BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
巨大アトラナートVSエヴリンたち。楽しんでいただけたら幸いです。
更地となった訓練所だった土地から見上げた先で、ロックフォート島を丸ごと影を差すほどの巨体の蜘蛛が、私達を見下ろしていた。もはや動く島そのものだ。島に足が生えて立ち上がったと言われた方がまだ理解できる。
「……でかすぎるでしょ。グレイブディガーの巨人より大きいとかふざけんな!」
「『……この島の施設や土地を丸ごと取り込んだみたいだな。ほとんど真っ新の更地になってしまっている』」
セルケト、もといミランダに言われて見てみれば、起伏が激しかったロックフォート島が見るも無残な真っ平な姿になり果てていた。私達が乗ってきたヘリコプターまで取り込まれたかこれ?なんなら飛行機とか、その辺にいたゾンビとかも全部取り込んでるなこれ。
「ほらほらほらー!いーくーよー!!」
「っ!?全員、退避!」
地響きと共に、アトラナートの右前脚が海を割り津波を引き起こしながら迫り、私達が慌てて退避した場所を薙ぎ払い、さらに衝撃で崩れた瓦礫がまるで流星群の様に落ちてきて地表に大打撃を与える。ちょっと動いただけでこれか!本当に規格外だな!
「撃て、撃て、撃ちまくれ!」
「とりあえずヘリを取り戻す!壊さないように回収!」
「それは無茶」
「まあ、やるしかないのだ?」
「『任せろっ、エヴリンッッ!!』いや待って、私は嫌よ!?」
「やる気満々だねミランダ!?セルケト嫌がってるからやめようね!?」
クリス達人間組が銃を乱射する中、セルケトというかミランダが翼を羽ばたかせ、空を舞う。私とオメガちゃん、グラも跳躍し蜘蛛の脚のでこぼこを足場に昇っていく。ステージになる身体ってワ●ダかな!?あれまだ出てないんだっけ!
「くすぐったいなあ!」
「うっそでしょ…!?」
「グラ!」
「任せるのだ!」
恐らくポリポッドの素体と思われる少女の上半身が蜘蛛の脚の上の方に生えたかと思えば、両手をかざして糸を出し、巨大な糸の円柱として落としてきた。私は度肝を抜くも、グラの尻尾に飛び乗ったオメガちゃんが、グラが一回転するのと同時に跳躍。その勢いのままミランダの横を飛び越え、右手の爪を振るって糸の円柱を真正面から真っ二つに斬り裂いた。
「すっご……」
「『エヴリン!掴まれ!』」
すると、私の上を飛んでいるミランダが蠍の尾を伸ばしてきて。私が咄嗟に左手で掴むと、尻尾を引っ張るようにして私を持ち上げ、上まで発射。私はぶっ飛ばされた勢いのまま、右手の拳を握り込み、正拳突きをアトラナートの右前脚上部に叩き込んだ。
「私の体はなによりもしなやかだ!」
「あっぎ!?」
しかし、叩き込んだ部位がパズルの様に一瞬浮かび上がったかと思えば、逆再生するかのように衝撃が反転してきて、自分の拳の衝撃に吹き飛ばされる。今ので、わかった。あの巨体の頑強そうなのは見た目だけで、表面の下は大量の糸で構築されているんだ。糸の骨組みに、瓦礫を肉付けしたイメージだ。厄介にもほどがある。つまり物理的な衝撃はほとんど無効化しているようなもんだ。
「グラ!投げる!」
「いただきます!」
吹き飛んだ私の肉体をミランダに受け止めてもらいながら、落下したオメガちゃんが逆にグラの尻尾を掴んで空中で回転し投げ飛ばし、グラが大口を開けてごっそりと右前脚をくりぬいて大穴を開けたのが見えた。噛みつき、というか斬撃は通用するのか。そういえばさっきの糸の円柱も見た目が鋼鉄かなってぐらい硬そうだったのにオメガちゃんは叩き斬ってたな。
「弱点は斬撃か………いやまあ、すぐ再生するんだろうけどさ」
グラがくりぬいた傷から伸びた糸が大穴を塞ぐように補強する光景を目にしながらぼやく。ちまちま削ってもダメージにはならないってクソゲーすぎる。ミランダが火球を飛ばすも、瓦礫に覆われた巨体は炎すら打ち消した。
「安心して死んでいいよ!みんな蘇生してあげるから!」
そう声を上げ、ズズズズッ!と轟音を立てながら左前脚を振るい、私達を表面に叩き付けて蹴り飛ばしてくるアトラナート。私達はあまりの巨体に回避もできずに勢いよく地面に激突する。一瞬意識が飛んだ。とんだ大質量攻撃だ。クリス達が駆け寄り、物陰まで引きずって隠してくれた。
「おい、生きているかエヴリン!死ぬな!」
「俺が惹きつける!ジョージ!早く、治療を!」
「わかってる!死ぬなよ、タイローン!」
「ジャン!何か妨害はできないのか!」
