BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。ポケモン蟲とかバイオとかで四日も開けてました。申し訳ない。

今回はベロニカ編のラスボス降臨。楽しんでいただけたら幸いです。


fileCV:63【命ヲ啜ル焔ノ夢見鳥】

 それは、T-Veronicaから生まれた怪物だった。T-ウイルスの体現者とも言えるイブリース。G-ウイルスの意思と言えたG6。RT-ウイルスの負の側面であるグレイブディガー・ヒュドラ。W-ウイルスそのものだったアトラナート。それらはすべて、ウイルスが宿主(しゅくしゅ)を食い破り生まれた怪物。

 

 クローンアレクシアの肉体を媒介に誕生と同時に全身が炎の鱗粉となって燃え尽き、生みの親たるアレクシアから失敗作だと断じられた、すなわち亡霊。生き物であるかどうかすら怪しい、もはや現象たるもの。それは冷凍休眠していたアレクシアの体に憑りつくことで十数年も南極に潜み隠れ、アレクシアの解凍と共にプシューケー・イグニスに憑りつき、ノスフェラトゥ・イグニスに憑りつき、アレクシア・シンドロームに憑りつき、アシュフォード兄妹に憑りつき、災厄をまき散らしてきた。アレクシア・シンドロームを倒した時に飛び去った火の粉の様に光り輝く翅の正体だ。

 

 それらに共通するのは、すなわち「炎」。それは意思を持った焔。それは自らのウイルスを宿す生物の遺伝子に働きかけて寄生し、その命を薪として(くべ)て燃焼させ、己を絶やさず存在し続けた「命の火」。燃え尽きたと思われていた肉体が変じた炎そのものが生きている超存在。ある国では古来から黄泉の国に通じる不吉な存在として知られる、アレクシアにとっては女王蟻である自らの餌でしかないと侮り続けてきた「蝶」の姿を取る、その実T-Veronicaにおける「完全変態」を成し遂げた怪物。

 

 炎そのものであるなら、ぴったりの名前があるだろう。それ即ち……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ばか、な……」

 

 

 モールデッド・クインリーチを前にして、アレクシアとオベイロン……アルフレッドのアシュフォード兄妹は、信じられないとばかりに苦悶の声を上げる。水の砲弾を叩き込まれたアレクシアは右半身丸ごと消し飛ばされ、左足だけで立っていたアレクシアの左半身は、力なく背中から崩れ落ちる。

 

 

「この私が、こんなところで潰えるなど……ありえない、ありえない、ありえないありえないありえない!……がはっ」

 

『アレク、シアァあああああ!』

 

 

 そこに、怒りの声と共に集まってきたのは、アルテ・W・ミューラーの掌底によって吹き飛ばされていたオベイロンことアルフレッド・アシュフォード。妹を瀕死に追い込まれ、怒り狂うオベイロンは赤い軍服姿で黒い虫の外骨格染みた装甲を四肢に纏った黒髪の人型の姿を取ると、モールデッド・クインリーチ(クイーンとミランダ)、セルケト、アルテに向かって腕を振り上げるがしかし。

 

 

「『無駄だ!』」

 

「どきなさい!」

 

「邪魔だ!」

 

 

 モールデッド・クインリーチの変形した拳が、セルケトの尻尾が、アルテの掌底が叩き込まれ、なすすべなく吹き飛ばされ、オベイロンはアレクシアの傍に崩れ落ちたのだった。

 

 

『口惜しい……人でなくなっても、私は……』

 

「おにい、さま……私に、その命をよこしなさい……お兄様の体で、私の半身を……」

 

『そうか、そうだな……私は全力で“お兄様”を遂行する……!』

 

 

 すると、不思議なことが起こった。オベイロンの体がばらけたかと思うと、アレクシアの失われた右半身を形作りながら集束。オベイロンの特徴だった黒い虫の外骨格染みた装甲に包まれた怪人の様な右半身を取り戻したアレクシアが立ち上がったのだ。

 

 

「『……そんなのありか』」

 

「私達兄妹は二つで一つ。私とお兄様の絆は、誰にも引き裂けない!!アーッハハハハ!!最終ラウンドよ、羽虫共…!」

 

「上等よ、殺したりなかったところだわ…!」

 

「しつこい女は嫌われるぞアレクシア」

 

 

 身構える三人。すると、そこに炎に包まれた槍が飛んできて、アレクシアは受け止めて炎上させる。それは、蜘蛛の糸で作られた槍に炎を纏わせたものだった。

 

 

『…アレクシア?』

 

「いいえ、違うわお父様」

 

 

