BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】   作:放仮ごdz

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どうも、放仮ごです。原作に置けるクリスVSウェスカーは本当にワクワクしたものです。あの対決があったから5のクリスはあんなゴリラになったんだろうなって。

今回はVSウェスカー。楽しんでいただけたら幸いです。


fileCV:66【この恩讐の彼方に決着を!】

「待て、ウェスカー!お前だけは逃がさない…!」

 

「今度は逃がさないわ!ウェスカー!」

 

「おい、待てよクレア!」

 

 

 建物内を人知を超えた速度で走るアルテ・W・ミューラーを、入り組んでいる構造を利用して追いすがるクリス、クレア、スティーブの三人。

 

 

「私を追ってきていいのか?あのCthugha(クトゥガ)という怪物に全員殺されるぞ?」

 

「俺達はむしろいた方が足手まといだ!それぐらいわかっている!」

 

「ラクーンシティの時の様に、足手まといにはならないんだから!」

 

「クレアがやるってなら俺もやるぜ!止まりやがれ!」

 

 

 スティーブが構えたルガー二丁を乱射。でたらめに放たれたそれは壁に跳弾しまくり被弾、扉を蹴破り広い空間……恐らく作業場……に辿り着いたところで、指を突っ込み弾丸を摘出し投げ捨てたアルテは、自らに突きつけられた三人の銃口に肩を竦める。

 

 

「結構なことだが忘れたのか?クレア・レッドフィールド……あの時勝てたのは、ヨーン・エキドナたちB.O.W.のチームが相手だったからで、その異常な力を見くびった故に過ぎない。ただの人間であるお前たちに負ける道理はない」

 

「ぐっ!?」

 

「きゃっ…!?」

 

「ぐはっ!?」

 

 

 瞬間、アルテの身体がぶれて、一瞬のうちに殴り飛ばされるクリス、クレア、スティーブ。転がったクリスの頭部目掛けてアルテは容赦なく足を振り下ろし、クリスは転がって回避。サムライエッジを近距離から乱射するが、アルテはその姿をかき消してクリスは横から衝撃を受けて殴り飛ばされる。ヨナ達を圧倒した高速移動は健在だ。

 

 

「お前たちでは役不足だ」

 

「そう、なら……私はどうかしら!」

 

「むっ…!?」

 

 

 クルクル回転しながら上から落ちてきた、セルケトの渾身の尻尾を受け止め、その衝撃に顔をしかめるアルテ。実は、セルケトはクリス達とは別ルートでアルテを追っていた。クリスはセルケトを信じて囮を買って出て、セルケトはクリスを信じてあえてアルテを見失うルートで進んで不意打ちを行った。この三ヶ月で培われたチームワークだった。

 

 

「はあああ!」

 

「足はどうだ!」

 

「ぐうっ!?」

 

 

 さらに、横からクレアの横蹴りが無防備な脇腹に突き刺さり、スティーブの弾丸が太腿を撃ち抜いて脱力させ、セルケトの渾身の一撃を届かせ、踏ん張れなかったアルテを逆エビ折りにして顔のサングラスを叩き割りながら床に叩きつけた。尻尾だけで跳ねて宙返りして着地したセルケトは、己の右腕である鋏を撫でながら妖艶に笑う。

 

 

「ああ、そうだ。ずっと言いたかったのよウェスカー。私を生んでくれてありがとう、私の思い出の中で綺麗なまま死んでちょうだい」

 

「恐ろしいなアイツ」

 

「…敵ではないと思うけど、モリアーティよりみたいね」

 

「ようやくまともに遭えたわねクリスの妹。私はセルケト。貴女の兄の……今の相棒よ」

 

「そういうことだ。よくやったセルケト。クレア、スティーブもだ」

 

 

 よろよろと殴られた腹を押さえながら歩み寄り、サムズアップをするクリス。その視線の先で、トレードマークのサングラスが叩き割られた下の瞼が開かれ、紅く発光する。

 

 

