BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
南極編最後に登場したクリーチャーの正体判明。楽しんでいただけたら幸いです。
fileCV:56【ノスフェラトゥ・イグニス】
プシューケー・イグニスを取り込んだ触手を取り込ませて、“オーバーキル”へと無理矢理進化を遂げさせたお父様……否、ノスフェラトゥ。私の研究所から逃げ出そうとしていた奴らに返り討ちにされたかと思えば、そのうち一人のハンターΨの血を取り込み、興味深い進化を遂げた。名づけて、ノスフェラトゥ・イグニス。
私が眠りについている間にサミュエル・アイザックスの手により開発されたRT-ウイルスは、お兄様に寄れば往来のウイルスと異なりリサ・トレヴァーという女の遺伝子から作られている。そのため、投与され適合した生物はリサ・トレヴァーの特徴が色濃く出るという。より簡単にいれば、人間の女性に酷似した形態に進化するのだ。私のクローンを用いたプシューケーがプシューケー・イグニスに進化したように、絶対にリサ・トレヴァーに酷似するわけではないらしい。
その影響は色濃く出た。私のクローンであるプシューケー・イグニスを取り込ませてRT-ウイルスを与えたせいかT-Veronicaの影響が色濃く出ていたが、ハンターの少女の血液を取り込んだことで完全に羽化を遂げた。かつて渇望した偉大な祖ベロニカの分身とも言える私に酷似した姿になったのは皮肉だろうか。見た目はノスフェラトゥにプシューケー・イグニスを融合させたような姿で、蛾の様な翅がついた触手を六本背中から伸ばし、大斧を持った異常に色白で目隠しを付けた私、とでも言うべき姿をしている。ちょっと顔はプサイとかに似てるけど。
『あぁあ……アレクシア……ッわたし、はぁぁああッッッ!!!!』
逃げようとしていた奴らを捕え、牢獄に閉じ込め私の前に跪いたノスフェラトゥ・イグニスが私と同じ声で吠える。中途半端に知能を取り戻したのは厄介ね。私の命令は聞くから問題ないだろうけど。
「可愛らしい声になったわね、お父様。見てお兄様。滑稽じゃない?」
「ああ、酷く滑稽だ!アレクシアに酷似した容姿を得たのは妬ましいがね!」
「お兄様……気持ち悪いわ……」
「なっ……!?」
15年寝てたら兄が変態になっていた件について。まあいい。この私への狂った愛情は最大限に利用すべきだろう。
「ねえお兄様。私が死んでと言ったら、死んでくれる?」
「もちろんだとも、アレクシア!」
「ええ、それなら……これ、投与してくれる?」
ノスフェラトゥ・イグニスから採取したRT-ウイルスとT-Veronicaを私自らの手で混合して生み出したウイルス……T-Veronicaに含まれる虫と植物の遺伝子、そして強制的に適合させる因子が含まれる遺伝子を組み合わせた新たなウイルス……名づけるならば「RT-Veronica」が入れられた注射器をお兄様に差し出す。私の頭脳にかかれば短期間で混合できる。
「でも、このRT-Veronica……臨床試験ができてないのよね」
問題は、実験する素体が既になにもいないということだ。私のクローンは既に使い潰している。まだ残っているから使うことはできるだろうが、真っ新な遺伝子とは到底言えない。私自身もT-Veronicaに完全に馴染んでしまった。この身体を使うのはリスキーすぎる。残る真っ新な遺伝子は、この愚兄と……ノスフェラトゥ・イグニスが捕らえたクレア・レッドフィールドとスティーブ・バーンサイド、そして兄のお気に入りだった私のクローンだけなのではあるが。普通に考えて、優秀な遺伝子で作られた兄こそが最適解だろう。
『あぁあ……アルフ……ッレッドォおぁああッッッ!!!!』
「ああ、もちろんだ!アレクシアが求めるならば、私は人柱になろう!」
間髪入れず受け取り、躊躇なく自らの腕の動脈に突き刺すアルフレッド。間を置くことなく、崩れ落ちて苦しみ悶えだす。やはり、急激に変化が始まったか。本来のT-Veronicaの効果を、RT-ウイルスで無理矢理適応させている形だろうか。相性がいいな。素晴らしいウイルスを作り出してくれたものだ。そのうち挨拶に行こう。私が世界を支配した暁には、右腕に据えてもいい。優秀な頭脳は好ましい。
