BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
というわけで記念回です。退場者だYO!全員集GO!エヴリンレムナンツのスピンオフである【急募】こちら菌根ネットワーク掲示板 のキャラも登場します。楽しんでいただけたら幸いです。
上には無数の小さなものが、下には足場になるように巨大な一つのものが、蜘蛛の巣が無限に広がる空間。そこに、無数の異形がそれぞれ適した形にクッションの様になった糸の塊に座り、頭上の一際巨大な蜘蛛の巣の真ん中をくりぬくように表示された映像を凝視していた。
―――――『……しょうがないか。ウェスカーもいないし、使っていいよ。ユウコ』
―――――「…わかったわ」
「っしゃあああああああああ!」
赤い人の目を2つと額に赤い単眼5つで退屈そうに眺めていた、袖が長い黒いバスローブの様な服を着ている、黒色の節足を繋ぎ合わせたような短髪をした小柄な少女の姿をした異形、アトラナートがスタンドオペレーションでもするかの如く立ち上がり、ガッツポーズをとり、どこから取り出したのか赤色に輝くサイリウムを振り回す。無駄にキレッキレであった。
「ついに!使ってくれた!ケチんぼエヴリンがやっと解禁してくれたわ!ありがとうアレクシア、でもユウコを襲ったの許さないから死ねアレクシア!」
「情緒不安定か。……随分とあの人間にお熱なんだな」
「貴様ッ、アトラナート様に失礼だぞ!」
そんなアトラナートに呆れているのは、蜘蛛糸のソファにドカッと沈み込み、不貞腐れた様子で映像を眺めていた黒いフード付きパーカー、黒いショートパンツとタイツを身につけた少女の姿をした異形、ポリポッド。その頭を殴って窘めるのは、赤黒い長髪を持ち、顔は赤い単眼が5つ、六本の腕を持つ蜘蛛を無理やり人型にしたような怪人、ラフネック。ポリポッドは殴られた頭を押さえながら蜘蛛脚で薙ぎ払い、六本腕を伸ばしたラフネックと押し合い顔を引っ付けて睨み合う。
「いてえんだよ!アトラナートの腰巾着が!今でもナンバー2気取りか、ああん!?」
「ナンバー2はパペッティアだ!私はアトラナート様の手足に過ぎない!アトラナート様がお喜びになっているのだ!水を差すな!」
【(;´∀`)】
《「まあまあ落ち着いて。せっかく私たちの後輩が力を見せるんだ、一緒に観測しようじゃないか」》
「ケケケケッ。ポリポッド怒らないで、可愛い顔が台無しよ」
「ポリポッドに近づくな変態」
そのまま腕と脚で殴り合いに発展したポリポッドとラフネックをメカアームで掴んで引き離して諫めたのは、機械仕掛けの蜘蛛の巨人ジャンブル。その様子を笑いながらポリポッドの顎に手をやり口元を近づけたのは、黒子の様な格好をしたパペッティア。そんなパペッティアに苦言を呈したのは巨大な顔が特徴の人面蜘蛛ロイタラーだ。それ以外にも、蜘蛛の特徴を持った異形が所狭しと集まって映像を見ていた。ポリポッド以前にアトラナートに眷属にされた者たちであった。
「みんな、なに喧嘩してるの?一緒にユウコの雄姿を見ようよ」
「いや呑気か!?お前、アトラナート!お前の真意は死に際で分かったが、私たちを玩んだ事実は変わらないからな!?」
「なんで?ポリポッドは目が見えるようになって嫌だった?私たち家族との生活、楽しくなかった?」
「それ、は……」
純粋な疑問を抱いた顔で問いかけられて、言いよどみ視線を逸らすポリポッド。視線を逸らす。それすらも以前はできなかった。目が見えない頃の家族はクソだった。それに比べたら狂人だらけではあるが、居心地がよかったのは確かだ。
「……でも、こんな怪物にされたんだぞ」
【(;'∀')】
《「私達に比べたらよっぽど人間に近い姿をしているだけマシだと思うがね?まあ私は人の体に執着してないけども!」》
「ケケケケッ。むしろ人に近い姿をしているのは当たりよ?」
「ポリポッドは欲張りだ」
「私はアトラナート様を担げるからこの身体で満足している」
「お前には聞いてない狂信者め」
「なにい!」
「はい、いい加減にしなさい」
するとアトラナートが腕を大きく動かして指に繋がれた糸を操り、ポリポッドとラフネックを雁字搦めにして姿勢を正して椅子に座らせた。モニターに友子が変貌していく光景が映り、特に異形に変化してないことに眷属たちからブーイングが上がる。
「私の力全部譲渡したんだから変異ぐらい自由に操れて当然でしょ!その気になれば蜘蛛の怪物みたいな姿にもなれるはずだよ!……私を意識している姿で嬉しいなあ。えへへへへ……よーし!全力で応援するよラフネック!」
「アトラナート様の仰せのままにい!」
そのまま赤いサイリウムを両手に持って振り回すアトラナートと、素っ裸のどこから取り出したのかサイリウムを六本腕に握ってアトラナートに合わせて完璧な動きで振り回すラフネック。時代が早すぎるが日本におけるヲタ芸、サイリウムダンスなど呼ばれるそれだった。アトラナート、めでたく鳴雲友子の限界オタクと化した。ラフネックはアトラナートの限界オタクである。
「ええ……なにこれ……なにこれ?っておい、なにをする!?」