「ちい!わかってるさディラン!でもEMPも効かないってことはあれ機械じゃなくてただのガワだ!」
「とにかく集中して攻撃して瓦礫を砕けば、彼女の炎が通じると信じて撃つしかない!」
「ヘリコプターを回収できれば上から狙えそうだけど……!」
人間組が頑張ってくれているけどちょっと待って、タイローン、ディラン。あれ相手にタンクはさすがに無理だ。なんとか立ち上がり、高速で駆け抜けて、降り注ぐ糸の円柱に押しつぶされそうになってた二人を抱えて退避する。その結果、無茶をした身体が悲鳴を上げた。やっば、治す前の傷が開いたかも…。
「いったあ……この身体じゃなきゃ死んでるよ……くっそ、私からウイルスを取り上げたなら一緒にこの身体の封印も解除してくれたらよかったのに………待てよ?なんで、あれだけの力を誇示しながら私をこの身体に閉じ込めたままなんだ……?」
「すまない、エヴリンさん」
「俺達は、足手まといだ……」
「気にしないで。それより無茶はしないで、全員で生き残るよ」
ミランダが飛び上がり、オメガちゃんとグラが再び脚を駆け上るのが見える。私も、続かなきゃ……。
「……とんだバケモノがいたものだな」
「え、いたの?」
すると、地下室だったと思われる穴から、ひょこっと顔を出したサングラスと目が合った。思わず素で尋ね返すと、不機嫌そうに眉を潜めさせるウェスカー。なんか後ろに趣味の悪い虫人間がいることはツッコまないでおこう。なにそのウヴァを生々しくしたような奴。クリスも気づいて怒号を上げる。
「貴様、ウェスカー!どの面下げて……!女になっても俺は容赦しないぞ!」
「望むところだクリス。だが、今はそれどころではないというのはわかるだろう。我々も迷惑している。あのバケモノがいる限り、この島から脱出は不可能だ。部下は先に向かわせたからいいものを……アレが復活したからには急がねばならないというのに。まさか、あの蜘蛛がここまでのバケモノになるとはな」
「アレ……?」
「それでだ。一つ、素晴らしい提案をしたい」
空で火球を何度も飛ばすミランダ……いや、セルケトを見ながらウェスカーは人差し指を立てた。こいつの提案は嫌な予感しかしないけど、……今はそれに賭けるしかないか。
「……一応聞くよ。なに?」
「私はクレア・レッドフィールドの行方を知っていて、そこに行きたい。だから、その場所に案内する代わりに休戦協定を結ばないか?その場所につくまででいい」
「そんな馬鹿な話があるか!クレアはどこだ!言え、ウェスカー!」
「待ってクリス。それが嘘じゃないとどうして言える?ウェスカーの部下たちが待っている場所に誘き寄せて、罠にはめようとしているかもしれないよね?」
そう尋ねると、ウェスカーは右手を顎に添えて考え込む。なんか無駄に絵になってムカつくなこのグラサン。
「ふむ。信用できないのも当然だが、考えてる時間はないんじゃないのか?クレア・レッドフィールドの手掛かりになったはずの施設は奴の一部となり、今のままではじり貧。私を信用するしかないのでは?」
「……相変らずずるいね。心の底から反吐が出る」
「光栄だな。さてどうする?エヴリン」
横を見る、クリスは今にも飛び掛かりそうなほど怒っている。まあ気持ちはわからないでもない。私だってウェスカーは嫌いだ。ウェスカーの横を見る。なんか強そうな虫人間が息まいている。こいつに加えてウェスカーも加われば、戦力アップは間違いない。……迷っている暇はないか。
「わかった。奴を倒して、クレアのもとに向かうまで手を組む。力を貸して、ウェスカー」
「正気か、エヴリン!?」
「これしか手がない。許してクリス」
「さすが、合理的だ。行け、ティターニア」
「……」
ティターニアと呼ばれた虫人間が飛び出していき、私とウェスカーは肩を並べて物陰から姿を現す。
「来いよエヴリン!丁寧に殺してあげるからさあ!」
「やるよ、ウェスカー」
「セルケトの説得は任せたぞ」
毒を以て毒を制す。どっかの霊媒師も言っていた。バケモノにはバケモノをぶつけんだよ!
やっぱりもう普通にラスボス戦だよねこれ(今更)。一応アレクシア戦もこれに負けない感じで書くつもりですが。
デカいは強いを地でいくアトラナート。さすがにスピードはなくなったけどそれを補って余りうる巨体。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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