BIOHAZARD VILLAGE【EvelineRemnants】 作:放仮ごdz
1999年編最終話となります。楽しんでいただけたら幸いです。
~カトプレバスの自爆により破壊された執務室から飛び散った書類の一つ~
・登録名:【メリカ・ユーザ】
・肩書き:将軍補佐官、バジリブ共和国陸軍少将
・年齢:16歳
・誕生日:1983年7月4日
・身長:157㎝
・血液型:A型
・特技:ナイフや足技を主体としたCQCを得意とする。銃器類も問題なく扱える。
・入隊試験:一位主席(15歳。他は全員成年済みの異例)
・出身地:バジリブ共和国 川沿いの名無しの村。家族は水害で亡くなっていて天涯孤独の孤児
・主な実績:●●国軍のタイラント二体を一人で撃破。●●国の正規軍精鋭20人を一人で相手取り、これを殲滅。ナイフ一本で敵基地に潜入、一夜にて壊滅させる。一対一の戦闘訓練においてグランデ将軍以外(タイラントやハンターπ含む)に負けなし。etc
背後に傅くメリカから止血帯を受け取りながら、地下通路を歩くグランデ将軍。メリカが用意した逃走用の飛行機があるであろう出口に向かいながら、オルタナティブへの対応を頭の中で組み立てる。カトプレバスの自爆を囮に逃げ出すことはできたが、あの基地にいた戦力全てを失った。存在自体を秘匿していたから他国に伝わることはないだろうが、進軍を止めざるを得ない。
「さすがに侮りすぎたな。戦力差は歴然と確信していたが……まさか覆されるとは」
「奴らRT-ウイルスを有したB.O.W.は「適応」に優れていると聞きます。こと〝覆す”力は、要警戒した方がいいかと」
「そうだな。今回はどこからか情報が洩れて後手に回ったが、今度は万全の準備をして挑むぞ。予備の兵士はどうなっている?」
「はっ。予備の兵隊、人間120名、B.O.W.兵80体の計200。国外の第七秘密基地にて待機しています」
「さすがはメリカだ。こうなることを見越して?」
「閣下は勝利だけを考えるのが仕事ですが、私の様な小心者は万が一に備えるのが仕事なのです。全ては閣下と、祖国のために」
「やはり優秀だなお前は。たった一年足らずで我が軍で少将までのし上がっただけはある」
「お褒めに預かり光栄です」
ぺこりと頭を下げ、一歩下がって傅くメリカに機嫌をよくしたグランデ将軍は地下通路を歩いていく。急がなくてもいい。この隠し通路の存在は将軍とその側近であったウールヴヘジン、ネルトゥス、メリカしか知らないトップオブシークレットだ。オルタナティブにばれることはありえないのだから。
「なんにしても替えが効かないウールヴヘジンとネルトゥス、カトプレバスを失ったのは痛手だ。すぐにアンブレラに連絡をして代わりのB.O.W.を……」
「いいえ、その必要はありません。グランデ将軍」
「おお、既に手配していたか。噂のハンター0やブギーマン・ブッチャーなんか吹っ掛けてみるのもいいだろう。帰したばかりだが、ゴールドマンにも連絡を……っ!?」
そう豪快に笑っていたグランデ将軍の顔が、激痛に歪む。振り返る。そこには、拳銃を構えた無表情のメリカがいた。
「…元より、貴方に未来はありませんので。閣下」
「メリカ、きさまぁ……何を撃った!?」
屈強な軍人である自分が拳銃一発で倒れることなどありえないことを目の前の裏切り者は知っている。そう結論付けて尋ねる視界に映る右手の指が瞬く間に結合し、鰭が付いた一本の触手に変形したことに戸惑うグランデ将軍。さらにズボンが破けて、無数に枝分かれした足だった触手が顔を出して、バランスをとることができずに転倒、隠し持っていた武器が散らばる。それを冷えた眼で見降ろし、苦無を握るメリカ。
「貴方が「聖なる蛇たち」から買い取ろうとしていた最新型のウイルス兵器、P-ウイルスよ。貴方は強すぎた。私でさえ一対一では勝つことは不可能。さらに普段はウールヴヘジンを必ず連れ歩いている。あまりに隙が無かった。だからオルタナティブに情報を流して潰し合わせることにした。目論見は上手くいったわ。まさか将軍の隠し玉三体を全部倒してくれるだなんて、手間が省けた」
「おまえの、仕業だったの、か……ごばああ!?」
口から黒い液体を吐き散らし、触手となった両手と脚をのたうち回らせ、その声が高くなっていき、屈強だった肉体が細くしなやかに柔らかく変化していくグランデ将軍。ついには将軍であることを示す軍服のジャケットを着ているだけの、下半身が八本の触手に、両手が一本ずつの触手になってバランスをとることができずのたうち回っている、目元が黒く染まっていて髪の毛も細い触手の様な形状になって長く伸びた、元がグランデ将軍だとは絶対わからない色白の異形の女になり果ててしまった。
