BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
今回は第三十一話‐Avengers【アッセンブル】‐と第三十二話‐End game【自由】‐のIF。楽しんでいただけると幸いです。
≪「話はついたか?」≫
「クリス。手は組むが攻撃したら潰す、とのことだ」
「そういうわけだゴリラ野郎。作戦会議と行こうじゃないか。歴戦のお前さんの作戦を聞きたいね」
鉄槌を肩にかけてそう笑うハイゼンベルク。笑ってはいるがその目は真剣だ。クリスを見極めてやろうと言う魂胆が見て取れた。
『お手並み拝見だね』
≪「頼もしい味方を撃つほど俺達も馬鹿じゃない。部下には既にお前と手を組むと伝えた。それで作戦だったが……ゾルダートは、工場内で見つけた資料通りの性能でいいのか?」≫
スマホに映し出されるのはゾルダートの設計図と思われる図面。それを見て眉を潜ませるハイゼンベルク。…この二人、根本的に相性悪そうだな。
「勝手に人の資料を見てんじゃねえよ。まあいい、話は早い。その資料通りで間違いねえ。ライカンどもの相手をさせて、シュツルムと一緒に俺達でミランダを叩くってのが当初の作戦だ。何か思いついたのか?」
≪「ならこれはどうだ。ライカンは俺達ハウンドウルフが引き受ける。足りなければイーサンの自走砲だ。その間にゾルダートの全戦力をミランダに向かわせろ」≫
「そいつはクールだ!お前たちがちゃんと役目を果たせるってんならな?」
「いや、クリスの部隊なら大丈夫だろう。俺もよく知っている」
『なんというか、精鋭部隊だよね』
「二人がそう言うなら信じてやるよ」
≪「…待て。お前、エヴリンの声が聞こえるのか?つまり…飲んだのか?」≫
会話を聞いていたクリスのおっかなびっくりな声に上機嫌になるハイゼンベルク。何て事のないように語った。
「ああ?逆にお前は飲まなかったのかよクリス。意思疎通できるのは大事だぜ」
≪「…いや、さすがにそれは遠慮願う…」≫
『まあ他人の血を飲むとかどうかと思う』
「同感だ」
「ひでえなお前ら!?飲めって言ってきたのお前らだよな!?」
「ジョークだ、ジョーク」
『アメリカンジョーク』
「お前らジョークが下手過ぎだぜ…」
そんな会話から一転、デュークからの知らせによる警報でミランダにローズが奪われそうになると知った俺とエヴリンが回収しに向かい、ミランダの追撃を避け命からがら戻ると、工場の敷地にはゾルダートの群れと既に怪物形態となっているハイゼンベルク、そして、六人の特殊部隊「ハウンドウルフ隊」がアサルトライフルを手に並んでいた。俺はそのままポリマー製自走砲に乗り込み、起動する。その予想外の光景にたたらを踏んだのはミランダだ。
「なんだと…!?」
「不安かもしれないが、今このときだけは奴等は味方だと思え!ケイナイン、アンバーアイズ、タンドラ、ロボ、ナイトハウル!行くぞ!」
「「「「「了解!」」」」」
「ゾルダート……味方は識別したな?よし!
「「「「「ウオォオオオオオオッ!」」」」」
「行くぞエヴリン!」
『それに乗ってる間は私出番ないけど!やっちゃえイーサン!』
一斉掃射で集ったライカンを撃ち殺していくハウンドウルフ隊。弾を物ともしないミランダに準ずる最高戦力であるヴァルコラック・アルファが切り込み隊長のシュツルムがミンチにし、俺の乗ってる自走砲の機関銃や主砲でもライカンやヴァルコラックを殲滅していく。俺とハウンドウルフでライカンを押しとどめている間に、突撃してくゾルダート軍団とハイゼンベルク。ミランダは手をかざすが、それで止まる筈もない。
「何故死なない…!?」
『ぷっ。ださーい!』
「ハハハハハハ!残念だったなミランダ!テメエの支配はもう受けねえ!俺達のカドゥを潰そうとしたんだろうが、俺自ら改造した機械脳と、ゾルダートに取り付けた制御コアがカドゥを電気信号で支配する!テメエの支配なんざ糞喰らえなんだよ!さあこの数、いくらテメエでも捌き切れるか!?」
「っ…!」
六枚の翼を触手の様に伸ばすミランダだが、シュツルムのチェンソープロペラやゾルダートのドリルでバラバラにされ、たまらず黒い菌の壁を形成して防御を試みる。しかしこちらはプロペラとドリルだ。菌の壁を削りまくり、即座に破壊。すると巨大な漆黒の蛇龍の様な姿になって蜷局を巻きゾルダートを蹴散らそうとするミランダ。しかしシュツルムは吹き飛ばされたが、ゾルダートたちはドリルを突き刺して吹き飛ばされずにすんでいて。
「尻尾から粉々にしちまえシュツルムゥウウウウウ!」