「目下の課題だった私の意のままに動く兵力、それが寝ているだけで解決するなんてなんて僥倖。捕虜たちにも投与しましょう。人間だろうがB.O.W.だろうが関係ない。すべて私に従順になる。それがT-Veronica……否RT-Veronicaの力!お父様、捕虜たちを連れてきなさい。抵抗したら殺してもいいわ、死体でも効果があるのか確かめられるわ」
『あぁあ……アレクシアのぉ……ッめえれぇぇええええいッッッ!!!!』
斧を引きずり、よろよろと歩いていくノスフェラトゥ・イグニスを見送り、モニターから見える空の光景を見やる。そこには、傍らに異形の蟲人間と六枚の烏の翼を持つ蠍女が飛んでいるヘリコプターがきていた。……呼んでもいない客が来たようね。
「お兄様はしばらく使えないし……私が直々に相手してあげようかしら」
「よし、出られたぞ」
目を覚ましたら、牢獄に閉じ込められていた私達。ありがたいことに部屋を分けただけで全員近くにいるようで、粘液硬化した腕で引きちぎり脱出、同じく鉄を溶解液で溶かして脱出していたモリアーティと合流し、クレア、スティーブ、プサイ、アレクシア、スウィーパーを集めることに成功した。
「ここは……どこなんだ?この趣味は、アシュフォードの屋敷に似ているが」
「それも気になるけど……あのとき、何が起きたの?気づいたら、ここに……」
「俺達が倒したはずのノスフェラトゥ……だと思う。奴が、追いかけてきていた」
「拙者の血だ……恐らく、拙者の血で、進化した……」
「私、なんで一緒に捕らえられて……もう、用済みなの……?」
「
毒が残っているのかプサイは弱り、アレクシアに至っては焦燥している。西洋甲冑が並ぶ異様な空間に警戒しながら、プサイの傷を治すためにも先に進もうと、して。
『あぁあ……わたしはっ……ッわたし、はぁぁああッッッ!!!!』
「ノスフェラトゥ…!?いや、違うか…!お前も、プシューケーの様に…!」
出入口に、それは現れた。背中から伸びた六本の触手をマントの様に引きずった、黒い目隠しはそのままに金髪が生えアレクシアとよく似た顔立ちになっている、拘束衣が外れた裸足の両足でその場に立ち、大斧を両手で構えた、胸に赤いコアが光り輝く異形。ノスフェラトゥの、恐らくプサイのRT-ウイルスに適合した姿…!
「クイーン、どうする?武器はそのままだから私達、戦えるわ!」
「いや、私たちを気絶させてここに捕らえたのはあいつだ!油断はするな、来るぞ!」
『あぁあ……逃げるぅ?……ッゆるさないッゆるさなぁああッッッ!!!!』
クレアの問いかけに受け応えていた瞬間、六本の触手が展開して、その間に翅の様な膜が広がったかと思えば、赤熱して。瞬間、斧を振りかぶったやつは、私の背後に立って赤熱した斧を振り下ろしていた。反応できたのは奇跡、ともいえる速さで。私の右腕が、天高く斬り飛ばされる。思い出したのは、プシューケーの炎操作だ。
「撃って!」
瞬間、クレア、スティーブ、モリアーティの銃撃が放たれるがしかし、ノスフェラトゥは一瞬でかき消え、空に舞い上がったかと思えば炎を纏った斧を叩きつけ、全員吹き飛ばす。まずい、ただでさえ強かった奴に、プシューケーの武器だった炎操作と速度が追加された。こいつは、止められない……!?
というわけでクイーン視点再開です。前回との時間の差は数時間ほど。その間にアトラナートたちと対決していた感じ。
・ノスフェラトゥ・イグニス
ノスフェラトゥ・オーバーキルがプサイの遺伝子を吸収、アレクシアの手により取り込んでいたプシューケー・イグニスの特性に完全に適応した形態。そのためアレクシア…というよりはプシューケー・イグニスに酷似している。人格はアレクサンダーのものだが、アレクシアに支配されている状態。
その最大の能力は、血液を瞬時に体外に出して発火させることで操る火炎操作。これを用いて、触手が変形した翅に推進力を与え、ジェット噴射の様にして高速で空中飛行が可能となった他、斧の刃に触れることで血を付着させ発火させることで赤熱する刃を操ることも。雪上車を両断したのもこの力によるもの。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
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