「おのれ…よくもこんな、屈辱的な姿に……」
「よかったわね、P-ウイルスに適合したみたい。適合しなければ海洋生物の特徴を持つだけのゾンビになっていたわよ。RT-ウイルスを使ってるせいで適合したら性別が女性に固定されてしまうみたいだけど、貴方の望んだ人知の力を手に入れることができたわ。ああ、本当に……吐き気がする」
「っ、ぎゃああああっ!?」
意志とは関係なく動く触手の髪の間から睨みつけてくるグランデ将軍の顎を掴み、冷酷なまでに見下した顔でその眼に苦無を突き刺すメリカ。悲鳴が上がり、刺された右目を押さえてグランデ将軍はひっくり返る。
「私はね、B.O.W.が大嫌いなの!変化の象徴、混乱の根源、安定の破壊者!それを使役する貴方の事が心の底から大嫌いだったわ。そんなバランスもとれない身体じゃ抵抗もできないわよね!」
「ぐっ、ぎっ、あぁあああああっ!?」
顎に蹴りが突き刺さって打ち上げられ、肩、目、鼻、頬、口、首、腹、腰、背中、鳩尾と連続で蹴られ、急所を穿つ苦痛にのたうち回るグランデ将軍。しかしその傷も再生し、生き地獄を味わいながら吠える。
「メリカ・ユーザァアアア!貴様ッ、祖国をッ、俺をッ、裏切ったのか!?」
「まだ気づかないの?もとより、バジリブ共和国陸軍少将メリカ・ユーザなんて人間はこの世に存在しないわ。情報操作に長ける我が組織をなめていたわね。
ユーザとは我が祖国の名を冠してもじったもの。
我が名は、我が一族が祖国から引用し名付けてくれた偉大なるもの。
我が一族は、祖国を影から守ってきた偉大なる組織を作った一族。私はその組織〝ファミリー”を率いる一族の血縁、現当主ディレック・C・シモンズの姪。
私の名は、メリカ・シモンズ」
「シモンズ……アメリカの犬かぁああああああ!」
最後の力を振り絞り、手足の触手を無理やり動かしてメリカを捕らえようとするグランデ将軍だったが、距離を取りながら完全に見切られて回避され、愛用のサバイバルナイフを手にしたメリカが懐に飛び込んでいく。
「―――――之は、世界を救う戦いである。我が国を脅かす侵略者に罰を。我が祖国のために。ミゲル・グランデという〝人間”はここで死ぬ」
そして、一閃。ナイフが縦一文字に斬られ、柔らかい肉体になってしまっていたミゲル・グランデ将軍だったものを、斬り捨てるメリカ。
『きッさッッまッッッメリカァァアアッッッ!!!!』
「っ!?」
しかし次の瞬間、その体内に溜め込まれていた黒い液体が将軍の体から溢れて、爆裂。至近距離からそれを受けたメリカは吹き飛ばされ、引き起こされた地盤沈下に飲み込まれてしまった。
「エヴリン!誰かいたわ!ひどい傷……これは愛じゃないわ!」
「マザー、どうしよう……この人、両足が……」
「鼓膜も完全に破壊されてるわね。至近距離からあの爆音でも聞いたのかしら」
「私が粘液で応急処置をして命を繋げる。だが、この傷では……」
『誰か、ベロニカに連絡!例の治療法をぶっつけ本番でやってって伝えて!なんとか命だけでも助けるよ!』
「わが、そこくの、ために………」
というわけで衝撃の正体でした。あの男の姪っ子でアメリカのスパイです。祖国とは言ったが一回もグランデ将軍の祖国とは言ってなかったんですよね。グランデ将軍というアメリカの脅威を倒すためだけに側近にまでなるというとんでも行動力の持ち主です。
新たな脅威、P-ウイルス。詳細はメインになる次章にて。まあなんとなくどんなのかはわかると思いますが。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。よければ評価や感想、誤字報告などもいただけたら。感想をいただければいただけるほど執筆速度が上がります。
一番好きな世紀末編オリジナルB.O.W.は?
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ウールヴヘジン
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ネルトゥス
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カトプレバス
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モールデッド・ヘカトンケイル
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ミゲル・グランデ変異体
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メリカ・シモンズ変異体