さらにハイゼンベルクが組み合ってゾルダートたちと共に動きを止めて、そこに尻尾からミンチにしていくシュツルム。たまらず頭部の擬態が解かれ、翼を広げて空に舞い上がるミランダ。明らかに押しているが、逃げるつもりか?ゾルダート・ジェットが何体か追いかけるも翼の間から生えた触手の一撃で破壊されてしまっているがミランダの顔は憔悴しきっていた。俺達の手でライカンの群れが殲滅されたのを確認したのだろう。
「小癪な、ハイゼンベルク!ウィンターズ!レッドフィールド!役立たずのライカンどもめ…!」
「イーサン、ハウンドウルフ!ミランダを狙え!」
「ああ!」
「「「「「了解!」」」」」
『撃て撃て~!』
自走砲の主砲こそ翼の一部を閉じて防いだもののアサルトライフルの一斉掃射がミランダを襲い、空に逃げられないミランダは地上に降り立ってそこに襲いかかるのはゾルダート・パンツァー。触手の攻撃程度では装甲でビクともしない奴の片腕の三連ドリルがミランダの腹部を大きく抉り取り、パンツァーが離れたところに熱暴走を起こしたシュツルムの火炎放射が叩きつけられる。
「おのれ、おのれえ!」
「さすがは俺の最高傑作だパンツァー!そら、袋叩きだゾルダート!イーサンも来い!」
「ミランダァアアアア!」
「俺達は援護だ!」
地面から伸びた菌根を取り込み、魔女を彷彿とさせる戦闘形態となり蜘蛛の様な節足を展開してゾルダートを次々と貫いて行くミランダに、銃座から弾丸をばら撒きながらフルスロットルで突撃。ハイゼンベルクと並走し、同時にチェーンソーと丸鋸を叩き込んでその節足を叩き斬り、そこに銃撃がミランダの全身を撃ちぬく。何て精度だ、俺とハイゼンベルクの巨体を上手く避けて当てやがった。さすがはクリスの部隊だ。
「くらいやがれ!」
「主砲、発射!」
『いっけー!』
ハイゼンベルクが振り上げた鉄槌を頭部に叩きつけると同時に、胴体に主砲を叩き込み爆炎に包まれるミランダ。やったか?
「こうなれば……イーサン・ウィンターズ!ローズをよこせえ!」
「ぐっ!?」
すると炎の中から複数の烏が飛び立ち、遠く離れた所でミランダの姿に実体化。ミランダを中心に菌根が竜巻の如く渦を巻き、突撃したゾルダートや俺達を弾き飛ばしたかと思えば、その中から伸びてきた太い触手が自走砲をひっくり返して俺と傍らに置いてた鞄が投げ出され、そのまま触手に鞄を取り込まれてしまう。空中を一回転した自走砲は地面に叩きつけられ爆散。炎が敷地内に広がる中、俺は立ち上がる。
「エヴリン!」
『うん!』
「『
そしてモールデッド・ギガント化。自走砲の残骸から主砲を取りだして背中に担ぎ、跳躍。ミランダの元に戻ろうとしていた巨大触手にしがみ付いて腕を触手の中に突き刺すとそのまま回転に巻き込まれるようにしてミランダの元に引きずり込まれる。
「ローズは渡さない…!」
「ローズは私の物だ…!」
渦の中心でまるでモールデッドの様に変化させたミランダの右腕と、俺達の拳が激突。あちらの力が強いのか殴り飛ばされるも、上に弾き飛ばされたことを利用して主砲を手に取り一発限りのそれを発射。
「『ご愁傷様!』」
「なっ…!?」
大爆発。俺達は反動で渦巻く壁に叩きつけられて表面が削られ、モールデッド・ギガント化が解かれて渦の外に投げ出され、駆け寄って来ていたクリスに受け止められる。見れば周りにはクリスとハウンドウルフ隊、そしてハイゼンベルクとシュツルム、ゾルダートがパンツァー含めて十数体いた。
「くそっ、まだローズがあの中に…」
「無茶は禁物だ。ここからが正念場だぞ…!」
「ちっ、これだけやってもくたばらねえか。しつこいカビ汚れは嫌いだぜ」
『それ私のこと言ってる?』
渦が止まり、菌根が吸い込まれるようにして現れたのは、巨大な翼を広げ蜘蛛の様な節足を展開、両腕を変異ドミトレスクの様なドラゴンの腕に、下半身が膨れ上がり怪魚モローの様に大口を開き、背中から伸びた尻尾の様な部位の先端には死神ベイビーを彷彿とさせる鋭い鎌がついている、ドミトレスク・ドナ・モローのハイゼンベルク以外の四貴族の戦闘形態を合わせた異形の怪物と化したミランダだった。なんでも擬態できるとは聞いていたが、ここまでとはな。
「私を怒らせたな……全身全霊を持って縊り殺してやろう…!」
『うん、めっちゃキモイ!』
「「同感だ」」
「ハウンドウルフ!ここでミランダを倒すぞ!」
「「「「「了解!」」」」」
俺達は一度距離を取ってから各々の武器を構え、挑みかかった。
ライカン軍団をハウンドウルフとイーサン乗る自走砲が引き受けて、ゾルダート全戦力をミランダにぶつける単純な作戦。さすがのミランダもまさかの共闘戦線に防戦一方。これぞハイゼンベルクの生存ルート。
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