BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。今回のタイトルは某大怪盗の三代目の最終回のサブタイから。

今回はVSゴルゴーン&アルビノイド・オーバーフロー。ロックフォート島最終決戦。楽しんでいただけると幸いです。


fileCV:29【さらば愛しきものよ】

 次々と小さな爆発を起こし、炎上していくロックフォート島。その中を電光が瞬き、高速で動くなにかが周囲を駆け巡り、空からは巨蛇の雨が降り注ぐ。

 

 

「シィイイ…!」

 

「速い…!?」

 

「ざこの癖に…!蛇だけで十分だってのに…!」

 

 

 アルビノイド・オーバーフロー。ただ無理矢理成体にしただけのB.O.W.だ。だがその成長の仕方に問題があった。発電器官と放電能力を用いた、肉体の異常活性。アレクシアも把握していなかったその能力は……過電圧による、自らの身体強化。極限まで強化された身体能力を持って、アルビノイド・オーバーフローはハンター顔負けの圧倒的なスピードで、クイーンとシータを圧倒していた。触れただけで弾かれるほどの電圧だ。そんなものが高速で動き回っているのだ、動きにくくてしょうがない。

 

 

あぁあぁああああああっ!!!

 

 

 さらには姉妹三人の人格が混ざり合って、触手を縦横無尽に伸ばして大暴れ中のゴルゴーンまでいるのだ。圧倒的な質と、圧倒的な物量が同時に迫りくる。さすがのシータも無痛覚じゃどうしようもなかった。いくら痛覚がないと言っても電気は体内に駆け巡る。外傷でない以上再生も遅い。電気はシータの天敵の一つだ。クイーンも今までにない、電気を扱う敵に、粘液糸で受け止めて電気を地面に放出することでしか対抗できない。そもそも電気とは生物にとって苦痛でしかない。その電気を扱えるだけで、生物としては上位種ともいえる。未来でハイゼンベルクが最強の生物呼ばわりされていたのもそれが理由の一つである。

 

 

「エヴリンがいればモールデッド・クイーンで強行突破できたんだろうがな…!」

 

「なにそれ!ないものねだりしても意味ないじゃん!」

 

「シィイイ…!」

 

 

 バチバチバチ!と眩く輝きながら、四つん這いでアルビノイド・オーバーフローが迫る。クイーンがシータを庇って、粘液硬化した腕をクロスして受けとめる。バチバチバチ!と電光が瞬いて電気が襲い掛かり、バチンッと弾かれて吹き飛ばされる。

 

 

「ぐうっ!?」

 

「盾役ナイス!」

 

 

 電気が流れ、一瞬帯電が消えたアルビノイド・オーバーフローのどてっ腹にシータの横蹴りが炸裂。短い悲鳴と共に、細長い肢体がくの字に曲がって蹴り飛ばされ壁に叩きつけられるアルビノイド・オーバーフロー。そこに、黄色い液体の雨が降り注ぎ、咄嗟にクイーンが粘液糸を飛ばしてシータの胸に取り付け引っ張って回避させると、黄色い液体はシータのいた地面を溶かしてしまった。ステンノー、エウリュアレーの溶解液を口からゴルゴーンが飛ばしてきたのである。

 

 

「あっぶな!」

 

「遠距離攻撃まであるのか……!」

 

 

 続けざまに溶解液の雨を降らしながら触手を雪崩れ込ませるゴルゴーンの攻撃を、シータは脚力に物を言わせて駆け抜けたり跳躍したり、クイーンは粘液糸で高所に飛び上がってスイングし回避するが、同じくゴルゴーンに狙われながら回避し跳躍してきたアルビノイド・オーバーフローの体当たりがクイーンに炸裂。巻き込んで揉みくちゃになりながらゴルゴーンの触手が蠢く下に落下してしまった。

 

 

「くそっ、放せ!」

 

「シィイイイ…!」

 

 

 ゴルゴーンの触手を蹴りつけて弾き飛ばしながら、アルビノイド・オーバーフローと取っ組み合いするクイーン。間隔を開けながら何度も電撃が迸り、電流が襲いかかる。クイーンは歯を食いしばりながら腹を蹴り上げ、背負い投げの要領で電撃を迸らせるアルビノイド・オーバーフローを空中に投げ飛ばす。

 

 

「今だシータ!」

 

「ざこのくせにやるじゃん!」

 

 

 空中で身動きが取れず、四肢をジタバタさせ、放電しながらもがくアルビノイド・オーバーフローに、ゴルゴーンの猛攻を避けながらその身に乗って駆け上がったシータが、右手の爪を振り回して斬り刻む。四肢を切断され、胴体も引き裂かれたアルビノイド・オーバーフローはボトボトと音を立ててバラバラに崩れ落ちた。

 

 

「よし、まず一匹!」

 

「来るぞ!」

 

 

 しかし休ませる気はないとばかりに、着地したシータ目掛けてゴルゴーンの触手が叩き込まれる。身を捩って回避するシータはそのまま爪で触手を引き裂いて反撃するが、他の触手はそのまま空中に浮かぶアルビノイド・オーバーフローの残骸を一つ残さず口にして飲み込んでしまった。

 

 

「……おいおい嘘だろ?」

 

「冗談きつくね?」

 

「にッがッッさッッッなァァアアいッッッ!!!!』

 

 

