BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
ミランダに痛恨の一撃を浴びせたイーサン達。しかしその体には限界が来ていて…?楽しんでいただけると幸いです。
「グッ…アァアアアアアア!?」
殴り飛ばされてよろよろと後退し、苦しみ悶えて血を吐き散らすミランダが慟哭の声を上げる。
「私の娘…!私のエヴァァアアアアアアア!!」
そしてミランダは石灰化して崩れ落ち、周りの菌根も石灰化して崩れていき青空が姿を見せる。既に朝になっていたのか。そしてミランダの崩れ落ちた後には、ローズが無事な姿で泣き叫んでいた。
「ローズ…!」
『イーサン、これ以上の無茶は…!』
「ここで無茶しないで何時するんだ…!」
全身を斬り裂かれて満身創痍の身で駆け寄り、抱え上げる。よかった、どこにも怪我はないし傷跡もない。
「シーシー。大丈夫だローズ…もう大丈夫」
『いないいないばあ!お姉ちゃんもいるよ!』
「っ…!」
エヴリンがあやして泣き止ませる姿にほっこりしていくと、ついに限界が来たのか俺の右腕が石灰化して崩れて行き、力が抜けて膝をつく。クソッ、ローズを連れて村から出ないといけないってのに…!
『イーサン!どうしよう、どうしよう!私は触れないし…』
「イーサン!…イーサン!」
エヴリンがあわわと狼狽える中、やってきたのはクリス。力を振り絞って見上げると、クリスは俺を助け起こそうとしてくるが、動けない。
『クリス!よかった、これなら…!』
「おいイーサン!おいイーサン、起きろ!」
「起きてるよ…クリス…だけど、力が入らないんだ…」
「まずい。まだ菌根が残っている…!」
『あーもう、しつこい!』
見れば、村の方で巨大な菌根が蠢き出していて。ミランダは倒したはずなのに、なんで…
「イーサン…やったな、奴は終わった」
「それは俺も同じらしい…」
『頑張ってイーサン!ここまできたのに…!』
「イーサン。逃げるんだ。さあ」
ローズを左手に抱え、クリスが右腕に肩を貸して持ち上げてくれて、共に歩いてどこかを目指す。後ろを見れば、巨大な胎児を模した形状の菌根が迫って来ていて。
『イーサン、ヤバいよ!あれがもうそこまで…!』
「足を止めるな!奴には村ごと吹き飛ばせる爆弾が仕込んである。これを見ろ」
橋に差し掛かったところでそう言ってクリスが取りだしたのは何かのスイッチ。…なるほど、な。
「今起爆すれば俺達も終わりだ。しっかりしろ、ミアが待ってるぞ!」
『ミア!?生きてたの!?』
「ミアはちゃんと生きている。生きてるんだ!」
「ミア…許してくれ……愛してる…ローズを頼む…」
『イーサン!?それは駄目!』
「おい…立て、おい!」
よろめいたところをクリスに受け止められ、そのままローズを託す。もう俺の手もいつまで持つか分からないからな…
「自分で伝えろ!ほら、あともう少しだ!」
「守ってやってくれ…強くなれるよう…」
『……』
もう立つのも精一杯なんだ。上着を脱いで、ローズに被せる。せめて、この寒い朝の空気で冷えないように…横から菌根が迫ってきたので、クリスを押して逃す。同時に、スイッチを奪い取った。
「畜生…イーサン!」
「元気で。ローズマリー」
『イーサン、回復薬を使って!」
そのまま菌根の元へ歩いて行こうとすると、エヴリンがそう言ってくる。そうか、歩くのもやっとの身体でもモールデッド・ギガントなら…なんとか左手で回復薬を手に取り、右手に振りかける。すると右腕が形成されてカビが溢れ出し、俺を包み込んでいく。変身を終えて見てみれば、まだクリスは迷っている様にそこにいた。
「イーサン…!」
「…ここは食い止めるから急いでくれクリス。俺は化け物だ。いない方がいい」
『それは、私のことだよ』
「え…?」
その瞬間、俺は投げ出されていた。クリスの元に。クリスに受け止められ、慌てて見れば、モールデッド・ギガントが笑みを作っていた。
『融合したおかげで単独で動けるようになったんだ。回復薬を使って体の劣化は私が抑えてあげたよ。ママとお別れするぐらいの時間は作ったからさ。…私が消えたら、もしかしたらもっと持つかもね』
「待て…待ってくれ、エヴリン!」
「エヴリンだと…?」
『このままじゃイーサンも死ぬ、ローズも死ぬ、皆死ぬ…だけど今日じゃない、なんてね?これが最初で最後の親孝行。私を娘って認めてくれてありがとね、パパ。化け物は化け物らしく、ね』
呼び止めるも振り返ることなく、跳躍して菌根に立ち向かうモールデッド・ギガント……エヴリン。俺はクリスに手を引かれて、さっきよりも軽くなった足取りで連れられていった先にはヘリがあって。そこには、ミアがいた。
「ローズ!イーサン!クリス…ありがとう、ありがとう…」
「礼はいい。出せ!離陸だ、急げ!すぐに離脱しろ!」
