BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。とりあえず書いときたい情報があったのでいつもの小話です。パペッティア視点。楽しんでいただけたら幸いです。


fileCV:45.5【ただただ純粋な】

 いつからだろう。ただの人形遊びに、耐えがたいほどの熱を抱き始めたのは。いつからだろう、自分以外の人間が人形にしか見えなくなったのは。いつからだろう、父親の会社に借金した人間を買い取って自分の人形として遊んでいたのは。本当に、最高の日々だった。

 

 ああ、愉しい!楽しい!樂しい!娯しい!

 

 自分と違って自由に歩ける人形たちの自由を奪い飾り立てて意のままに動かすのは愉しい。

 

 銃口を向けて、死にたくないとばかりに私の指示するままに踊る姿を見るのは楽しい。

 

 歩くこともできない子供の私に、大の大人がなにも言い返せず悔し気に顔を伏せる姿はゾクゾクして樂しい。

 

 そうだ、次はあれをしよう。次は彼女で遊ぼう。どう遊ぶか考えるのは面白い、本当に娯しい。

 

 

 だけど、父親の会社の腐敗が世間に露呈して、私はすべてを奪われた。何でも父親がエイダとかいう女にうつつを抜かしたからそうなったらしい。本当に、なんてことをしてくれたのだろうか。

 

 私の人形たちも、全員警察に没収された。親二人は逮捕されたが、私は未成年だったこともあり、精神異常者として精神病院に入れられた。なんと失礼な話だろうか。私のものをすべて奪って、面白みもなにもない病院に閉じ込めるなんて。

 

 私は憤慨して、車椅子に乗って外に逃げ出した。だがそこで思い知る。私は本当に何もできない子供だったのだと。すぐに力尽きた。食事どころか水すらろくに確保すらできないのだから当たり前だ。私は路頭に迷い、人知れず死のうとしていた。そんな私のもとに、我が神は舞い降りた。

 

 

「こんなところでなにしてるのぉ?おねーさん」

 

「……」

 

「なんでもいいや。ねえ、どうせしぬならためさせて?わたしもこうなったばかりで、まだじぶんのちからがわかってないんだぁ」

 

 

 当時のアトラナート様は、まだ変生したばかりで、H.C.F.をお忍びで抜け出したばかりの頃だった。私は、生まれ変わったばかりの神に見初められ、最初の眷属となった。下半身から蜘蛛の脚が4本生えて、歩けるようになった。

 

 H.C.F.は、脱走したアトラナート様が連れて帰ってきた私を歓迎して検査の末、パペッティアと名付けた。どうやら私には、人形を自在に操る力が与えられたらしい。アトラナート様曰く、こうなったのは完全に偶然だという。天啓だと思った。こうなったのは運命だと。その後、アトラナート様に見初められた人間のほとんどが“脱落”し、その考えは確信に至った。私は神に選ばれたのだ。

 

 

 

 その後、実験体としてたまに人形遊びをしながらぬくぬく研究施設で過ごしていたのだが、アトラナート様が完全に離反するというので、私は喜んで協力した。研究員を人形にして、私達が脱出する手引きをさせたのだ。

 

 

 アトラナート様は、私の考えを肯定してくれた。人間はすべて人形。アトラナート様の眷属以外はどうとしてもいいと。私の最高の理解者だ。

 

 

 でも、一つ不満があった。あの日、屋敷にやってきたポリポッドに、私は一目惚れしたのだ。ああ、なんて……虐め甲斐のある人形だろう、と。欲しいと思ったが、アトラナート様のお気に入りだから手が出せない。もし手を出したら、この力を没収されてしまう。だから私は、家族として彼女に接した。

 

 

 彼女が叫ぶ姿が好きだった。泣きそうな顔で俯いているのが好きだった。本当に可愛かった。趣味じゃない服に飾り立て、それを恥ずかしがる彼女の赤面が好きだった。

 

 

 でも、死んでしまった。ああ、本当に……死にざままで、愛おしい……私の物になれ、死んでも離したりなんか、するものか!もっと、もっと、楽しませてくれ。

 

 

「ケケケケッ。私としたことが申し遅れたわ。私の名は人形遣い(パペッティア)。以後、お見知りおきを。

 

―――――さあ、血生臭い大衆芝居(グラン・ギニョール)を始めましょう?」




ルーカスが可愛く見える破綻者、パペッティア。アトラナートが初めて作った眷属です。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

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