「っ、まだだ!こいつは死んでいない!」

 

「うそっ!?」

 

「あれで死なないとか冗談だろ!?」

 

「なら、これはどう!」

 

 

 カタカタと動いて復活を始めようとしていたアルテの顔面に、思いっきり右足の鋏をサッカーボールキックで叩き込み、その小柄な身体を頭から蹴り飛ばすセルケト。ストレス発散だとでも言いそうなそれはアルテを壁に叩きつけ、その衝撃で頭上の鉄骨の束が落ちてきて、叩き潰されるアルテ。

 

 

「親を足蹴にするとは、やはりお前は作るべきではなかったなセルケト」

 

 

 しかしそれすら押し退けて逆エビ折りになった体で立ち上がり、身体を振ってその反動で起き上がりゴキンっと背骨をはめなおしてトントンと叩くアルテ。セルケトが殴りかかるが、アルテの姿がかき消えたかと思えば多方向から衝撃が走り、セルケトの体が右へ左に跳ね、倒れ伏す。高速移動したアルテに四方八方から殴られたのである。アルテの足元で、セルケトは悔し気に拳を握る。

 

 

「くっ……私は、プロトネメシス……傑作B.O.W.のセルケトよ……。生みの親にだって、負けないんだから…!」

 

「お前は寄生生物ネメシスの実験体であり、当時は培養が難しかったG-ウイルスの苗床……そしてRT-ウイルスを用いた実験兵器に過ぎない。そうしたら当時では傑作の性能となっただけで、今から見ればただの凡骨だ。お前では私は殺せない。お前の存在意義は、誰かの礎に過ぎない。教えてやろうかセルケト。お前はただの道具だ」

 

「っ……」

 

 

 決別したつもりでも、唯一生き残った親であるアルバート・ウェスカーに対して情を求めていたセルケトにとって、その言葉は猛毒だった。体を蝕み、力を奪う……そんな隙だらけのセルケトに、容赦なく右足を天高く上げたアルテは、ネリチャギを叩き込んでその首をへし折った。

 

 

「セルケト!」

 

「そんな……」

 

「てめえ!よくも…!」

 

 

 首を折られて倒れ伏したセルケトに駆け寄るクリスとクレア、怒りのままにルガー二丁を構えて連射するスティーブ。その弾丸を全て掴み取ってカラコロと音を立てて投げ捨てたアルテは嗤う。

 

 

「まずは一人。始めようか、蹂躙を。嬉しいぞクリス。私の計画を邪魔したお前たちS.T.A.R.S.をこの手で殺せるチャンスが来るとはな」

 

「俺はS.T.A.R.S.の一人として、セルケトの相棒として……お前は倒す!お前のせいで死んでいったエンリコやサリバン、フォレストにエドワード、セルケトに……あの世で詫びろ!」

 

「大した自信だなクリス?妹とその彼氏がいるだけで数の有利をとったつもりか?あの世で同窓会でもすればいい。すぐに私が全員送ってやるぞ、クリス!」

 

「そこだ!」

 

 

 瞬間、姿をかき消して高速移動するアルテに、スティーブが反応して速射。胸を撃たれたアルテは怯む。ノスフェラトゥ・オーバーキル戦で覚醒したスティーブのいわゆるゾーン状態が、アルテにも反応していた。

 

 

「なんだと…!?」

 

「そこか!」

 

 

 さらにクリスに飛び掛かられ、胴体を掴まれて地面に転がるアルテ。至近距離からクリスを殴りつけようとするも、的確にスティーブの射撃が手を撃って妨害する。そこに、鉄パイプを持ったクレアが駆け寄って振りかぶる。

 

 

「兄さん!」

 

「やれ、クレア!」

 

 

クレアの呼びかけに拘束を解いて離れたクリス。起き上がろうとしたアルテの顔に容赦なく鉄パイプが叩き込まれ、何度も何度も殴りつけ、クリスが足を掴んで回転させ、廃材置き場に投げ飛ばす。成人男性ならいざ知らず、今のアルテの体重なら難なく投げ飛ばすことができた。