「…ミア、無事でよかった」
「イーサン、貴方こそ。その体、そんな…!」
「気にするな。ローズを助けるためだった。悔いはない」
「…どうしたの?そう言う割には浮かない顔だけど…」
「君には信じられないかもしれないがもう一人の娘が……エヴリンが、俺を助けてくれた」
「…やっぱり、あれは幻覚じゃなかったのね」
「………なんだって?」
離陸するヘリの中で語られる、衝撃の事実。ミアにはどうやら、見えていたらしい。
「あなたと仲良く映画を見ているエヴリンを見て、信じられなくて…見えてないふりをしていたの」
「ミア。あのエヴリンは…」
「私達を苦しめたあの子とは違う。わかっているわ。…イーサンとローズを助けてくれたんでしょ?この場にいないってことは……あの子は、私達のために?」
「…そうだ。君にも認められていると、伝えたかった」
「イーサン」
会話を終えると、外を見ながら俺に語りかけてくるクリス。その視線の先には、俺の左手に握られたスイッチがあった。
「…イーサン。気持ちは分かるが、お前の手で、終わらせろ」
「イーサン。それがあの子の望みなら」
「…ああ、ミア。エヴリン……お前は、自慢の娘だ」
そして…祈るようにしてスイッチを押して。大爆発が、忌々しい狂気に満ちた村を飲み込んだ。大きな振動がヘリを襲うが、難なく飛び立っていく。
「エヴリン…俄かには信じられないが、俺達を逃がすために残った。…恩人だ」
「…ああ」
『うんうん』
誰かを思い出すかのように儚い表情を浮かべるクリスに、頷く。隣のエヴリンも頷く。……………は?
「エヴ、リン…?」
『やっほー、イーサン。ミア。ローズマリー。あと見えてないだろうけどクリス』
「イーサン?これは一体…」
「なに、いるのか?」
呆然とする俺達に反応するクリス。狂ったと思わないなんていい奴だなお前は。
『いやー、よく考えたら物理効かないから爆発させたらすぐに戻ってきたんだ。ごめんね?心配かけて』
「いや、いや!お前が無事なら、それで…!」
『会話は聞こえてたよ。ミア、見えてたんだってね?酷いなあ。ミアの借りてきたドラゴンナイト見ていた時に一緒にはしゃいでたの偶然じゃなかったんだなって』
「覚えてたの!?」
『覚えてるよ。初めてした親子らしいことだもん』
「…なにがなんだかわからんが、誰も犠牲になってないならいい。エヴリンについては後で詳しく教えてくれ」
そう言って他の隊員の元に向かうクリス。ローズをあやすエヴリンをミアと一緒に眺めていると、会話が聞こえてきた。
「隊長。これを見てくれ。BSAAがよこしたのは兵士じゃない。B.O.W.だ」
「奴等、何を考えている?」
「隊長。指示を」
「…イーサン、ミア。悪い。君達を帰すのはまた後だ。チーム全員を集めろ。BSAA欧州本部へ向かう。…ツケを払わせてやる」
そう言うクリスに、俺とエヴリンは顔を見合わせて。頷き合った。それを見て心配そうな顔のミアを宥める。
「…クリス。そういうことなら、手伝うぞ」
「なに?だがお前は…」
「俺もB.O.W.みたいなものらしいからな。そいつらがミアとローズを危険に遭わせた原因なんだろう?父親として、お返ししてやる」
『まだまだ持つから家族サービスはそのあとだね。鉄拳制裁タイムだ』
エヴリンの小さな拳と突き合わせて笑みを浮かべる。ローズを泣かせる奴は、ミアを危険に遭わせる奴らは、許すわけにはいかない。
分離能力を得たエヴリンが死ぬと思うたか。ハイゼンベルクや村人以外の味方陣営みんな生存Endじゃい!しかしさすがに崩壊するのを後回しにしただけなんですよね。回復薬をかければ持つけど、それでも緩やかに崩壊していく、そんな感じ。
次回はエピローグ!成長したローズマリーの瞳に映るのは?次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
ハイゼンベルク生存ルート思いついてるけど本編後に…
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ミランダを倒してハッピーエンド
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ミランダを倒すもローズを奪おうとして敵対
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ミランダを倒すもクリスとの戦闘に移行
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ミランダを倒すもイーサンを助けるため…
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