BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
新たな敵。楽しんでいただけたら幸いです。
fileCV:39【ロックフォート島に巣食うもの】
H.C.F.は、RT-ウイルスを手に入れてからある生物に着目していた。ブラックタイガー・アラクネの素体でもある「蜘蛛」である。高い知能を有し、壁を這い回る力を持ち、鉄をも溶かす強酸性の消化液、そして何よりも、生成するその糸。蜘蛛の糸、特に縦糸とも呼ばれる牽引糸は自然界・科学界問わず世界最強の繊維として知られ、狙撃銃の照準装置に採用されるなどした実績があり、アメリカ軍が軍事的な登用を真剣に研究しているという代物である。
ブラックタイガー・アラクネ含めてほとんどアンブレラのパクリばかり作っていたH.C.F.はこの多様性に着目し、多種多様な能力を持つ蜘蛛の遺伝子を用いて複数のB.O.W.を生み出す実験を行っていた。しかし失敗した。ある実験用の蜘蛛が共食いの末にグレイブディガー・ハスタと同様に進化し、自我を得て同じく蜘蛛の力を持ったB.O.W.……眷属を連れて脱走したためである。
下手すれば人間の地位さえ崩す恐れのある脅威の進化を果たした最強の蜘蛛、
六本の腕を持つ人型の蜘蛛の様な眷属、
人の体の胴体と背中から2本ずつ巨大な蜘蛛の脚が生えた眷属、
機械や死体を繋ぎ合わせた様な姿をした巨大な眷属、
死人のように白い肌の不気味な姿の眷属、
黒いボロボロのドレスを着た全身を糸で縫い付けられた人形を思わせる姿をした眷属、
神の名を与えられし蜘蛛と、その眷属たちが姿を消したその後、低い知能を有している……と思われたブラックタイガー・アラクネが完成品として生み出され、過去に生み出された他の蜘蛛のB.O.W.たちは記録から抹消された。しかし蜘蛛という生き物は狡猾にしてい神出鬼没。気配を隠し、いつの間にか巣を作り上げ住みついてしまう生き物だ。H.C.F.に人知れず巣食って居ついていた怪物たちは、安全な新天地を求めてH.C.F.の飛行機の一つを他に悟られることなく乗っ取り、人の少ない孤島までやってきていた。ロックフォート島である。
ロックフォート島にて。セルケトは、肉体を得たエヴリンとクリスと共に訓練所というらしい半壊した建物を歩いていた。姿が見えないクレア・レッドフィールドの居場所を探るため、オルタナティブの面々と別れて探索することになったのだ。
「めんどくさいわね……助けを呼んどいていないとか、クリスの妹じゃなきゃ見捨ててるわよ」
「悪いなセルケト。お前はウェスカーを優先したいだろうに」
「エヴリン。本当にいるんでしょうね、ウェスカー。いなかったらその身体殺すわよ」
「やめてよ!?せっかく命繋いだのに!?」
セルケトに尻尾を突きつけられて、肩まで伸びる鮮やかな赤紫色の長髪を黒く染めていたエヴリンが絶叫する。赤紫色の鱗に覆われているその身体もいつもの黒いワンピースを擬態で形成して身に纏ってようやく落ち着いたエヴリンはため息を吐く。
「先ずね。根拠その1今のウェスカーはH.C.F.に所属していて、ここを襲撃してバイオハザードを引き起こしたのもH.C.F.この時点でいる可能性が高い。その2、この身体の持ち主…ハンターΘの記憶を覗いた感じ、ウェスカーの中のアリサの遺伝子で作られたっぽくて、H.C.F.の傑作みたい。今回はウェスカーの指示で来たらしいから、ウェスカーもこの島にいる可能性は高い」
そう、先ほどオルタナティブの面々がプサイと勘違いして発見し、助けるために憑依して一時的にその身体を乗っ取ったエヴリンは、ハンターΘの体で指を立てながら神妙に告げる。致命傷を負ってたらしく、再生力で辛うじて生きていたところを、憑依することで再生力を促進させているのだ。
「しかしオメガやプサイの他にもいたとはな、少女の姿をしたハンター……」
「ちょっと違うけどガンマちゃんとかもいるよ。アンブレラが量産してたハンターπってのも。多分そのうちこっちが代替わりするんじゃないかな。……それよりも」