 クイーンとシータが思わず冷や汗を流す中、数秒たつことなく適応したのかゴルゴーンの触手が放電。バチバチと電撃を迸らせ周囲の物体を破壊しながら、先ほどよりも俊敏となった動きで触手が襲いかかってきて、全力で走って退避するクイーンとシータ。咄嗟に手を繋ぎ、クイーンがグルグル回して空中に投げ飛ばしたシータに粘液糸を引っ掻け、空中に舞い上がって共に回避。さらにそれを追従してきた触手から逃れるように、目配せして互いの足裏を合わせて同時に跳躍、左右に逃れて着地する。

 

 

「洒落にならないんだけど!」

 

「本体を叩くしかない!私が囮になる!シータ、お前が決めろ!」

 

「上等じゃん!」

 

 

 全ての触手が鎌首をもたげ、放電して夜空を照らしてからまるで滝のような勢いで雪崩れ込んでくる。クイーンはスライディングしながら粘液糸を飛ばして、背中を引きずりながら高速で滑走し回避し、半壊した公邸の中に飛び込む。空に舞い上がりながら粘液糸を飛ばして触手と触手を繋げ、交差するように動きながら別の触手を糸で繋ぎ、さらにそれを建物の壁に繋げて絡ませて動きを阻害し、シータに向かおうとしていた触手の動きを止めることに成功。邪魔だと言わんばかりに残りの触手がクイーンを追いかける横をすり抜け、シータが高速で突撃、爪を叩き込もうと試みる。

 

 

「っ、嘘!?はな、せぇえええっ!」

 

「シータ!」

 

 

 しかし、足として使っていた下の触手が蠢いてシータを拘束。手首を縛って爪を振るえないようにしたうえで持ち上げ、胃袋のような本体の食道の様な口に放り込まんとする。それを見て、咄嗟にクイーンは視界の端に収めたそれを手に取り、シータの手目掛けて投擲。上に伸ばした左手の肘まで飲み込まれ、丸呑みにされる寸前だったシータの左手にそれは納まり、シータは完全に飲み込まれてしまう。

 

 

「つッぎッッはッッッおまァァアアえだアアアッッッ!!!!』

 

 

 単眼がついている胃袋がクイーンに向き直り、粘液糸を溶解液で溶かして解放した触手を持ち上げ、一斉に襲い掛からんとする。クイーンは両腕を粘液硬化して反撃を試み……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!あたしと我慢比べしよっか!」

 

 

 瞬間、そんな声が聞こえたゴルゴーンの本体が内側から光り輝き、単眼が目を見開くと同時に大爆発。肉片が飛び散り、持ち上げられていた触手が力を失い、バタン!と次々に崩れ落ちていく。蟲毒の呪いの怪物と化したゴルゴーンは、その呪われた命を終えた。

 

 

「ざ、ま…ぁ、みろ……ざぁ、こ……」

 

 

 その中心から、前面の皮と肉が焼け落ちて両腕が吹き飛び、真っ黒に焼き焦げた姿のシータが現れ、肉片の山に崩れ落ちそうになったところをクイーンが抱き留める。あの時投げたのは、最初にアルフレッドと対決した際にアルフレッドが使っていた、公邸のあちこちに隠されていた手榴弾だった。それを受け取ったシータが内部で起爆して自分ごと吹き飛ばしたのだ。無痛覚故の自爆特攻だった。

 

 

「シータ……すま、ない。あれしか、方法がなかった……」

 

「あっ、は……あたしの、ほうが……つよ、かっ…た、でしょ……?」

 

 

 明らかに致命傷のシータを抱え、泣きそうな顔を浮かべるクイーン。いくら再生できても限度がある。再生能力に特化しているアリサやヘカトちゃんならともかく、この傷は……。クイーンの脳裏に、ヘカトがプロトタイラントRによって殺された光景が頭によぎる。あの時は奇跡が起きたが、奇跡はそう何度も起きるものではなかった。

 

 

「わたしは、また……」

 

「……なぁに、しみったれた、かお、してんのさ……ビーくん、のこと……たの、んだ……あたし、がいないと、ただのでくのぼー、だか、らさ……あたし、は、おいて……はやく、いっちゃえ……ば…?ざぁ、こ……」

 

 

 そう言い残して、見開いていた眼を閉じて、力尽きるシータ。クイーンはその身体を横たわらせて、踵を返して飛行場に急いだ。

 

 

「……頼もしかったよ。ありがとう、シータ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、爆発していくロックフォート島から一機の飛行機が飛び立った。遠隔操作されたその飛行機の行く先は、はるか南の果てにある次の舞台。―――――南極。




シータ、脱落。アルビノイド・オーバーフローを喰らって電撃能力まで得ていたゴルゴーンを倒すにはこれしかなかった。

そして舞台はようやく南極へ。我ながら長かった。連日投稿なので約一ヶ月かかりました。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

一番好きなロックフォート編オリジナルB.O.W.は?

  • マノイーター
  • モリアーティ(ブラックタイガー・アラクネ
  • サーベラス・スキュラ
  • カマソッソ
  • アルプ
  • サンドレギオン
  • ステンノー
  • エウリュアレ―
  • メデューサ(第一形態)
  • サクリファイスコヤン
  • ディオスクロイ兄(カストール)
  • ディオスクロイ妹(ポルックス)
  • シータ(ハンターΘ)
  • ゴルゴーン(メデューサ第二形態)
  • アルビノイド・オーバーフロー
  • アレクシア・アシュフォード(娘)
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