 半壊した屋敷に訪れたのは、スリットが目立つほどボロボロのドレスに身を包んだゴールドルガー二丁を手にした人間態のアレクシアと瓜二つの女性と、背中から六本の蜘蛛脚を伸ばした巨体の女性。さらに、複数の人間がぞろぞろとその場に現れアレクシアを包囲し、銃や爪などの武器を構える。ベロニカ、ユウコに続き、クレア、クリス、スティーブ、オメガ、プサイ、グラ、モリアーティ、シータ、スウィーパー、ジョージ、タイローン、ジャン、ディラン、ルーサー、そしてエヴリンだ。

 

 

「『エヴリン!?みんな!……シータ!?生きてたのか!?』」

 

『間に合ったー!ってなにクイーンその姿!?あ、ミランダか』

 

「そこのエヴリンに命繋いでもらったわよ。ざこの癖によく耐えたじゃない」

 

『クイーン、生きてたことを黙ってたのはあとでOHANASHIだからね!』

 

「『……それは本当にすまなかった』」

 

 

 エヴリンにモールデッド・クインリーチが平謝りしている中で、アレクシアの中のアルフレッドがベロニカに問いかける。

 

 

『おま、えは、私が作ったアレクシアだろう!?アレクシアでないならなんだというのだ!』

 

「私はアレクシアの名前と決別したの。今の私はベロニカ、ベロニカ・アシュフォードよ!」

 

「赦されないわ。私を差し置いてその名を名乗るなど…!」

 

 

 散々コケにされ、怒りに炎を燃やすアレクシア。最終決戦の火ぶたが切られようとしたその時………

 

 

 文字通り、火がひらひらと舞い落ちてきた。

 

 

 

 

 

 

「……は?」

 

 

 あまりにも場違いすぎる、南極に似合わぬオレンジ色の蝶が目の前をひらひらと舞い降りて、呆気に取られるアレクシア。しかしそれは、よく見れば炎が蝶の形をとっているだけで。呆けているアレクシアの鼻に、ちょこんとくっついたそれは、ボワッ!と一瞬で大きく広く燃え上がり、アレクシアをアルフレッドごと包み込んだ。

 

 

「『うっ……っぎゃあぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?』」

 

 

 炎に耐性があるはずのアレクシアとアルフレッドの焼き尽くされる断末魔が響き渡る。アレクシアの残った左半身を、アルフレッドの右半身を、一瞬のうちに燃やし尽くした炎は、呆気に取られるクイーンたちを前に巨大な炎の蝶の翅を広げ、徐々に人の形を作り上げていき、裸足で地面に降り立った。

 

 

【…………ふむ、こんなものか。ようやく、形になったな】

 

 

 それは、アレクシアの形をした炎だった。オレンジ色に輝くアレクシアと同じ体型の肢体を実体化した炎と言うしかない西洋鎧と赤いドレスに身を包んだ姫騎士の様な格好に、燃え盛り揺らめく金髪の様な背中までかかる長髪。瞳がなく、ただただ白く輝く眼や鼻、口の形をした顔に、額から伸びた一対の触角と背中から広げた炎の翅は蝶を思わせる。そして右手を軽く振るえば、瞬間的に収束した炎が、蝶を模した白熱する刃剣「赫灼剣」となってその手に握られ、その視線はクイーンたちを視界に入れて愉しげに弧を描く。

 

 

 ――――――炎そのものであるなら、ふさわしい名前があるだろう。それ即ちグレイブディガー・ハスタやアトラナートと同じ、旧支配者の名に冠する銘。

 

 

【よい、よいぞ。我と戯れる権利を与える。………我が名はCthugha(クトゥガ)。……全てを灰燼に焼き尽くす炎であるぞ】




クトゥルフ神話系モチーフシリーズ第三弾。モチーフは星のカービィのバルフレイナイトです。炎で蟲と言ったらやはりこれ。

簡単に言うと、意思を持ったT-Veronicaです。命の象徴たる血を燃やして炎にする、その特性を過程ではなく目的とした怪物。今までの炎を使ってたボスは此奴によって火力を底上げされ、その存在を確固たるものにする薪にされてました。アトラナートすら前座だったラスボスの正体がこれでした。ぶっちゃけバイオじゃなくてデビルがメイでクライな方に出てきそうな、出る作品を間違えた怪物です。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

一番好きな南極編オリジナルB.O.W.は?

  • プシューケー
  • プシューケー・イグニス
  • ノスフェラトゥ・オーバーキル
  • ノスフェラトゥ・イグニス
  • アレクシア(RT-Veronica)
  • オベイロン(アルフレッド)
  • アレクシア(オベイロン・アーマー)
  • アレクシア・ポッド
  • アレクシア・フライ
  • アレクシア・シンドローム(合体)
  • モールデッド・クインリーチ
  • ベロニカ・アシュフォード
  • 鳴雲友子(アトラナート態)
  • Cthugha(クトゥガ)
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