 

 

「おのれ…!」

 

 

 全身から菌根を伸ばして傷を再生させながら、廃材を掴んで投げつけるアルテ。クレアの持つ鉄パイプが弾き飛ばされたものの全員回避し、弾丸の雨を叩き込むと、アルテは瞬間移動して回避。奇襲を狙う。

 

 

「こいつはどうだ!」

 

 

 するとクリスはハンドガンを頭上に向けて発射。そこに置かれていた石膏の袋に穴が開いて降り注ぎ、突如湧いた質量に動きが止まったアルテに渾身のパンチを叩き込む。

 

 

「ぐあっ!?」

 

「はああっ!」

 

「おりゃああ!」

 

 

 さらにクレアの飛び回し蹴り、スティーブの掃射が叩き込まれ押されていくアルテ。究極の力を手にしたはずの自分が、あの炎の怪物ならいざ知らず、ただの人間三人に押されている事実に、顔をしかめるが、容赦なく追撃は続く。レッドフィールド兄妹が殴り蹴り、スティーブが隙を潰す。その連携に、追い込まれる。

 

 

「てめえは、シータを傷つけた!」

 

「あなたは、セルケトを殺した!」

 

「お前は人間の屑だ、ウェスカァアアアッ!!」

 

 

 そして、クリス渾身の一撃が炸裂。アルテは壁に叩きつけられ、崩れ落ちる。……しかし、人外の力には及ばない。

 

 

「無駄だ……私を殺すことは不可能だ…!」

 

「くっ……」

 

 

 手首から複数の菌根の触手を伸ばして攻撃するアルテ。クリス達は当たってはならないと直感付け、回避していく。一気に逆転された。もう打つ手がない。そんな時。

 

 

「……死ななくても、万能じゃないはずよ……私がそうだった」

 

「なにっ!?」

 

 

 ウェスカーの脚に蠍の尾が巻き付き、引っ張って転倒させるとそのまま引きずられていくアルテ。その尻尾の先には、息絶え絶えのセルケトが。首が折られても、驚異的な生命力が彼女を生かしていたのだ。クリス達に集中しきっていたアルテは予想外の反撃に何とか触手でどこかを掴もうとするも、それはなにをしようとしているのか察したクリス達が許さない。

 

 

「……地獄で会いましょう(Hasta la vista, )、ウェスカー!」

 

「待て、貴様まさかっ、馬鹿っなぁああああああああああああおおあああああああっ!?」

 

 

 そして、崖際のフェンスまで引っ張られたウェスカーは、立ち上がった反動のままフェンスに引っかかってひっくり返り、真っ逆さまに谷底に落ちて行ったのだった。

 

 

「……だれか、首……直してくれない?」

 

「あ、ああ!よかった、生きていて…!」

 

 

 セルケトに言われて、クリスが慌てて首をもとの位置に戻し、コキコキと音を立てて首の位置を直したセルケトは立ち上がり、父を引きずり落とした谷底に視線を向ける。その視線には、悲哀が宿っていて。

 

 

「……さようなら、お父さん」




 ヨナたちでもできなかった強化ウェスカーを追い詰めるという偉業を成し遂げたクリス、クレア、スティーブとかいうただの人間よ。

次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。

一番好きな南極編オリジナルB.O.W.は?

  • プシューケー
  • プシューケー・イグニス
  • ノスフェラトゥ・オーバーキル
  • ノスフェラトゥ・イグニス
  • アレクシア(RT-Veronica)
  • オベイロン(アルフレッド)
  • アレクシア(オベイロン・アーマー)
  • アレクシア・ポッド
  • アレクシア・フライ
  • アレクシア・シンドローム(合体)
  • モールデッド・クインリーチ
  • ベロニカ・アシュフォード
  • 鳴雲友子(アトラナート態)
  • Cthugha(クトゥガ)
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