シータの記憶を覗いていくうちに、クレアの無事を確認して安堵していたところに飛び込んできた情報の暴力。一緒にいたスティーブというらしい若い男は知らないが、クレアが無事だったのは良い。一緒についていったプサイも無事なのはいい。だが待ってほしい。なんでお前が生きているんだと、エヴリンは絶叫したくなった。セルケトに殺されそうなのでやめた。
「……ほんと、なんで生きてるのさクイーン……アネットとの戦いで死んだクイーンの仇討ちにオルタナティブなんて組織を作ってクイーンの意志を継いでアンブレラと戦っていた私、滑稽じゃない…?」
「なんだ、また死んでたの?あのヒル。死んでも死なないでしょあれは。滑稽ね」
「そうですね、本当に死んだと思ってましたよちくしょう!」
そう言えばセルケトも一緒にいた洋館事件でもイブリース戦で不意打ちで斬り裂かれてクイーン、ダウンしてたな……と今更ながら思い出す。何ならその前は、列車を止めようとして四肢が爆散してたというのに復活してた。爆発に飲み込まれても生きていてもなんらおかしくないな、うん、とエヴリンは無理矢理納得することにした。とりあえず、見つけたら全力で
「なになにぃ?そうじしたのにまたふえてるよぉ、ラフネックぅ」
「「「!」」」
すると、壁が吹き飛んで外が見えるガレージの二階を歩いていると、あどけない声が聞こえた。死にきれなかったゾンビが蠢くこの場に似つかわしくない子供の声に、身構えるセルケト、クリス、エヴリン。それは大穴が開いているガレージの屋根の上に、月を背景にしてこちらを見下ろしていた。。
「活きのいい生ごみですね。どうします?叩き潰しますか?」
「せっかくだからけんぞくにしよっかなぁ……」
「御意」
赤黒い長髪を持ち、顔は赤い単眼が5つ、口が裂けて牙が生えている、6本の腕を持ち、脚は獣のような骨格でつま先立ち、全身が漆黒で筋肉質の体の至る所に血管のような赤い線が浮き出ている、まるで蜘蛛を無理やり人型にしたような怪人と、その腕の一つに腰かけている、袖が長い黒いバスローブの様な服を着ており、脚はネメシスの物によく似た拘束帯に覆われている身動きが取れそうにない格好の、口が裂けて牙が見え、赤い人の目を2つ、額に赤い単眼を5つ持つ、黒色の節足を繋ぎ合わせたような短髪をした小柄な少女の姿をした異形、の二人組。
「けんぞく……眷属?え、私?いや違うか、この時代にはいないはず……」
「アトラナート様の仰せだ。お前らも我らが家族になれ!」
「みんながかぞくになればしあわせになれるよぉ」
「撃て!」
過去の自分の言動を思い出して眉を顰めるエヴリンをよそに、ソードオフモデルの
「だめだよぉ、ころしちゃぁ」
「こ、これはうっかり!気を付けます!」
「まるで、貴方とその言うことを聞くクイーンとアリサみたいね?」
「私あんなんじゃないもん失礼な!あんなの家族ごっこでしかないよ!?」
「……かぞくごっこ?」
セルケトの軽口にエヴリンがキレていると、アトラナートと呼ばれた少女の声が震える。そして無感情の顔を向けると、袖に隠れている指をさして告げた。
「もういい、ころして。ラフネック」
「アトラナート様の仰せのままにぃ!」
「あ、あれはやばい!」
咄嗟に、セルケトとクリスを抱えて地面を蹴るエヴリン。次の瞬間、ガレージが斬り刻まれて瓦礫の塊と化して崩れ落ちたのだった。
朗報:シータ、生きてた
悲報:明かにヤバイ蜘蛛の軍団襲来
H.C.F.の汚点ともいえる蜘蛛型B.O.W.軍団。いつもお世話になってるお馴染みエレメンタル社-覇亜愛瑠さんから提供されたクリーチャーの案、アトラナートとその眷属たち、をちょっと魔改造して採用しました。アトラナートの名前はクトゥルフのアトラク=ナクアから。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きなロックフォート編オリジナルB.O.W.は?
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