプサイたちに迫る。
「まちなさぁあああああああああい!! にぃいいがさないわぁああああああああ!! ねえさまねえさまねえさまねえさまねええええええええさまぁああああああっ!!!」
「爆破する前に全部破壊する勢いでござるな!」
「なんか三人で喋ってない?きもちわるっ!!」
「妹に姉二体が合体したのか?どういう仕組みだ、アレクシア!」
「だから知らないわよ!?放して、お父様が!」
モリアーティが溶解液を放って牽制しつつ。公邸に逃げ込むプサイたち。飛び出したのは、執務室だ。例の隠し扉らしかった。建物に逃げ込んで安心したのもつかの間、地響きと共に、屋根が破壊されていく音が地響きと共に響き渡る。
「ここなら安全……なわけ、ないでござるよなあ」
「たしか、この公邸とかいう屋敷の先が飛行場よ!」
「そこまで逃げればいいわけだ。…だがクイーン待ちだぞ、どうする?」
「どうするもなにも、信じるしかないでござるよ」
執務室を抜け、アルプの死骸が転がるホールを駆け抜け、私邸とは反対側の外に出る。そこに、公邸の向こう側で暴れるゴルゴーンが見えたのか焦った様子のクレアとスティーブがやってきた。
「え!?蜘蛛のやつに、さっき襲ってきたシータとスウィーパーとかいう…!?」
「プサイ!何でそいつらと一緒にいるんだ!?」
「なに?あたしがいたら悪いわけ?」
「まあ無理もないな。特に私は殺し合った仲だ」
「シータ殿とモリアーティ殿でござる、今は味方故!アレクシアも捕まえたでござるが、メデューサが変貌した怪物が追いかけてきているでござる!飛行場に向かってクイーン殿を待つでござるよ!」
「っ、避けろ!」
プサイが軽く説明して、いざ飛行場に向かおうという時だった。青い電光が瞬き、放電が襲いかかってきて、咄嗟に蜘蛛の巣を道に張って地面に通電させることで盾にしたモリアーティが防御。クレアとスティーブがやってきた訓練所の方から放たれたそれの主は、ひたひたと足音を立てながら四つん這いでやってきた。頭部が異様に小さく四肢が長く長い尻尾が生えたオオサンショウウオの様な怪物で、背中に赤いトゲがいくつも生えている出来損ないの人間の様な何か。それに反応したのは、アレクシアだった。
「…アルビノイド・オーバーフロー……」
「知ってるでござるかアレクシア!吐くでござる!」
「……オオサンショウウオで作られた放電能力を持つアルビノイドというB.O.W.を私が強制的に成体に成長させたB.O.W.よ。制御できないから閉じ込めてた部屋の機械を放電で壊して出てきたのね…」
「そんなのがついてきたら飛行機がイカレてしまうぜ!」
「電気?何それ美味しいの?あたしが足止めしてやるからさっさと行っちゃえば?ざーこ」
プサイに脅されてアレクシアが情報を吐くと、アルビノイド・オーバーフローの前に立ちはだかったのはシータだった。誰かが何かを言う前に、高速で突撃。長い人の手に似た形状の前脚で掴みかかろうとしてきたアルビノイド・オーバーフローの一撃を避けて、踵落としを腕に叩き込んで叩き折るシータ。反撃で放たれた電撃を浴びてもびくともしないのは無痛覚故か。ちょっと痙攣しているが。
「行くでござる!シータ殿の犠牲を無駄にしないためにも!」
「ちょっと、勝手に殺さないでくれる!?」
「クレア!これを受け取れ!」
プサイがモリアーティ、アレクシアを抱えたスウィーパー、クレア、スティーブを連れて飛行場に急ごうとすると、空を舞い上がって駆け付けたのはクイーン。クレアに向けて鍵を投げ渡し、背後から伸びてきたゴルゴーンの触手を宙返りで回避。シータも自分に向かってきた触手を斬り裂いて迎撃する。見れば、公邸を半壊させたゴルゴーンがすぐそこまで迫ってきていた。
「クイーン殿!」
「こいつらの足止めは必要だ!ここは私とシータに任せろ!すぐ合流する!」
「……自分を犠牲にだけはご法度でござるよ!」
「わかってるさ!行け!」
クイーンの必死の言葉に頷いたプサイ。スティーブの先導で飛行場に急ぐ。それを見届け、ゴルゴーンの触手を蹴り飛ばしながら向き直るクイーン。その横に、電撃をそう何度も浴びたらやばいと気付いたシータが着地した。
「で、どうするの?」
「倒さなくていい。飛行機の準備ができるまで耐えれば私たちの勝ちだ」
「あたし、耐えるのは得意よ」
「頼りにしてるさ」
ゴルゴーンとアルビノイド・オーバーフローが迫り、クイーンとシータは迎え撃った。
完全に出番を喰われていたアルビノイド・オーバーフローくん降臨。オーバーフローと枕詞がついてますが、要は強制的に成体にしてるだけなのでただのアルビノイドです。
あっさり拘束され連れ去られたアレクシア。まさかの自爆スイッチオン。なにしてるんでしょうねこの妹は(すっとぼけ)
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな3編オリジナルB.O.W.は?
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ネメシス(完全武装)
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グレイブディガー・ハスタ
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モールデッド・エンプレス
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ハンター・アーマード
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モリグナ・ネメシス
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ハンターy(ガンマちゃん)
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ネプチューン・ルスカ
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ブラインドストーカー
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モールデッド・シュタール(ネメシス)