「ケケケケッ。困惑しながら踊るポリポッドも美しいわ……」
【(*^▽^*)】
《「よーし!おじさんも頑張っちゃうぞ!」》
「腕があるの羨ましいわねー」
全力で舞い踊るアトラナートに困惑しながら見守っていたポリポッドだが、身体が勝手に動いてサイリウムを握りながら踊り出し、それを行った張本人であるパペッティアは恍惚とした表情を浮かべる。ポリポッドの厄介オタクである。便乗して腕の先端を輝かせたジャンブルもキレッキレの動きで踊り出し、それを唯一腕を持たないロイタラーがボケーッと見守る。
「そっちは随分と、楽しそうだな?俺達も混ぜちゃくれねえか」
するとそこに、蜘蛛の特徴を持たないなれど奇妙な一団がやってきた。リーダー格らしい黒いソフトハットと丸いサングラスをかけた髭面で、オリーブ色のロングコートを羽織って鉄のハンマーを肩に担いだ異様な男がにやりと笑って問いかける。すると、パペッティアと似た様な黒子みたいな女性の持った人形が動いて喋り出した。
『ああ!?ハイゼンベルク、アタシの顔見て笑うとかブッ殺されたいの!?ヴェェェイ!』
「アンジー、ハイゼンベルクはあの子達を見て笑っただけだと思うの……」
「そんなことより私たちも踊りませんか、お姉さま!ハイゼンベルク卿も一緒に!」
「下品な踊りですこと。なんで私たちまでここに……」
「エヴリンと混線してるみたいだから我慢してお母様」
「蜘蛛の彼女の力、ミランダ様と近いらしいから仕方ないわ~」
「しかしクイーンが戦っている女に纏わりついている奴、なんかデジャヴを感じるわね……」
「お前らも羽虫だからじゃないのkギブギブギブ!?」
人形がジタバタと手の中で暴れ、黒子のような女性が窘めると一緒に連れている上品なドレスを着た少女がその手を引いて目を輝かせ、巨体を白いドレスで覆っているマダムが文句を垂れれば、お揃いのローブを着た女性三人が続き、異形の男が呟いたかと思えばローブの三人が協力して関節を極めて締め上げられる。
「そこだ!パンチ!はっはっは!ジョーにも劣らないぞ彼女の拳は!なあマーガレット!?」
「ええジャック、若いころの貴方たちを思い出すわ……ほら、ルーカスもあれぐらい正々堂々戦いなさい」
「勘弁してくれよお袋……俺にあんな脳筋どもと同じ動きは無理だぜ…?」
「特殊部隊を翻弄するぐらいはできる癖に何言ってるんだお前」
そこに、初老の男と女、若いのに剥げかかってる男、なんか燃えている男が現れる。おかしな訪問者に、アトラナートは首を傾げる。
「え、誰……?」
「時代は後だが、ある意味先輩だ。
「君のやったことは褒められたものじゃないが、家族を求める気持ちを否定はできないさ。……いい子が見つかったようだな」
ハイゼンベルクと呼ばれたサングラスの男と、ジャックと呼ばれた初老の男がそう笑いかけると、アトラナートは満面の笑みを浮かべて頷いた。
「うん!ユウコはね……私の母親になってくれたかもしれない人なの!」
「「ええ……」」
男二人は困惑した顔を浮かべ、顔を見合わせて笑う。
「一緒に見物しようじゃねえか。現実の俺すら救っちまったすげーやつらの活躍を」
「ああ、我らが未来を託したあの子たちの行く末を」
「……そうだね。私みたいな悪魔も乗り越えたんだ、きっと大丈夫」
ハイゼンベルクとジャックの言葉に、アトラナートも頷いてモニターを見守る。炎の翅が広がり、最終決戦が始まろうとしていた。
殺伐としてないアトラナート一派がただの変人どもな件について。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きなアトラナート編オリジナルB.O.W.は?
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アトラナート
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ラフネック
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ポリポッド
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ジャンブル
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ロイタラー
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パペッティア
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ヘイトレッド
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エヴリン(シータボディ)
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ティターニア
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モールデッド・アンタレス(セルケト)